DeepSeek(ディープシーク)とは?話題の中国発LLMの概要から使い方、活用事例まで解説
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- DeepSeekとは、中国・杭州の企業が開発したLLM
- GPT-4oやOpenAI o1並みの高性能モデルを低コストで提供
- Webブラウザ版、スマホアプリ版、API版、Hugging Face版が利用可能
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
みなさん!中国発、話題の生成AIチャット「DeepSeek」で遊んでみましたか?
DeepSeekではなんと、完全無料・メールアドレスの登録だけで、GPT-4oやOpenAI o1並みの最強LLMが使えてしまいます。これまでChatGPTで有料版へのアップグレードを悩まれていた方に朗報です。
当記事では、そんなDeepSeekを徹底解説!誰でも気軽に使えるWebブラウザ版 / スマホアプリ版を中心に、その特徴・使い方・注意点などをお伝えしていきます。
完読いただくと、日常の作業にDeepSeekを活用したくなっちゃうかも!ぜひぜひ、最後までお読みくださいね。
DeepSeekとは?
「DeepSeek」は、中国・杭州の同名企業が開発・リリースするLLM(大規模言語モデル)のシリーズです。その特徴は以下のとおりで、「中国からChatGPTに匹敵するLLMが登場した」と話題になりました。
- OpenAIのLLMに匹敵する高性能モデルをローコストで提供
- DeepSeek V3:GPT-4o以上の性能を1/9以下のコスト(API料金)で提供
- DeepSeek R1:OpenAI o1並みの性能を1/2以下のコスト(API料金)で提供
- 様々な形態でリリース中
- Webブラウザ版:完全無料でChatGPT Plus並みの機能が使える
- スマホアプリ版:iOS / Androidから無料でChatGPT Plus並みの機能が使える
- API版:有料で大型モデルをアプリに組み込める
- Hugging Face版:ローカル環境で高性能モデルが使える
- 日本語にも完全対応
上記のとおりどこをみてもセンセーショナルなDeepSeekですが、なかでも2025年1月15日に登場したスマホアプリ版は、日米のアプリストアでダウンロード数1位を獲得しています。
今後、生成AI開発競争の主戦場は中国に移るのでしょうか?当記事では、DeepSeekの実力や使い方を詳しくみていきましょう!
公式サイト:DeepSeek
なお、その他中国製LLMについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
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Webブラウザ版 / スマホアプリ版DeepSeekの特徴
まずは、プログラミングの知識不要で誰でも気軽に使える「Webブラウザ版 / スマホアプリ版DeepSeek」の特徴を4点ご紹介します。以下、話題を呼んだ利用料金から詳しくみていきましょう!
完全無料
DeepSeekが搭載するLLM(後述)には、トレーニング時・生成時の演算コストを抑える新技術が採用されています。そのためか、Webブラウザ版とスマホアプリ版についてはなんと、完全無料・メールアドレスの登録だけで利用が可能です。
ChatGPT的な機能・性能を提供
Webブラウザ版 / スマホアプリ版DeepSeekは以下のとおり、ChatGPTライクな機能と性能を有しています。
- 通常のチャット:GPT-4o超えのLLM「DeepSeek V3」が回答を提供
- ファイルアップロード:画像・PDFのアップロードに対応
- DeepThink:OpenAI o1並みのLLM「DeepSeek R1」が回答を提供(1日50回まで)
- Search:Web上の最新情報をブラウジングして、DeepSeek V3が回答を生成
まだまだGPTsやCanvasのような便利機能はありませんが、無料で一昔前のChatGPT Plus並みに使えるのは魅力的です。
GPT-4o超えのLLM「DeepSeek V3」を搭載
DeepSeekでは、通常のチャット時とWebブラウジング時に「DeepSeek V3」というLLMが利用可。こちらはなんと、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetに匹敵する性能を誇ります。DeepSeek V3の具体的なスペックは、以下のとおりです。
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- 様々なベンチマークで、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetを上回るスコアを記録
- 推論(MMLU-Pro / GPQA-Diamond)やデバッグ(SWE-bench Verified)でGPT4-oに圧勝
- 数学(MATH 500 / AIME 2024)やコーディング(Codeforces)ではClaude 3.5 Sonnetにも圧勝
- 革新的な技術でコスト削減・性能向上を実現
- Multi-head Latent Attention(MLA):キーとバリューを圧縮して高速化・省メモリ化を実現
- DeepSeekMoEアーキテクチャ:MoE(Mixture-of-Experts)よりも細かく、タスク別で処理を最適化
- Multi-Token Prediction(MTP):直後の単語に加え、文章の全体像も事前に予測して回答を最適化
…etc.
