教材づくりに追われる日々、もう終わり!生成AIで考える時間を生み出す教材作成術を解説

- 様々なテーマの教材作成に生成AIは最高のアシスタント
- 教材の目的やゴールを定めておくことが大切
- 生成AIを導入することで教育の質を高める時間を生み出せる
企業研修や教育現場における教材作成は、多くの時間と労力を要するコア業務の一つです。特に、時代の変化に伴う教材内容の更新や、新しい研修テーマへの対応などは大きな負担になりがちです。
そんな課題を解決するツールとして「生成AI」を活用した教材作成がオススメです。生成AIを活用することで、教材作成の時間とコストを大幅に削減することができるだけでなく、教材の品質を一定に保ち維持できます。
本記事では、生成AIを用いて教材作成するメリットや、具体的な作成方法などをご紹介していきます。教材作成に負担を感じている企業担当者の方はぜひ参考にしてください!
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
そもそも生成AIとは?
ここ数年、AI技術の発展は目覚ましく、中でも生成AIは様々な場面で活用されています。そもそも生成AIとは、テキスト・画像・音声などのコンテンツを生成できる人工知能技術のことを指します。
これまで人間でなければ難しいとされていた作業を高精度に行えるようになり、ChatGPTやGeminiなどの対話型生成AIが社会に普及しつつあるのです。教育現場や企業の研修などでの教材作成に、これらの生成AIを活用する動きが加速しています。
なお、生成AIについて詳しく知りたい方は下記の記事を合わせてご確認ください。

生成AIで作成できる教材の種類

生成AIを活用することで作成できる教材は下記のような種類があります。
- パワポ資料・スライド・ハンドアウト
- eラーニング教材(構成・台本・ナレーション原稿)
- テスト問題・チェックテスト・小テスト
- ケーススタディ・ロールプレイ用シナリオ・Q&A集など
生成AIでは、教材の目的やテーマ、ターゲットなどを明確に指示することによって、多岐にわたる教材の「たたき台」を瞬時に作成できます。パワポ資料の素案やハンドアウトの解説文などの作成だけでなく、動画型のeラーニングで必要となるナレーション原稿なども作成可能です。
研修動画の長さに合わせた文字数の調整や、説明のトーン(丁寧語や口語体など)も指定できるため、制作期間を大幅に短縮できます。さらに、実践力を養うロールプレイ用シナリオや想定問題集などの作成にも活用でき、教材作成のあらゆるフェーズで工数の削減に活用できます。
生成AIで教材作成を行うメリット

