Qwen Code v0.5.0とは?ターミナル中心で開発を支援するAIコーディングCLIを解説

- ターミナル中心で完結するAIコーディングCLIという位置付け
- セッション管理による継続作業で大規模コードや運用タスクを扱いやすい設計
- 無料枠ありで検証導入しやすい開発者向けツール
2025年12月、AlibabaのQwen Codeがアップデートされました!
今回のアップデートでQwen Code v0.5.0になり、途中で開発をやめても再開することができるようになりました。
本記事ではQwen Codeの概要から仕組み、実際の使い方を解説します。本記事を最後までお読みいただければQwen Codeの使い方が理解できます。
ぜひ最後までお読みください!
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Qwen Code v0.5.0の概要
Qwen Code v0.5.0は開発者向けのAIコーディングCLIです。Gemini CLIをベースにしつつ、Qwen3-Coder向けに最適化され、大規模なコードベースの問い合わせや編集、PR対応や複雑なrebaseのような運用を行えます
「エディタを閉じずにやり切りたい」と感じる作業が増えてきた今、選択肢に入るのではないでしょうか。
Qwen Codeはモデル本体ではなく、Qwenのコードモデルを活用するためのCLIとして位置付けられています。
無料で始められるように「1日2,000リクエスト」「1分60リクエスト」といった枠が明記されています。
Qwen Codeを使うには、npmのグローバルインストールやHomebrewなど複数の導入ルートがあるため、手元の環境に合わせて選ぶことが可能です。
v0.5.0の更新点としては、ロシア語対応の追加が含まれました。さらに、VS Code向けのリリースパッケージへCLIを同梱する変更も入っています。

なお、Alibaba発の多言語×高精度な音声認識モデルであるQwen3-ASR-Flashについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Qwen Code v0.5.0の仕組み
Qwen Code v0.5.0はターミナル上でユーザー入力を受け取り、Qwenのコードモデルと連携する仕組みです。
コマンド実行から自然言語での指示やコードに関する問い合わせができ、やり取りの中心はあくまでCLIで完結。
エディタや外部ツールに頻繁に切り替えなくても作業を進められるようになっています。
実際の動作の流れとしては、まずユーザーがqwenコマンドで指示を入力。その内容はセッションとして保持され、前後の文脈を踏まえた応答が生成されます。コードベースに関する質問や修正依頼も、同じセッション内で継続的に扱われます。
セッション終了時には再開用コマンドが表示され、次回以降の作業に引き継げる点もポイントです。「途中で止めても続きから再開できる」という運用を前提にした設計と言えるでしょう。
Qwen Code v0.5.0の特徴
Qwen Code v0.5.0には、主にいくつか特徴があります。いずれも「ターミナル中心で開発を進めたい」というニーズに応えてくれる内容です。
コード理解と操作を前提にしたCLI設計
Qwen Code v0.5.0は、コードベースを理解した上での対話を前提に設計されています。自然言語での質問や指示を通じて、既存コードの確認や修正を行えるようになっています。
単発のコマンド実行ではなく、文脈を保持したやり取りができる点が特徴でしょう。その結果、ファイル構成や実装意図を確認しながら作業を進めやすくなっています。
セッション管理による継続的な作業支援
作業内容がセッションとして保持される点も重要な特徴です。途中でCLIを終了しても、再開用コマンドが提示される仕組みが用意されています。
これにより、調査や修正を段階的に進める運用が可能。長時間にわたるリファクタリングや調整作業でも、流れを断ち切らずに済みます。
無料枠を含む利用しやすい提供形態
Qwen Code v0.5.0では、無料で利用できるリクエスト枠が明示されています。1日あたりや分あたりの上限が設定されており、試用しやすい構成です。
まずは小規模なタスクから使い勝手を確認し、コストを意識しながら導入可否を判断できるため、検証フェーズに向いていると言えます。
開発環境との親和性を意識した改善
v0.5.0では、VS Code向けのリリースパッケージにCLIを同梱。これによりCLI単体だけでなく、エディタ利用も想定した提供に変わっています。
さらに、ロシア語対応の追加など、多言語利用を意識した更新も入りました。
Qwen Code v0.5.0の安全性・制約
Qwen Code v0.5.0におけるセキュリティやデータ管理の詳細については、公式情報では明らかにされていません。
入力されたコードや指示がどのように保存、学習、再利用されるかといった点も、具体的な説明は公開されていない状況です。
そのため、機密情報や個人情報を含むコードを扱う場合には注意が必要。業務利用を検討する際は、データの取り扱い方針を事前に確認することが重要になります。
利用上の制約として、Qwen Code v0.5.0はNode.js 20以上が前提。
Qwen Code v0.5.0の料金
Qwen Code v0.5.0には、無料枠が用意されており、「1日あたり2,000リクエスト」「1分あたり60リクエスト」が上限。
Qwen Codeで使われているモデルについての言及を見つけられませんでしたが、Qwen Codeを起動してモデルを確認してみると下記のモデルでした。

