EmDashとは?WordPressの後継を掲げるCloudflare製CMSの特徴・料金・使い方を徹底解説

EmDash とは WordPress 後継 掲げる Cloudflare製 CMS 特徴 料金 使い方 徹底 解説
押さえておきたいポイント
  • EmDashはCloudflareが開発した「WordPressの精神的な後継」を掲げるオープンソースCMS
  • プラグインを1つずつ隔離されたサンドボックスで動かし、原則として許可した範囲に動作を制限する設計
  • 全サイトにMCPサーバー・CLI・エージェントスキルを標準搭載し、AIエージェントからも運用できる

2026年9月、Cloudflareから新しいCMSの正式版がリリースされました。

今回登場した「EmDash(エムダッシュ)」は、WordPressの精神的な後継を掲げるオープンソースのCMSです。WordPressのような使いやすい管理画面はそのままに、プラグインの隔離実行・サーバーレス運用・AIエージェント対応をゼロから作り直した構成で実現しています。これまでのCMSには、「プラグイン1つの脆弱性がサイト全体を危険にさらす」「サーバーの保守やアクセス増への備えに手間がかかる」「AIエージェントから扱いにくい」といった課題がありました。

EmDashとは?WordPressの後継を掲げるCloudflare製CMSの特徴・料金・使い方を徹底解説

一方でEmDashは、プラグインごとに権限を宣言させて隔離し、Cloudflareのネットワーク上でサーバーを意識せずに動かせる設計。管理画面での主な操作は、MCPサーバーやCLIを通じてAIエージェントからも実行できます。

本記事では、EmDashの概要や仕組み、特徴を整理しながら、料金やライセンス、使い方、業界別の活用シーンについて詳しく解説します。

最後までお読みいただくことで、EmDashがどのように設計され、どのような場面で力を発揮するのかが理解できるはずです。ぜひ最後までお読みください!

\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/

目次

EmDashとは

EmDash公式サイトのトップページ
参考:https://emdashcms.com/

EmDashは、Webインフラ大手のCloudflareが開発したオープンソースのフルスタックCMSです。

公式サイトでは「The CMS for you and your agent(あなたとあなたのエージェントのためのCMS)」を掲げています。全てTypeScriptで書かれており、コンテンツ主導のWebサイト向けフレームワーク「Astro」の上に構築されている点が特徴。

2026年4月1日に開発者向けのベータ版(v0.1.0)として発表され、2026年9月28日に安定版のEmDash 1.0がリリースされました。その後も1.1(10月2日)、1.2(10月7日)、1.3(10月15日)と短い間隔でアップデートが続いています。

EmDash 1.0のリリース告知
参考:https://emdashcms.com/blog/emdash-1-0

開発の出発点は、「もしWordPressを今つくるとしたら、どんな姿になるか」という問いでした。

WordPressはWebサイト全体の40%以上で使われ、2003年の登場から20年以上にわたって誰もが情報発信できる環境をつくってきました。ただ、WordPressが生まれた当時はAWS EC2すら存在せず、ホスティングの常識はこの20年で大きく変わっています。

EmDashはWordPressのコードを一切使わずにゼロから作り直されたCMSです。それでも「管理画面で記事を書き、ボタンを押せばサイトに反映される」という使い勝手は、WordPressに近い形を目指しています。

スクロールできます
比較項目WordPressヘッドレスCMSEmDash
管理画面とサイト1つにまとまっている分かれている1つにまとまっている
管理画面の運営自社または制作会社CMSの提供会社(SaaS型の場合)自社または制作会社
記事更新の反映公開操作後すぐ反映構成によっては時間がかかる公開操作後に反映(キャッシュなど構成による)
プラグインの権限原則としてサイト全体にアクセスできる製品によって拡張の仕組みが異なるプラグインごとに隔離し、承認した権限の範囲に制限
AIエージェント対応外部ツールや追加設定による連携が中心製品によるMCPサーバー・CLI・スキルを標準搭載
日本語の導入情報非常に多い増えているWordPressと比べて限られる
WordPress(一般的な構成)・ヘッドレスCMS・EmDashの主な違い(2026年10月時点)

