OCR無料ツール17選を紹介!導入するメリットとデメリットも解説

- OCRは紙や画像の文字を高精度にテキスト化でき、ペーパーレス化や業務効率化に貢献する。
- 生成AIを活用したOCRは手書きや複雑なレイアウトにも対応し、活用範囲が大きく広がっている。
- 無料で使えるOCRツールも豊富にあり、目的に応じて最適なツールを選ぶことができる。
WEELメディアリサーチャーのいつきです。
突然ですが、みなさんはOCRツールを活用されていますでしょうか。
OCRとは、画像やPDFに含まれる文字を認識して、テキストデータに変換する技術のことです。
今回は、OCRの概要を説明しつつ、無料で使えるおすすめのOCRツールをご紹介します。最後まで目を通すと、OCRを活用できるようになるので、昨今の企業が抱える「ペーパーレス化の推進」や「情報の一元化」といった課題を解決できるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
OCRとは
OCRとは「Optical Character Recognition(光学文字認識)」の略で、画像やPDFなどに含まれる文字を読み取り、デジタルのテキストデータに変換する技術のことです。
たとえば、スキャンした書類や写真に写っている文字をコンピューターが読み取り、編集可能なテキストとして扱えるようにできます。
ペーパーレス化が進む昨今において、OCRは紙の資料を効率的にデジタル化するために有効な手段です。
近年ではAI技術の進化により、従来のOCRでは難しかった手書き文字や複雑なレイアウトの文書も高精度で認識できるようになってきており、今後ますます活用の幅が広がっていくと期待されています。
なお、生成AIで電子帳簿保存をする方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

OCRの仕組み
OCR(光学文字認識)の技術は、一見すると単純に「画像から文字を抜き出す」ように見えますが、実際には複数の処理ステップを通じて高度な分析がおこなわれています。
OCRの仕組みがわかりやすいよう、5つのステップにまとめました。
- 画像の取り込み:書類や書籍をスキャナーやカメラで画像データとして読み込みます。この段階ではまだ文字認識は行われていません。
- テキスト領域の抽出:取り込んだ画像の中から、文字が含まれている領域を見つけ出し、テキストの位置や構造を把握します。
- 文字の分割と整理:抽出した文字列を行単位、さらに文字単位に分けて、認識の準備を整えます。
- 文字の識別処理:個々の文字の形状を分析し、登録済みのパターンと照合して、どの文字かを特定します。文脈に基づく補正もここで行われます。
- テキストデータとして出力:認識された文字情報を、編集・検索が可能なテキスト形式でファイルに書き出して処理完了となります。
一連の処理によって、画像の中の文字が「使えるテキスト」へと生まれ変わります。
OCRを活用するメリット
OCRを活用するメリットを以下にまとめました。
- 入力作業の効率化:手作業での文字入力が不要になるため、時間と労力を大幅に削減できます。
- 情報が見つかりやすくなる:紙や画像の文書をテキスト化することで、キーワード検索が可能になります。
- 保管効率の改善:文書を電子化することで、スペースを取らず、安全かつ効率的に管理できます。
- 人為的ミスの削減:人手による転記ミスを防ぐことで、データの正確性が向上します。
- 多言語対応や翻訳との連携が可能:OCRで取り出した文字情報は翻訳ツールとも連携でき、グローバルな業務にも対応できます。
従来のように紙ベースで情報を保管していると、保管スペースを圧迫するほか、書類の山から必要な情報を探し出す手間がありました。
しかし、OCRを活用して情報を電子データで保存すると、スペースが一切不要で、キーワード検索などにより捜索が容易になります。
業務効率の向上とミスの削減を両立できるため、OCRを活用しない手はありません。
生成AIを活用したOCRもある
近年では、従来のOCR技術にAIを組み合わせた「AI-OCR」が登場し、文字認識の精度が大きく向上しています。
AI-OCRは、生成AIを活用して手書き文字や複雑なフォーマットにも対応できるのが特徴で、文脈を踏まえた認識によって、読み取りミスも大幅に減少しました。
さらに、生成AIを搭載したOCRは単に文字をデジタル化するだけでなく、変換した書類に文章を自動で追加するといったテキストの加工も可能です。
その結果、OCRの活用範囲が大きく広がり、業務の効率化や情報管理の高度化に貢献できます。
なお、AI OCRについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

無料のOCRツール
ここからは、無料のOCRツールを17個ご紹介していきます。
- Free OCR
- Microsoft OneNote
- Googleドライブ
- Googleレンズ
- NewOCR
- QuickOCR
- myBridge
- eight
- gImageReader
- Renee PDF Aide
- Easy Screen OCR
- Light PDF
- Free OCR to Word
- PDFMate PDF Converter
- Boxoft Free OCR
- Free Online OCR
- AI JIMY OCR
それぞれのツールの特徴を詳しく解説するので、気に入ったものがあればぜひ使ってみてください。
Free OCR

