【Responses API】Assistants APIとChat Completions APIの統合版!?OpenAI最新APIの概要や活用事例を徹底解説!

Responses API OpenAI API 概要 活用事例

2025年3月12日、OpenAIは開発者向けの最新API「Responses API」を発表しました。

このAPIは、従来の「Chat Completions API」と「Assistants API」の統合版で、AIエージェントの構築と運用をより容易にすることを目的としています。

Responses APIは、「Web検索」や「ファイル検索」、「コンピュータ操作」などの機能も統合し、開発者が高度なAIエージェントを迅速に開発できる環境を提供しているとのこと。

本記事では、Responses APIについて、概要から使い方、活用事例まで具体的にご紹介します。

最後までご覧いただくことで、最新APIを活用したAIエージェント構築方法を理解いただけるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

Responses APIの概要

Responses APIは、OpenAIが提供する最新のAPIで、AIエージェントの開発をサポートする多機能なツールとなっています。

なお、AIエージェントについて、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

​以下の画像は、公式のデモ動画の一部です。

参考:https://x.com/OpenAIDevs/status/1899531225468969240

Responses APIは、主に以下のような機能を備えています。

Web検索ツール

Web検索ツールは、インターネット上の最新情報をリアルタイムで取得し、AIモデルが最新のデータに基づいた応答を生成することを可能にします。

​従来、AIモデルはトレーニングデータまでの情報しか持たず、最新の出来事やニュースに対応することが困難でしたが、このWeb検索ツールを活用することで、ユーザーの質問に対して最新の情報を取得し、より正確で信頼性の高い応答を実現することができるようになりました。

ファイル検索ツール

ファイル検索ツールは、「大量のドキュメント」や「データファイル」から関連情報を迅速に検索し、業務効率を向上させるための機能です。​

多くの企業には、膨大な量のドキュメントやデータが存在し、必要な情報を手動で探すのは時間と労力がかかりますが、​このツールを活用することで、特定のキーワードやフレーズに基づいて関連するドキュメントを即座に見つけることができます。

コンピュータ操作ツール

コンピュータ操作ツールは、ユーザーの代わりにコンピュータ上での操作を自動化し、タスクの効率化を実現します。​

例えば、マウスクリックやキーボード入力、スクロールなどの操作をエミュレートし、定型的なタスクを自動で実行します。

これらの機能により、Responses APIは、開発者が複雑なタスクを自動化するAIエージェントを構築する際の強力な基盤をサポートしています。

​さらに、OpenAIはAgents SDKも同時に発表しており、複数のエージェントのワークフローを統合的に管理することが可能となりました。

​これらを組み合わせることにより、開発者はエージェント間の連携を容易にし、より複雑なタスクの自動化を実現できます。

Responses API導入によるメリット

Responses APIの導入により、開発者は以下のようなメリットを享受できるかと思います。

リアルタイム情報の取得

Web検索ツールを活用することで、最新の情報をリアルタイムに取得し、ユーザーに提供してくれるようになります。​

内部データの効率的な活用

​ファイル検索ツールを使用することで、社内の大量のドキュメントやデータから必要な情報を迅速に抽出し、業務効率を向上させてくれます。​

例えば、「最新の技術トレンド」や「市場動向」、「災害情報」など、リアルタイム性が求められる情報をユーザーに迅速に提供することで、意思決定の質を高めることができます。​

これにより、ユーザーは常に最新の情報を手に入れ、変化の激しい環境でも適切な対応を取ることが可能となります。

タスクの自動化

​コンピュータ操作ツールにより、ユーザーの代わりにコンピュータ上の操作を自動化し、反復的なタスクの効率化を図ることができます。​

例えば、定型的なデータ入力やファイル整理、定期的なレポート作成などのタスクを自動化することで、人為的なミスを減らし作業時間を大幅に短縮することが可能です。

​これにより、より付加価値の高い業務に集中することができ、組織全体の生産性向上が期待できます。​

開発プロセスの簡素化

​Responses APIは、Web検索、ファイル検索、コンピュータ操作などのツールを統合して提供しており、これらを活用することで、開発者は高度なAIエージェントを構築できます。​

