自社メディアの過去記事検索&まとめ記事作成のプロトタイプ開発

過去記事の検索による記事作成業務を効率化!さらに、まとめ記事の素案も作成が可能に!

導入前の課題(Before)

自社メディア運営において、マネタイズが十分に進まず、売上への貢献が限定的でした。

さらに、過去に作成した記事の内容を把握しきれず、新規記事の企画段階で「過去記事と重複していないか」を確認する作業に多くの工数がかかっていました。そのため、記事制作の効率やスピードが大きな課題となっていました。

ソリューション概要

ユーザーが求める情報にすばやくたどり着ける検索・提供システムを構築しました。 本プロジェクトでは、画面デザインの設計からPoC環境の構築、データ加工、システム実装、検証、そして成果報告までを一貫して担当。

特に、AIによる過去記事の解析と検索機能を組み合わせることで、記事制作の効率化とメディア運営全体の最適化を実現しました。 これにより、編集チームは必要な情報を瞬時に把握できるようになり、コンテンツ制作のスピードと品質の双方を向上させる結果となりました

技術スタック/全体アーキテクチャ

自社メディアの過去記事検索&まとめ記事作成のプロトタイプ開発

本システムは、メディア運営の効率化と精度の高い情報提供を両立するために、拡張性の高い構成で設計されました。データの流れとAIの推論ロジックを分離し、安定した運用と柔軟な改善が可能なアーキテクチャを採用しています。

データパイプライン構成

WordPress上の記事データを定期的に取得し、Amazon Bedrockモデルを用いてテキストをエンベディング化。変換されたベクトルデータはQdrantに格納され、定期的な更新によって常に最新の情報を反映する仕組みとしています。

これにより、記事の追加や改訂が行われても即座に検索結果へ反映される、運用性の高いパイプラインを実現しました。

LLMロジック構成

ユーザーの入力はまず自然言語解析によって意図を読み取り、適切な検索クエリへと変換。Qdrantを用いたベクトル検索により関連性の高い情報を取得し、AIがその妥当性を判定したうえで、最適な回答を生成します。

この一連のプロセスにより、単なる検索を超えた「文脈理解型の情報提供」を実現しました。

プロジェクトのステップ

本プロジェクトは、フェーズ設計のもと、要件整理から成果報告まで一貫して進行しました。 最初のステップでは、クライアントの運用要件を丁寧に整理し、ユーザーがどのように情報を探索するのかを具体的に設計。画面デザインを含むUI/UX設計を通じて、直感的に操作できる検索体験の基盤を整えました。

続いて、AIモデルとデータベースを連携させたPoC環境を構築。初期段階で技術的な検証を重ねることで、開発後のリスクを最小限に抑えました。

データ整備フェーズでは、WordPress上に蓄積された記事データを分析・加工し、AIが学習・検索しやすい形式へと構造化。エンベディング処理により、記事間の意味的な関連性を高精度で捉えられるようにしています。

その後、AIによる検索ロジックとデータパイプラインの実装を進め、情報更新が自動的に反映される仕組みを構築。 検証フェーズでは、検索結果の妥当性や応答速度を徹底的にテストし、精度のチューニングを繰り返しました。

実装のポイント

本システムの中核となるのは、データの自動取得から自然言語検索までを一気通貫で実現した設計です。

WordPressに蓄積された記事データは定期的に自動取得され、Amazon Bedrockのモデルを通じてベクトル化。この仕組みにより、記事の追加や更新が行われても、常に最新の情報をAIが参照できる状態を保ち続けることが可能です。

さらに、ユーザーが入力した自然文をAIが解析し、最適な検索クエリへと変換。ベクトルDBであるQdrantを用いて関連情報を抽出し、最終的にはLLMが文脈に即した回答を生成しています。

これにより、キーワード検索に依存しない“自然言語による直感的な情報探索”を実現しました。

導入後の成果(After)

新規記事作成時に過去記事との重複を容易に確認できるように

本システムの導入により、記事制作から運営までのワークフローが大きく進化しました。

まず、新規記事作成時に過去記事との重複を容易に確認できるようになり、編集チームはコンテンツの独自性を担保したうえでスピーディに制作を進められるようになりました。

これにより、記事制作の効率が大幅に向上。検索や確認にかかっていた時間が削減され、クリエイティブな企画や取材にリソースを集中できる体制が整いました。

また、AIによる情報解析を活用することで、メディア運営全体の精度が向上。記事の重複回避だけでなく、テーマ分析やカテゴリ設計など、戦略的なコンテンツ活用が可能になりました。

結果として、本取り組みはメディアのマネタイズ基盤を強化する重要なステップとなり、AIを活用した効率的かつ戦略的な運営体制の確立へとつながっています。

今後の展望

本システムは今後、自社メディアの検索機能の一部として公開し、実際の利用状況や効果測定を行う予定です。実運用を通じて得られたデータを分析し、検索精度や利便性のさらなる向上を図りながら、継続的に機能アップデートを進めていきます。

将来的には、この仕組みを他社メディアにも展開し、有償サービスとして提供する構想も描いています。

これにより、生成AIを活用した情報検索の価値をより多くの企業に届けるとともに、新たな収益モデルの創出にもつなげていく計画です。

担当者コメント

WEEL: 田村

LLM特有の丁寧すぎる言い回しを減らし、より人間らしい語調になるように調整に努めました。今後のアップデート案も多くあるため、順次試していきたいです!