もうPhotoshopは不要?「Gemini 2.5 Flash Image」の概要・性能・使い方を徹底解説

- Google発の最新の画像生成AIモデル
- 高品質・低遅延で生成と精密編集、合成や人物一貫性も強化されている
- AI Studio・API・Vertexから簡単に利用でき、既存ワークフローにも組み込みやすい
2025年8月27日、Google DeepMindは新たな画像生成AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」を発表しました!
このモデルはテキストで指示を与えるだけで、高品質な画像の生成や既存画像の編集を行える最先端のAIです。従来モデルの低遅延かつ低コストな強みはそのままに、画像の合成や細部の編集、キャラクターの一貫性維持などクリエイティブな制御能力が大幅に向上しています。
開発コードネーム「nano-banana」として、事前の評価サイトで話題を呼んでいたこのモデルは、正式名称とともに公開され、生成AI界隈で大きな注目を集めています。
本記事では、Gemini 2.5 Flash Imageの概要や性能、使い方まで徹底的に解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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Gemini 2.5 Flash Imageの概要
Gemini 2.5 Flash Imageは、Googleの次世代AIであるGeminiファミリーにおける画像生成・編集専用のモデルです。ユーザーはテキストプロンプトを入力するだけで、新たな画像の生成や既存の画像の編集が可能です。
たとえば、数枚の画像を融合して単一の新しい画像を作り出すことや、キャラクターの外見を変えずに別シーンに登場させること、画像内の特定オブジェクトだけを差し替える精密な編集など、多彩な機能を備えています。さらに、Geminiモデルならではの世界知識を活かし、写真に写った文字や図形を理解して編集することも可能になっているとのこと。


本モデルは、今年前半に登場したGemini 2.0 Flashの後継となります。前バージョンは、応答の低レイテンシーやコストの安さ、使いやすさが好評なモデルでしたが、巷では「画像のクオリティをもっと向上させてほしい」「編集の自由度を高めてほしい」といった声があがっていました。
Gemini 2.5 Flash Imageは、こうした声に応えて、出力画像の解像感・精細さの向上や高度な編集コントロールを実現しているようです。実際、写真のようにリアルな質感からアニメ風のスタイルまで幅広く対応し、複雑な指示に対しても論理的に破綻しない画像を生成できる柔軟性を備えています。
Gemini 2.5 Flash Imageの性能
Gemini 2.5 Flash Imageの性能は現行トップクラスであり、さまざまなベンチマークで最先端の実力を示しています。Googleによると、本モデルは画像生成・編集の両面で最先端(state-of-the-art)の精度を達成し、しかも他の主要モデルより応答が高速(低レイテンシー)です。
実際、AIモデルの評価サイトLMArenaにおける画像編集部門のランキングでは、“nano-banana”という匿名名でテストされ堂々の1位に輝いています。これは第2位以下のモデル(FluxやGPT Imageなど)を大きく引き離す高いスコアであり、現時点で本モデルの性能の高さが人間の評価によって裏付けられています。

特に優れている点は、画像の細部や文脈をしっかり保ったまま編集を加えられることです。他の画像AIでは難しい「人物のシャツの色だけ変えて顔はそのまま」などの細かな修正も、Gemini 2.5 Flash Imageなら自然にこなします。
例えば人や動物の顔立ち・表情の一貫性を保ちながら背景だけ変更したり、小物を付け足したりといった高度な編集も得意です。Googleは「本モデルはLMArenaを含む複数のベンチマークで最先端の結果を示している」と述べており、実際その言葉通り画像の画質・忠実さと指示への追従性が非常に高い水準にあります。「我々は視覚的品質と指示遵守能力を大きく前進させた」との開発者のコメントからも、本モデルの完成度の高さがうかがえます。
Gemini 2.5 Flash Imageのライセンス
Gemini 2.5 Flash Imageは、商用利用も可能な形で提供されています。ただしモデルそのものはオープンソースではなく、あくまでGoogleのクラウドサービス経由でアクセスする形態です。そのため、利用にあたってはGoogleの利用規約やAIポリシーに従う必要があります。
2025年8月27日時点では、プレビュー提供のため、Google Cloudの「Pre-GA利用規約」に準拠した扱いとなっており、生成物を商用プロジェクトで使用したり第三者に提供したりすることも認められています。一方でモデルの重みデータそのものは公開されていないため、モデル自体を改変・再配布することは許可されていません。以下の表に主要なライセンス面のポイントをまとめます。
利用用途 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
商用利用 | ⭕️ | |
改変 | ❌️ | モデル提供元でのみ改良可能 |
配布 | ❌️ | モデルそのものは非公開 |
特許使用 | ❌️ | モデル利用に特許実施権は付随しない |
私的使用 | ⭕️ |
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Gemini 2.5 Flash Imageの料金
Gemini 2.5 Flash Imageの利用料金は、開発者向けAPI経由の従量課金とエンドユーザー向けアプリでの無料利用の2形態に大別できます。開発者や企業がGoogle CloudのGemini APIもしくはVertex AI経由で本モデルを呼び出す場合は、その出力トークン数に応じた課金が発生します。
一方、一般ユーザーがGeminiのチャットアプリやGoogle AI Studio上で試す範囲では、2025年8月27日時点では無料で利用可能となっています(※プレビュー提供期間中の措置であり、将来的に変更となる可能性もあります)。以下に料金の概要をまとめます。
利用方法 | 料金 |
---|---|
Geminiアプリ / AI Studio(一般ユーザー向け) | 無料(現在プレビュー期間につき無償提供) |
Gemini API / Vertex AI(開発者向け) | $0.039/画像(出力1枚あたり約0.039ドル=約5.7円) |
※開発者向けのAPI利用料金は、100万トークンあたり$30に設定されています。画像1枚の出力は約1,290トークンに相当し、料金にすると約0.039ドル(6円弱)となっています。
Gemini 2.5 Flash Imageの使い方
Gemini 2.5 Flash Imageの利用方法は大きく分けて、プログラミング不要で試せるWebインターフェース経由と、開発者向けのAPI経由の2通りがあります。
Webインターフェース経由での使い方
まずは手軽に試せるGoogle AI StudioやGemini公式チャットアプリでの使い方です。Google AI Studioにアクセスし、自分のGoogleアカウントでログインします。
プロジェクトを作成したら、メニューから利用できるモデル一覧の中に「Gemini 2.5 Flash Image」が表示されますので選択します。

