生成AIがサービス業をお助け!活用事例や導入するメリットを解説
現在サービス業では人手不足が問題となっています。さらに、顧客のニーズは多様化しておりますが、多様化に対応しながらサービス品質を維持することも必要です。そこで、注目したいのが生成AIの活用。
今回は生成AIをサービス業に導入するメリットや、実際の活用事例を紹介します。どのような生成AIが誕生しているのか、ぜひ最後までご覧ください。
- 人手不足やコスト削減に悩んでおり、業務効率化を検討している方
- 業務改善や顧客体験の向上を目指し、AIや新しいデジタル技術の導入を計画している方
- チャットボットや多言語対応の仕組みで業務を効率化し、顧客満足度を向上させたいと考えている方
生成AIとは
生成AIは「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれ、文章や画像、音声などの新しいコンテンツを生成するAIのことです。大量のデータからパターンを学習し、人間が作成するものと同等、またはそれ以上の質のコンテンツを生成します。
専門的な知識やスキルがない人でも、比較的簡単に生成できるため、人間の仕事や作業をサポートするツールとしての活躍が期待されている技術です。実際に、ニュース記事の作成、ゲームの環境設計、広告の制作などに利用されています。今後もさまざまな分野で利用が広がるでしょう。
なお、生成AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIにはChatGPTやMidjourneyなど、多岐にわたるものがあります。
他にもどんな生成AIがあるのか、それらの仕組みも併せて知りたいという方に、おすすめの記事です。
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サービス業に生成AIを取り入れるメリット
生成AIの利用は、サービス業にも広がっています。どのような場面で利用されているのでしょうか。まず、サービス業に生成AIを取り入れるメリットを解説します。
人件費を削減できる
PwCが公開した「生成AIに関する実態調査2024春」というレポートによると、2024年に生成AIを活用または推進している企業は67%で、活用する目的は「社員生産性の向上」が70%、「工数・コストの削減」が57%と主に人件費の削減を目的にしていることがわかります。※1
そして、実際に生成AIを活用して効果を実感している人は57%いました。このことから、生成AIを活用することでコストを削減できるというメリットがあげられます。
24時間365日対応できる
チャットボットを利用することで顧客の問い合わせに対して、24時間365日対応できます。チャットボットは、生成AIによってユーザーの質問に答えて情報を提供したり、簡単なサポートをしたりする機能です。
顧客の問い合わせに即座に回答ができるため、よくある問い合わせを生成AIに任せ、人間は複雑な問い合わせの対応に集中できます。これにより、人件費の削減だけでなく、顧客の待ち時間が減り顧客満足度の向上につながるでしょう。
多言語対応ができる
グローバル化が進み、サービス業では日本語以外の言語での対応が課題となりました。そこで、多言語生成AIが活躍します。
多言語生成AIとは、複数の言語でテキストを生成できるAIのことです。自動翻訳機能により、日本語の文章を他の言語で自然な表現になるように翻訳します。
また、複数の言語での問い合わせに対応可能なチャットボットも作成できるため、さまざまな国の人が24時間365日サポートを受けることが可能です。
サービス業に生成AIを取り入れた活用事例10選
実際にサービス業に生成AIを取り入れた事例を紹介します。ぜひご自身の事業に生成AIをどのように取り入れるかを考える際の参考にしてください。
事例①人手不足の緩和や認知機能改善を目指す
タレントの野々村真さんが、介護の現場で役立つAIを導入するプロジェクトを始動しました。人は会話をすることで認知機能を維持・向上することがわかっています。そこで、老人ホームに高齢者と会話ができるAIを導入しよう、という意図でこのプロジェクトが立ち上がりました。
2025年から全国の老人ホームに導入予定で、これにより介護の現場で働く人たちの助けになるでしょう。※2
事例②無人決済スマートストアの設置
富士急グループのハイランドリゾート株式会社は、ハイランドリゾートホテル&スパの中にあるスーベイアショップに、AI技術を活用した無人決済スマートストアをオープンしました。
無人決済スマートストアは、店内に複数設置したAI搭載カメラやセンサーがお客様の動きと手に取った商品をリアルタイムに認識し、お客様が決済エリアに立つと会計金額がレジ画面に自動で表示されるお店です。
無人レジとは違い商品のバーコードをスキャンする必要がないため、お客様の手間も少なく買い物ができます。お店側もレジの人員が不要になるだけでなく、店内のカメラによりお客様の行動が監視されているため常時人を配置する必要がなくなり、人件費削減が可能です。※3
事例③診断に内容に応じたソリューションの提供
「防火管理AI診断」を展開する株式会社WAVE1と三井住友海上火災保険株式会社が協業を開始しました。
「防火管理AI診断」とは、マンションやオフィスビル、工場などの消防設備点検が必要な建物について、建物固有の防火防災力をスコア化する診断サービスです。
近年物流倉庫の大火災など、損害額が一件あたり200億を超える火災が発生しています。火災に対する対策方法は、消防法令や建築基準法を根拠に頼るのみで合理的な対策はされていませんでした。
そこで、消防用設備等の不具合状況を始め、建物の用途や収容人数など、消防用設備の法定点検などで得られた情報に基づいて建物毎の災害リスクを可視化する「防火管理AI診断」のサービスを開始しました。
両社は協業することで、火災による被害の減少を目指します。※4
事例④AIが接客するサービス
AIが小売店で接客サービスを行う「AI売り子」が開発されました。
近年海外からの観光客数の増加に伴いインバウンド対応が多く求められるようになりましたが、人手不足のため対応が難しい現状があります。
