FaceFusionで顔を簡単入れ替え!禁断のディープフェイクツール徹底検証

FaceFusion ディープフェイクツール 検証

現在大きな注目を集めている「FaceFusion」は、高度なAI技術を使った無料のディープフェイク作成ツールです。

高品質なディープフェイク動画が簡単に作成できるため、エンターテインメントや広告、教育分野などでの活用が期待される一方、悪用リスクも指摘されています。

今回は、FaceFusionを実際に使い、顔の置き換えがどのように行われるかを検証してみました。

ぜひ最後までご覧ください!

目次

FaceFusionの概要

FaceFusionは、AI技術を活用したディープフェイク作成ツールで、1枚の顔画像から動画内の顔を簡単に置き換えることができます。ソースコードはGitHubで公開されており、誰でも利用可能です。

画面上で顔画像の置き換えから動画の選択、プレビューまで可能なので、ターミナルからダウンロードできればすぐに利用可能になります。

それでは、FaceFusionの画面を簡単に説明していきます。

~基本操作の説明~
  1. 変えたい顔の画像を入れる
  2. 変えたい動画を入れる
  3. スタート
  4. 完成のイメージ
  5. 完成の動画
  6. 完成した動画のダウンロード

画像と動画を入れると完成イメージが表示され、スタートボタンを押すと顔を交換した動画が完成します。

FaceFusionのライセンス

FaceFusionはMITライセンスの下で公開されており、MITライセンスは、商用利用、改変、配布、特許使用、私的利用を含む幅広い用途での使用を許可しています。

しかし、使用時には著作権表示とライセンス全文をソフトウェアのすべてのコピーや主要部分に含める必要があります。詳細に関してはLICENSE.mdから確認するようにしましょう。

参考:https://github.com/facefusion/facefusion/blob/master/LICENSE.md

分かりやすいようまとめたのが以下の表です。

利用用途可否
商用利用⭕️
改変⭕️
配布⭕️
特許使用⭕️
私的利用⭕️

なお、表情を自由に編集できるアバター生成AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

FaceFusionの使い方

それでは、FaceFusionの画面まで行ってみようと思います。

今回はPowerShellを使います。

PowerShellダウンロードサイト
https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/scripting/whats-new/migrating-from-windows-powershell-51-to-powershell-7?view=powershell-7.4

PowerShellを開きます。

環境の準備

まず、FaceFusionに必要なツールをインストールしていきます。GitHubに載っているので、各自の環境に合わせてインストールしていきます。

今回はWindows環境で行うので、赤枠で囲まれている①Installationと②Windowsをクリックします。

参考:https://docs.facefusion.io/installation

以下の画面が出てきますので、FaceFusionに必要なツールをインストールしていきます。

画像内のコードをコピーできるように、以下に記載しています。

ツールのインストール

GIT

winget install -e --id Git.Git

Conda

winget install -e --id Anaconda.Miniconda3 --override "/AddToPath=1"

FFmpeg

winget install -e --id Gyan.FFmpeg

Codec

winget install -e --id CodecGuide.K-LiteCodecPack.Basic

他にもインストールしていきます。

アクセラレータのインストール

CUDA

conda install conda-forge::cuda-runtime=12.4.1 conda-forge::cudnn=9.2.1.18

TensorRT

pip install tensorrt==10.5.0 --extra-index-url https://pypi.nvidia.com

OpenVINO

conda install conda-forge::openvino=2024.3.0

FaceFusionプロジェクトの取得

全てインストールできたら、GitHubからFaceFusionをローカルにクローンします。

git clone https://github.com/facefusion/facefusion.git
cd facefusion

残りのインストール

実行したときに足りないと言われたものです。人によりますが、エラーが出たら参考にお使いください。

pip install opencv-python
pip install tqdm
pip install onnx
pip install onnxruntime
pip install filetype
python -m pip install scipy
pip install gradio
python install.py --onnxruntime default

実行

python facefusion.py run

成功したらこのような画面になると思います。

赤枠で囲ったURLhttp://127.0.0.1:7860に移動するとFaceFusionが使える画面に行きます↓

これでディープフェイク動画が作れるようになりました。

FaceFusionで有名人の顔を取り替えてみた

今回検証する内容は、以下の5つです!

