AIニュースキャスター、独裁政権に挑む

ベネズエラでは、独裁的なマドゥロ政権下でジャーナリストが厳しい弾圧に直面しています。

この状況を打開するため、AIで生成した架空のニュースキャスターを活用する革新的な取り組みが始まりました。

2024年7月の大統領選挙でマドゥロ氏が3期目を獲得しましたが、その結果には世界中から疑念の目が向けられています。

選挙後、反対派や活動家への弾圧が激化し、多くのジャーナリストが逮捕される事態となりました。

この危機的状況を受け、コロンビアのジャーナリズム・プラットフォーム「Connectas」が画期的な解決策を提案しました。

AIが作成した仮想ニュースキャスターを使用し、実在のジャーナリストの安全を確保しつつ、日々のニュースを配信する試みです。

この取り組みには約20のメディアと100人近くのジャーナリストが参加しており、「Chama」や「El Pana」といった愛称のAIアバターがニュースを伝えています。

彼らは放送冒頭で自身がAIであることを明かした上で、選挙の不正や政権による弾圧について報じるのです。

この革新的なアプローチは、言論の自由を守りつつ、ジャーナリストの安全を確保する新たな可能性を示しています。

しかし、同時にAIを用いた報道の信頼性や倫理的な問題も浮き彫りになっているでしょう。

参考記事：Gigazine