教材作成に生成AIを導入することは、単なる時間的コストの削減だけでなく、教材そのものの品質を一定化させたり、属人化しがちな教材内容を標準化できるなど様々なメリットがあります。ここからは生成AIで教材作成を行うメリットについて詳しく解説していきます。
教材作成の時間とコストを大きく削減できる
生成AIで教材作成を行う最大のメリットは「時間とコストの削減」です。これまで人の手で一から教材作成に取り掛かっていた時間を、生成AIが介入することで大幅な短縮が見込めます。
従来の教材作成にかかっていた人件費や外注コストを大幅に削減できるのは大きなメリットと言えるでしょう。また担当者は、単純作業を生成AIに任せることによって、より価値の高い人材チェックや、教育効果の分析など企業にとってより良い作業時間を捻出できます。
研修テーマごとの構成・テンプレを標準化できる
教材には様々なテーマや目的、ターゲットがあり、そこに焦点をあわせて毎回構成作成を行うのは非常に負荷がかかる作業になりますよね。生成AIは指示によって一貫したトーンと構成で文章を生成できるため、特定の研修テーマにおける構成作成やスライドのテンプレートなどを標準化できるのもメリットの一つです。
特に様々なテーマの研修を行う企業にとっては、いくつかのテンプレや構成案が生成AIによって用意されていると教材作成におけるハードルが一気に下がります。
講師が変わっても一定品質の教材を維持しやすい
様々な現場で教材作成を行う上で課題とされているのが「教材の属人化」です。特定の作成担当者や講師のスキルに依存してしまう点は、担当者に負担がかかったり、講師が変わったりすると品質が下がるなどの懸念が生じます。
そんな懸念も生成AIを活用することで、解決してくれるのです。生成AIが作成した標準化された構成やテンプレをベースに、過去の講師が作成した資料などを読み込めば、講師ごとの説明のブレが小さくなり、一定品質の教材を維持しやすくなります。
新たな担当者や講師が入った場合でも、すぐに質の高い教材を準備できる体制が整うのは大きなメリットになるでしょう。
内容の更新・改訂を素早くできる
教材内容によっては、法律の改正や業界のトレンド変化、技術のアップデートなど常に最新の状態に保たなければいけないものがあります。一度教材を作成しても内容の更新や改訂も、作業負担になってしまいがちですが、生成AIを使うことで内容の更新・改訂を素早くできます。
例えば、生成AIに「この教材の〇〇法の改正部分を反映し更新してください」と指示するだけで、関連する情報の調査と文章の修正案を瞬時に提示してくれるのです。生成AIを活用することにより、教材内容を常に最新状態を保つことができ、タイムリーな教育提供が可能になります。
生成AIで教材作成する流れ
では実際にどのようにして生成AIで教材作成をすればいいのか、イメージできていない方も多いはずです。やみくもに文章作成を指示するだけでは、高品質な教材は作成できません。
目的設定から最終チェックまで、以下5つのステップで生成AIを活用することをおすすめします。
①研修の目的・対象・ゴールを整理する
まず教材作成をするうえで大切なのは、研修の目的・対象・ゴールを整理しておくことです。「設計図」というとわかりやすいかもしれません。
「この教材は誰に向けて、どのような目的で、どう伝わればゴールなのか」という点を整理しておくことで、より精度の高い教材作成を生成AIは行ってくれます。生成AIには良質な「プロンプト(指示文)」を与えることが、高品質な教材を生み出すうえで不可欠です。
この最初の設計段階で生成AIが作り出す教材の品質を決定づけると言っても過言ではありません。
②生成AIに構成案を作らせる
整理した設計図をプロンプトに入れて構成案を作ってもらいましょう。
例えば「◯◯のテーマで90分の研修教材の構成案を作成してください」と指示します。
すると生成AIは瞬時に作成してくれますが、そのまま採用するのではなく、教材の目的に合っているのか、受講者のレベルに適切なのかどうかを確認し、必要に応じて修正を指示しましょう。
この段階で構成案の方向性を固めておくことで、のちの手戻りを防ぐことができます。
③本文・スライド素案を自動生成する
完成した構成案の見出しなどに基づき、「各項目の本文」や「スライド用の素案作成」を生成AIに指示しましょう。この際、文体(です・ます調など)やトーン、使用してほしいキーワードや情報などを細かく指定することで、より適した文章を生成してくれます。
必要であれば教材に取り込みたい資料ファイルなどを添付して指示をすることで、その資料を基にした文章を生成してくれます。生成された文章は、情報の正確性や表現の適切さなどを人の目でチェックし、都度修正を指示して品質を高めていきましょう。
④事例・自社ルール・図表などを人が加筆する
生成AIが作り出すテキストは、基本的にはインターネット上にある一般的な情報に基づいて生成されます。企業の目的に合った高品質の教材にするためには、自社特有の情報を加える工程が欠かせません。
具体的な事例や自社独自のルール、機密性の高い図表など人しか知り得ない情報は、自身で加筆・修正しましょう。生成AIと人との協働作業を行うことによって、教材を手に取った受講者にとって価値のあるものに近づけていきます。
⑤確認テストや振り返りシートを作成するのもおすすめ
作成した教材の教育効果をより高めるために、教材本体とは別に付帯資料の作成も生成AIに任せてみましょう。具体的には、教材の内容に沿った選択式・穴埋め式の確認テストとその詳細な解説や、受講者の振り返りシートや具体的な行動計画を記入するシートなどです。
このような付帯資料を作成することによって、教材自体の完成度があがり、教材を手に取った方の吸収率にも好影響をもたらすでしょう。
実際にChatGPTで教材を作成してみた!
ではここで、実際に生成AI「ChatGPT」を使って教材を作成してみましょう。実際に送るプロンプトなども公開しますので、研修教材作成の参考にしてください!
まずは研修のテーマ、目的、ターゲットを明確にします。
今回は
- 研修テーマ【タイムマネジメントについて】
- 目的【社員一人ひとりの生産性を高めるため】
- ターゲット【入社3年目の社員向け】
という内容で作成してみたいと思います。
まずはChatGPTにこれから教材作成してほしい旨を指示します。

