【Hunyuan 3D】テクスチャ精度が大幅進化した3D生成モデル!性能や使い方を徹底解説

- 高品質な3Dモデルを生成できる最先端のAIモデル
- 完全オープンソースで改変・再配布・検証が自在
- Hugging Faceデモとローカル実行で試用でき、導入ハードルが低い
2025年8月2日、中国のTencent(テンセント)社は「Hunyuan 3D 2.1」をリリースしました!
Hunyuan 3Dは、入力した画像から高品質な3Dモデルを生成できる最先端のAIモデルです。
その最大の特徴は、最先端の3D生成AIでありながら完全オープンソースとして提供されている点にあります。ゲーム開発、映画・アニメ制作、VR(仮想現実)や建築ビジュアライゼーションなど幅広い分野での活用が期待されており、公開直後から国内外で大きな注目を集めています。
本記事では、Hunyuan 3Dの概要や性能、使い方と実際に試してみた検証結果をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
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Hunyuan 3Dの概要

Hunyuan 3Dは、中国Tencent社の研究チームによって開発された3D生成AIシステムです。
ユーザーが文章による説明や参考画像を与えると、それをもとに高品質でフォトリアルな3Dアセットを自動生成します。生成された3Dモデルは、メッシュ構造とテクスチャを含んでいて、そのままゲームエンジンやDCCツールに取り込んで利用することができるようになっています。

Hunyuan 3D 2.1の前バージョンであるHunyuan 3D 2.0(2025年1月公開)から進化している点も注目すべきポイントです。
1点目が、フレームワークの完全オープン化です。2.0では一部コンポーネントのみの公開に留まっていましたが、2.1ではモデルの全ウェイトや学習コードまですべて公開されました。
これにより研究者や開発者がモデルを自由に微調整・拡張できるようになり、AIによる3D生成技術の民主化が大きく前進しました。
2点目が、PBRマテリアル対応の高品質な質感生成です。従来はRGB画像ベースだったテクスチャ生成を刷新し、金属の反射や物体表面の微細な光の透過・拡散(サブサーフェス・スキャタリング)まで再現する物理ベースのレンダリング手法を導入。これによって、ゲームや映画のようなリアルさが要求される用途でも十分に耐えうる質感表現を実現しています。
そして、3点目が、幾何学的精細さの向上です。形状生成モデルのアルゴリズム改良により複雑なオブジェクトの細部まで表現可能となり、例えばキャラクターや機械の精巧なパーツもより正確に再現できるようになりました。指標となる評価尺度(CLIPスコアやCMMDなど)でも前バージョン比で大幅な向上を記録しており、品質・精度の面で競合モデルを上回っています。
さらにマルチプラットフォーム対応も強化され、LinuxサーバーだけでなくWindowsやMacOS上でも動作可能となりました。
Hunyuan 3D 2.1は、オープンソースコミュニティに開放された初の本格3D生成AIモデルであり、その汎用性と性能の高さから「3D資産制作のゲームチェンジャー」と評価されています。
Hunyuan 3Dの性能
Hunyuan 3Dの性能は、現時点で同種の3D生成モデルの中でもトップクラスと報告されています。
Tencentの公式GitHubで公開されたベンチマーク結果によれば、既存のオープンソース/クローズドソースの3D生成手法を総合的な品質指標で上回ったとされています。例えば、生成モデルのテキスト条件遵守率や画像類似度を示す指標であるULIPやCLIPスコアにおいて、Hunyuan 3D 2.1は他モデル(Michelangelo、Craftsman、TripoSGなど)より高い値を示しました。