- 蒸留により、通常のLLMでありながらDeepSeek R1(後述)の推論能力を一部継承
- 日本語にも対応
文章からソースコードまで、十分なクオリティのものが無料・無制限で生成できるというのは、ライバルにない強みです。
なお、DeepSeek V3について詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
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o1並みのLLM「DeepSeek R1」も搭載
Webブラウザ版 / スマホアプリ版DeepSeekは、推論モデルの力で複雑な問題の解決にあたる機能「DeepThink」も完備。このDeepThinkに採用されているのは「DeepSeek R1」という推論モデルで、こちらは以下のとおりOpenAI o1に肉薄する性能を誇ります。
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- 各種ベンチマークで正式リリース版OpenAI o1に匹敵するスコアを記録
- 推論(GPQA-Diamond / MMLU)
- 数学(AIME 2024 / MATH 500)
- コーディング(Codeforces / SWE-bench Verified)
- 大規模な強化学習(RL)と最小限の教師ありファインチューニング(SFT)で高性能を実現
- 推論能力の向上自体はRLのみで実現
- 思考過程の例をSFTで学習させることで推論の無限ループや破綻を防止
- 日本語にも対応
- Webブラウザ版 / スマホアプリ版の「DeepThink」機能では1日50回まで無料で利用可能
DeepSeekの「DeepThink」については、利用回数の制限こそありますが、OpenAI o1並みの問題解決能力が完全無料で利用可能。これを活用しない手はありませんね。
なお、DeepSeek R1について詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
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DeepSeekの使い方
ここからは、Webブラウザ版 / スマホアプリ版DeepSeekの使い方を徹底解説。アカウントの登録方法からチャットでの会話方法まで、手順を画像付きでご紹介していきます。
Webブラウザ版DeepSeekでのチャット方法
ここでは、Webブラウザ版DeepSeek(DeepSeek Chat)の使い方をお見せします。まず、DeepSeek公式サイトにアクセスして、下図のように画面左側「Start Now」をクリックしてみましょう。
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すると以下のとおり、アカウント登録画面に移ります。ここでは「メールアドレス」または「既存のGoogleアカウント」を使って、DeepSeekのアカウントが作成可能です。(今回はGoogleアカウントでログインします)
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アカウント登録・ログインが完了すると、以下のチャット画面が出現。あとは、画像中に赤枠&赤文字で示した手順でDeepSeekとの会話が行えます。
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以上のとおり、Webブラウザ版DeepSeekはChatGPTライクなUIのため、誰でも違和感なく使えるでしょう。
スマホアプリ版DeepSeekでのチャット方法
スマホアプリ版DeepSeek(DeepSeek App)については以下のとおり、iOSとAndroidの両方でリリースがなされています。以下、共通の使い方をみていきましょう!
iOS版:「DeepSeek – AI アシスタント」をApp Storeで
Android版:DeepSeek – AI アシスタント – Google Play のアプリ
まずは以下のとおり、アプリストア(iOSのApp Store)でDeepSeekをインストールします。
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インストール後、DeepSeekのアプリを開くと以下の画面が現れるはずです。こちらでは、「メールアドレス / 既存のGoogleアカウント / 既存のAppleアカウント」のいずれかで、アカウント登録・ログインが行えます。
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アカウント登録・ログインを済ませると、以下のチャット画面が出現。あとは、Webブラウザ版と同じ方法でチャットが可能です。
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スマホアプリ版DeepSeekがあれば、外出先でも気軽に長文が生成できちゃいそうですね。
DeepSeekを使ってみた!
続いては、実際にWebブラウザ版DeepSeekを使ってみて、その操作感・性能をお見せしていきます。まずは、基本のDeepSeek V3によるチャットから、手順をみていきましょう!
通常のチャット
手始めに、DeepSeekの通常のチャット(DeepSeek V3)について、以下のプロンプトでその実力を試していきます。
ハート型のグラフを書くためのpythonコードを生成して。
果たして、DeepSeekは適切なソースコードを生成できるのでしょうか?以下、回答をご覧あれ!
