Difyをローカル環境で動かす方法!ローカルだからこそのメリットや使い方を徹底解説

Dify ローカル メリット 使い方

WEELメディア事業部AIライターの2scです。

みなさん、生成AIツールをノーコードで開発できるプラットフォーム「Dify」はご存知ですか?

このDifyはなんと、プログラミングの知識不要でRAG搭載のチャットボットやAIエージェントが作れる優れもの。ローカルでの利用にも対応していて、小型LLMとの組み合わせでノートPC上で動く業務用AIツールまで作れちゃうんです。

そんなDifyはすでに6万人以上のユーザーを集めていて、一部の国内企業でも導入・活用が始まっています。

当記事ではそんなDifyのうち、ローカル版にクローズアップ。Webアプリ版と比べたときのメリットやインストールの方法、使い方までを詳しく解説していきます!

完読いただくと、セキュリティやコストの関係で生成AI導入を見送っていた企業様でも、生成AI活用の稟議が通せるかもしれません。ぜひぜひ、最後までお読みくださいね!

目次

Difyはローカル環境でも動かせる!

まずは、ローカル環境でもAIツールを作って動かせる「Dify」の概要をご紹介します。以下、詳しくみていきましょう!

そもそも「Dify」とは?

「Dify(ディファイ)」は、アメリカのLangGenius社が提供するオープンソースのAIアプリ開発プラットフォーム。こちらはなんとノーコードで、RAG搭載のチャットボットやAIエージェント、画像生成AIアプリ等が作れてしまう優れものです。(※1、2)

そんなDifyの詳しい魅力・すごいところは、というと……

Difyの魅力・すごいところ
  • プロンプトやフローチャートを駆使することで、AIツールのノーコード開発が可能
  • OpenAIやAnthropicのAPIからOllamaのローカルLLMまで、数百種類のLLMと簡単に連携可
  • Langchainや各種データベース不要でRAGチャットボットが作成可
  • Webアプリ版とローカル版の両方が利用可能
  • 画像生成AI・音声生成AI・音声認識AI…etc.とも連携可
  • Google検索やNotion、Firecrawl等の外部ツールとも連携可
  • オープンソースのため、アップデートが高頻度
  • 作ったAIツールの監視機能も完備
  • 作ったAIツールはAPIとして提供可

以上のとおり。このDifyならビジネスで十分通用するレベルのAIツールが簡単に作れて実際、すでにDifyを活用している国内企業も出てきています。(下記参照)

Dify公式サイト:Dify.AI

ローカル版Difyについて

Difyには無料プランと有料プランを選べる「Webアプリ版」のほかに、GitHubからインストール(クローン)して完全無料で使える「ローカル版」も存在します。(※3)こちらはDockerの仮想環境上で簡単に動かせて、デスクトップ内だけで動くAIツールを作れるのが魅力。セキュリティ要件の厳しい企業様での導入に最適です。

当記事ではこのローカル版Difyに焦点を当てて、詳しいメリットや使い方をご紹介していきます!

Dify公式GitHub:GitHub – langgenius/dify: Dify is an open-source LLM app development platform. Dify’s intuitive interface combines AI workflow, RAG pipeline, agent capabilities, model management, observability features and more, letting you quickly go from prototype to production.

なお、ローカルでのAIモデルの活用について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Difyをローカルで動かすメリット

ここからは、DifyをWeb上ではなくローカルで動かすメリットについて5点ご紹介します。まずは、肝心の機能面から詳しくみていきましょう!

無料でWebアプリ版と同じ機能が利用可

Difyではローカル版・Webアプリ版を問わず、同じ全機能が揃っています。うち、ローカル版はWebアプリ版と違って、GPUやストレージを各自で用意する必要がある代わりに完全無料で利用可能です。

また、Difyで作ったAIツールをサービスとして提供する場合を除き、商用利用が許可されているのもうれしいところ。コストや権利のしがらみなく、社内用のAIツールを作って使えちゃいます。

オフライン環境でも使用可能

Difyをローカルで動作させるにあたって、もちろんオフライン環境でも使用可能。Difyと小型LLMをインストールしたハイエンドノートPCがあれば、電波状況や通信料を気にせずいつでもどこでも生成AIの力が借りられます。

高速処理が実現

Webアプリ版Difyでは、Dify自体の処理や連携先へのリクエストに際して、通信によるタイムラグが発生します。対して、Dify(とAIモデル)をローカルで動作させる場合、これらの遅延は生じません。処理の速さを求めるのであれば、断然ローカル版がおすすめです。

セキュリティ体制が万全

DifyとAIモデルをローカルで運用する場合、入出力の内容が社外の第三者に渡ることはありません。よって、社外秘・部外秘の情報も気兼ねなくDify製AIツールで処理できちゃいます。これなら法律上、第三者に社内情報を渡せない保険・金融・医療業界全般や論文・図面を扱う企業様でも、生成AIを安全に導入できそうです。