特に、テクスチャ生成部分の精度向上が顕著で、画像条件に対するCLIP-Iスコアは、前バージョン2.0の0.8893から2.1では0.9207へと大きく改善しています。この数値からも、入力指示に対してより忠実で高品質な3Dモデルを生成できていることがわかります。
Hunyuan 3Dのライセンス
Hunyuan 3Dは、「Tencent Hunyuan 3D 2.1 Community License」という独自のライセンスで公開されています。このライセンスは一般的なオープンソースライセンス(MITやApache-2.0など)とは異なり、商用利用も含めて自由に改変・再配布を認めつつ、いくつかの条件と制限を設けたものとなっています。
非営利・個人利用はもちろん、企業による商用プロジェクトでの利用なども基本的に無料です。ただし、利用規模が非常に大きくなる場合(プロダクトの月間ユーザー数が100万人を超えるようなケース)には、事前にTencentからの許諾を得る必要があるようなので注意しましょう。
利用用途 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
商用利用 | ⭕️ | ※100万MAU超の大規模利用時は要申請 |
改変 | ⭕️ | |
配布 | ⭕️ | ※配布時に本ライセンス契約書の提示が必要 |
特許使用 | ❌️ | |
私的使用 | ⭕️ |
\画像生成AIを利用する際はライセンスを確認しましょう/
Hunyuan 3Dの料金
Hunyuan 3D自体は、オープンソースで無償公開されているため、ソフトウェアの利用料やライセンス費用は一切かかりません。誰でもGitHubからモデルコードや学習済みウェイトデータをダウンロードできて、コミュニティライセンスの許諾範囲内であれば無料で使うことができます。
また、TencentはHugging Face上に公式デモスペースを公開しており、環境構築不要でブラウザからモデルを試せるようになっています。
区分 | 料金 |
---|---|
ソフトウェア本体 | 無料 |
公式デモ | 無料 |
追加商用ライセンス | 無料 |
もちろん、モデルを実際に動かすための計算資源(GPUマシンの準備)はユーザー側で負担する必要があります。
例えばローカル環境で高性能GPUを用意する場合はそのハードウェア費用や電気代、あるいはクラウド上でGPUインスタンスを借りる場合は時間あたりの利用料が発生します。しかしこれは本モデルに限った話ではなく、Hunyuan 3D 2.1そのものは無料であり、追加のライセンス料金も不要ですので、導入コストのハードルは非常に低いといえますね。
Hunyuan 3Dの使い方
Hunyuan 3D 2.1の利用方法は、手軽に試せるオンラインデモと高度なローカル実行の2通りのアプローチがあります。それぞれ順を追って説明します。
① オンラインデモで試す方法
環境構築なしですぐ試したい場合は、Tencent公式が公開しているHugging Face上のデモスペースを利用するのが簡単です。ウェブブラウザで専用ページにアクセスすると、GUI上で画像アップロードやテキスト入力ができるインターフェースが表示されます。

