ChatGPT・生成AIの導入も補助金の対象!利用できる制度や導入の流れを一挙紹介

- 生成AIの導入やセミナー受講を対象とした補助金が存在
- 生成AI系の補助金は中小企業の業務効率化や新規サービス創造に最適
- 補助金利用×生成AI導入は事業拡大のチャンス
国や自治体の補助金のなかには、ChatGPT等生成AIを対象としたものも存在します。
多くは生成AIツールの導入や生成AI関連セミナーの受講にあたって支援が受けられるというものになっており、新規事業の立ち上げや業務効率化を目指すビジネスオーナーの方におすすめです。
当記事では、そんな生成AI関連の補助金について、中小企業・個人事業主の方が利用できる制度を中心に一挙紹介。生成AIの導入・活用方法もあわせてお見せしていきます。
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デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは
「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」は、中小企業や小規模事業者等のITツール導入・DXを支援する国の補助金制度です。
この制度では、補助金事務局に登録されている「IT導入支援事業者」を通して、公式に認可されたITツールを国の一部負担のもとで導入できます。
デジタル化・AI導入補助金で認可されているITツールは多種多様で、クラウドサービスや会計ソフトのほか、下記のような生成AI系サービスも選択可能。しかも、ツール本体の導入にかかる費用だけでなく、クラウド利用料や相談対応等のサポート費用についても補助が受けられます。
- ChatGPTの有料プラン
- Claudeの有料プラン
- Difyの有料プラン等
当制度の対象・補助額等の詳細については下表をご確認ください。
| 詳細 | |
|---|---|
| 対象 | サービス業・一部製造業・建設業の中小企業、小規模事業者、個人事業主 (資本金・従業員数に制限あり) |
| 補助額(通常枠) | ツールが該当するプロセスの数により変動 【プロセス】 1.顧客対応・販売支援 2.決済・債権債務・資金回収 3.供給・在庫・物流 4.会計・財務・経営 5.総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・総合業務 6.業種固有プロセス 7.汎用・自動化・分析ツール 【補助額】 1プロセス以上:5万円以上150万円未満 4プロセス以上:150万円以上450万円以下 |
| 補助率(通常枠) | 1/2以内 (従業員に払う賃金によっては2/3以内に増加) |
その他の生成AI導入に活用できる補助金
続いては、「デジタル化・AI導入補助金」以外で生成AI導入に活用できる補助金を4種ご紹介します。
ものづくり補助金
「ものづくり補助金」は、中小企業者等の新製品・新サービス開発に対する補助金です。
こちらは革新的な新製品の開発または海外事業の展開にあたって必要な機械装置・ITツールの導入費用等を支援するものとなっています。
ツールの導入・業務効率化だけが目的の場合は利用できませんが、生成AIを使って新しいサービスを開発したい場合などにおすすめです。
| 詳細 | |
|---|---|
| 対象 | 中小企業、小規模事業者、個人事業主等 |
| 補助額(製品・サービス高付加価値化枠) | 100万円〜2,500万円 |
| 補助率 | 中小企業:1/2 小規模企業等:2/3 |
中小企業省力化投資補助金
「中小企業省力化投資補助金」は、人手不足を解消したい中小企業向けの補助金。売上拡大や生産性向上を目指すための設備投資を支援するものです。
こちらは公式が選定した設備の中から任意のものを選んで支援を受けられる「カタログ注文型」と自社独自の設備・システムの構築にあたって支援を受けられる「一般型」の2種類に分かれています。
うち、カタログ注文型はハード中心のため、生成AIを導入する際は一般型に応募することとなるでしょう。生成AIとその他ハード・ソフトを組み合わせたソリューションを導入する際はこちらがおすすめです。
| 詳細 | |
|---|---|
| 対象 | 人手不足の中小企業・小規模事業者 |
| 補助額(一般型) | 1,000万円〜1億円(従業員数により変動) |
| 補助率 | 1/2または2/3 |
中小企業新事業進出補助金
「中小企業新事業進出補助金」は、中小企業が既存事業とは異なる新しい事業に挑戦する際に使える補助金です。こちらは生成AIを活用した新サービス開発、新市場向けのシステム構築、新規事業の立ち上げで活用できる可能性があります。
| 詳細 | |
|---|---|
| 対象 | 中小企業、小規模事業者、個人事業主等 |
| 補助額 | 最大9,000万円(従業員数や特例により変動) |
| 補助率 | 原則1/2 |
人材開発支援助成金
「人材開発支援助成金」は、従業員の研修やリスキリングを支援する助成金となります。こちらは研修費用や訓練中の賃金の一部に対して補助金が出る制度で、生成AI関連のセミナーの受講時に検討の価値アリです。
| 詳細 | |
|---|---|
| 対象 | 従業員に職業訓練を実施する事業主等 |
| 補助額 | 研修内容やコースにより変動 |
| 補助率 | 経費助成で最大75% |
ChatGPTなど生成AIの導入メリット
ここからは、ChatGPT等の生成AIを導入するメリットについてご紹介します。
業務効率化
業務効率化は生成AIを導入する最大のメリットです。
多くの補助金の対象となる中小企業・個人事業主の場合、問い合わせ対応・資料作成・メール作成・リサーチなどを限られた人数でこなさなければならない場面も多いはず。こういった雑務・ノンコア業務に生成AIを活用することで、日々の作業負担を軽減できます。
効率化で余った人員や時間を営業活動・顧客対応・商品の改善など、売上につながるコア業務に充てることで事業の拡大も目指せるかもしれません。
新規事業・サービスの創出
生成AIは、新規事業や新サービスの創出にも活用できます。
生成AIがもつコンテンツ量産能力や話題性に、中小企業・個人事業主の強みである専門知識・地域性・顧客との距離の近さが組み合わさることで、大企業にはない独自のサービスを作れるかもしれません。例えば、以下のようなサービスが実現できそうです。
- 自社ノウハウを搭載したチャットボットによる相談サービス
- 生成AIと生身の人の二人三脚で顧客対応を効率化するチャット
- その他ニッチ業界・地域特化の業務支援ツール等
データドリブンな意思決定の実現
生成AIは、経営判断や施策改善の補助にも役立ちます。
中小企業や個人事業主では、売上データ・問い合わせ内容・顧客アンケートなどを十分に分析する時間が取れないことも少なくありません。そんな場合も生成AIがあれば、雑多なデータを瞬時に分類・要約・グラフ化して課題を簡単に把握できます。
経験や勘だけに頼るのではなく、データをもとに判断できるようになれば、仕入れ・販促・営業方針などの見直しもしやすくなるでしょう。
ChatGPT以外に中小企業などでおすすめの生成AIについては下記で詳しく解説