そうすると無料枠を使い切った場合、qwen3-coder-plus-2025-09-23もしくはqwen3-vl-plus-2025-09-23のAPI料が課金されると考えられます。
| モデル | インプット | アウトプット |
|---|---|---|
| qwen3-coder-plus-2025-09-23 | $1/1Mトークン | $5/1Mトークン |
| qwen3-vl-plus-2025-09-23 | $0.2/1Mトークン | $1.6/1Mトークン |
Qwen Code v0.5.0のライセンス
Qwen Code v0.5.0のライセンスは「Apache 2.0ライセンス」で公開され、誰でも商用・非商用問わず自由に利用・改変・再配布できるオープンソースライセンスとなっています。
| 利用用途 | 可否 |
|---|---|
| 商用利用 | ⭕️ |
| 改変 | ⭕️ |
| 配布 | ⭕️ |
| 特許使用 | ⭕️ |
| 私的使用 | ⭕️ |
なお、Alibaba発キャラクター動画生成AIであるWan2.2-Animateについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Qwen Code v0.5.0の実装方法
では実際に実装するための準備をしていきます。CLIベースなのでローカルで実行すること、Node.js 20以上が前提です。
まずはnpmでインストールします。
npm install -g @qwen-code/qwen-code@latestバージョンの確認もしておきましょう。
qwen --version続いて起動です。
qwenうまくインストールできていれば下記のような画面が表示されます。

「このプロジェクトの認証方法について、どの方法をご希望ですか?」と聞かれるので、無料枠がある「1」を選択しましょう。
そうするとQwenのログインを求められますので、ログインをします。

