GPT-5.2-Codexとは?実務向けに進化したエージェント型コーディングモデルを整理

GPT-5.2-Codex 実務向け 進化 エージェント型 コーディング モデル 整理
押さえておきたいポイント
  • 実務特化のエージェント型コーディングモデルとして大規模リポジトリや長時間作業を想定
  • 防御的サイバーセキュリティ用途を明確に想定しtrusted accessによる限定提供
  • ビジョン理解を含む高度な文脈処理によるリファクタリングやプロトタイピング支援

2025年12月、OpenAIから新たなモデルが登場!

今回リリースされた「GPT-5.2-Codex」は従来のCodexよりも複雑なタスク処理をこなせるようになっており、セキュリティも強化されています。

本記事ではGPT-5.2-Codexの概要から仕組み、実際の使用方法について解説をします。本記事を最後までお読みいただければ、GPT-5.2-Codexの理解が深まります。

ぜひ最後までお読みください!

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目次

GPT-5.2-Codexの概要

GPT-5.2-Codexは、複雑なソフトウェアエンジニアリングに対応する、エージェント活用型のコーディングモデル。

GPT-5.2-Codexは、Codexでのエージェント活用型コーディング向けに最適化されたバージョンとして、長期的な作業を支えるコンテキスト圧縮の強化に加えて、大規模なリファクタリングや移行といったコード変更でも性能が向上しています。

さらにWindows環境でのパフォーマンス改善やセキュリティ機能を大幅に強化。また、長文コンテキストの理解やツール呼び出し、ハルシネーションの軽減、コンテキスト圧縮が強化されています。

ベンチマークであるSWE-Bench ProとTerminal-Bench 2.0で高いスコアを達成。

参考:https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5-2-codex/

さらに、ビジョン性能の強化により、コーディング中に共有されるスクリーンショット、チャート、UI画面をより正確に解釈できるようになり、デザインモック→プロトタイプへ進めることがスムーズとなりました。

参考:https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5-2-codex/

GPT-5.2-Codexの仕組み

GPT-5.2-Codexは単なるコード補完ではなく、エージェント的に振る舞う点がポイントです。ここではGPT-5.2-Codexがどのようにエージェント的に動作するのかを解説します。

エージェント活用型コーディングの基本構造

GPT-5.2-Codexは、リポジトリ全体を対象にした解析と複数ステップにわたる推論を組み合わせて動作

入力として与えられた指示やコードだけでなく、関連ファイルや既存構造を参照しながら作業を進めます。これにより、単発の修正ではなく、連続したエンジニアリングタスクを遂行可能です。

特に特徴的なのが、長期作業を前提としたコンテキスト圧縮。大規模リポジトリや長時間の対話でも、重要な情報を保持し続ける仕組みが強化され、途中で前提条件を見失いにくい設計が採用されています。

入力から出力までの処理フロー

処理の流れは、まずコード全体の把握から始まります。リポジトリを読み込み、関数や依存関係、既存の設計意図を整理する工程です。その後、変更対象や脆弱性候補などの「可能性のあるターゲット」を特定。

次に行われるのが、ビルドハーネスや検証環境を前提とした実行フェーズです。ここでは、コード生成だけでなく、テストやファジングを通じた検証が組み合わさっています。ゼロショットでは検出が難しい問題も、専門家による反復的なガイダンスを取り入れることで、発見精度を高めています。

なぜこの方式が採用されているのか

このような段階的かつ反復的な仕組みが採用された背景には、実務の複雑さがあります。

現実のソフトウェア開発では、単一ファイルの修正だけで完結するケースは多くありません。そのため、GPT-5.2-Codexでは「調査→仮説→検証→修正」というサイクルを内包する設計が重視されました。

また、ビジョン性能の強化により、スクリーンショットやUI、チャートなどを以前よりも正確に読み取れるようになったのもポイント。

コードだけでなく、設計資料や画面キャプチャを含めて理解することで、デザインモックからプロトタイプへと橋渡しする役割が明確になっています。

なお、OpenAIのワークフロー構築AIエージェントであるAgentKitについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