すると瞬時に構成案が作成されました。

この時点で構成案をしっかり確認し、項目の追記や削除などを指示して壁打ちすることが大切です。今回はこのまま作成してもらいます。

スライドの素案が出来上がりました。ここに自社特有の情報や伝えたいことを人の手で追記し、生成AIに各項目の本文を作成してもらうと教材として形になるでしょう。
ここまでかかった所要時間は5分ほどです。もちろん今回はテスト的な意味合いもありますので、情報を精査したり自社の事例や情報などを組み込むと完成度はどんどん上がります。
生成AIで教材作成するユースケース
生成AIで教材作成することで、作業の効率化や様々なコストの削減だけでなく、企業の教育・研修分野における特定の課題解決につながります。ここからは、生成AIで教材作成する代表的なテーマや具体的な活用方法をご紹介していきます。
コンプライアンス研修
コンプライアンス研修は、法令や企業倫理の遵守が目的であり、正確性、網羅性、そして最新情報の反映が求められます生成AIは、特定の法令(例:独占禁止法、景品表示法など)の解説文や、ハラスメントや情報セキュリティなどの事例のテキスト生成を得意としています。
これにより、教材のベースとなる文章作成を迅速に行い、専門家による最終チェックの時間を確保できます特に、法改正に伴う教材の更新や変更においては、AIに修正箇所と改正内容を指示するだけで、更新作業の負担を大幅に軽減できます。
生成AI・ChatGPTリテラシー研修
企業にChatGPTなどの生成AIのリテラシーを高める最先端の研修テーマの教材作成にこそ、生成AIは不可欠なツールといえるでしょう。AIに最新の技術動向や利用するうえでの注意点、リスク要因などをリアルタイムで集約・整理させることができます。
そこに自社の利用ポリシーや実践的なプロンプト集などを組み込むことで、企業のAIリテラシーはより一層高いものになります。
営業スキル研修
企業における営業スキル研修の教材でも、生成AIを活用すれば高品質なものを作成できます営業スキル研修では、知識だけでなく実践力が求められるため、多様なロールプレイ用シナリオや想定問答集が不可欠です。
生成AIで以下のような指示をすることで実践用教材を作成することができます。
例えば、「〇〇業界・〇〇製品のBtoB営業、初回商談でのロールプレイ台本を、ネガティブな顧客反応を含む3パターンのロールプレイシナリオを作成してください。」
このような具体的かつ複雑な指示でも、短時間で大量に準備することができるため、営業スキル研修のバリエーションの密度を高められます。
マネジメント研修・キャリア研修の教材草案作成
企業のマネジメント・キャリア研修などの教材テーマは、内容が抽象的かつ論理的にしっかり組み立てる必要があり、教材づくりが特に難しい分野です。生成AIを活用すれば、世の中にある様々な理論やフレームワークに基づいて、ロジカルな草案を作成してくれます。
複雑なテーマでも、生成AIが論理の筋道を立ててくれるので、そこに企業ごとのマネジメントの特色などを組み込むことでより品質の高い教材が完成するでしょう。教材の目的がブレることを防ぎつつ、深い学びにつながる構成を生成AIが効率よく作成してくれるので、心強い味方になるに違いありません。
生成AIで作成した教材を企業で導入するときのステップ
生成AIで作成した教材を企業内で導入する際には、段階的かつ計画的なステップを踏むことが大切です。教材がもたらす最終的な目的は「組織としての底上げ、教育効果の向上」です。それらを念頭に置き、以下の導入ステップをおすすめします!
まずは1テーマの研修教材からPoCとして試す
いきなり複数のテーマの教材を生成AIを用いて作成するのではなく、まずは効果がわかりやすい1つの研修テーマに絞ってPoC(概念実証)として試行しましょう。具体的には「コンプライアンス」や「情報セキュリティ」など、内容が定型的で、客観的なテーマが適しています。