DeepSeekの回答はこちら
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以上のとおり、DeepSeekは日本語のプロンプトを理解して、ソースコードと説明を返してくれています。それでは本題、DeepSeekが生成してくれたソースコードをGoogle Colaboratory上で実行してみましょう。
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見事、DeepSeekのソースコードはバグひとつなく、ハート型のグラフを描画しました!これは「GPT-4o並み」という前情報に偽りなしかもしれませんね。
画像のアップロード
次に、DeepSeekに以下のプロンプトと画像を与えて、マルチモーダルでの性能も検証していきます。
画像中の質問に答えて。
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それでは早速、結果をみていきましょう!
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残念!DeepSeekは画像中の文字しか読み込んでくれませんでした。しかも、「Wolf」を「Walk」と誤読してしまっています。
画像アップロード時の待ち時間が妙に長かったため、おそらくLLM本体ではなくサービス側に問題があるのかもしれません。今後のアップデートを待ちましょう!
Webブラウジング
今度は「Search」ボタンをクリックして、DeepSeekのWebブラウジング機能を試していきます。ここで使用するプロンプトは以下のとおり。信ぴょう性の低い情報を事実のように述べており、DeepSeekのハルシネーション耐性が測れるようになっています。
イエティとビッグフットがギガントピテクスの末裔であるという根拠を教えて
では早速、「Search」ボタンをクリックして上記を入力・送信してみましょう!
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これまた残念。Webブラウジングは失敗してしまいました。こちらも今後のアップデートを待つほかなさそうですね。
DeepThink
最後に、無料で使えるDeepSeekの目玉機能「DeepThink(DeepSeek R1)」についても、その実力を検証していきましょう。ここで使用するプロンプトは以下のとおりで、東大入試の数学の過去問から出題しています。
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#命令
あなたは最強最高の天才数学者です。
以下のルールの競技について、問題の解を説明してください。
#競技
・競技のプレイヤーはあなたと相手の2人
・じゃんけんを何回も繰り返し、獲得点数を競う
・グーで勝てば3点、チョキで勝てば5点、パーで勝てば6点もらえる
・相手に負ければ相手に点数が入るので、相対的にはあなたが失点することになる
#問題
相手が(1/3、 1/3、 1/3)という戦略を取ってくるとき、自分がもらえる得点の期待値を最大化する戦略を求めよ。
ちなみに、上記の問題の答えは「常にチョキを出し続ける」で、その根拠となる得点の期待値は以下のとおりです。
勝ちで増える得点差 | 負けで減る得点差 | 得点の期待値 (相手はランダム行動) | |
---|---|---|---|
グー | +3 | -6 | -1 |
チョキ(最適) | +5 | -3 | +2/3 |
パー | +6 | -5 | +1/3 |
それでは、気になるDeepSeekの回答をご覧ください。
DeepSeekの回答はこちら
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お見事です!プロンプトでヒントを与えているのもありますが、DeepSeek R1は東大数学の問題を正しい手順で解いてくれました。ついに、無料でこのレベルのLLMを使える時代が到来してしまったのですね……
DeepSeekの活用事例6選
ここからは、SNSでバズったDeepSeekの活用事例を計6つお届けします。以下、詳しくみていきましょう!
DeepSeekの活用のコツまとめ!
以下の投稿では、話題のDeepSeekについて「これだけは知っておきたい情報」をまとめてくれています。その中には「DeepSeekの活用のコツ」も含まれていて……ひとまず、投稿をチェックです!
DeepSeekは中国生まれのLLMだけあって、しばしば日本語の回答を返してくれないことがあります。そんな時に活躍するのが、上記投稿で紹介されている「英語で考えて日本語で回答すること」という一節。こちらをプロンプトに含めることで、安定して日本語の回答が得られるとのことです。
上記投稿ではそのほかにも、「DeepThinkとSearchの組み合わせがリサーチにおいて最強」「サイバーエージェントから日本向けの派生モデルが登場中」といったビッグニュースも紹介されています。元の投稿も要チェックですよ!
DeepSeekでWindsurf AIが超便利に!
生成AIで(ほぼ)ノーコード開発ができるIDEの「Windsurf AI」は、DeepSeekの各モデルにも完全対応!以下の投稿のように、Claude 3.5 Sonnet並みの機能が無制限に使えちゃいます。
Windsurf AI×DeepSeekなら、外部ツールとの連携やWebブラウジングもお手のもの。エンジニアの方はぜひとも、お試しください!