ChatGPTなど生成AIの活用ユースケース
ここでは、ChatGPTをはじめとする生成AIの活用シーンを4つご紹介します。
顧客対応の自動化
簡単な問い合わせへの対応や過去事例からのFAQ作成などは生成AIの得意分野です。
例えば、生成AI搭載のチャットボットを導入すれば、よくある質問への回答やサービス案内を自動化できます。営業時間外の問い合わせにも対応しやすくなるため、顧客満足度の向上につながるでしょう。
また、生成AIは過去の問い合わせ内容からFAQを自動生成したり、回答文の叩き台を作成したりといった使い方も可能。さらには、多言語での翻訳・回答生成も瞬時にこなしてくれます。
これらのユースケースは、業務効率化や海外への事業展開につながるため、補助金との相性も優れているといえるでしょう。
マーケティング・広報
生成AIは、マーケティングや広報業務にも活用できます。
文章を量産できるため、ブログ記事・SEO記事・SNS投稿・広告コピー・商品説明文等の叩き台作成や本作成に最適。トーン&マナーを指定したり、自社製品・サービスの特徴を生成文に反映させたりできるため、複数の媒体から発信したい場合に重宝します。
こちらは売上向上・業務効率化の観点から、補助金を受けられる可能性のあるユースケースです。
事務作業
生成AIは、日々の事務作業を効率化するツールとしても活用できます。
生成AIで効率化できる事務系の業務は多岐に渡りますが、なかでも下記での活用が便利です。
- 会議の文字起こしから要約・議事録作成までの自動化
- 社内マニュアルの原案作成
- 過去資料から必要な情報を会話形式で得られるチャットボット
こちらは多くの人に生成AIを使ってもらう方式のため、生成AIそのものの導入だけでなくセミナー受講でも補助金が受けられるかもしれません。
営業・バックオフィス支援
生成AIは、営業やバックオフィス業務の支援にも応用が可能です。特に、営業メール・提案書・契約書・案内文など、顧客向けの文章の叩き台作成・添削で効果を発揮してくれます。
また、社内での稟議書作成やナレッジ検索にも活用が可能で、売上向上の観点から補助金との相性にも優れています。
生成AIの活用イメージを深めたい方は、下記の記事もあわせてご確認ください。