WordPressから移る場合、ヘッドレスCMSは管理画面の操作感やサイトの成り立ちが大きく変わります。一方でEmDashは「管理画面とサイトが1つ」という点でWordPressに近く、運用のイメージを引き継ぎやすい選択肢といえるでしょう。

実運用の実績も出始めています。Cloudflare自身の公式ブログが1.0リリース前の2026年7月にEmDashへ移行しており、Cloudflareの発表によると数百万の実ページビューをさばいています。

EmDashの仕組み

Cloudflare上に構築する場合、EmDashは主にAstro・Cloudflare Workers(D1・R2)・サンドボックス化されたプラグインで構成されます。

EmDashのAstroネイティブな構成
参考:https://emdashcms.com/

フロント側はAstroで構成され、管理画面もAstroのインテグレーションとしてサイトに組み込まれています。WordPressと同じく、CMS用のバックエンドを別に開発する必要はありません。

コンテンツがサイトに表示されるまでの流れは以下のとおりです。

  1. 管理画面でコンテンツタイプ(記事・固定ページなど)とフィールドを定義する
  2. 下書き・リビジョン・プレビューを使いながら記事を編集する
  3. 定義したスキーマからTypeScriptの型が自動生成される
  4. Astroのページが構造化されたJSONを読み込み、サーバー側でレンダリングして表示する

Cloudflare上で動かす場合、プログラムはCloudflare Workers、記事などのデータはD1(データベース)、画像などのファイルはR2(ストレージ)に置く構成が標準です。

仮想マシンとWorkers V8 isolatesの比較図
参考:https://blog.cloudflare.com/ja-jp/emdash-wordpress/

WorkersはV8 isolateと呼ばれる軽量な実行環境を使い、リクエストが来た瞬間に起動し、来なければゼロまで縮小します。待機中のサーバーを動かし続けるための費用がかからない点が特徴。

Cloudflareに縛られるわけでもありません。Node.jsが動くサーバーやVPSでも稼働し、標準のNode.jsスターターではSQLiteとローカルのファイル保存で運用します。

記事の取得はAstroの仕組みに沿った「getEmDashEntry()」などの関数で行うため、Astroに慣れた開発者であればテーマのカスタマイズやレイアウト調整に取り組みやすいでしょう。

EmDashにも搭載されているMCPサーバーについて、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

EmDashの特徴

EmDashの最大の強みは、WordPressに近い編集体験と、プラグインの安全性・AIエージェント対応の両立。ここでは主な特徴を詳しく見ていきます。

プラグインを隔離されたサンドボックスで動かせる

WordPress向けセキュリティ企業Patchstackの2026年版調査によると、2025年にWordPressのエコシステムで見つかった新規脆弱性は11,334件(前年比42%増)で、その91%がプラグインで発見されました。

これはサイト侵害の91%がプラグインで起きたという意味ではありません。ただ、WordPressのプラグインは原則としてサイトのデータベースやファイルシステムに直接アクセスできるため、プラグインの安全管理がサイト全体の安全性を左右してきました。

WordPressとEmDashのプラグイン構造の比較図
参考:https://blog.cloudflare.com/ja-jp/emdash-wordpress/

EmDashでは、各プラグインが独立した隔離環境で実行されます。Cloudflare環境ではDynamic Workers、Node.js環境ではオープンソースのworkerdランタイムの別プロセスが使われる仕組みです。

プラグインはマニフェストで「記事を読む」「メールを送る」といった必要な権限を明示的に宣言し、原則として管理者が承認した権限の範囲に動作が制限されます。

外部と通信する場合も、通信先のホスト名を事前に宣言する必要があります。スマホアプリのストアと同じく、インストール前に何を許可するのかを確認してから導入できる仕組みです。

AIエージェントから運用できる

EmDashは、AIエージェントがプログラムから管理できることを前提に設計されています。

EmDashのMCPサーバーとAIエージェント連携
参考:https://emdashcms.com/

全てのサイトにMCPサーバーが組み込まれており、Claude・Codex・CursorなどのMCPクライアントを接続・認証すれば、チームと同じ権限で下書き・編集・検索・予約投稿を任せられます。スクリプトからもREST APIとCLIで主要な管理操作を実行可能。

