【AI秘話】ChilloutMix生みの親が語る、日本の画像生成AI業界における可能性

【AI秘話】ChilloutMix生みの親が語る、日本人の画像生成AI業界における可能性

この記事は、二本立てのうちの後半です。
前半の記事をご覧になっていない方は、こちらをご覧ください。

WEELメディア事業部です。

みなさん!今SNSで話題の「AIグラビア」ってありますよね。

この度なんとAIグラビアの元祖、TASUKUさん(@TASUKU2023)へのインタビューが実現しました!

TASUKUさんは、リアルなAI美女が生成できちゃうStable Diffusionの派生モデル「ChilloutMix」を作られた方。顔出しありでTVに出演されたこともある、AIアートの伝道師なんです。

ということで前回に引き続き、TASUKUさんへのインタビュー記事2本目!今回はStable Diffusion界隈で活躍する、日本人コミュニティのすごさをお届けします。

目次

Stable Diffusion界隈で日本人が活躍中

TASUKUさんへのインタビューの中で、以下のような話題が出てきました。


WEEL

そういえばStable Diffusionのユーザーコミュニティ内で、日本の方が結構活躍なさっていると思うんです。

TASUKUさん

そうです!日本からもめっちゃ貢献してます。

WEEL

ですよね!すごいと思うんですよ。

WEEL

それなら「日本人コミュニティが与えたステーブルディフュージョンへの影響」みたいな記事を出しちゃいたいです!


ということで今回は、Stable Diffusion界隈で活躍する日本人コミュニティに焦点を当てて、インタビューの内容をお届けしていきます。

そもそもStable Diffusionが広まった理由

WEEL

画像生成AIは数あれど、ユーザー主体で次々と拡張機能がリリースされているのはStable Diffusionぐらいだと思うんですよ。

WEEL

ここまでStable Diffusionが普及した理由について、TASUKUさんはどうお考えですか。詳しくお聞かせください!

TASUKUさん

モデル開発がStabilityAIの社内だけで完結していたら、ここまで広まらなかったんじゃないでしょうか。

TASUKUさん

最大の理由としてはオープンソース化、つまりユーザーが主導して一気に新しいモデルを派生させてきたことにあるかなと。

TASUKUさん

ユーザー側からの拡張機能の追加も盛んにおこなわれてLoRAや階層マージが盛んになりました。

WEEL

そうだったんですね!

LoRA Block Weightは日本発の拡張機能

爆発的に広まったStable Diffusionでは、日夜ユーザーのコミュニティ内から新たな拡張機能が登場しています。その中でも今回は、日本発の画期的な拡張機能についてTASUKUさんのお話が聞けました。


WEEL

日本発のStable Diffusion拡張機能で「これはすごい」っていうものがあったら、教えていただけませんか?

TASUKUさん

LoRA Block Weightですかね。これが登場してから、LoRA階層ができるようになったんです。

TASUKUさん

階層マージもそうなんですけど、このLoRA階層は日本人コミュニティ発なんで。これでだいぶStable Diffusionの画像の表現のしやすさが変わりましたね。

WEEL

そのLoRA階層と普通のLoRAの違いを教えていただいてもいいですか?

TASUKUさん

そうですね。まずLoRAって顔のタッチだけでなく、背景や衣装にも影響するんです。

TASUKUさん

だけどやっぱり、顔だけとか手だけとかで、タッチを変えたいじゃないですか。そこで階層の概念が出てくるんです!

【補足】LoRA階層とは

Stable DiffusionのLoRAは合計17の階層に分かれています。そして各階層については、背景・衣装・顔などの要素を含んでいるのが特徴です。

そのため、LoRAを有効にしたい階層とその中の要素を選ぶことで

参考:https://github.com/hako-mikan/sd-webui-lora-block-weight

このようにある程度狙いを定めて、画風が変えられます。これがLoRA Block Weightでできる処理、LoRA階層なんです!

参考記事:GitHub – hako-mikan/sd-webui-lora-block-weight

日本人コミュニティの結社「AiHUB」

現在、TASUKUさんは「AiHUB / AIHUB株式会社」のアーティストとしても活躍中です。そのAiHUBの起源は、生成AI界隈のおける日本人コミュニティなんだとか。今回はAiHUBの活動内容について、TASUKUさんからお話が聞けました!

AiHUBでのTASUKUさんの目標

WEEL

TASUKUさん的に、日本人コミュニティで叶えていきたい目標ってありますか?

TASUKUさん

クリエイター側のアニメ会社さんとか出版社さんを追っていると、画像生成AIを使いたいっていう要望が聞こえてくるんです。だから、その要望は叶えていきたいなと思いますね。

WEEL

めちゃめちゃいいことだと思います。

TASUKUさん

それで僕が所属している「AiHUBのほうで、生成AIを使ってクリエイティブを加速させる方法がないかっていうのは結構探してますね。

AiHUB結成の秘話

WEEL

そのAiHUBについて、結成の経緯を詳しく聞かせていただいてもよろしいでしょうか?

