Civitaiで広がるStable Diffusionの可能性!使い方や注意点、おすすめモデルまで徹底解説
WEELメディア事業部リサーチャーのいつきです。
突然ですが、みなさんはStable Diffusionの可能性を広げる「Civitai」についてご存知でしょうか。
CivitaiにはStable Diffusionで使用できるAIモデルが多数共有されており、ダウンロードしたモデルを使用すれば生成画像のクオリティを向上させられるのが魅力です。
今回は、Civitaiの概要や使い方、活用事例について詳しく解説します。Civitaiのおすすめモデルや、画像のプロンプト使用方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!
Civitaiとは
Civitaiは、Stable Diffusionで使用できるAIモデルを多数共有しているプラットフォームです。ユーザーは簡単なテキスト入力やパラメータの調整を通じて、高品質な画像を生成できます。
なお、Civitaiは無料で使えるだけでなく、アカウント作成も不要。登録不要で誰でも気軽にAIモデルをダウンロードできる点が魅力です。
ただし、アカウント登録を行うと、Civitai内で利用できる暗号資産のBuzzが獲得できるようになったり、ブックマーク機能が利用できたりと、色々と便利な機能が使えるようになります。
Civitai内で利用できる暗号資産のBuzzは、個人が投げ銭を受け取ったり、Buzzを支払って画像生成モデルのLoRAを学習させたりもできます。
なお、Stable Diffusionについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Civitaiで何がダウンロードできる
Civitaiでは、以下の4つをダウンロード可能です。
- Checkpoint(モデル)
- VAE
- LoRA
- ポーズ集
これらをダウンロードすれば、Stable Diffusionで自分好みの画像を生成しやすくなります。
以下で、それぞれの特徴を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
Checkpoint(モデル)
Checkpoint(モデル)とは、Civitai内で提供されている特定の画像を事前学習した生成AIのモデルを指しています。通常はモデルと一括りに呼ばれますが、CivitaiではCheckpointと呼ばれているのが特徴です。
Checkpointをダウンロードすれば、アニメ風・リアルの人物風など、指定した画風で簡単に画像を生成できます。使用するCheckpointを切り替えるだけで画風も瞬時に切り替えられるので、色々試してみてください!
VAE
VAE(Variational Auto Encoder)とは、生成画像の精度を高めるために使用されるモデルのことです。エンコーダーとデコーダーの2つのモデルがそれぞれ役割を果たすことで、精度の高い画像を生成しています。
まずは、エンコーダーで入力された画像を圧縮しているのが特徴。その後、デコーダーで画像を復元し、精度の高い画像に仕上げています。
ユーザーとしては、リアルなテクスチャや複雑なパターンを持つ画像を効率的に生成できるのが大きなメリットです。
LoRA
LoRA(Low-Rank Adaptation)は、大規模言語モデルや画像生成AIを効率的に学習できるモデルです。Civitaiでは、おもに画像生成AIの学習に特化したモデルが多く共有されています。
LoRAを使用すると少ない計算量で追加学習できるので、ほかの学習方法に比べて時間やコストがかかりません。
Civitaiには、アニメキャラや日本人女性の生成に特化したLoRAが共有されているため、生成画像のテイストを特定のジャンルに特化させたい場合にダウンロードしてみてください。
ポーズ集
Civitaiでは、画像生成で利用できるポーズ集もダウンロードできます。ダウンロードしたポーズは、Stable Diffusionの「ControlNet」という拡張機能を使用することで利用できる仕組みです。
通常、画像生成時にプロンプトでポーズを指定しても、なかなかうまく生成画像に反映されません。しかし、CivitaiでダウンロードしたポーズをControlNet経由で指定することで、自分が思い描く画像を生成できるようになります。
Civitaiのおすすめモデル8選
Civitaiにはアニメ画に特化したものや写実画に特化したものなど、様々なモデルが存在しています。
どれを使えばいいかわからない!という方のために、特におすすめできるモデルを8つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
majicMIX realistic 麦橘写实
majicMIX realistic 麦橘写实は、アジア人に特化した実写系の画像を生成できるモデルです。