公式テンプレートにはエージェントスキルも同梱されています。サイト構築やプラグイン作成、WordPressの概念をEmDash・Astroに置き換えるためのガイドをAIが読み込み、作業を進められるのが特徴。

文字列の一括置換やカスタムフィールドの移行など、これまで使い捨てのスクリプトを書いていた面倒な作業も、エージェントに頼めるのではないでしょうか。

WordPressに近い管理画面と移行ツールを備える

管理画面には固定ページ・投稿・メディア・メニュー・ウィジェット・カテゴリー・タグが、WordPressユーザーが期待する場所に並んでいます。

WordPressに近いEmDashの管理画面と下書き・リビジョン機能
参考:https://emdashcms.com/

公開中のページはそのままに下書きを編集でき、過去のリビジョンの復元や予約公開、公開前のプレビューリンク共有にも対応しています。

既存のWordPressサイトからは、WXRファイルをエクスポートするか、EmDash Exporterプラグインを利用してEmDash側でインポートできます。記事・固定ページ・画像・カテゴリー・タグ・カスタム投稿タイプなどを取り込める仕組み。

EmDashのWordPressインポート画面
参考:https://blog.cloudflare.com/ja-jp/emdash-wordpress/

x402でコンテンツへのアクセスに課金できる

全てのEmDashサイトには、インターネットネイティブな決済の標準規格「x402」のサポートが組み込まれています。

EmDashとx402による課金フロー
参考:https://blog.cloudflare.com/ja-jp/emdash-wordpress/

AIエージェントなどが課金対象のコンテンツにアクセスすると、サイトは「HTTP 402 Payment Required」を返し、支払いが確認できた相手にだけコンテンツを渡します。基本設定は課金対象のコンテンツ・金額・ウォレットアドレスの3つで、サブスクリプション契約や独自の決済実装なしで始められます。

人ではなくエージェントがWebを読みに来る時代に、クリエイターが収益を上げ続けるための仕組みといえるでしょう。

パスキー認証が標準で使える

EmDashはデフォルトでパスキー認証を採用しています。標準のパスキー認証ではパスワードを使わないため、パスワードの漏洩や総当たり攻撃のリスクを抑えられます。

管理者・編集者・作成者・寄稿者などの役割ごとに権限を絞るRBACも用意されています。GitHubやGoogleでのサインイン(1.1でMicrosoftにも対応)や、SSOプロバイダーとの連携も可能。設定条件はプロバイダーごとに異なります。

スクロールできます
特徴WordPressEmDash
開発言語PHPTypeScript(Astro)
プラグインの実行本体と同じ実行環境で動き、原則としてサイト全体にアクセス可能サンドボックスで隔離し、承認した権限の範囲に制限(Cloudflare上ではWorkersの有料プランが必要)
テーマfunctions.phpで実行環境の権限の範囲内で幅広い処理が可能直接的なデータベース操作の権限を持たない
ホスティングサーバーの用意・スケーリングが必要サーバーレス(Node.jsサーバーでも可)
認証パスワードが基本パスキーが標準
AIエージェント外部ツールや追加設定による連携が中心MCPサーバー・CLI・スキルを標準搭載
コンテンツ課金プラグイン等で対応x402に標準対応
ライセンスGPLMIT
WordPressとEmDashの特徴比較(2026年10月時点)

AIに指示してサイトやアプリを作るバイブコーディングについて、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

EmDashの安全性・制約

EmDashは「プラグインに全てを渡さない」ことを軸に、安全性を設計段階から組み込んだCMSです。

EmDashのプラグイン権限確認画面
参考:https://emdashcms.com/

管理画面からインストールしたプラグインは、環境変数やファイルシステムを参照できません。インストール時には「記事を読む」「hooks.slack.comへの通信」といった要求権限が表示され、承認した内容が与えられます。