なお、Windsurf AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
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DeepSeek R1がスネークゲームで大活躍!
推論モデルのDeepSeek R1なら、ちょっとしたゲームも器用にプレイできてしまいます。たとえば、以下の投稿では「スネークゲーム」をDeepSeek R1とOpenAI o3-miniにプレイさせているのですが、これがなかなかに接戦です。
上記投稿におけるスネークゲームの内容は以下のとおり。こちらを2,800回戦した結果はo3-miniの勝利なのですが、DeepSeek R1も健闘していたようです。
- OpenAI o3-miniとDeepSeek R1が対決
- OpenAI o3-miniはヘビ「1」を、DeepSeek R1はヘビ「2」をそれぞれ操作
- ヘビはエサ「A」を食べながら成長
- 先に頭部を壁や相手の体に衝突させたほうが負け
そんな状況判断能力に優れたDeepSeek R1なら、最強のAIエージェントが作れるかもしれません。
生成AI検索エンジンにもDeepSeekが続々採用中!
Perplexityを筆頭に、生成AI搭載の検索エンジンが続々とDeepSeekを採用しています。しかも、日本から安全にDeepSeekを利用できる仕様になっているようす。まずは、「百聞は一見にしかず」ということで、投稿をご覧ください!
このように、DeepSeekを採用した各検索エンジンでは、中国本土のサーバーに情報を流出させないしくみが完備されています。これなら、安心して業務にDeepSeekが使えるかもしれませんね。
DeepSeekをローカル環境で動かしてみた!
DeepSeekについては、Hugging Faceからローカルで動かせるモデルが公開中です。こちらとOllamaを駆使すると以下のとおり、デスクトップでDeepSeekとの会話が楽しめます。
上記投稿では、「唐揚げにレモンをかけることの罪深さ」について、DeepSeekがユーモアたっぷりに答えてくれています。それなりに読みやすい文章が返ってきているので、これは業務にも応用が利きそうです。
DeepSeekをRaspberry Pi上でも動かしてみた!
ローカル環境でも動かせるDeepSeekですが、こちらをシングルボードでメモリが8GBしかない小型コンピュータ「Raspberry Pi」で動かしてみた猛者が現れています。まずは、その投稿&動画を以下にてご覧ください!
こちらの動画では、以下の裏ワザによって、動作にハイエンドGPUを要するはずのDeepSeekをRaspberry Pi上で稼働させています。
- パラメータ数を減らして知識のみ引き継ぐ「蒸留」
- 予測精度をあえて落として処理を軽くする「量子化」
また、動画後半ではRaspberry Pi上に実装したDeepSeekを使って、テキスト生成やコーディングも試しています。気になる結果は……元動画を要チェックです!
API版DeepSeekの料金体系
DeepSeekでは、アプリに高性能LLMが組み込めるAPIも登場しています。こちらは入出力の量に応じて料金が発生する従量課金制で、モデル別の料金は以下のとおりです。(※7)
deepseek-chat(V3) | deepseek-reasoner(R1) | |
---|---|---|
コンテキストウィンドウ | 64,000 | 64,000 |
最大推論トークン数 | なし | 32,000 |
最大出力トークン数 | 8,000 | 8,000 |
1Mトークンあたりの入力料金 (キャッシュあり) | $0.07 | $0.14 |
1Mトークンあたりの入力料金 (キャッシュなし) | $0.27 | $0.55 |
1Mトークンあたりの出力料金 | $1.10 | $2.19 |
Webブラウザ版 / スマホアプリ版とは違って料金が発生しますので、その点には注意が必要です。
DeepSeekの商用利用・ライセンスについて
DeepSeekの各モデルについては、以下のとおり生成物とモデル本体の両方で商用利用が可能です。
- DeepSeekの生成コンテンツの著作権はユーザーに帰属
- 生成コンテンツは個人利用や商用利用のほか、研究・製品開発・AIモデルの訓練にも使用可
- モデル自体には「MITライセンス」が適用
- モデルの複製・改変・統合も、無償かつ無制限で可能
- 他ユーザーへの提供時には、DeepSeekの著作権表示&許可表示の明記が必要
予算次第では、サーバーにDeepSeek R1をホスティングして社内で活用する……といった使い方も可能で、夢が広がりますね。
DeepSeekの注意点
ここからは、DeepSeekを活用するうえでの注意点を3つご紹介します。まずは、みなさんが一番気になっているであろう「DeepSeekのプライバシー周り」から、詳細をどうぞ!