Free OCRは、WindowsOS向けに提供している無料のOCRアプリです。JPGやPNGなど一般的な画像フォーマットの読み取りに対応しており、認識した文字はMicrosoft Wordにエクスポートすることもできます。
ただし、Free OCRを動作させるには、TwainまたはWIA互換のスキャニングドライバーが必要です。
手軽にOCRを試したい方や日常的な文書作成に役立てたい方は、ぜひ使ってみてください。
Microsoft OneNote

Microsoft OneNoteは、メモやアイデアの整理に使えるクラウド型のノートツールです。画像やPDFなどのファイルから文字情報を抽出できるOCR機能を備えており、手軽にテキスト化できます。
なお、OneNoteのOCR機能を使えば、スキャンした名刺や印刷物の画像から文字をコピーして、WordやOutlookといった他のMicrosoftツールにもペースト可能です。
Microsoft 365のユーザーなら、優先してMicrosoft OneNoteを活用しましょう。
Googleドライブ

Googleが提供しているオンラインストレージ「Googleドライブ」にも、OCR機能が実装されています。使い方は簡単で、ファイルをGoogleドライブにアップロードした後、右クリックして「Googleドキュメントで開く」を選択するだけです。
変換後のテキストは編集可能で、検索や共有もスムーズにできます。Googleドキュメントに使い慣れている方は、ぜひGoogleドライブのOCR機能を試してみてください。
Googleレンズ

Googleレンズはスマートフォンのカメラを使って、リアルタイムで文字を読み取れるOCR機能を備えた画像認識アプリです。撮影した画像内の文字を自動で検出し、コピー・翻訳・検索などができます。
特別な設定は不要で、Googleレンズを起動して文字にカメラを向けるだけで使用できるのが特徴です。街中の看板や手書きのメモなどもすぐにデジタル化できるため、外出先でOCRを活用した方は使ってみてください。
NewOCR
NewOCRは、インストール不要で利用できる無料のオンラインOCRツールです。以下のフォームに情報を入力し、APIキーを発行すると利用できるようになります。

.JPGや.PNG、TIFF、PDFなど幅広い形式に対応しており、日本語を含む多言語にも対応。シンプルな操作で素早く文字をコピーできるため、ソフトのインストールなしで手軽にOCRを使いたい人におすすめです。
QuickOCR

QuickOCRは、WindowsOS向けに提供されている無料のOCRソフトです。Webカメラで撮った写真やPCに保存された画像をアップロードすると、簡単にテキスト化できます。
なお、インストール型ながら容量が8MBと軽く、低スペックPCでも使いやすいのがメリットです。高機能ではありませんが、簡単なOCR処理をすぐに実施したい方は、ぜひ利用してみてください。
myBridge

myBridgeは、名刺をスマートフォンで撮影するだけで、自動的に文字を認識・デジタル化できる名刺管理アプリです。OCR機能により名前・会社名・電話番号などを正確に読み取り、名刺データを自動で整理・保存できます。
登録した名刺情報は、Googleの連絡帳に保存したり、Excelに出力したりできるのが特徴。営業関連の仕事をしている方を中心に、名刺管理を効率化したい方におすすめです。
eight

Eightは、Sansan株式会社が提供する無料の名刺管理アプリです。スマートフォンで撮影した名刺をOCR技術によって保存できるほか、QRコードを使って誰にでもデジタル名刺を渡せるようになります。
また、名刺交換した相手が昇進や転職などで名刺情報を変更した際には通知が届くのも特徴。名刺を交換した相手とのつながりを深めたい方におすすめです。
gImageReader

gImageReaderは、オープンソースで提供されている無料のOCRツールです。シンプルなフロントエンドGUIを採用しているため、OCR初心者でも簡単に利用できます。
ページ全体のテキストを抽出できるほか、マウスで指定した範囲のみをテキスト化できるのもポイント。シンプルで使いやすいOCRツールを求めている方におすすめです。
Renee PDF Aide

Renee PDF Aideは、PDFファイルを高精度で変換できる無料のWindows向けOCRツールです。PDFからWord、Excel・PowerPoint・HTML・画像など多様な形式への変換に対応しており、日本語を含む複数言語の読み取りに対応しています。
また、画像化されたPDF内の文字もテキストデータとして抽出できるのが特徴。シンプルな操作性と高速処理が魅力なため、業務で頻繁にPDFを扱う方におすすめです。
Easy Screen OCR

Easy Screen OCRは、スクリーンショットから文字を抽出できるシンプルなOCRツールです。画面上の任意の部分をキャプチャするだけで、自動的にOCR処理がおこなわれ、日本語を含む100以上の言語で文字を認識できます。
なお、WindowsとMacの両方に対応しているのが特徴。インストール不要のオンライン版もあるため、軽快に使えるのが特徴です。
Webページや動画などのテキストを手早くコピーしたい方は、利用してみてください。
Light PDF