スクロールできます
安全性カテゴリ対応内容
プラグインの隔離各プラグインを個別のサンドボックスで実行し、他のプラグインやサイトのデータに直接触れさせない
権限の宣言必要な機能と通信先をマニフェストで宣言し、管理者が承認した範囲だけを許可
権限追加時の再承認アップデートで権限や通信先が増える場合、導入済みサイトは再承認が必要
サーバー構成Cloudflare上ではサーバーレス構成となり、不正なファイルを書き込んでPHPとして実行させる攻撃の前提が成り立ちにくい
認証パスキー認証が標準。役割ごとに権限を絞るRBACを搭載
プラグインレジストリの審査掲載前にCloudflareの判定モデル「Clef」でフィッシング・なりすまし・不適切なコンテンツなどを検査
AIクローラー対策1.3で、AI学習用クローラーにrobots.txtで学習しないよう求めるスイッチを追加(初期状態ではオフ)
EmDashの安全性対応一覧(2026年10月時点)

プラグインの登録先(レジストリ)は、Blueskyでも使われるAT Protocolの上に構築されています。中央の運営者が掲載可否を独占しない分散型の設計で、ホスティング会社などが独自のストアや審査の仕組みを作ることも可能です。

EmDash 1.3で追加されたAI学習拒否の設定
参考:https://emdashcms.com/blog/emdash-1-3

サンドボックスはプラグインの不具合や脆弱性による影響範囲を限定しやすくする仕組みであり、侵害されないことを保証するものではありません。付与済みの権限を通じた不正操作や実装上の脆弱性まで防げるとは限らないため、権限の適切な設定と継続的なセキュリティ対策が必要です。

一方で、導入前に理解しておきたい制約もあります。

スクロールできます
制約内容
エコシステムの規模プラグインレジストリは1.0と同時に始まったばかりで、WordPressの数千のプラグインに追いつくには時間がかかる
移行の範囲記事などのデータは移せるが、テーマ(デザイン)とプラグインで実現していた機能は作り直しが必要。特殊なブロックやカスタムフィールド、既存URLの扱いも確認が必要
レイアウト編集WordPressのページビルダーと同等のレイアウト編集機能は標準搭載されていない(ブロック編集やページ上でのインライン編集は可能)
サンドボックスの利用条件Cloudflare上でプラグインを隔離実行するには、Workersの有料プランが必要
保守の責任記事データの保管・バックアップ・本体のアップデートは自社か制作会社が担う(運用契約によって分担は異なる)
情報量WordPressと比べ、日本語の導入情報は限られる
EmDash導入時の主な制約(2026年10月時点)

本記事執筆(2026年10月21日)時点での最新版はEmDash 1.3です。1.0の公開から約3週間で3回のアップデートが行われており、仕様や画面は今後も変わる可能性があります。

AIでコードの脆弱性を見つけるClaude Code Securityについて、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

EmDashの料金

EmDashはオープンソースのため、ソフトウェア自体の利用料は無料です。主な費用は「動かす場所」と「サイトを作る・移す作業」の2つで、ほかに保守やドメイン、外部サービスの費用がかかる場合もあります。

Cloudflare上で動かす場合、公式のCloudflare向けテンプレートはWorkersの無料プランで公開できる設定になっています。無料枠を超えた場合の料金は以下のとおりです。

Cloudflare Workersの料金ページ
参考:https://developers.cloudflare.com/workers/platform/pricing/
スクロールできます
項目無料で使える範囲超えた場合・有料プラン
EmDash本体無料(MITライセンス)なし
Workers(リクエスト)1日10万リクエストまで有料プラン(Workers Paid)は1アカウントあたり月5ドルから。月1,000万リクエストまで含まれ、超過分は100万リクエストごとに0.30ドル
Workers(CPU時間)1回の処理あたりCPU時間10ミリ秒まで有料プランでは月3,000万CPUミリ秒まで含まれ、超過分は100万CPUミリ秒ごとに0.02ドル
Dynamic Workers(プラグインの隔離実行)利用不可(有料プランのみ)月1,000個のDynamic Workerまで含まれ、超過分は1個1日あたり0.002ドル。リクエストとCPU時間はWorkersの料金に合算
D1(データベース)の保存容量合計5GBまで有料プランでは5GBまで含まれ、超過分は1GBあたり月0.75ドル。読み書きした行数にも別途課金あり
R2(ファイル)の保存容量月10GBまで超過分は1GBあたり月0.015ドル(標準ストレージ)。操作回数にも別途課金あり
EmDashをCloudflare上で動かす場合の主な費用(2026年10月時点)

