自社データの収集方法を解説!ビジネスを成功させるためのコツや注意点を詳しく説明!
WEELメディア事業部リサーチャーのいつきです。
突然ですが、みなさんは業務効率化のために自社データの活用はされていますか?
おそらく、ほとんどの方がデータ収集の方法や手段がわからずに、断念してしまっていると思います。
そこで今回の記事では、自社データの収集方法やその手段を解説します。
最後まで目を通していただくと、自社データの収集を自分たちでできるようになるので、業務効率化のためのプロジェクトも捗ること間違いありません。
ぜひ最後までご覧ください。
AI開発から経営まで「データ収集」が不可欠
自社のデータ収集をおこなうと、AI開発から経営に至るまで、あらゆる場面で活用できます。インターネットが普及し、生成AIが登場した現代において、もはやデータ収集は企業にとって必要不可欠な存在です。
たとえば、収集した自社データで以下のようなことができます。
- 新規事業案の企画
- 業務の生産性向上
- カスタマーサポート業務の効率化
- 社内問い合わせ業務の削減
- 新人社員教育の効率化
業務を効率化することで余計なコストを削減したり、新たな価値を創出することで売上向上を図れるのが魅力です。
とくに、生成AIを自社業務に効率的に取り入れるためには、データ収集が欠かせません。
データの種類分け
「データ」と一口にいっても、実はいくつかの種類に分かれています。
データの種類の代表例は以下のとおりです。
- 定量 / 定性データ
- プライマリ / セカンダリデータ
- ゼロパーティデータ
それぞれのデータの特性などについて、詳しく解説していきます。
定量 / 定性データ
データの種類 | 定量データ | 定性データ |
---|---|---|
意味 | 数値で表せるデータ | 数値化できないデータ |
使い方の例 | 売上10%向上 | 顧客満足度の向上 |
定量データと定性データの違いは、数値化できるかできないかの違いです。ビジネスシーンで売上や利益を〇〇%上げるといった表現がよくされますが、これは定量データに該当します。
一方、顧客満足度や従業員満足度など、数値化できないデータは定性データです。抽象的な表現でよく使われるため、お互いに認織の齟齬が起きないように注意する必要があります。
プライマリ / セカンダリデータ
データの種類 | プライマリデータ | セカンダリデータ |
---|---|---|
意味 | 自分で企画して集めたデータ | 他人が集めたすでにあるデータ |
メリット | 欲しいデータが集まりやすい | データがすぐに集まる |
プライマリデータとセカンダリデータは、企画者が違うことでそれぞれ呼び名が異なります。プライマリデータは自分で企画してデータを集める分、欲しいデータが集まりやすいのが特徴です。
なお、自社データはプライマリデータに該当するので覚えておきましょう。
一方、セカンダリデータは、他人が集めたすでにあるデータを指しています。データがすぐに集まるほか、データを集める際のコストを抑えられるのがメリットです。
ゼロパーティデータ
ゼロパーティデータとは、顧客が企業に対して積極的に共有したデータのことを指しています。購入者アンケートのようなデータも該当するので、ゼロパーティデータが自社データに当てはまるケースがあるのも特徴です。
ゼロパーティデータを集めると、行動履歴だけでは読み取れないデータを取得できるのが大きな強みといえます。企業にとっては大きな価値を生むケースが多いので、ゼロパーティデータも積極的に取得しましょう。
なお、生成AIに自社データを活用するメリットを詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
自社データの収集方法
自社データを収集する際は、以下の手順に沿っておこないます。
- 自社データを収集する目的を決める
- 自社データの収集元を決める
- 収集した自社データを分析する
- 習慣的に自社データを収集して業務に活用する
とくに重要なのは、最初に自社データを収集する目的を決めておくことです。ここを明確に定めておかないと、自社データを収集すること自体が目的となってしまい、データ収集のコストや労力をただ浪費するだけになってしまいます。
また、自社データの収集は継続的におこなうことが大切です。少ない期間で取得できるデータは限られるので、長期間かけて価値の高いデータを収集していきましょう。
なお、ChatGPTに自社データを学習させる方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
自社データの収集手段6選
自社データの収集手段は、以下の6つが有名です。
- API
- Cookie
- AI-OCR
- CRMツール
- IoT機器
- アンケート
それぞれの収集手段の特徴やメリットについて、詳しく解説していきます。
まだ自社データの収集手段が定まっていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
API
API(Application Programming Interface)とは、あるソフトウェアの機能を別のソフトウェアから呼び出す仕組みのことです。
APIを活用することで、外部サービスや自社データベースからリアルタイムでデータを取得できます。
たとえば、以下のようなデータを集めることが可能です。
- 顧客データ
- 製品データ
- 地理データ
- マーケットデータ
- ソーシャルデータ
とくに、SNS・ECの自社アカウントから情報を収集できるのが強みです。
Cookie
Cookieは、Webサイト訪問者の行動データを収集できるツールです。ECサイトなどにアクセスしたあと、データの活用可否について同意を求められた経験がある方は多いのではないでしょうか。
自社ホームページ・ECなどから、以下のようなデータを集められるのが特徴です。
- サイトの滞在時間
- 訪問したページ
- クリック箇所
- ユーザーの属性(ログイン情報に年齢や性別を入れている場合)
ECサイトを運営している企業なら、有効なデータを集めるのに最適な手段といえます。