あとはテキストボックスに生成したい画像の内容や編集の指示を日本語または英語で入力するだけです。
API経由での使い方
開発者向けには、プログラムからGemini 2.5 Flash Imageを呼び出す方法も整備されています。Googleが提供するGemini APIを使えば、自分のアプリケーションやサービスの中でこのモデルに画像生成させることが可能です。例えばPython用のSDK(Google GenAIライブラリ)を使う場合の手順は以下の通りです。
まず、認証用のAPIキーを取得してgenai.Client()
でクライアントを初期化します。その上で、テキストのプロンプト文字列と必要なら画像バイナリを準備し、client.models.generate_content()
メソッドを呼び出すとモデルからの応答が得られます。
リクエスト時にmodel="gemini-2.5-flash-image-preview"
のようにモデル名を指定し、contents=[prompt, image]
のようにテキストと画像をリストで渡すことで、テキストと画像の複合入力にも対応しています。
返ってきたレスポンスオブジェクトから生成画像データを取り出し、ファイルに保存すれば完了です。以下は公式ブログで紹介されているコード例です。
from google import genai
from PIL import Image
from io import BytesIO
client = genai.Client()
prompt = "Create a picture of my cat eating a nano-banana in a fancy restaurant under the gemini constellation"
image = Image.open('/path/to/image.png')
response = client.models.generate_content(
model="gemini-2.5-flash-image-preview",
contents=[prompt, image],
)
for part in response.candidates[0].content.parts:
if part.text is not None:
print(part.text)
elif part.inline_data is not None:
image = Image.open(BytesIO(part.inline_data.data))
image.save("generated_image.png")
Gemini 2.5 Flash Imageを使ってみた
今回はGoogle AI StudioでGemini 2.5 Flash Imageを試していきます。
まずはこちらのペンギンにヘルメットを被らせてもらいましょう。

プロンプト:
Let this penguin wear a yellow helmet.
(このペンギンに黄色いヘルメットを被らせて)


詳細な指示はせずとも、意図した画像を生成してくれました。ヘルメットのサイズ感や被らせ方、背景が一切崩れていない点など、ポイント高いです。
では、続いてこのペンギンをロサンゼルスの街中に召喚させてみます。
プロンプト:
Move the first penguin to the second city.
(1枚目のペンギンを2枚目の街に移動させて)

oh, なかなかいいですね。もう少し街に馴染ませてあげましょう。
プロンプト:
Make penguins more familiar with the city. They seem to enjoy walking around.
(ペンギンをもっと街に馴染ませて。散歩しながら楽しんでいる様子で。)

めちゃくちゃ良い感じです。増殖してくれたのはもちろん、リサイズされていたり、各ペンギンの影まで再現されていて高品質な画像を生成してくれました。
画像の合成や細部の編集、キャラクター(今回はペンギン)の一貫性維持をちゃんとしてくれることが確認できました。人間の発想力次第で、実用可能性は無限大な感じがしますね。
まとめ
Gemini 2.5 Flash Imageは、テキストによる直感的な操作で高度な画像生成・編集を可能にした画期的なモデルです。
ユーザー側は専門知識がなくても「何を作りたいか」さえ明確に伝えればよく、あとの難しい処理はモデルがすべて引き受けてくれます。これは、裏で動くAIがテキストと画像の両方を理解し、論理的な推論を行った上でビジュアルを構築できるからこそ実現した体験です。
Googleが培ってきた大規模言語モデルGeminiの知性と、画像生成分野の最先端技術とが融合したことで、誰もがクリエイターになれる時代が一歩近づいたと言えますね。
気になる方は、ぜひ一度試してみてください!

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