このほか、データベースの読み書き回数にも無料プランの上限があります。WorkersとR2ではデータの転送量(エグレス)そのものには料金がかかりません。

ただし、プラグインを隔離して動かす仕組み(Dynamic Workers)をCloudflare上で使うにはWorkersの有料プランが必要です。レジストリから入れるプラグインはこの仕組みで動くため、プラグインで機能を足す予定があるなら、月5ドルの基本料金に加えてリクエスト・CPU時間・Dynamic Workers・D1・R2の従量料金まで含めて費用を見積もっておくと確実です。

Cloudflare以外のNode.jsサーバーやVPSで動かす場合は、選んだサーバー会社の料金次第。予約投稿などの定期処理のため、本番では少なくとも1つの処理を常に動かしておく前提になります。

WordPressからの移行では、テーマやプラグインで実現していた機能の作り直しが発生します。この作業費はサイトの規模や機能によって変わるため、一律の金額は出せない点に注意しましょう。

EmDashのライセンス

EmDashはMITライセンスで公開されており、GitHubでソースコードを確認できます。

EmDashのGitHubリポジトリ
参考:https://github.com/emdash-cms/emdash
スクロールできます
利用用途可否
商用利用⭕️
配布⭕️
改変⭕️
私的利用⭕️
特許利用明示的な許諾条項なし
EmDashのライセンス(MITライセンス)

WordPressはGPLライセンスですが、EmDashはWordPressのコードを使っていないため、より自由度の高いMITライセンスを選べました。独自のテーマやプラグインを非公開のまま配布することも可能です。

ただし、MITライセンスでも著作権表示と許諾表示を残す義務があります。依存ライブラリやプラグインにはそれぞれ別のライセンスが付いている場合があるため、配布時は個別に確認しましょう。

プラグインはEmDashから独立して動くため、プラグイン作者が自由にライセンスを選べる点も特徴。NPMやPyPIにパッケージを公開するときと同じ感覚で、作者の判断に委ねられています。

EmDashの使い方

EmDashは、ブラウザで試せるPlaygroundと、手元のPCで動かすCLIの2通りで始められます。まずはPlaygroundで管理画面に触れ、その後ローカルでサイトを作る流れがおすすめです。

STEP
Playgroundで管理画面を試す

公式サイトの「Try it out in our playground」から、アカウント登録なしで管理画面を試せます。Playgroundを開くとデモ用のサイトが自動で作られ、管理者権限でログインした状態になります。

EmDash Playgroundの開始画面
参考:https://try.emdashcms.com/

ダッシュボードには下書き・メディアファイル・ユーザーの数や最近の更新が並びます。一部のメニューは日本語でも表示され、構成もWordPressに近いため、WordPressに慣れた方なら操作しやすいでしょう。

EmDash Playgroundのダッシュボード

ただし、Playgroundには利用時間の制限があり、画面下部に残り時間が表示されます。入力した内容を残したい場合は、自分の環境にデプロイして使いましょう。

STEP
記事を編集して公開する

左メニューの「Posts」から記事を開くと、タイトル・アイキャッチ画像・本文・抜粋を編集できる画面が表示されます。右側には公開設定・スラッグ・投稿者・カテゴリー・タグなどが並び、WordPressのブロックエディタに近い構成です。