GPT-5.2-Codexの特徴

ここでは、GPT-5.2-Codexが他のモデルとどのように異なるのか、どのような特徴があるのかを説明します。

大規模リポジトリに強い長期作業対応

GPT-5.2-Codexの大きな特徴としては、長時間かつ大規模な作業を前提に設計されている点。ネイティブなコンテキスト圧縮が強化されたことにより、長文の履歴や複雑な前提条件を保持し続けられます。

これにより、途中で文脈が失われやすいリファクタリングや移行作業でも、一貫した判断がしやすくなっています。

この特徴は、単発のコード生成よりも数時間から数日にわたる開発タスクで効果を発揮するでしょう。

防御的サイバーセキュリティへの最適化

GPT-5.2-Codexは、防御的サイバーセキュリティ用途を強く意識。脆弱性探索や検証といった工程でエージェント的に反復作業を行える点が特徴です。ゼロショットでは見つけにくい問題でも、専門家のガイダンスを取り入れた反復によって精度を高める流れが示されています。

参考:https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5-2-codex/

この設計により、単なるコードレビュー支援ではなく、脆弱性発見を補助する役割が期待されており、実際に公式ページには脆弱性を発見した例が掲載されています。※1

参考:https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5-2-codex/

GPT-5.2-Codexの安全性・制約

ここではGPT-5.2-Codexを利用する際に把握しておきたい安全性と制約を解説します。GPT-5.2-Codexは高性能である一方、用途が専門的であるからこそ注意点の理解が重要です。導入前に確認すべきポイントを押さえておきましょう。

利用範囲に関する制約と注意点

GPT-5.2-Codexの機能は、全てのユーザーに同一条件で提供されているわけではありません。有料ChatGPTユーザー向けには、Codex環境での利用が可能となっています。一方で、防御的サイバーセキュリティに関する高度な利用については、trusted accessの対象者に限定

また、API経由での利用については、段階的な提供を予定。具体的な提供開始日や利用条件の詳細は、公式情報では明らかにされていません。

出力内容と運用上の留意点

高い自律性を持つエージェント型モデルであるため、出力結果の扱いには注意が求められます。生成されたコードや検証結果をそのまま本番環境へ適用するのではなく、必ず人間による確認やレビューを前提とするのが良いでしょう。

一方で、出力の品質や挙動に関する詳細な制限事項は、現時点では十分に公開されていません。特定の入力条件や規模による制限についても、具体的な数値は示されていない状況です。

GPT-5.2-Codexの料金

GPT-5.2-Codexは、有料ChatGPTユーザー向けにCodex環境で提供されています。個別のモデル単体としての価格設定ではなく、ChatGPTの有料プランに含まれる形で利用可能です。

またAPI経由での料金は下記の通りですが、GPT-5.2-Codexの料金についての記載はありませんでした。

まずはChatGPT有料課金ユーザーがGPT-5.2-Codexを利用でき、順次APIユーザーに開放されていくとのことなので、APIユーザーに解放されたらAPI料も掲載されるでしょう。

スクロールできます
ModelInputCached inputOutput
gpt-5.2$0.875$0.0875$7.00
gpt-5.1$0.625$0.0625$5.00
gpt-5$0.625$0.0625$5.00
gpt-5-mini$0.125$0.0125$1.00
gpt-5-nano$0.025$0.0025$0.20
o3$1.00$0.25$4.00
o4-mini$0.55$0.138$2.20
OpenAIのAPI料金一覧表

GPT-5.2-Codexのライセンス

GPT-5.2-CodexはOpenAIの利用規約に従って利用する必要があり、出力自体は自由に利用できて、商用利用も認められています

一方で、モデル自体の改変や再配布は禁止されています。

利用用途可否
商用利用⭕️
改変❌️
配布❌️
特許使用❌️
私的使用⭕️
GPT-5.2-Codexのライセンス

なお、OpenAI発のポリシーを書くだけで安全判定できる推論モデルであるgpt-oss-safeguardについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