写真のようにリアルなアジア系美女の画像を生成したい場合におすすめです。
yayoi_mix
「yayoi_mix」は、アジア系美少女、特に日本人女性に特化したモデルです。
より日本人らしい美少女、美女の画像を生成する場合におすすめです。
Realistic Vision V6.0 B1
「Realistic Vision V6.0 B1」は、人物から動物まで幅広いジャンルの画像を生成できるモデルです。
非常にリアルな画像を生成できるので、様々な被写体の写真のような画像を生成する場合におすすめです。
Crystal Clear XL
「Crystal Clear XL」は、実写系や3Dグラフィックスなど高品質な画像を生成できるモデルです。
街並みや生き物など、アート系の画像を生成する場合におすすめです。
Counterfeit-V3.0
「Counterfeit-V3.0」は、美少女アニメ系に特化した画像を生成できるモデルです。
人物から背景まで、非常に繊細なタッチを特徴としています。
Cherry Picker XL
Cherry Picker XLは、写真のようなリアルな画像を生み出すモデルです。
複数の優れたモデルを組み合わせて作られているので、高品質な画像が期待でき、人物や風景など幅広い題材に対応しているのが魅力です。初心者でも使いやすく、プロ級の仕上がりを楽しめるでしょう。
Juggernaut XL
Juggernaut XLは、実写系モデルの中でも人気が高く、常に最新の技術を取り入れていることから、クオリティの高さが強みです。
人物の表情や細かな質感までリアルに再現でき、写真のような仕上がりを求める人にぴったりのモデルと言えるでしょう。
fuduki_mix
fuduki_mixは、日本人女性の画像生成に特化したモデルです。
自然な表情や雰囲気を持つ日本人女性の画像を簡単に作れ、複雑な設定をしなくても、美しい仕上がりが期待できるのがポイントです。和風の背景と組み合わせれば、より日本らしい雰囲気の画像が制作できます。
Civitaiの使い方
Civitaiの使い方は簡単です。Civitaiのサイトにアクセスして使用したいモデルを選べば、Stable Diffusionで利用できるモデルをすぐにダウンロードできます。
以下で、スクショ画像を共有しながら詳しく解説していきますね。
まずはCivitaiにアクセスして右上の「モデル」を選びます。その後、画像モデルの一覧が表示されるので、気になったものを選択しましょう。
モデルを選んだあとは、「ダウンロード」をクリックします。ダウンロードしたあとはモデルを早速使いたいところですが、商用利用ができるかの確認も忘れてはいけません。
一旦、利用規約を確認しておきましょう。
利用規約は、上記赤文字部分をクリックすると下に箇条書き形式で表示されます。今回のモデルの場合は、生成した画像を商用利用しても問題ないようです。
商用利用可能なモデルはStable Diffusionで利用できます。
CivitaiでダウンロードしたモデルをStable Diffusionで使う方法
ダウンロードしたモデルをStable Diffusionで利用する際は、以下の手順を行ってください。
- Googleドライブへサインイン。
- モデルファイルを保管する新しいフォルダを作成。
- 作成した新しいフォルダ内に、事前にダウンロードしておいたモデルをアップロード。
- Google Colabを使用してStable Diffusionを起動する際、”Model Download/Load”のセクションに先ほどアップロードしたモデルのパスを入力し実行。
上記の手順を実行することで、CivitaiからダウンロードしたモデルをStable Diffusionで使用できます。
なお、Stable Diffusionをローカル環境で構築する方法を詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
Civitaiのプロンプト確認方法
画像を生成するにはプロンプトが必要ですが、慣れるまではプロンプトの内容に悩むこともあるでしょう。
プロンプトがわからない!という場合は、モデルのページに表示されている画像のプロンプトを丸々コピーするか、真似て入力してみるのがおすすめです。
画像生成時のプロンプトは見られるものと見られないものがありますが、確認できる場合には右下に「i」アイコンが表示されています。(右下赤枠部分)
「i」アイコンをクリックすると、以下の左側画像のようにプロンプトの詳細が表示されますので、コピーして使ってください。
「ネガティブプロンプト」については、画像を生成するうえで避けたい内容を入力します。
入力しなくても問題ありませんが、ネガティブプロンプトも入力した方が画像のクオリティが高くなりますので、画像の精度を上げたい方は必ず入力しましょう!