Light PDFは、AIを搭載しているPDFツールです。OCR機能により、スキャンしたPDFや画像からテキストを抽出できます。
なお、Light PDFはOCR以外に、PDFファイルの圧縮やAIチャットボットといった多様な機能を備えているのが特徴。PDF形式のファイルを頻繁に使用している方は、無料トライアルで使い心地を試してみてください。
Free OCR to Word

Free OCR to Wordは、スキャン画像やPDFから文字を抽出し、直接Microsoft Word形式に変換できる無料のWindows向けOCRソフトです。
JPG・BMP・PNG・GIF・TIFなど、多様なファイル形式に対応しているので、使い勝手に優れています。
なお、Free OCR to Wordは最大98%の認識精度を実現しているのもポイント。OCRの正確性を重視している方にもおすすめです。
PDFMate PDF Converter

PDFMate PDF Converterは、PDFを多様な形式に変換できるWindows向けのPDF変換ソフトです。無料版でもOCR機能を利用可能で、スキャンされたPDFからテキストを抽出し、Word・EPUB・HTML・画像形式などに変換できます。
OCRは日本語にも対応しており、正確な文字認識が可能。操作も直感的で、初心者でもすぐに使いこなせます。
PDFの一括変換や書類の再利用を効率化したい方におすすめです。
Boxoft Free OCR

Boxoft Free OCRは、英語やドイツ語など多言語に対応したWindows向けの無料OCRソフトです。スキャン画像や各種画像ファイルから文字を抽出し、編集可能なテキストとして出力できます。
スキャナーとの連携にも対応しており、紙の書類を読み込んで直接OCR処理できるのも特徴。日本語の対応有無は不明のため注意が必要ですが、多言語対応を重視している方にはおすすめです。
Free Online OCR

Free Online OCRは、スキャンしたPDFや画像からテキストを抽出できる無料のオンラインOCRツールです。複数ページのPDFや写真、デジタルカメラで撮影した画像にも対応しており、WordやExcelなど編集可能な形式に変換できます。
インストール不要で、ファイルをアップロードするだけの手軽さも魅力。講義ノートや書籍などの文字起こしを効率化したい方におすすめです。
AI JIMY OCR

AI JIMY OCRは、日本語の手書き文字にも対応した高精度なOCRサービスです。独自開発したOCRエンジンを搭載しており、高精度の文字認識を可能にしています。
PDFや画像ファイルをアップロードするだけで、簡単に文字抽出できるほか、認識結果をダウンロードできるのも特徴。手書き書類のデジタル化を進めたい企業や個人におすすめのツールです。
無料のOCRを使ってみた!
筆者も実際にGoogleドライブのOCRを使ってみました。まずは、Googleドライブにアクセスし、テキスト化したい画像をアップロードします。

画像のアップロード後は、テキスト化したい画像を右クリックし、「アプリで開く」→「Googleドキュメント」と選択します。
Googleドキュメントが立ち上がり、自動的にOCR機能が動作して画像内のテキストを文字起こししてくれる仕組みです。

実際にテキスト化された内容を確認しましたが、今回は特に誤字がなく、綺麗にテキスト化されていました。ただし、「共有 し」のように謎の空白が入っているのは気になるので、今後の精度向上に期待です。
OCRのデメリット
OCRは便利な技術ですが、以下のようなデメリットも存在します。
- 認識精度に限界がある
文字がかすれていたり、手書きの癖が強い場合などは、誤認識や読み取りミスが発生することがあります。 - フォーマットの崩れが起きやすい
元の文書レイアウトが複雑な場合、テキスト化後に段組や表の構造が正しく再現されないことがあります。 - 画像の質に大きく左右される
スキャン画像がぼやけていたり暗かったりすると、文字を正確に認識できない原因になります。 - 全ての言語に対応しているわけではない
OCRツールによっては、認識できる言語が限定されており、多言語の書類に対応できない場合があります。 - セキュリティ面に注意が必要
クラウド型OCRサービスを利用する場合、機密情報の取り扱いに十分な配慮が求められます。
特に、認識精度に限界がある点には注意が必要です。一言一句間違いなく、正確にテキスト化するのは困難なため、ある程度手作業での編集が必要になります。
また、クラウド型のOCRサービスを利用する際は、機密情報をアップロードしないよう注意しましょう。ほとんどのサービスはセキュリティ面に配慮していますが、稀にアップロードした書類を保存されてしまう可能性があります。
OCRを活用してみよう!
OCRは、画像やPDFからテキストを読み取り、編集できるようにする便利な技術です。紙ベースの情報をデジタル化するのに有効なため、企業のペーパーレス化推進に役立ちます。
最近では、生成AIを搭載したOCRも登場しており、認識精度が格段に向上しているのもポイントです。無料で利用できるOCRツールも多く登場しているので、ぜひ利用してみてください。

生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
生成AIとOCRを組み合わせた業務改革で、紙資料からの脱却と情報活用の最適化を図りませんか?
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