AI-OCR
AI-OCR(Artificial Intelligence Optical Character Recognition)とは、画像やPDFに書かれた文章をデジタルなテキストデータに変換して収集する技術のことです。
契約書やアンケート用紙などの紙媒体から、顧客の個人情報や購入情報などを取得でき、そこから顧客の属性ごとのパターンやトレンドを分析できます。
自社で眠る紙媒体のデータを電子化できるのが大きなメリットです。
CRMツール
CRMツールとは、顧客に関するあらゆるデータをまとめて管理するITシステムのことを指しています。顧客の年齢や性別などの基本情報を取得して、そこから各顧客データに属性を与えてグループ化することも可能です。
CRMツールを活用して顧客データを効率的に運用すれば、各顧客に最適なサービスを提案できます。
BtoC企業においては、ゼロパーティデータの収集においても有効です。
IoT機器
IoT(Internet of Things)機器とは、インターネットに接続して機能する機器の総称です。具体的には、スマートフォンやタブレット、カメラやセンサーなどが該当します。
社外に提供しているIoT機器・サービスはもちろん、社内に設置しているIoT機器からもデータ収集が可能です。設備や商品の稼働状況、環境データなどを効率的に集めたい方は活用してみてください。
アンケート
アンケートは、自社データを収集する手段としては最も初歩的なものです。設備などが必要なく、誰でも始められるメリットがありますが、その分費用や時間がかかるので奥の手ともいえます。
ただし、得られる情報は非常に貴重なため、アンケート結果を分析すれば、サービス改善や新商品の開発に役立てられます。
自社データを収集する際のコツ・注意点
「目的に合ったデータを集める」「鮮度の高いデータを集める」ことはデータ収集の基本です。しかし、それだけでは十分ではありません。
ここでは、さらに一歩踏み込んだコツとして、以下の3つをご紹介します。
- 各種ツールを活用する
- データは一元管理しておく
- 収集後は前処理を行う
自社データを効率的に、そして効果的に活用するためのヒントをお伝えします。具体的なアプローチを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
各種ツールを活用する
自社データの収集は、各種ツールを活用することで格段に効率が上がります。
以下に、自社データの収集で使える便利ツールをまとめました。
- データレイク:構造化・非構造化データの両方をそのままの形式で保存できるリポジトリです。多種多様なデータを集約して、分析に役立てられます。
- DWH:データウェアハウスの略です。自社にある複数のシステムから、大量のデータを目的別や時系列順で蓄積するシステムを指しています。
- CDP:カスタマーデータプラットフォームの略です。企業が所有している顧客情報などを集約して分析するためのプラットフォームです。
- CMP:コンセントマネジメントプラットフォームの略です。ユーザーのコンセント(同意)を管理するツールで、データプライバシーに対応した収集・管理が可能です。
それぞれの特性を理解して、自社に適したツールを導入しましょう。
データは一元管理しておく
データを一元管理することは、効果的なデータ活用に欠かせません。データが各部署やシステムに分散していると、重複や整合性に欠けるといった問題が発生し、データ分析の効率が低下します。
これを防ぐために、データを一つのプラットフォームで統合管理し、アクセス権限やデータの整合性を適切に維持することが重要です。また、データが一元化されていることで、異なるデータソースを横断した分析や可視化が容易になります。
収集後は前処理を行う
自社データを収集したあとは、必ず前処理を行いましょう。前処理というのは、生成AIにデータを機械学習させる前にデータを加工することを指しています。
たとえば、以下のような作業が当てはまります。
- データクレンジング:データ中のエラー・ノイズ・欠損を除去する前処理
- 正規化:単位や表記のブレをなくす前処理
- アノテーション:データに説明・注釈のタグを添えて分類を行う前処理
このプロセスを怠ると、分析結果に誤差が生じたり、正確な結論に導けなくなります。
前処理を徹底することで、データの品質を保ち、信頼性の高い分析を行うことが可能です。また、前処理の段階で異常値やノイズを排除することで、分析結果がより現実に即したものになります。
その結果、集めたデータをより効率的に活用できるようになるわけです。
なお、生成AIで自社データを連携させる方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
自社データの収集方法を理解して分析を進めよう
自社データの収集は、AI開発に限らず、ビジネスのあらゆる場面で役立ちます。
集めたデータの活用方法を以下にまとめました。
- 新規事業案の企画
- 業務の生産性向上
- カスタマーサポート業務の効率化
- 社内問い合わせ業務の削減
- 新人社員教育の効率化
データにもいくつかの種類があるため、それぞれの意味を理解しておくことも大切です。
- 定量 / 定性データ
- プライマリ / セカンダリデータ
- ゼロパーティデータ
なお、自社データを集める際は、以下の手順で進めていくのがおすすめです。
- 自社データを収集する目的を決める
- 自社データの収集元を決める
- 収集した自社データを分析する
- 習慣的に自社データを収集して業務に活用する
自社データの収集手段にはいくつかの選択肢がありますが、まずは以下6つのなかから検討してみてください。
- API
- Cookie
- AI-OCR
- CRMツール
- IoT機器
- アンケート
実際に自社データの収集に取り掛かる際は、以下のコツも意識してみてください。
- 各種ツールを活用する
- データは一元管理しておく
- 収集後は前処理を行う
自社データを効率的に集めて、業務効率化や顧客満足度の向上に努めましょう。
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