そこで、生成AIとキャラクターを掛け合わせた「AI売り子」を活用することで店舗の課題を解決しつつ、海外観光客に日本ならではの楽しい購買体験の提供が期待されるでしょう。※5
事例⑤接客練習サービス
一般用医薬品を販売するために必要な資格を持った登録販売者の方に向けて、接客練習をサポートするAIが作成されました。登録販売者の方は薬の説明をして売るだけではなく、相談に乗る力も求められます。
AIにより人に見られることなく、24時間好きな時間に接客練習ができるため、ご自身の接客スキルをこっそり上げることが可能です。※6
事例⑥ドリンクや料理の提案
株式会社Mintoは、だるまジャパン合同会社とGatebox株式会社と業務提携し、「AI幹事」を共同で提供を開始しました。「AI幹事」とは飲食店向けのAI接客サービスで、テーブルに設置したデバイスのカメラでグラスの空き具合を見ながらおすすめのドリンクや料理をAIが提案するシステムです。これによりお酒の場を楽しい時間に彩り、店舗の販売促進を目指しています。※7
事例⑦市民向け自動応答サービス
春日井市はアースアイズ社と連携し、市への子育て・教育についての問い合わせに24時間対応可能なチャットボットの実証実験を行いました。
従来の自動応答サービスは職員がQAを作成していましたが、今回の実証実験では株式会社miiboの会話型AI構築プラットフォームをバックエンドシステムとして採用しており、より多くの問い合わせの対応が可能です。
自治体のデジタル化推進が市民サービスの向上に貢献し、より便利で効率的な行政サービスの実現が期待されるでしょう。※8
事例⑧教育機関に特化したAIサービス
Loohcs高等学院は、生成AIによって学習支援・校務支援をする「スタディポケット」を全校で導入しました。
スタディポケットを提供するスタディポケット株式会社によると、生徒が学習内容を相談した際に、AIが直接的な答えを教えるのではなく、生徒が主体的に考える力を育むための「探究学習モード」が搭載されているとのことです。
生徒の学習のサポートだけでなく、校務支援により教員の負担軽減にもつながると考えられます。※9
事例⑨コールセンター業務の負担軽減
ビーウィズ株式会社はコールセンター業務の効率化をサポートする「Omnia LINK(オムニアリンク)」に、オペレーターと顧客の会話を要約する機能を搭載しました。従前より、音声のリアルタイムテキスト化や、よくある顧客からの問い合わせに対する回答をオペレーターに提案する機能があります。オペレーターの主な業務は通話時間と、会話の内容を記録する後処理です。今回の機能改修で会話を自動で要約して顧客管理システムに自動で入力できるようになり、オペレーターの後処理時間の短縮を可能にしました。※10
事例⑩AIによる面接の実施
株式会社VARIETASが開発した「AI面接官」に、AI面接官が行った面接内容に基づく学生向けフィードバック機能を搭載しました。
「AI面接官」とは、AI技術を活用して応募者の回答や表情、声のトーンなどを分析しながら面接を行うシステムです。面接慣れしているかどうかが合否の分かれ目になりがちな就職活動において、学生のポテンシャル・実力を見逃すことがないような設計になっています。
今回の学生向けフィードバック機能により、採用担当者と就活生双方にとって、より価値のある採用体験が提供できるようになるでしょう。※11
なお、観光業界における生成AIの活用について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
サービス業で活躍する生成AIはたくさん!
今回は人手不足や顧客ニーズの多様化により、サービスの質を維持することが課題となっているサービス業にフォーカスし、サービス業で生成AIをどのように活用できるのか解説しました。
サービス業にAIを活用するメリットは、下記2点があげられます。
- 人件費などのコストを削減できる
- 24時間365日対応できるので今まで獲得できなかった顧客にアプローチできる
サービス業の業務内容は多岐に渡りますが、生成AIもそれに合わせて開発されています。今回紹介した活用事例以外にも、サービス業に役立つ生成AIは多くあります。ぜひご自身の業務内容の中で、どの業務が生成AIで代用できるのか調べて、活用を検討してみてください!
※3:「無人決済スマートストア」がハイランドリゾート ホテル&スパにオープン
※4:災害リスク診断サービス「防火管理AI診断」のWAVE1が三井住友海上との協業を開始
※5:Gatebox、小売店向けAI接客サービス「AI売り子」を開発!生成AIによる91言語の接客でインバウンド対応をお手伝い
※6:https://x.com/YAMANAO_kaigi/status/1842687873675575721
※7:AIキャラクターが飲み会を盛り上げ!「AIたむらまろ」、飲食店向けAI接客サービス「AI幹事」とコラボ
※8:miibo、春日井市の生成AI活用「市民向け自動応答サービス」実証実験に採用
※9:渋谷区の「ルークス高等学院」、生成AIを用いたメディア向け公開授業を 6/10(月) に実施。教育機関に特化した生成AIサービス「スタディポケット」が全面サポート
※10:クラウド型PBX「Omnia LINK」が生成AIに対応 ~オペレーターと顧客の会話要約によって、生産性約3割向上~(2024年4月10日)
※11:新卒採用の書類選考から一次面接を担当する「AI面接官」、95%の学生が満足した学生向けフィードバック機能を提供開始
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
生成AIの力を活用すれば、サービス業が直面する課題をクリアできます。
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開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
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