規約上、情報漏えいは確実
Webブラウザ版 / スマホアプリ版 / API版DeepSeekについては、規約で個人情報を収集・保持することが明記されています。具体的な内容は以下のとおりで、実質的にプライバシーがない状態となっています。
- 各種ユーザーデータを中国本土のサーバーにて保持
- メールアドレス・プロンプトに加え、IPアドレス・デバイス識別子・クッキー等も取得
- アカウント削除後も特定のユーザーデータは残存
- 「国家情報法」等、中国本土の法律が適用
(ユーザーデータが中国当局に開示される可能性も)
企業や個人でのDeepSeekの業務利用は、控えたほうがよいかもしれませんね。
誤情報・不適切表現のリスクあり
DeepSeekはあくまでも生成AI。誤まった情報(ハルシネーション)や不適切な表現を回答に含めてしまうリスクがあります。DeepSeekの回答を第三者に公開する際は、人の目による確認を徹底しましょう!
また、DeepSeekでは特定のトピックについて、以下のとおり検閲がかかるようになっています。
- 中国当局に批判的な内容は回答不可
- 尖閣諸島や台湾の扱いについては中国側の見解が適用
- 歴史上の出来事についても同上
先述のとおり、個人情報も収集されていますので、中国に旅行・出張の予定がある方はプロンプトに気をつけたほうがよいかもしれません。
API版はコストやキーの管理が必要
API版DeepSeekはAPIキーでユーザーを識別して、使用量に応じて料金が徴収されるしくみとなっています。したがって、「APIの使用量を把握しておく」「APIキーが第三者に流出しないようにする」などの対策が必須です。
DeepSeekのよくある質問
最後に、DeepSeekでよくあるお悩み・質問にお答えしていきます。以下、提供形態ごとに異なる料金体系から、詳細をみていきましょう!
無料で使えるの?
DeepSeekには4種類の提供形態がありますが、そのうち下記においては完全無料で利用が可能です。
- Webブラウザ版
- スマホアプリ版(iOS / Android)
- Hugging Face版
ただし、API版DeepSeekでは入出力の量に応じて料金が発生(従量課金制)します。
日本語にも対応しているの?
DeepSeekに搭載されるLLM(DeepSeek V3 / R1)自体は、日本語に対応しています。ただし、UIや一部機能は日本語未対応です。また、回答に英語や中国語が含まれる場合もあります。
安全性 / 危険性は?
DeepSeekは規約で、ユーザーのメールアドレス / プロンプト / IPアドレス / クッキー…etc.を収集することを明示しています。加えて、収集されたユーザーの情報はアカウント削除後も残り続けるとのことです。プライバシー面での安全性は皆無ですので、「プロンプトに社外秘・機密情報・個人情報は含めない」等の対策を徹底しましょう。
なお、生成AIのセキュリティリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
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DeepSeekを活用してみよう!
当記事では、中国生まれの高性能LLM「DeepSeek」について、特徴や使い方をご紹介しました。
DeepSeekには、ノーコードで使えるブラウザ版・スマホアプリ版と、開発者向けのAPI版・Hugging Face版とがあります。うち、気軽に使えるブラウザ版とスマホアプリ版の特徴は以下のとおりです。
- 完全無料
- GPT-4o超えのLLM「DeepSeek V3」を搭載
- o1並みのLLM「DeepSeek R1」も搭載
- ChatGPT的な機能・性能を提供
- 通常のチャット:GPT-4o超えのLLM「DeepSeek V3」が回答を提供
- ファイルアップロード:画像・PDFのアップロードに対応
- DeepThink:OpenAI o1並みのLLM「DeepSeek R1」が回答を提供(1日50回まで)
- Search:Web上の最新情報をブラウジングして、DeepSeek V3が回答を生成
DeepSeekはプライバシーや検閲等、注意したい点も多々あります。ですが、無料でChatGPT Plus級のLLMが使えるというのは、注意点を差し引いても圧倒的なアドバンテージです。うまく活用しましょう!