EmDashの記事編集画面

編集内容を保存したら「Publish changes」を押すと、保存した下書きが訪問者に見える版として公開されます。日時を指定する「予約公開」も可能です。

STEP
ローカルにサイトを作成する

自分のサイトを作るには、Node.js 22.22以上をインストールしたうえで、ターミナルで以下のコマンドを実行します。

npm create emdash@latest

対話形式でプロジェクト名、デプロイ先(Cloudflare WorkersかNode.js)、テンプレート(Blog・Starter・Marketing・Portfolio・Blank)、パッケージマネージャーを選びます。

Node.jsを選べば、SQLiteとローカルのファイル保存で動くためクラウドのアカウントがなくても始められます。

EmDash公式ドキュメントの入門ページ
参考:https://docs.emdashcms.com/

ただし、作成時に生成される.envファイルにはプラグインの秘密情報を復号するための暗号化キーが入っています。Gitにコミットせず、デプロイ前にバックアップしておきましょう。

STEP
管理画面の初期設定を行う

プロジェクトのフォルダに移動して開発サーバーを起動します。

cd my-emdash-site
npm run dev

ブラウザで「http://localhost:4321/_emdash/admin/」を開くとセットアップ画面が表示されます。サイト名・キャッチフレーズ・メールアドレスを入力し、最後にパスキーを登録すれば管理画面に入れます。

STEP
Cloudflareにデプロイする

Cloudflare Workersを選んだ場合は、Cloudflareのコマンドラインツール「wrangler」でデータベースとストレージを作成してからデプロイします。

npx wrangler login
npx wrangler d1 create my-emdash-site
npx wrangler r2 bucket create my-emdash-media

npm run build && npm run deploy

作成したD1とR2は、プロジェクトの設定ファイル(wrangler.jsonc)のバインディングにも登録しておく必要があります。公式ブログやGitHubにある「Deploy to Cloudflare」ボタンから、ダッシュボード上で同じ設定を行うことも可能です。

コーディングエージェントを使っている場合は、エージェントにサイト構築を手伝わせる方法もあります。公式は以下のような指示文を例示しています。

Look at https://docs.emdashcms.com/llms.txt and help me build a site

既存のWordPressサイトを移す場合は、管理画面の「インポート」からWordPressのURLを入力するか、エクスポートしたWXRファイルをアップロードします。対応する添付メディアもEmDashのメディアライブラリに取り込まれます。

ただし、移行時間はサイトの規模や構成によって異なります。データを取り込めても、WordPressのテーマやプラグインがそのまま動くわけではありません。特殊なブロックやカスタムフィールド、既存URLの扱いは、移行後に表示を確認しましょう。

【業界別】EmDashの活用シーン

EmDashは、記事やお知らせを日常的に更新するサイトで力を発揮するCMSです。ここでは業界別に活用シーンを紹介します。

メディア・出版

アクセスの多いWebメディアでは、表示速度とアクセス急増への備えが課題です。

EmDashで運用されているCloudflare公式ブログ
参考:https://blog.cloudflare.com/ja-jp/emdash-wordpress/

Cloudflareの公式ブログは、大量のアクセスが集まる発表週に合わせてEmDashへ移行。Cloudflareの発表によると、多数の執筆者による記事を分単位で予約公開しながら、数百万の実ページビューをさばいたとされています。

x402を使えば、AIエージェントによる記事の読み取りに課金する新しい収益モデルを試すこともできるでしょう。

出版業界での生成AIの活用について、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

マーケティング・オウンドメディア

オウンドメディアやコーポレートサイトの運用では、更新作業の手間とプラグインの管理負担がつきものです。

EmDashなら、MCPサーバー経由でAIエージェントに記事の下書き作成や予約投稿を任せられます。公式サイトの使用例では、Claudeに「6月1日9時公開のサマーセール記事を下書きして」と頼むと、重複チェック・下書き作成・予約設定までを実行していました。実際の結果は、使うAIモデルや与えた権限によって変わります。

EmDash Buildの画面
参考:https://build.emdashcms.com/

1.0と同時にアルファ版が公開された「EmDash Build」は、作りたいサイトを文章で伝えるだけでAstroのサイトと管理画面を生成するAIサイトビルダーです。キャンペーンページの試作などに使える可能性があります。