環境構築・導入が簡単

ローカル版Difyでは、Dockerによる仮想環境の構築がたった2行のコマンドだけで完了します。OSを問わずすぐに使い始められて、端末本体に余計なライブラリをインストールしなくても済むというのが魅力です。

ローカル版Difyの使い方

続いては、GitHubで公開中のローカル版Difyの使い方を画像付きでわかりやすくお伝えしていきます。途中、GitやDockerをコマンドライン上で操作する場面がありますが、基本的にはコピペでOK!ITスキルに自信のない方でもお試しいただけるはずですのでぜひぜひ、以下をご覧ください。

Difyのクローンと環境周りの準備

ここでは、GitHubで公開中のローカル版DifyをPC内に導入するまでの手順をみていきます。

まず、Difyを動作させるのに必要な環境は以下のとおりで、かなりシンプルです。

Difyを動かすのに必要な環境(※3)

続いて、インストール(クローン)から立ち上げまでの方法ですが、コマンドラインにて下記のコマンドを1行ずつ実行するだけでOK。Windowsの「コマンドプロンプト」やMacの「ターミナル」に下記を1行ずつコピペしてEnterキーを押下すれば、Difyのスタンバイが完了します。

git clone https://github.com/langgenius/dify.git
cd dify/docker
cp .env.example .env
docker compose up

ということで、今回は実際に2020年式MacBook Airのターミナルを使って、Difyを立ち上げてみます。手始めに1行目のコマンド「git clone」を実行してみると……

このようにローカル版Difyのクローンが完了します。

次に、2行目・3行目を実行して環境の設計図をコピーしたあと、4行目「docker compose up」を実行すると……

以上のとおりDifyのスタンバイが完了しました!次項にて、Difyの画面の開き方も確認していきましょう。

ちなみに、オープンソースソフトウェアであるDifyでは頻繁にアップデートが実施されています。このアップデート内容を過去にクローンしたDifyに反映させる方法は……

cd dify/docker
git pull origin main
docker compose down
docker compose pull
docker compose up -d

以上のコマンドを1行ずつ実行するだけ。簡単ですね。

Difyログイン

ターミナルで立ち上げたローカル版Difyは、ブラウザから操作画面を開いてログインすることで使えるようになります。以下、その方法もみていきましょう!

まずは、ローカル版Difyを立ち上げた状態で、お手持ちのブラウザから下記のURLにアクセスしてみてください。(インターネット未接続でもアクセス可)

http://localhost/install

Chromeでこちらにアクセスしてみると……

以上のとおり、Difyのアカウント作成画面に移れます。ここでメールアドレス・ユーザー名・パスワードを入力して、アカウントを作ってしまいましょう。

アカウント作成後、再び「http://localhost」にアクセスすると……

今度は以上のログイン画面が表示されるはずです。ここに先ほどのアカウント情報を入力して、Difyにログインすると……

Difyが使えるようになりました。

モデル周りの設定

早速ローカル版Difyを使っていく……前に、AIモデルとDifyを連携させる必要があります。その手順も以下、みていきましょう。

Difyのホーム画面右上にあるアカウント名をクリックすると下図のとおり、アカウントや設定のメニューが表示されるはずです。このメニューの中から「設定」をクリックすると、設定画面に移れます。

設定画面に移った後、「モデルプロパイダー」をクリックすると……

以上のとおり、Difyの対応するモデルプロパイダーが一覧表示されます。ここから、AIモデルそのものやAPIとの連携が可能です。

今回は試しに、ChatGPT APIをDifyと連携させてみましょう!一覧左上・OpenAIのパネルをクリックすると……

このようにセットアップ画面が表示されますので、APIキーを入力します。(OrganizationやAPI Baseは任意入力)

APIキーを入力した後、右下の青いボタン「保存」をクリックすると……

OpenAIの各モデルが使えるようになりました。

アプリ作成

ローカル版DifyではチャットボットやAIエージェントなどなど、さまざまなAIツールがノーコードで作れます。今回は、その中でも基礎の基礎、チャットボットの作り方をみていきましょう!

手始めに、Difyのホーム画面左側「アプリを作成する」にご注目ください。

すると、このように「最初から作成」の欄があるはず。こちらをクリックすると……

以上のとおり、作りたいAIツールの選択画面に移れます。こちらからは以下のAIツールが選択可能です。

  • チャットボット:RAG対応のチャットボット
  • テキスト ジェネレーター:入力を元に所定の出力を吐き出すAIツール
  • エージェント:外部ツールと連携しながら処理を行うAIエージェント
  • ワークフロー:フローチャートで自由に組めるAIツール

ということで、今回は一番簡単な「チャットボット」を選んで作っていきます。その他細かい設定は……

以上のとおり。オーケストレーション方法(組み方)は「基本」を選び、アプリ名と説明を入力しました。

アプリの概要を設定した後、「作成する」をクリックしてみると……

このように、作成画面が表示されます。あとは「手順」にプロンプトを入力するだけで、チャットボットの基本の動作が指定可能です。

ちなみに、チャットボットに組み込むAIモデルを変更する方法は簡単。下図のとおり1.画面右上のモデル名をクリックして、2.開いたメニューのモデル欄をクリックすれば、任意のAIモデルが選択できます。今回は「GPT-3.5 Turbo」を選んでみましょう!