ログインに成功すると下記の画面が表示されます。

あとは指示を与えて実装させていけばOKです。具体的な実装例は本記事後半でご紹介します。
Qwen Code v0.5.0の活用事例
ここではQwen Code v0.5.0の特徴を踏まえていくつか活用事例を解説します。
大規模コードベースの理解と調査
Qwen Code v0.5.0は、既存コードの把握や構造理解をサポートする活用が考えられます。ターミナル上で自然言語による質問を投げかけることで、関連ファイルや実装意図を確認できます。
特に、初めて触るリポジトリや引き継ぎ直後のプロジェクトで効果を発揮するでしょう。コードリーディングにかかる時間を短縮し、全体像の把握を助ける点がメリットです。
リファクタリングや修正作業の補助
セッションを保持しながら対話できる特徴から、段階的な修正作業への活用も想定されます。例えば、影響範囲を確認しつつコードの整理や命名変更を進めるといった使い方です。
一度の指示で完結しない作業でも、文脈を維持したまま進行できる点が活きてきます。人による最終確認を前提とすれば、作業効率の底上げが期待されるでしょう。
PR対応や運用タスクの効率化
Qwen Code v0.5.0は、Pull Request対応や履歴整理といったタスクでも活用できる可能性があります。差分の確認や修正方針の整理を、CLI上で対話的に進められる点が特徴。
複雑なrebaseや修正履歴の把握といった場面でも、作業の流れを保ちやすくなります。日常的に発生する細かな対応をまとめて処理したいケースに向いているでしょう。
ターミナル中心の開発スタイルへの組み込み
エディタとCLIを行き来する開発者にとって、Qwen Code v0.5.0は作業場所を一つにすることが可能となります。
コマンド操作を軸にした開発文化を持つチームでは、特に親和性が高いと考えられます。ツールを追加するというより、作業習慣を補強する存在と言えるでしょう。
Qwen Code v0.5.0を実際に使ってみた
実際にQwen Code v0.5.0で開発をしていきます。
まずはディレクトリを作りましょう。
mkdir qwen-sandbox
cd qwen-sandbox
qwen今回は簡単なメモ管理ツールを作ります。
プロンプトは下記です。
プロンプトはこちら
簡単なCLIツールのサンプルプロジェクトを作ってください。
仕様:
- 言語:Python
- 内容:ローカルにメモを保存・一覧・削除できるCLIツール
- メモはテキストファイルとして保存する
- argparse を使って以下のコマンドを実装する
- add : メモを追加
- list : メモ一覧を表示
- delete : メモを削除
要件:
- 適切なディレクトリ構成を考えて作成する
- 実装コードを作成する
- README.md を日本語で書く
- 使い方がすぐ分かるようにする
- 可能であれば簡単なテストコードも作成する
ファイルは実際に生成してください。ここからさらにアップデートさせてみます。
このプロジェクトをレビューして、改善点を洗い出してください。
初心者にも使いやすくなるように修正を加えてください。上記指示を加えた際の出力がこちら。全部英語で出力されたので、日本語に翻訳したものです。
修正案がこちら
1. Enhanced Error Handling(エラー処理の改善)
• 空のメモを追加しようとしたら弾く
• エラーメッセージを分かりやすくした
• 結果が何だったか明確に出す
⸻
2. User Experience Improvements(使い心地の改善)
• delete のときに「本当に消しますか?」と聞く
• --force を付けると確認をスキップできる
• 何も指定せず起動したときに歓迎メッセージを出す
• --help の説明を分かりやすくした
⸻
3. Flexibility(柔軟性)
• メモ保存場所を MEMO_DIR 環境変数で変えられる
• 削除確認をスキップする --force を追加
⸻
4. Code Quality(コード品質)
• docstring を丁寧に書いた
• 変数名を分かりやすくした
• コメントを補足した
⸻
Documentation Improvements(README側で何を良くしたか)
1. Beginner-Friendly Explanations(初心者配慮)
• 「CLIとは何か」を説明
• インストール・使い方を丁寧に
• "Buy groceries" のように クォートが必要な理由を明記
• よくある詰まりポイントを FAQ 化
⸻
2. Enhanced Usage Examples(例の充実)
• 全コマンドに使用例
• --force の説明
• 環境変数の説明
⸻
3. Clearer Structure(構成整理)
• READMEの章立てを整理
• 機能ごとに説明最後にこちらも追加で指示を加えます。
このツールを今後拡張するとしたら、どんな機能が考えられますか?改善案がこちら
1) Edit Memo Functionality(編集機能)
• edit サブコマンドを追加して、番号で指定したメモを 外部エディタで開いて編集できるようにする案です。
• どのエディタを使うかは環境変数 EDITOR を参照し、なければ nano や vim をデフォルトにする、と言っています。
• 例:python -m memo_cli edit 3
⸻
2) Search by Content(内容検索)
• search サブコマンドを追加し、検索語を含むメモを探して表示する案です。
• 例:python -m memo_cli search "groceries"
⸻
3) Config File Support(設定ファイル対応)
• memo_config.json や memo_config.ini を作って、設定をファイルで管理する案です。
• 例えば「デフォルトエディタ」「保存先ディレクトリ」「表示形式」などをカスタマイズ可能にする、と言っています。
⸻
4) Empty Trash/Recycle Bin(ゴミ箱)
• 削除を“即消し”にせず、trash/ ディレクトリに移動する方式にする案です。
• 追加で、empty-trash(完全削除)や restore(復元)も入れると安全、という話です。
⸻
5) Multi-line Memo Support(複数行メモ)
• add で 1 行メモだけでなく、複数行入力を扱えるようにする案です。
• --multiline オプションでエディタを開く、または stdin から読めるようにする、と言っています。開発してくれている様子がこちらです。
実際に使っている様子がこちら。
CLI上でのメモ管理ツールが完成しました。特にエラーもなく使うことができました。ただ、日本語で指示を与えているので、出力は日本語が良かったなと思います。明示的に日本語で回答させることはできました。
開発の途中から再開する場合には、まずはCtrl + Dでセッションを保存します。するとセッションIDが表示されるので、qwen --resume <セッションID>でQwenを起動すれば途中から再開可能です。
セッションIDを忘れた場合にはqwen --list-sessionsで確認もできます。
なお、見て・理解し・行動する次世代マルチモーダルAIであるQwen3-VLについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

まとめ
本記事ではQwen Code v0.5.0の概要から仕組み、実際の使い方について解説をしました。日本語で指示を与えても明示的に日本語で回答を指示しないと日本語で出力はしてくれませんでしたが、無料枠が設けられているので、サクッとPoCを作りたい時とかには重宝しそうです。
ぜひみなさんも本記事を参考にQwen Codeを使ってみてください!
最後に
いかがだったでしょうか?
まずは無料枠でQwen Code v0.5.0を試し、自社の開発フローにフィットするか確認してみてはいかがでしょうか。
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