社内QA自動応答LINE WORKSボット プロトタイプ開発

社内の問い合わせの業務効率化。RAG構成により自動で問い合わせ対応。Azureのデータセットを追加することでQAのアップデートも可能に!

導入前の課題(Before)

情報システム部門では、ユーザーからの問い合わせ対応が業務の大きな負担となっていました。日々寄せられる多くの質問やトラブル対応に追われ、担当者は1日の半分(約4時間)を問い合わせ対応に費やしている状況でした。

その結果、本来の業務であるシステム運用・改善やプロジェクト推進に十分な時間を割けず、部門全体の効率性・生産性が低下していました。また、即時対応ができないことによるユーザーの不満や作業遅延も課題となっていました。

導入背景(WEELを選んだきっかけ)

【クライアント様からの回答】

自社のIT部門では問い合わせ対応の効率化を目指し、複数のベンダーを比較検討していました。

その中で生成AIやRAG構成を活用した業務特化型システムの実績が豊富であったこと、さらにAzure環境での実装ノウハウを有していた点が決め手となったそうです。

また、単なるシステム構築にとどまらず、内製化を見据えた設計・コード解説・運用支援を行ってくれる点も評価していただき、自社エンジニアが将来的に自立して運用・改善を行えるよう伴走してくれる体制に安心感を持たれたそうです。

ソリューション概要

社内QA自動応答LINE Worksボット プロトタイプ開発

生成AIを活用した社内問い合わせ自動応答システム(LINE WORKSボット)を開発。RAG構成によるQA自動対応を実現し、Azureのデータセットを追加することでQAのアップデートも可能な仕組みを構築しました。

このプロトタイプでは、Azure基盤上でデータのEmbedding・ベクトル検索・生成AIによる回答生成を組み合わせ、効率的かつ正確な情報検索を実現。LINE WORKSとのAPI連携により、ユーザーが日常的に利用するチャット環境での自動応答を可能にしています。

技術スタック/全体アーキテクチャ

本システムはMicrosoft Azureを基盤とし、生成AIと検索技術を組み合わせたRAG構成で構築しました。

データのEmbedding回答生成には Azure OpenAI を使用し、ベクトル検索には Azure Cognitive Search を採用しています。これにより、高精度な検索と自然な回答生成を両立させる仕組みを実現しました。

また、LINE WORKS API を用いたチャット連携により、ユーザーが日常的に利用するコミュニケーションツール上でスムーズにAIとのやり取りが行えるよう設計しています。

データの前処理にはスプレッドシートを活用し、既存のQAデータを整理・加工することで効率的な学習データ管理を可能にしました。

実装プロセス

まず、スプレッドシートを用いたQAデータの前処理を実施しました。

続いて、Azure環境上にインフラを構築し、開発フェーズに移行。Embeddingやベクトル検索、回答生成の各機能をAzure OpenAIおよびAzure Cognitive Searchで実装しています。

さらに、LINE WORKSとのAPI連携を実装することで、社内チャット上でAIによる自動応答が行える環境を整備。完成後には、チャット応答の精度検証を実施し、最終的な報告書を作成してプロトタイプを納品しました。

プロジェクトのステップ

まず、スプレッドシート上でQAデータを整理・前処理するデータ整備フェーズを経て、Azure上にRAG構成のインフラを構築する環境構築フェーズを実施。

その後、Embedding・検索・生成・API連携といった主要機能を実装する開発フェーズに移行し、チャット応答の精度を検証・チューニングする検証フェーズを経て、最終的に成果をまとめた報告書作成フェーズへと至りました。

実装のポイント

プロジェクトの設計段階では、クライアント企業特有のキーワードやデータ構造に対応するため、クライアントの意見を反映しながら柔軟に設計を調整しました。

また、将来的な内製化を見据え、操作手順書やコードの解説資料を整備し、自社内で運用・改修を進められる体制づくりを支援

さらに、Azureを採用することで、データセットの追加やQA内容の更新が容易な構成を実現し、継続的な拡張性と保守性を確保しました。

導入後の成果(After)

全問い合わせ件数の5〜7割を自動応答で処理できた

AIチャットボットの導入により、情報システム部門への問い合わせ対応時間は従来の1日4時間から大幅に軽減される見込みです。

また、全問い合わせ件数の5〜7割を自動応答で処理できるようになり、担当者の業務負担が軽減。これにより、本来注力すべきシステム運用や改善業務に時間を割けるようになりました。

加えて、AIによる回答の一貫性と正確性の向上によって、ユーザーの満足度も高まり、部門全体の業務効率化と品質向上に貢献しています。

今後の展望

プロトタイプ運用後は、利用データやフィードバックをもとに回答精度の向上と対応範囲の拡大を図る予定です。問い合わせパターンに応じてデータ更新を行い、より高精度なチャットボットを目指します。

さらに、自社内での改善・アップデートを進めることで内製化を推進し、技術者のスキル向上やナレッジ共有を強化。得られたデータを他業務プロセスにも展開し、全社的な業務効率化と生産性向上を実現するAIソリューションへと発展させる計画です。

担当者コメント

WEEL: 田村

自社特有のキーワードの変換など当時はまだまだ手探りの状態でした。クライアント様のご意見も加味して設計をし、内製化も目指されていたため操作手順の作成やコードの解説なども行いました。
利活用が進んでいると嬉しいです!


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