生成AIのマーケティング活用方法について、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

EC・小売

ECサイトに併設するブログや商品紹介ページでは、セール時のアクセス集中で表示が遅くなる問題が起こりがちです。

EmDashをCloudflare上で動かせば、アクセスが急に増えてもWorkers側の処理能力が自動で調整されます。訪問者に近い拠点でページを組み立てるため、データベースやキャッシュの構成によっては表示の遅延を減らせるでしょう。

決済や在庫連携などの機能を独自のプラグインで追加する場合も、外部への通信先を事前に宣言させる仕組みがあるため、想定外の通信先へデータが送られるリスクを抑えられます。

ECサイトでの生成AIの活用について、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

自治体・公共機関

自治体や公共機関のサイトは、改ざんや情報漏洩が起きたときの影響が大きく、セキュリティ対策が欠かせません。

EmDashはパスキー認証が標準で、プラグインも隔離された環境で動きます。役割に応じた権限管理ができるため、複数の職員がお知らせを更新する運用にも合わせやすいのではないでしょうか。

自治体での生成AIの活用について、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

EmDashを実際に使ってみた

ここでは、EmDashの売りであるAIエージェントからの運用を試してみます。ローカルに作ったEmDashのサイトにClaude CodeをMCPで接続し、記事の下書きから公開予約までを自然な言葉で任せてみました。

MCPの接続には認証が必要です。管理画面にログインしているだけでは接続できないため、今回は管理画面で発行した個人用アクセストークンを使って接続しました。

記事一覧を取得する

まずは接続の確認を兼ねて、記事の一覧を取得してもらいます。

EmDashの記事一覧を最新順に5件見せて

Claude CodeがEmDashのツールを呼び出し、タイトル・スラッグ・ステータス・抜粋を表にまとめて返してくれました。8件全ての作成日時が同じことから「初期データがまとめて入っただけのように見えます」と、サンプル記事であることまで読み取っています。

記事の下書きと公開予約を任せる

続いて、記事の作成から予約までを1回の指示で依頼してみます。

EmDashのブログに「EmDashを試してみた」という記事を、既存の記事と重複しないか確認してから下書きして。カテゴリーは「お知らせ」、明日の朝9時に公開予約して。

実際に処理している様子がこちらです。

Claude Codeは依頼を「重複の確認」「カテゴリーの確認」「下書きの作成」「公開予約」「結果の確認」の5つのステップに分解し、順番に進めていきました。

既存の記事を「EmDash」で全文検索して重複がないことを確かめたうえで、カテゴリー一覧を取得。「お知らせ」カテゴリーが存在しないことに気づくと、自分で作成してから記事の作成に進みました。

最終的に、「EmDashを試してみた」という記事が翌日9時に公開予約された状態で作成されました。完了報告には、重複チェックの結果、作成した記事のスラッグと予約日時、カテゴリーの扱いまでが整理されています。

管理画面で作成された記事を確認する

EmDashの管理画面を開くと、AIが作成した記事が編集画面にそのまま表示されています。

本文は「導入して最初に確認したこと」「良かったところ」「これから」の3つの見出しで構成され、抜粋(Excerpt)まで入力されていました。見出しや箇条書きも管理画面のエディタで崩れずに表示されており、人間がそのまま手直しを続けられる状態です。

アイキャッチ画像や筆者名は設定されていなかったため、公開前の仕上げは人間が担う形になります。

それでも、重複確認から下書き・予約までを1回の指示で終えられるのは、日々の更新作業を大きく減らしてくれるのではないでしょうか。

【課題別】EmDashが解決できること

EmDashが解決できる代表的な課題を紹介します。WordPressの運用で多くの人が抱えてきた悩みに、どのようにアプローチするかを見ていきましょう。

プラグインの脆弱性による被害範囲を限定できる

WordPressでは、1つのプラグインの不具合や脆弱性がサイト全体に影響することがありました。プラグインをこまめに更新するなどの運用で対策はできても、導入数が増えるほど手間がかかります。

EmDashでは、各プラグインの動作が原則として承認された権限の範囲に制限されます。あるプラグインに問題があっても、WordPressと比べて被害範囲を限定しやすい設計です。