TASUKUさん

もともと2022年の秋からStable Diffusionのユーザー同士のコミュニティが母体になっています。

WEEL

なるほど。

TASUKUさん

そのコミュニティとしては、海外勢に取られる前に日本国内にちゃんと還元できるようなAI文化を発展させるのが悲願だったんですよ。

TASUKUさん

ただ、それを実現するならGPUが必要じゃないですか。だから、そのコミュニティで集まってAiHUBとして法人化して、計算資源を確保してますね。

WEEL

あ、そうだったんですね!めちゃくちゃいい話ですね……
ということはAiHUBって、いわゆるオープンソース界隈の結社みたいなものなんですか?

TASUKUさん

そうですね。 だから有名モデルの作者が多数在籍してますし、拡張機能の改善に貢献している人も多く在籍してますよ。

AiHUBの目指す未来

WEEL

なるほど。先ほどおっしゃっていた日本人コミュニティの悲願、つまりはAiHUBの目標って具体的にはどういった内容なんでしょうか?

TASUKUさん

そうですね、昔「モデルリーク」があったじゃないですか。

WEEL

ありましたね。

TASUKUさん

あれもかなり歯がゆいものがあって。今のStable Diffusion派生モデルって結構、マージ元にリークモデルが混入していたりするんです。つまり不正なモデルに汚染されてる感じですね。

TASUKUさん

そういう、個人じゃ解決できない問題をみんなで集まって解決したいなと。だからAiHUBではGPUを調達して、権利上の問題をクリアしたモデルを作ろう、みたいな活動をやってますね。

WEEL

そのモデルというのは、オープンソースにするご予定で?

TASUKUさん

いや、今はオープンにするようなモデルは作っていません。

TASUKUさん

「オプトイン方式で集めた学習データを、改ざんの難しいブロックチェーンで管理する」っていうモデルを検討しているんですよ。これアニメチェーン構想」っていう、僕から発信していきたい活動ですね!

WEEL

なるほど。ぜひぜひ応援したいです!
それにしても画像生成AIって、いろいろ批判の的にされがちですよね。

TASUKUさん

そうなんですよ。リアル系もディープフェイクやポルノのイメージが定着しちゃうと、心理的なハードルができちゃいますよね。

印象に残ったAiHUBでのお仕事

WEEL

最後に一つ!これまでにAiHUBで関わってこられたお仕事で、印象に残っているものってありますか?

TASUKUさん

2ヶ月前にAiHUBでお受けした案件をお見せしましょう!

TASUKUさん

これは「BEYBLADE X」のMVですね。同時期のAI動画のなかでは多分、一番綺麗な仕上がりになっています。

WEEL

へー、すごい!この動画って、3DCGと生成AIの合わせ技なんですよね?

TASUKUさん

そうですね。クレジットを見てもらいたいんですけど、一度モーションアクターさんに踊ってもらって動画を撮ってます。それを3DCGと生成AIでより綺麗にしていますね。

TASUKUさん

このMVを全部3Dで作ろうとすると本当に大変なんで、やっぱりAIがあって助かりましたね。

WEEL

すごいですね!いい成果物を最後に教えていただきました。
ありがとうございます。

WEEL

これからも日本人コミュニティやその結社・AiHUBから、革新的な画像生成技術が出てくるかもしれません。今後の動向も要チェックですね!

画像生成AI界の日本人コミュニティは影の功労者

今回はTASUKUさんへのインタビュー記事2回目、「StableDiffusionにおける日本人コミュニティの貢献」ついてお届けしました。以下でもう一度、日本人コミュニティの足跡を振り返っていきましょう!

Block Weight:生成AIに階層マージの概念をもたらした
AiHUB:生成AI文化の発展と国内への還元を目指す
アニメチェーン構想:学習データの正当性担保を狙う

このように彼らは、日本の未来を陰ながら支える功労者なのです。

ですがそれでも「AI=悪」ではありません。弊社としては今後も、日本人コミュニティを応援していきたい所存です!

現在TASUKUさんは「AiHUB / AIHUB株式会社」にて、著作権問題を克服した画像生成AIの開発を目指しています。AiHUBの活動内容については、こちらをご覧ください。
→AiHUBのトップページ

前編の記事をご覧になっていない方はこちらをご覧ください。

最後に

いかがだったでしょうか?

弊社では

・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
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などの開発実績がございます。

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投稿者

  • 2sc

    テクニカルライター 大学時代はアリの生態を研究。 ラボで唯一、Pythonを使ってデータ分析を効率化していた。 現在はライターとして、オウンドメディアや学術記事の執筆に当たっている。

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