1. 安倍さんの顔をドナルド・トランプ氏の顔に変える。
2. 1で作った動画を使い、もう一度トランプ氏の顔に変える。
3. 異性(女性)の動画の顔をトランプ氏の顔に変える。
4. 振り向き顔の動画をトランプ氏の顔に変える。
5. 二人いる場合の動画で、トランプ氏の顔に変える。

それでは検証していきます。

ドナルド・トランプ氏 & 安倍 晋三氏

ドナルド・トランプ氏と安倍 晋三氏を組み合わせてみます。

使う素材はこちら↓

完成した動画がこちら ↓

かなり高クオリティなディープフェイクの動画が出来ました。見事に安倍さんの顔がドナルド・トランプに変わっていると思います。

トランプ氏 & 一度ドナルド氏の顔に変えたディープフェイク動画

さらに、完成した動画に対して、もう一度ドナルド・トランプ氏の画像を使うとどうなるのか検証してみます。

完成した動画がこちら ↓

2つとも全く同じように見えます。

作ったディープフェイク動画に対し、もう一度同じ顔の画像を使って生成してもあまり効果がないのかもしれません。

トランプ氏 & 異性(女性)

今度は女性から、トランプ氏の顔画像に変更してみます。

使う素材はこちら ↓

完成した動画はこちら ↓

問題なく顔の交換が出来ました。服装や髪型で印象は変わりますが、眉毛や目の色、表情の変化など、トランプ氏の顔の特徴が出ていると思います。

異性でも問題なさそうな結果ですね。

トランプ氏 & 振り向き(男性)

1〜3番の検証から、正面を向いている顔の交換は問題無いと思い、今度は角度(横顔)が付いている顔の交換を検証してみます。

使う素材はこちら ↓

完成した動画がこちら ↓

きちんと最初の横顔も交換されています。

大きなリアクションの最中でも、顔はトランプ氏のままです。角度がある動画でも問題なさそうな結果になりました。

ドナルド・トランプ & 2人組(男女)

顔の角度も良さそうなので、今度は複数人いる場合、どうなるのか検証してみます。

使う素材はこちら ↓

完成した動画はこちら ↓

男性の顔はトランプ氏の顔に交換され、女性の顔はそのままという結果になりました。

検証結果について

ディープフェイクの生成時間は、動画の長さ(数秒程度の差)に対して大きな変化は無く、基本20分ほどで生成されました。

生成する時に画像と動画を入れるのですが、入れてから数秒で完成のイメージ画像が出てくるので、完成後の動画が想像しやすい印象です。

顔の向きが正面以外に、横向きも対応できている点が特に良かったです。

一度生成した動画を使い、もう一度同じ画像を使って生成しても変化がない結果や、複数人いる時は一人だけ顔の交換がされるなど、まだまだ面白い検証が出来そうです。

なお、入力された画像を様々なスタイルに変換できるAIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

FaceFusionの利用に関する注意点

FaceFusionは、AI技術を活用して動画内の顔を他の顔に置き換えるディープフェイク作成ツールです。

その高い性能から、エンターテインメントや教育分野での活用が期待される一方、適切な使用が求められます。以下の点に注意してご利用ください。

  1. プライバシーの尊重: 他者の顔や声を無断で使用することは、プライバシーの侵害となる可能性があります。必ず本人の許可を得て使用してください。
  2. 法的リスクの認識: ディープフェイクの作成や配布は、名誉毀損や著作権侵害などの法的問題を引き起こす可能性があります。各国で規制が強化されているため、最新の法令を確認し、遵守することが重要です。
  3. 偽情報の拡散防止: ディープフェイクはリアルな偽映像を作成できるため、誤情報の拡散や詐欺に悪用されるリスクがあります。作成したコンテンツが誤解を招かないよう、適切な注釈や説明を加えることが求められます。
  4. 倫理的配慮: 他者を誹謗中傷したり、社会的混乱を引き起こす目的での使用は避けるべきです。技術の利用には高い倫理観が求められます。

ディープフェイク技術は強力であり、その利用には慎重な判断が必要です。正しい理解と責任ある活用を心がけましょう。

まとめ

FaceFusionは、AI技術を活用し、動画の顔を交換することができます。

今回は基本操作しか触れていませんが、他の設定を動かすことで、より質の高いディープフェイク動画が作れそうです。

今後、FaceFusionが質の高いディープフェイク技術を提供することにより、エンターテインメント、広告、教育など多岐にわたる分野で実用が期待されるでしょう。

最後に

いかがだったでしょうか?

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投稿者

  • 中田

    データサイエンス専攻の大学院生。大学では、生成系AIの拡散モデルを用いた音楽生成について研究。 趣味は作曲、サッカー、コーヒー。

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