② ローカル環境で動かす方法
開発用途で細かく制御したり、大きなモデルを生成したい場合は、自身のPCやサーバー上でHunyuan 3D 2.1を実行することになります。必要なのはPython環境と対応するGPUです。基本的な手順は以下の通りです。
1.コードとモデルデータの入手: まずは公式GitHubリポジトリからコードをクローンします。またモデルの学習済み重みデータもHugging Faceのモデルページからダウンロードするか、自動ダウンロードされるようスクリプトを準備します。
2.環境セットアップ: Python(推奨バージョン3.10)をインストールし、仮想環境を作成してから、リポジトリ内のrequirements.txt
を使って必要なライブラリをインストールします。主要な依存パッケージにはPyTorch 2.5やCUDA対応のTorchVision、そして3Dレンダリング用の追加モジュールなどがあります。公式リポジトリで紹介されているインストールコードは以下の通り。
pip install torch==2.5.1 torchvision==0.20.1 torchaudio==2.5.1 --index-url https://download.pytorch.org/whl/cu124
pip install -r requirements.txt
cd hy3dpaint/custom_rasterizer
pip install -e .
cd ../..
cd hy3dpaint/DifferentiableRenderer
bash compile_mesh_painter.sh
cd ../..
wget https://github.com/xinntao/Real-ESRGAN/releases/download/v0.1.0/RealESRGAN_x4plus.pth -P hy3dpaint/ckpt
3.追加モジュールのビルド: 一部、3Dレンダリングに必要なカスタムCUDA拡張が含まれているためコンパイルが必要です。GitHubの手順に従い、hy3dpaint/custom_rasterizer
ディレクトリ内でpip install -e .
を実行、続いてhy3dpaint/DifferentiableRenderer
内でbash compile_mesh_painter.sh
を実行してコンパイルを完了させます。
4.モデルの読み込み: Pythonスクリプト上でモデルを呼び出します。例えば公式サンプルでは、まず形状生成パイプラインとしてHunyuan3DDiTFlowMatchingPipeline.from_pretrained('tencent/Hunyuan3D-2.1')
を呼び出し、続いてテクスチャ生成用にHunyuan3DPaintPipeline
を初期化します。これによりメモリ上にモデルがロードされ、推論実行の準備が整います。
import sys
sys.path.insert(0, './hy3dshape')
sys.path.insert(0, './hy3dpaint')
from textureGenPipeline import Hunyuan3DPaintPipeline
from textureGenPipeline import Hunyuan3DPaintPipeline, Hunyuan3DPaintConfig
from hy3dshape.pipelines import Hunyuan3DDiTFlowMatchingPipeline
# let's generate a mesh first
shape_pipeline = Hunyuan3DDiTFlowMatchingPipeline.from_pretrained('tencent/Hunyuan3D-2.1')
mesh_untextured = shape_pipeline(image='assets/demo.png')[0]
paint_pipeline = Hunyuan3DPaintPipeline(Hunyuan3DPaintConfig(max_num_view=6, resolution=512))
mesh_textured = paint_pipeline(mesh_path, image_path='assets/demo.png')
5.3D生成の実行: あとは画像ファイルパスやテキストを指定してパイプラインを実行するだけです。形状生成パイプラインに画像を与えてメッシュを取得し(例:mesh = shape_pipeline(image='input.jpg')
)、それをテクスチャ生成パイプラインに渡してテクスチャ付きモデルを得ます(例:textured_mesh = paint_pipeline(mesh, image_path='input.jpg')
)。処理完了後、得られた3DモデルデータをOBJ/FBXなど好きな形式でエクスポートできます。
Hunyuan 3Dを使ってみた
ここからは実際にHunyuan 3D 2.1を使っていきます。今回はHuggingFace上の公式デモサイトで試していきましょう。
まずは公式でもサイトで用意されているSample画像を使っていきます。

Gen Shapeの実行結果は以下の通り。
Gen Textured Shapeの実行結果は以下の通り。
画像1枚からここまで精緻な3Dを出力できるのは驚きです。2.0から進化したとされているテクスチャ生成精度の強さを感じます。
続いて、フリー素材の画像を2D画像を入力として使ってみます。入力画像はこちら。

Gen Shapeの実行結果は以下の通り。
Gen Textured Shapeの実行結果は以下の通り。
傘が複製されてしまっているのと、少しいびつな出力となりましたが、1発でラフなスケッチからキャラクターを立体化してくれるのはおもしろいですね。
もう少し試したいところですが、1日あたりのGPU利用制限に達してしまいましたので断念。気になる方は、お好きな画像を入力として、ぜひ試してみてください。
まとめ
Hunyuan 3Dは、Tencentによって開発・公開された革新的な3D生成AIモデルです。テキストや画像からボタン一つで高品質な3Dモデルを作り出せるその能力は、ゲーム・映像・VRといったクリエイティブ産業のみならず、プロトタイピングや教育用途など様々な分野への応用可能性を秘めています。
今後も本モデルを基点に、3D生成AI分野のさらなる発展が期待されます。そして、Hunyuan 3D自体も進化を続け、私たちの創造の幅を一段と広げてくれることに期待が高まりますね。
気になる方は、ぜひ一度Hunyuan 3D 2.1を試してみてください。

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