サーバーの保守やアクセス急増の心配を減らせる

Cloudflare上で動かす場合、サーバーのOSやPHPのバージョンを自分で更新・管理する必要がありません。

アクセスが増えれば自動で処理能力が調整され、アクセスがなければゼロまで縮小します。「サーバーの容量が足りずに表示が遅くなる」といった悩みも少なくなるでしょう。

AIエージェントにサイト運用を任せられる

多くのCMSは、AI対応を後付けの機能やプラグインで補っている状況です。

EmDashは管理画面でできる操作を、エージェントからも権限の範囲内で実行できるよう設計されています。記事の下書きや予約投稿、コンテンツの一括修正、プラグインの作成まで、普段使っているAIツールから頼めるのが強みです。

スクロールできます
項目解決できること留意点
プラグインのセキュリティサンドボックスで隔離し、被害範囲を限定しやすくする付与済み権限の悪用までは防げない。Cloudflare上での隔離実行にはWorkersの有料プランが必要
サーバーの保守サーバーレスで自動スケーリング。OSやPHPの管理が不要データの保管やバックアップ、本体の更新は自社で担う
更新作業の負担MCPサーバー・CLIでAIエージェントに運用を任せられるエージェントに与える権限の設計が必要
WordPressからの移行記事・画像・カテゴリー・カスタム投稿タイプなどを取り込めるテーマとプラグインの機能は作り直しになる。移行時間は規模や構成による
EmDashで解決できることと留意点

Webサイトを使った集客の進め方について、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

生成AIなどのご相談はWEELへ

EmDashを活用することで、WordPressに近い使い勝手を保ちながら、プラグインのセキュリティリスクやサーバー保守の負担を減らし、AIエージェントによるサイト運用まで実現できます。一方で、移行範囲の見極めやプラグイン・エージェントに与える権限の設計次第で効果が大きく変わるため、専門家の支援を受けながら段階的に導入を進めることも重要な選択肢です。

「生成AIで新しいプロダクトを作りたい」「もっと本格的に生成AIを業務に組み込みたい」とお考えの方は、ぜひ株式会社WEELにご相談ください。

開発実績として、

・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント

などの開発実績がございます。

生成AIを活用したプロダクト開発の支援内容は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。
➡︎株式会社WEELのサービスを詳しく見る。

アイデア段階でも構いません。まずは無料相談でお気軽にご相談ください。
➡︎生成AIを活用したプロダクト開発・業務効率化について相談する

生成AIを社内で活用していきたい方へ
メルマガ登録

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、通勤時間に読めるメルマガを配信しています。

最新のAI情報を日本最速で受け取りたい方は、以下からご登録ください。

また、弊社紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。

EmDashのよくある質問

EmDashは無料で使えますか?

EmDash本体はMITライセンスのオープンソースで、ソフトウェア自体は無料です。Cloudflare向けの公式テンプレートはWorkersの無料プランで公開できますが、プラグインを隔離して動かす仕組みを使うにはWorkersの有料プラン(月5ドルから)が必要です。有料プランでは、利用量に応じた従量料金も発生します。

WordPressのテーマやプラグインはそのまま使えますか?

そのままでは使えません。記事・固定ページ・画像・カテゴリー・タグなどのデータは移行ツールで移せますが、テーマとプラグインで実現していた機能は作り直しになります。標準のエージェントスキルには、WordPressのテーマをEmDashに移す方法のガイドも含まれています。

Cloudflare以外のサーバーでも動かせますか?

動かせます。EmDashはNode.jsが動くサーバーやVPSでも稼働し、主要な機能を利用できます。ただし、プラグインはオープンソースのworkerdランタイムの別プロセスで隔離されるなど、Cloudflare上とは実行方式や必要な設定が異なります。

EmDashは商用サイトに使えますか?

MITライセンスのため、商用利用も可能です。独自のテーマやプラグインを非公開のまま配布することもできます。2026年9月に安定版の1.0がリリースされ、公式は個人ブログから大規模な本番サイトまでの利用を案内しています。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次