なお、プロンプトの秘密について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Civitaiで理想のモデルを見つけるコツ
Civitaiで欲しいモデルを探すのは大変ですが、コツを押さえれば簡単に見つかります。
まずは、キーワード検索を使ってみましょう。作りたい画像のイメージを言葉にして、検索窓に入れると、関連するモデルが表示されます、
タグ検索も便利です。Civitaiでは、モデルごとにタグが付いているため「アニメ風」「リアルな感じ」「風景」など、大まかなものから目的のモデルを絞り込めます。
人気順や新着順で並べ替えることも可能です。ユーザーの評価が高いモデルや、最新のトレンドを反映したモデルを見つけやすくなります。
また、お気に入りのクリエイターをフォローすることで、その人が新しいモデルを公開したときにすぐ見つけられます。定期的にフォローしているクリエイターのページをチェックするのも良いでしょう。
これらのコツを組み合わせれば、たくさんのモデルの中から、自分にぴったりのものが見つかるはずです。
Civitaiで配信されているコンテンツを活用して生成された画像
ここでは、Civitaiで配信されているコンテンツを活用して生成された画像を3つご紹介します。
今回ご紹介するのは、以下3つの画像です。
- リアル人物写真風
- アニメキャラクター風
- ドット絵風
- 風景画
- コンセプトアート風
以下でそれぞれ紹介していくので、画像生成の参考にしてみてください。
リアル人物写真風
Civitaiで共有されているモデルを使用すれば、リアルの人物写真を高精度で生成できます。こちらの投稿者は、TWICEのメンバーを学習したチェックポイントを使用したようです。
画像を見てみると確かにTWICEのツウィさんに近い人物を生成できていますね。AIが生成したとは思えないほどのクオリティに仕上がっています。
ただし、特定の人物に寄せた画像を商用利用すると、著作権に触れる可能性があるのでそこは注意しましょう。
アニメキャラクター風
Civitaiには、アニメキャラクター風の画像生成に特化したモデルも多く共有されています。こちらの投稿者は、自身でアニメ調の画像を生成できるモデルを公開したようです。
生成画像を見てみると、確かにアニメ「リコリス・リコイル」風のキャラクターを生成できています。とくに、右側の画像はたきなの面影がありますね!
好きなアニメの作画がある方は、Civitaiで検索してみるとすでに公開されているかもしれません。
ドット絵風
Civitaiでは、ドット絵風の画像を生成できるモデルもダウンロード可能です。ドット絵風の画像を作成できるモデルを公開した方がいたのでご紹介します。
生成画像を見てみると、4枚ともドット絵風の可愛らしい見た目に仕上がっています。昔ながらの雰囲気があって、一部のファンから人気が出そうです。
風景画
Civitaiのモデルの中には、写真のような風景画を生成できるものもあります。
1枚目は、夕焼けに染まる水平線を背景に、黒いコートの老人が海辺を歩く画像。2枚目では、窓辺に観葉植物が並ぶ台所が、女性とともに描かれています。そして3枚目は、雪に覆われた山の斜面に座っている女性画像です。
どれも物語を感じさせる画像になっています。映画の背景など、さまざま分野でアイデアを与えてくれそうです。
コンセプトアート風
Civitaiのモデルを使えば、コンセプトアートも簡単に生成できます。
この投稿では、ファンタジー系のコンセプトアート風画像が紹介されています。2枚目は、細かなディテールで牙と角を持つ獣人の戦士が描かれています。
絵本作家やゲームデザイナーにとって、新しいキャラクターのアイデアを練るのに、Civitaiは最適でしょう。
Civitaiを利用してみた
Civitaiを使って未来都市の風景を作ってみました。
まず、Civitaiのサイトで「未来都市」や「サイバーパンク」といったキーワードで検索。すると、たくさんのモデルが出てきました。その中から、評価の高いものを選びます。モデルをダウンロードしたら、Stable Diffusionで使えるようにセットアップ。
モデルを選択したら、次にプロンプトを考えます。「高層ビル」「空飛ぶ車」「ネオン」などのワードを組み合わせてみました。最初は思い通りの結果が出ませんでしたが、少しずつ言葉を足したり引いたりしながら調整します。
そうしているうちに、だんだん理想の未来都市が形になってきました。光り輝く高層ビルやネオンカラーの看板、機械的な街並みなど、まるで映画の一場面のような画像を生成できました。