このステップを踏むことで、
- どのようなプロントの書き方が効果的か
- 生成AIが作成した教材の修正にどれだけの工数がかかったか
などの具体的なノウハウを蓄積できるので、全社展開に向けた土台作りができます。
うまくいったパターンをテンプレ化し、他の研修に展開
PoCを通じて「高品質な教材が生成できたプロンプトのパターン」などの成功ノウハウを明確化します。これらをテンプレート化し、チェックリストとしてドキュメントなどに落とし込んで社内標準として共有すれば、他の研修教材の作成にも役立てます。
標準化されたノウハウやテンプレートを基に、自社ならではの営業研修やマネジメント研修などの複雑な構成が考えられる研修分野へと段階的に適用可能です。
必要に応じてLMS・社内ポータル・ナレッジ基盤などと連携
生成AIを活用して作成した教材は、受講者の手にとって初めて教育効果が現れるものです。形になった教材は受講者が容易にアクセスできる環境を整備しましょう。
具体的にはLMS(学習管理システム)への登録による受講履歴の管理、社内ポータルやナレッジ基盤への連携なども必要に応じて行いましょう。
特に、生成AIが作成したQ&A集や専門用語の解説文は、ナレッジ基盤として社員がいつでも検索・参照できるように蓄積することで、実務での教材の二次利用を促進し、企業の情報資産としての価値を最大化してくれます。
運用ルールとガバナンスを整え、全社展開
教材作成において生成AIを用いる場合は、セキュリティとコンプライアンスを確保するための体制構築が必須です。
具体的には、教材作成における「生成AIガイドライン」を策定し、
- 機密情報や個人情報の厳格な管理
- 生成される情報のファクトチェック
- 著作権や引用ルールの遵守
などを明記しておくことが大切です。
運用ルールとガバナンス体制を徹底しておくことで、セキュリティリスクを最小限に抑えつつ、生成AIの恩恵を企業全体で享受する鍵となるでしょう。
生成AIのセキュリティについて知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください!

よくある質問(FAQ)

生成AIを使って教材作成をすると企業内で大きな効率化をもたらしますが、同時に品質や講師の役割、セキュリティなど多くの疑問や不安点が生じるかと思います。
ここからはこれらの疑問や不安点を解消し、スムーズな生成AIでの教材作成を行うためにQ&A方式でまとめ、安心して生成AIを活用するための指針を解説していきます。
生成AIで考える時間を増やす教材作成へ
教材作成に生成AIを導入することによって、企業の担当者は「文章を作成する」という単純な作業負担から解放されます。さらにそこで生まれた時間を使って「研修を通じて受講者に何を与えられるか」という本質的な問いに集中できるようになるのです。
これにより教材の構成や目的に対する考える時間が増え、より教育効果の高い、戦略的な教材作成が可能となります。生成AIは単なる効率化のためのツールだけでなく、企業の教育の質を高める時間を生み出してくれる強力な武器になり得るでしょう。

最後に
いかがだったでしょうか?
研修教材をどこまで生成AIに任せ、どこを人が担うべきか。教材設計からテンプレ化、全社展開までを見据えた生成AI活用の進め方を整理し、自社に合った運用像を描けます。
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【監修者】田村 洋樹
株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。
これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。