これは、ユーザーのニーズに合わせたより柔軟なソリューションを提供することが可能になっているといえますね。

Responses APIの料金

Responses API料金はツールタイプごとに異なります

詳細は以下の通りです。

スクロールできます
ツールタイプ料金
Web SearchGPT-4o:$30.00 / 1,000クエリ
GPT-4o mini:$25.00 1,000クエリ(低コンテキストサイズ)
GPT-4o mini:$27.50 1,000クエリ(中コンテキストサイズ)※デフォルト
GPT-4o mini:$30.00 1,000クエリ(高コンテキストサイズ)
File Searchツール呼び出し:$2.50 / 1,000クエリ
ストレージ使用料:$0.10 / 1GB(最初の1GBは無料)
Computer Use入力:$3.00/ 100万トークン
出力:$12.00 / 100万トークン

従来のAPIとの相違点

Responses APIは、Assistants APIとChat Completions APIを統合した完全上位互換と言われており、従来のAPIと比較して、柔軟かつ高速な処理ができるようになっています。

以下に相違点の比較表をまとめましたので、参考にしてください。

スクロールできます
API特徴
Assistants APIAIエージェント向けのAPI
Chat Completions APIシンプルなチャット形式
Responses APIAssistants APIとChat Completions APIの統合版
上述のツール利用が可能

Responses APIの使い方

Responses APIは、AIエージェントの開発を容易にする強力なツールです。

以下、ステップ・バイ・ステップで実装方法を説明します。​

ライブラリのインストール

PythonでResponses APIを利用するために、openaiライブラリをインストールします。

pip install openai

APIキーの取得と設定

OpenAIのアカウントを作成し、APIキーを取得します。

​取得したAPIキーは、環境変数として設定するか、コード内で直接使用します。

import openai

openai.api_key = 'あなたのAPIキー'

API呼び出し

以下コードは、Responses APIを使用してユーザーからの入力に応答する基本的な例です。

import openai

openai.api_key = 'あなたのAPIキー'

response = openai.Response.create(
    model='gpt-4o',
    input='こんにちは、調子はいかがですか?',
    store=True
)

print(response['output_text'])

このコードでは、GPT-4oモデルを使用し、ユーザーの入力に対して応答を生成しています。

​store=Trueとすることで、会話の状態がサーバー側に保存され、次回以降のリクエストの際にprevious_response_idを指定することで、会話のコンテキストを維持できます。

Web検索ツールの利用

​以下、特定のトピックに関する最新のニュースを取得するコード例です。

import openai

openai.api_key = 'あなたのAPIキー'

response = openai.Response.create(
    model='gpt-4o',
    input='最新のAI技術に関するニュースを教えてください。',
    tools=[{'type': 'web_search'}],
    store=True
)

print(response['output_text'])

このコードでは、toolsパラメータにweb_searchを指定することで、モデルがWeb検索を利用して最新の情報を取得するようになっています。

ファイル検索ツールの利用

以下、特定のトピックに関する社内ドキュメントを検索するコード例です。

import openai

openai.api_key = 'あなたのAPIキー'

response = openai.Response.create(
    model='gpt-4o',
    input='プロジェクトXの最新進捗報告書を見せてください。',
    tools=[{'type': 'file_search', 'vector_store_ids': ['your_vector_store_id']}],
    store=True
)

print(response['output_text'])

このコードでは、toolsパラメータにfile_searchを指定し、vector_store_idsで検索対象のベクトルストアを指定しています。​

これにより、社内の関連ドキュメントから必要な情報を取得することができます。

コンピュータ操作ツールの利用

参考:https://platform.openai.com/docs/guides/tools-computer-use#page-top

以下、特定のウェブサイトを開き、情報を取得する操作を行うためのコード例です。

import openai

openai.api_key = 'あなたのAPIキー'

response = openai.Response.create(
    model='gpt-4o',
    input='OpenAIの最新ブログ記事を表示してください。',
    tools=[{'type': 'computer_use', 'environment': 'browser'}],
    store=True
)

print(response['output_text'])

このコードでは、toolsパラメータにcomputer_useを指定し、environmentをbrowserと設定することで、ブラウザ操作を自動化しています。​