プロンプトを修正しながら、理想の画像になるまで試行錯誤が必要です。それでもCivitaiを使えば、誰でも簡単にクリエイターになれるという可能性を感じました。
Civitaiを利用する際の注意点
Civitaiを利用する際には、以下3つの注意点があります。
- サイトは英語表記
- 著作権問題
- 商用利用の可不可
- プライバシー保護
とくに、著作権や商用利用の可否は、生成AIを利用するうえで重要なポイントです。以下で、注意点の詳細を解説していくので、一度ご確認ください。
サイトは英語表記
Civitaiは、海外企業が運営しているプラットフォームであるため、サイトも英語表記です。上記のように、基本的にはすべての表記が英語になっており、日本語には対応していませんので注意してください。
ただし、サイト自体は日本語表記に対応しないものの、Google Chromeの機能を使えば翻訳して表示できます。どうしても日本語表記でCivitaiを利用したい方は、右クリックを押して「日本語に翻訳」を選択しましょう。
翻訳した際、翻訳した文章が若干不自然になっていることがあるのでそこは注意してください。
著作権問題
画像生成AIで作成した画像を公開する際は、著作権の取り扱いに注意が必要です。過去には、Stable Diffusionやその他画像生成AIを公開している企業が複数のクリエイターから訴訟を受ける事件が発生しました。
とくに、リアルな人物画像やアニメ風画像の取り扱いには注意しましょう。Civitaiで共有されているモデルは、著作権をもつ個人や作品を学習しているケースが多いので、そのようなモデルで生成した画像は公開しないのが無難です。
商用利用の可不可
Civitaiで共有されているモデルは、それぞれ商用利用の可否が異なります。したがって、生成した画像を販売しようと考えているなら、事前に利用規約を確認してください。
上記画像の赤枠部分をクリックすると、下に商用利用の可否が記載された利用規約が表示されます。もし、商用利用不可のモデルで生成した画像を販売した場合は、最悪訴訟されるケースもあるので注意しましょう。
プライバシー保護
Civitaiを利用する際、プライバシー保護を忘れてはいけません。画像をアップする時は注意が必要で、顔が写っていたり、名前や住所が分かるような画像はNGです。しっかりチェックしてからアップロードしましょう。生成したモデルも同じく、特定の個人や有名人をマネすることは避けるべきです。
他の人の情報はもちろん、自分の情報も慎重に扱うことが大切です。うっかり個人情報を出してしまうと、法的な問題に発展する可能性もあります。
ユーザー一人ひとりが責任ある行動を心がけることで、安全で楽しい体験ができるでしょう。
なお、生成AIの企業利用・開発のリスクについて詳しく知りたい方は、以下の記事を合わせてご確認ください。
Civitaiを活用してハイクオリティな画像を生成しよう!
Civitaiには、Stable Diffusionの画像生成の可能性を広げる多くのモデルが共有されています。これらのモデルをダウンロードすれば、手軽に特定のスタイルに特化したハイクオリティな画像を生成可能です。
Civitaiでダウンロードできるモデルを再度以下にまとめました。
- Checkpoint(モデル)
- VAE
- LoRA
- ポーズ集
上記をダウンロードすることで、より詳細な指示を生成画像に反映させられます。
なお、Civitaiの使い方は簡単で、以下のたった2ステップで完了します。
- Civitaiでモデルを選ぶ
- 利用規約を確認してダウンロード
当メディアで調査したところ、Civitaiのモデルを活用して生成された画像には、以下のようなものがありました。
- リアル人物写真風
- アニメキャラクター風
- ドット絵風
このように多様なスタイルの画像を生成できるCivitaiのモデルですが、利用する際は以下の3点に注意が必要です。
- サイトは英語表記
- 著作権問題
- 商用利用の可不可
著作権問題や商用利用の可否に注意しながら、Civitaiを活用してハイクオリティな画像を生成しましょう!
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
「Civitai」を活用して生成画像のクオリティを向上させる方法は、次世代のビジュアルコンテンツ制作を大きく変える可能性を秘めています。
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