GPT-5.2-Codexの実装方法

CodexはWeb版ChatGPTからアクセスが可能ですが、実際に使うにはIDEもしくはターミナルで試すことになります。

参考:https://chatgpt.com/ja-JP/

Codexにアクセスするとできることの例などが記載されています。

参考:https://chatgpt.com/codex

ChatGPTのようにチャットでやり取りをしながら実装をするわけではなく、ターミナルやIDE経由で使用します。GitHubと接続している場合には、チャットでのやり取りも可能。

参考:https://chatgpt.com/codex

VS CodeやCursorの拡張機能としてCodexが用意されているので、拡張機能をインストールしておけば利用可能です。

では今回は新しいクローズドなSNSを作ってもらいます。デザインなどは全て丸投げです。

実際にコーディングしてもらっているのと完成したSNSがこちらです。

GPT-5.2-Codexに活用事例

ここからはGPT-5.2-Codexの活用事例について考えてみたいと思います。GPT-5.2-Codexは従来のCodexよりも複雑なタスクをこなせるようになっているので、その点も踏まえます。

大規模コードベースでのリファクタリング支援

GPT-5.2-Codexは単一ファイルではなく、複数ファイルにまたがる構造変更を一貫した文脈で扱えるため、既存システムのリファクタリングや技術的負債の解消といった場面での活用が考えられます。

特に、数年にわたり拡張されてきたコードベースでは、全体像の把握が課題です。GPT-5.2-Codexを補助的に用いることで、設計意図の整理や影響範囲の洗い出しを効率化できる可能性があるでしょう。

脆弱性調査と防御的セキュリティ検証

防御的サイバーセキュリティ用途を想定している点は、GPT-5.2-Codexの大きな特徴です。脆弱性の発見や検証を目的とした作業において、反復的な調査やコード解析を支援する活用が期待できます。

また、セキュリティチームによる内部監査や、既存プロダクトの安全性確認といった場面での利用もあり得るでしょう。

デザインモックからプロトタイプ生成までの支援

GPT-5.2-Codexは、スクリーンショットやUI画像、チャートといった視覚情報理解が向上しています。

そのため、デザインモックを基にしたプロトタイプ生成の補助としての活用が考えられます。デザイナーとエンジニアの間にある認識のズレを減らす用途です。

例えば、UIデザインを共有し、それを動作するコードに落とし込む初期段階での使用。設計と実装をつなぐ工程で、試作スピードを高める役割が期待されるでしょう。

GPT‑5.2-Codexを実際に使ってみた

続いては先ほど作成したSNSを日本語に修正してもらい、機能を拡張していきたいと思います。

少し時間はかかりましたが、日本語修正・機能拡張・マネタイズについてを追加してくれました。

単純なWebサービスだからかもしれませんが、エラーになることはなく開くことができたので、LP作成などでは重宝するかもしれませんね。

なお、Nano Banana Pro超え?GPT-Image-1.5搭載の画像生成モデルであるChatGPT Imagesについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

まとめ

本記事ではGPT-5.2-Codexの概要から仕組み、実装方法について解説をしました。

実際に簡単なWebサービスを作ってもらいましたが、エラーもなく実行することができました。GPT-5.2-Codexの強みが複雑なタスクにも対応できる点なので、今後はもっと複雑なタスクをやらせてみたいと思います。

ぜひ皆さんも本記事を参考にGPT-5.2-Codexを使ってみてください!

最後に

いかがだったでしょうか?

GPT-5.2-Codexが自社の開発フローに適合するか、まずはCodex環境での試用から検討してみてはいかがでしょうか。

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参考記事

投稿者

  • WEEL Media部

    株式会社WEELが運営する生成系AI関連メディア「生成AI Media」は、AIの専門家によるWebメディアです。 AIに特化した編集部がAIの活用方法、導入事例、ニュース、トレンド情報を発信しています。

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