1.画面右上のモデル名をクリック
2.開いたメニューのモデル欄をクリック

さらにDifyでは、作成中のAIツールの動作確認も可能。チャットボット作成画面の場合は、画面右側「デバッグとプレビュー」から……

このように、プロンプトの試し打ちができちゃいます。

全ての設定が完了した後は、画面右上「公開する」から「更新」をクリックすることでAIツールの公開が可能です。

公開後は「アプリを実行」をクリックすることで、作成したチャットボットのUIに移れます。(下図)

ここから「Start Chat」をクリックして、プロンプトを入力してみると……

設定が反映されています。

なお、詳しいDifyの使い方について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

ローカル版DifyでRAGチャットボットを作ってみた

ここからは、ローカル版Dify応用編!「コンテキスト」機能を使って、当メディア「生成AIずかん」の全記事を反映させたRAGチャットボットを作ってみます。

まずは先ほど同様、Difyのホーム画面「最初から作成」をクリック後、「チャットボット」を選んで作成画面に移ります。すると……

このように、作成画面の下側に「コンテキスト」という欄があるはず。こちらから、RAG周りの設定が可能です。

試しにコンテキストをクリックしてみると……

まだ、RAGに使うデータが登録されていませんね。ということで、「作成に進む」をクリックしてみましょう!

するとこのように、RAG用のデータをアップデートできる画面が表示されました。ここで今回は、当メディアの「生成AIずかん」全記事の全文を書き写したテキストファイル(WEEL_Zenkiji.txt)をアップロードしてみます。

アップロード後に青色のボタン「次へ」をクリックすると……

以上のとおり、ベクトルデータベースの作成・設定画面に移ります。ここではチャンクのサイズや検索の方法等を設定できますが今回は何も触らず、初期状態のままで「保存して処理」をクリックしてみましょう!

するとこのように、RAGに使う知識の準備が完了しました。ここで「埋め込み処理中…」の欄が100%になるまで待った後、作りかけのチャットボットの作成画面に戻ると……

見事、コンテキストから先ほどの知識が選べるようになっていますね。知識を選んだ後「追加」をクリックしておきましょう!

コンテキストの後は「手順」や使用するAIモデルを設定して……

以上のとおり完成です!それでは早速、「アプリを実行」してみましょう。

作成したRAGチャットボットに、生成AIずかんで紹介しているAIツールについて質問してみると……

Dify製のRAGチャットボットはSakanaAIの「AI-Scientists」Appleの「Depth Pro」について、回答を提供してくれています。これなら、誰でも簡単に社内用チャットボットが作れそうです。

なお、難しいほうのRAGチャットボットの作り方について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Difyならローカルで動くAIツールが簡単に作れる!

当記事では、ノーコードでRAGチャットボットやAIエージェントを開発できる「Dify」のローカル版についてご紹介しました。Webアプリ版とローカル版があるDifyで、後者を選ぶメリットは……

ローカル版Difyを使うメリット
  • 無料でWebアプリ版と同じ機能が利用可
  • ネット環境が不要
  • 高速処理が実現
  • セキュリティ体制が万全
  • 環境構築・導入が簡単

以上のとおり。セキュリティ要件の厳しい企業様でも、気軽に各種AIツールを作って試していただけます。

なお、弊社・株式会社WEELではDifyの導入・活用支援を行っております。「自社内で完結する業務用AIツールを作りたい!」とお考えの方はぜひ、1時間の無料相談をお試しください!

サービス紹介資料

生成系AIの業務活用なら!

・生成系AIを活用したPoC開発

・生成系AIのコンサルティング

・システム間API連携

最後に

いかがだったでしょうか?

「Dify」はローカル環境導入を通じて、セキュリティを強化しつつノーコードで生成AIを社内利用できます。生成AI導入を検討中の企業様にとって、コスト効率や操作性が最大の強みとなるでしょう。

株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!

開発実績として、

・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント

などの開発実績がございます。

まずは、無料相談にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。

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生成AIを社内で活用していきたい方へ
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「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。

セミナー内容や料金については、ご相談ください。

また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。

投稿者

  • 2sc

    テクニカルライター 大学時代はアリの生態を研究。 ラボで唯一、Pythonを使ってデータ分析を効率化していた。 現在はライターとして、オウンドメディアや学術記事の執筆に当たっている。

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