文章の要約から画像の生成までを自動化するシステムの構築
イラスト制作を効率化!温かみのあるビジュアルでユーザーの理解度を向上!
導入前の課題(Before)
この企業では、外部のイラストレーターに制作を依頼する必要があり、1枚あたり5,000円程度の費用がかかっていました。
議会資料などで必要となるイラストは一度に数十枚に及ぶため、月に数十万円規模の外注費が発生していたのです。さらに、依頼から納品までに時間を要するため、急な修正や短い納期対応が難しい状況にありました。
特定のイラストレーターに依存することで品質の安定性にも課題があり、一貫したスタイルを維持しながらも、単調さを避けるバランスをとるのは大きな悩みとなっていました。
導入背景(WEELを選んだきっかけ)
【クライアント様からの回答】
複数の企業に相談する中で、生成AIに対する理解の深さと提案の具体性が決め手になったそうです。
初回の打ち合わせから課題の本質を的確に捉え、OpenAIのAPIや画像生成モデルの特性を踏まえた現実的な提案を受けたことで、「ここなら安心して任せられる」と感じたといいます。
また、単なる開発にとどまらず、社内で運用・内製化できるところまでを見据えてサポートしてくれる姿勢にも信頼を寄せていただきました。
検証を重ねながら費用対効果を最大化したいという要望にも柔軟に対応してもらえたことが、選定の大きなポイントになったそうです。
ソリューション概要

今回のプロジェクトでは、文章から自動的にイラストを生成できる仕組みを構築しました。
具体的には、OpenAIのAPIを用いて文章を要約し、その要約から「誰が、何を、どのようにしているか」といったイラストの具体的なアイデアを抽出しています。それを画像生成用のプロンプトへ変換し、Stable DiffusionのAPIを用いて温かみのある日本人向けのイラストを生成するプロセスを整えました。
プロンプトエンジニアリングを駆使することで、顧客の要望に沿った色味やスタイルの調整を可能にし、一貫性と高品質を両立させることに成功しています。
技術スタック/全体アーキテクチャ
OpenAIのAPIを活用し、要約した文章から具体的なイラストのアイデア(誰が、何を、どのようにしているかなど)を生成する仕組みを導入しました。
具体的には、以下のような工程を自動化しています。
- イラストを配置したい文章を要約
- 要約をもとに画像生成用のプロンプトを作成
- スタイルの調整や画像生成
生成されたアイデアを基に、Stable DiffusionのAPIを用いて温かみのある日本人らしいイラストを作成する手法を開発しました。
特に、プロンプトエンジニアリングに力を入れることで、顧客の要望に合わせた色味やスタイルの調整を可能にしたため、イラストの仕上がりが統一され、高品質な結果を安定して提供できるようになっています。
また、同じテーマで異なるスタイルのイラストが生成できるように、シード値を固定しながら多様性を確保する方法を確立し、手動による作業を最小限に抑えつつ、顧客の期待に応えるイラスト制作環境を構築しています。
実装プロセス
プロジェクトは短期間で進行し、WEELのエンジニアとクライアントの担当者が協力しながら検証と改善を繰り返しました。
双方向の意見交換を重ねることで、現実的かつ運用可能な落としどころを見つけながら進められた点が特徴です。
プロジェクトのステップ
まず文章要約の自動化ロジックを整備し、その結果をもとにイラスト用のプロンプトを生成しました。
次に、プロンプトのスタイルや色味を調整し、Stable Diffusionで複数のイラストを出力します。最後にGoogle Colab環境を通じてクライアントにコードを共有し、社内で自由に活用できる仕組みを提供しました。
実装のポイント
要約から直接画像を生成すると、意図と異なるイラストが出力されるという課題がありました。
そこで「人間だったらどう解釈するか」という視点を自然言語処理に取り入れることで、AIの理解を補強しました。
また、1枚の出力に頼るのではなく複数パターンを一度に生成するフローを採用し、最終的な選定を運用でカバーする形にすることで、効率と柔軟性を両立しました。
導入後の成果(After)

導入後は、月に数十万円規模で発生していた外注費が不要となり、大幅なコスト削減を実現しました。
さらに、必要なイラストを短時間で生成できるようになり、業務効率も飛躍的に向上。一貫性と多様性を兼ね備えた出力が可能となり、品質も安定しました。
今後の展望
今後は、会議の録音データや議事録から自動的に文章を抽出し、そのままイラストを生成する仕組みを構築していく予定です。
これにより、会議内容を即座にビジュアル化してHPや報告書に反映できる環境を実現し、人間は最終確認のみを行う体制を整えます。
将来的には、この仕組みを汎用的なプラットフォームとして拡張し、さまざまな業務で活用できる基盤として展開する計画です。
担当者コメント
WEEL: 田村画像生成AIはどうしても出力に注目が集まりがちですが、実際に重要なのは文章の抽出からプロンプトへの落とし込みでした。
自然言語処理を工夫し、人間の解釈に近い形でプロンプトを整えることが、安定した品質につながりました。
クライアントと意見を交わしながら進められたことで、現実的かつ効果的な仕組みを構築できたと感じています。
クライアント様これまでに提供されていた事例やサービスから、生成AI分野での知識と実績を強く感じました。
特に、提案の際には具体的な事例をもとに的確な回答をいただき、他社にはない信頼感を得られました。内製化に向けたサポートや、費用対効果を意識した柔軟な検証対応も非常に魅力的で、安心して任せられると感じています。

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