生成AI競争激化、NECの個別型LLM「cotomi」の挑戦

近年、生成AIの産業・ビジネス用途が急速に広がり、大規模言語モデル（LLM）の開発競争が激化しています。

この競争には、（1）汎用型LLM vs 個別型LLM、（2）汎用言語型LLM（英語） vs 特定言語型LLM、（3）クローズドソース vs オープンソースなどの対立軸があります。

本記事では、汎用型LLMと個別型LLMの競争に焦点を当てます。

汎用型LLMは、OpenAIの「GPT-4」やAnthropicの「Claude」のように、幅広いタスクに対応できるモデルです。

一方、個別型LLMは、特定の業務に最適化されたモデルで、NECの「cotomi」は、この個別型LLMの代表例であり、日本語に特化し、業務ごとに深くカスタマイズできます。

汎用型LLMと個別型LLMの競争は、各企業の戦略と技術力が試される場です。

NECは、自社内での生成AIの徹底活用を通じて得たノウハウを基に、「cotomi」を提供し、企業の個別課題に対応しています。

特に、日本語対応の長文処理能力を持つ「cotomi」は、他社比最大150倍のパフォーマンスを誇り、業務特化のカスタマイズ性を重視しています。

生成AIの今後の展開としては、汎用型LLMやオープンソースモデルの進化が予想されますが、個別型LLMが顧客基盤やユースケースを先行して形成できるかが鍵となるでしょう。

NECは、生成AI専門組織を設立し、グローバルな研究開発を推進することで、顧客企業へのソリューション提供を加速させています。

また、NECは、生成AIを活用したコンサルティングを通じて、企業の経営戦略やオペレーションの変革を支援し、「cotomi」を軸に、業務特化モデルの標準化やグローバル展開を進めることで、生成AI事業の拡大を目指しています。

参考記事：ビジネス+IT