ChatGPTなど生成AIの導入ステップ
ここでは、ChatGPTなどの生成AIを導入する際の基本的な流れをご紹介します。
導入目的の決定
まずは、生成AIを何のために導入するのか、その目的を明確にします。
ビジネスごとに、下記に挙げたような達成したい事柄があるはずですので、そこを起点に具体的に目的を決めていきましょう。
- 業務効率化
- 品質向上
- 売上向上
- 顧客体験向上 等
また、目的を決めるだけでなく、成果を判断するための基準・KPIを設定しておくのも重要です。以下のように具体的な数字を交えた目標を立てておくことで、生成AI導入を成功に導けるだけでなく、補助金申請時にも導入の意義を説明しやすくなるでしょう。
- 資料作成時間を30%短縮
- 問い合わせの初期応答を平均10秒短縮
- コンテンツ制作量を月10本から月20本へ増加
- 生成AIによる回答精度を90%以上へ改善等
導入先業務のリストアップ
次に、生成AIをどの業務に導入するのかを洗い出していきます。
資金・人員に制約がある中小企業や個人事業主の場合、いきなり全社的に生成AIを導入するのは非推奨。下記の3つの観点を基準に、効果が出やすい業務から局所的に取り入れるのがおすすめです。
- 高頻度・日常的に発生する業務
- 時間がかかっている業務
- 手順をパターン化・ルール化しやすい業務
たとえば、メール作成・問い合わせ対応・議事録作成・社内資料作成・記事作成などは、生成AIを導入しやすい業務といえるでしょう。
ツール選定
導入先の業務が決まったら、目的やKPIに合う生成AIツールを選びます。
一口に「生成AIの導入」といってもそのスタイルは下記のとおり千差万別です。
- ChatGPTのような汎用ツールをそのまま導入
- 自社システムにAPI経由で生成AIを導入
- APIモデルに加え、社内データを参照できるRAGも構築
- セキュリティ重視でローカルLLMを導入
自社の業務形態やセキュリティ要件に合うものを妥協せずに選びましょう。
導入・改善
ツールを選定したら、まずは小規模な導入から始めます。
いきなり全社導入するのではなく、特定の部署や業務に絞ってPoC(概念実証)を行い、生成AIが現場で使えるかどうかを下記の観点から確認しましょう。
- 生成AIが期待通りの精度で動くか
- 現場の作業フローに馴染むか
- 担当者が無理なく使いこなせるか
- 不具合やプロンプト攻撃などのリスクはないか 等
そのうえで、作業時間削減・回答精度・利用率・担当者の満足度などを見ながら、プロンプトや運用ルールを改善していきます。
最終的には、導入費用に対してどれだけ効果が出たのかをROI(投資対効果)で確認することも重要です。
小さく試して効果を見ながら改善を重ねることで、生成AIを無理なく社内に定着させられるでしょう。うまく成果が出れば、将来的に全社導入へ広げていくことも視野に入ります。
生成AI導入の流れについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご確認ください。

生成AI導入にかかる費用相場
生成AIの導入にかかる費用は、一般的に100万円〜3,000万円超と幅があります。
ChatGPTなど既製の生成AIツールを活用する場合は、月額数万円〜と比較的安価に導入が可能です。
一方、自社業務に特化した独自システムの開発やPoC(実証実験)を含む場合は、多くの人員と時間を要するため費用がかさむ傾向にあります。詳しくは下表をご確認ください。
| 詳細 | |
|---|---|
| 導入支援 | ヒアリング:0円 コンサルティング:約40万円〜200万円 |
| PoC検証 | 数百万円 |
| 実装 | 本開発:月額80万円〜250万円×人月 |
| 運用 | 運用費:月額60万円〜200万円前後×人月 |
また、AIチャットボットは、初期費用5万円〜10万円、月額10万円〜100万円程度が目安です。既存のAIモデルと連携するだけで済めば、新しくモデルを開発する必要がないため、比較的安く導入できるでしょう。
諸費用のなかでも特にウェイトを占めるのは人件費です。コストを優先したい場合は、ここをいかに削るかが勝負になります。
生成AIの導入コストについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご確認ください。

生成AI導入に役立つ補助金のFAQ
ここでは、生成AI導入に役立つ補助金についてのよくある質問にお答えしていきます。
補助金をうまく活用して生成AI導入を成功させよう
補助金のなかには、生成AIの導入や生成AI関連セミナーの受講を対象としたものも存在します。補助金の多くは業務効率化や新規事業の立ち上げを支援するもので、限られた資金や人員で成果を出したい中小企業・個人事業主の方におすすめです。
なお、弊社・株式会社WEELでは、補助金の対象となりうる「生成AI搭載サービスの開発」や「生成AIの基礎・活用法を学べるセミナー」などを取り扱っております。生成AI×補助金で事業を拡大させたいビジネスオーナーの方はぜひ一度、お気軽にご相談ください。

最後に
いかがだったでしょうか?
生成AIの補助金活用は、単なるコスト削減ではなく、業務効率化や新規事業創出を加速させる投資として注目されています。補助金制度を上手く活用すれば、生成AIツールの導入や社内教育、独自サービス開発まで幅広く取り組むことが可能です。自社に最適な活用方法や導入計画を検討しながら、競争力向上につながる生成AI活用を進めていくことが重要でしょう。
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【監修者】田村 洋樹
株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。
これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。