これにより、AIエージェントが指定されたウェブサイトを開き、必要な情報を取得してくれます。

エージェントの構築

Responses APIとAgents SDKを組み合わせることで、複数のエージェントを連携させた高度なワークフローを構築できます。​

以下、ユーザーからの問い合わせに応じて、適切なエージェントが対応するシステムを構築するためのコード例です。

from openai import OpenAI, Agent

openai.api_key = 'あなたのAPIキー'

# エージェントの定義
class CustomerSupportAgent(Agent):
    def handle_request(self, request):
        # 顧客サポートに関するロジックを実装
        pass

class SalesAgent(Agent):
    def handle_request(self, request):
        # セールスに関するロジックを実装
        pass

# エージェントの登録
openai.register_agent('customer_support', CustomerSupportAgent())
openai.register_agent('sales', SalesAgent())

# ユーザーからのリクエストを処理
response = openai.handle_request('customer_support', '注文のステータスを確認したいのですが。')

このコードでは、CustomerSupportAgentとSalesAgentという2つのエージェントを定義し、ユーザーからのリクエスト内容に応じて適切なエージェントが対応する仕組みを構築しています。

Responses APIの活用事例

Responses APIは、Web検索、ファイル検索、コンピュータ操作などの多彩なツールを統合してサポートしており、これらを活用することで、高度なAIエージェントを構築することができます。

以下、いくつかのユースケース案をご紹介します。

リアルタイム市場分析と投資戦略立案エージェント

Responses APIのWeb検索ツールを活用することで、最新の市場動向や経済ニュースをリアルタイムで収集・分析するエージェントを構築できます。

​例えば、「株式市場のトレンド」や「企業の財務状況」、「業界ニュース」などを自動的に収集し、投資家に対して最適な投資戦略を提案することが可能です。

​さらに、ファイル検索ツールを用いることで、「過去の投資データ」や「市場レポート」を検索し、長期的な投資傾向を分析することで、より精度の高い戦略立案をサポートすることができます。

​これにより、投資家目線では、迅速かつ的確な意思決定を行うことができ、市場の変化に柔軟に対応することが可能となります。

パーソナライズド教育コンテンツ生成エージェント

Responses APIを利用して、「学習者の進捗状況」や「理解度に応じた教育コンテンツ」を自動生成するエージェントを開発できます。​

具体的には、ファイル検索ツールで、「学習者の過去のテスト結果」や「学習履歴」を分析し、理解が不十分な分野を特定します。

​次に、Web検索ツールを使用して、「最新の教育資料」や「関連するオンラインリソース」を収集し、学習者のニーズに合わせた教材を作成します。

​さらに、コンピューター利用ツールを活用して、オンライン学習プラットフォーム上での「課題設定」や「進捗管理」を自動化することも可能です。

​これにより、学習者一人ひとりに最適化された教育体験を提供し、学習効果の向上を図ることができます。

AIアシスタントによるロボット制御

Responses APIを活用することで、自然言語によるロボットの操作を実現することが可能です。

​ユーザーがロボットに対して、実行したいタスクを自然言語で指示すると、Responses APIがその指示を解析し、ロボットが実行可能なコマンドに変換します。​

これにより、専門的なプログラミング知識がなくても、誰でも直感的にロボットを操作することが可能となり、製造業やサービス業などでのロボット導入のハードルを下げることが期待できます。

まとめ

本記事では、OpenAIのResponses APIについて紹介をしてきました。

改めてResponses APIの特徴を整理します。

  • 「Chat Completions API」と「Assistants API」の統合版
  • 従来のAPIと比較し、柔軟かつ高速な処理を実現
  • AIエージェントの構築と運用をより容易にすることを目的に開発
  • 料金はツールタイプごとに異なる
  • 多種多様な業種やタスクでの活用が期待される

ぜひ、本記事を参考にResponses APIを活用してみてください!

最後に

いかがだったでしょうか?

Responses APIを活用すれば、AI導入のハードルを大幅に下げ、業務の効率化や新たなビジネスチャンスを創出できます。最適な活用法を知り、貴社に合った導入戦略を検討してみませんか?

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