【Gemini 3.8 Live & Extended Thinking】音声AIの常識を覆すGoogleのリアルタイム対話モデルの性能・使い方を徹底解説

- Googleが2026年9月16日に公開した最新のリアルタイム音声対話モデル
- Artificial Analysisの音声品質指数で総合1位(スコア82.6)を獲得し、GPT-Live-1 AstraやGrok Voice Thinkを上回る
- 97言語の自動切り替えやバックグラウンドでのツール実行など、音声エージェント構築に必要な機能を網羅
2026年9月16日、Google DeepMindは音声対話に特化した最新モデル「Gemini 3.8 Live」と「Gemini 3.8 Live Extended Thinking」を公開しました。
わずか2週間前にGemini 3.8 Flashをリリースしたばかりのタイミングで、今度は音声AIの領域に大型アップデートが投入された形です。Gemini 3.8 Liveはコスト効率とスケーラビリティを重視した汎用モデル、Extended Thinkingは複雑なタスクに対応する高知能バージョンとして、それぞれ異なるユースケースをカバーしています。

この記事では、Gemini 3.8 Live / Extended Thinkingの概要から仕組み、ベンチマーク性能、料金体系、具体的な使い方までを徹底的に解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
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Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingとは?

Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingは、Google DeepMindが開発した低レイテンシのオーディオ対オーディオモデルで、リアルタイムの音声エージェントやライブ対話に最適化されています。ベースとなるアーキテクチャはGemini 3 Proを基盤としており、音声・画像・動画・テキストをネイティブに処理できるマルチモーダル設計です。
Google公式ブログでは、この2モデルについて以下のように整理されています。Gemini 3.8 Liveは「スケールとコスト効率のために設計され、会話インテリジェンスと流暢な対話、ビジュアルグラウンディングを組み合わせたモデル」、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingは「高複雑性タスク向けに設計され、知能の向上とマルチステップ推論を備えたモデル」と位置づけられています。
入力としては音声・画像・動画・テキストに対応し、最大128Kトークンのコンテキストウィンドウを持ちます。出力は音声とテキストで、最大64Kトークンまで生成可能です。会話の途中で97言語を自動検出して切り替える機能も搭載されていて、多言語環境での利用にも対応しています。
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingの仕組み

Gemini 3.8 Live and Extended Thinkingのアーキテクチャは、Gemini 3 Proをベースにした統合型マルチモーダルモデルです。従来の音声AIが「音声認識→自然言語処理→音声合成」という3段階のパイプラインで動作していたのに対し、このモデルでは音声の認識・理解・生成をひとつのモデル内で完結させています。
このパイプライン統合こそが低レイテンシの源です。3つのモジュール間でデータを受け渡す必要がなくなるため、ユーザーの発話から応答までの遅延が大幅に短縮されます。
Extended Thinkingバリアントでは、さらに「推論と発話の同時実行」という仕組みが加わります。複雑な質問を受けたとき、モデルはまず「ちょっと確認しますね……」のような自然な言い回しでユーザーに応答し、バックグラウンドで推論を進めます。マルチステップのタスクが進行している場合は、途中経過をリアルタイムでナレーションしながら処理を進めるため、ユーザーは「今何をしているのか」を把握しながら待つことができます。
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingの特徴
ベンチマークの数字が、このモデルの実力を端的に物語っています。具体的な性能データを確認していきましょう。

まず、Artificial Analysisが公開しているSpeech to Speech Quality Indexにおいて、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingは総合スコア82.6で1位を獲得しています。2位のGPT-Live-1 Astra(Medium)が81.5、3位のGrok Voice Think Fast 2.0(High)が81.3というスコアなので、僅差ではありますが頂点に立った形です。

エージェンティックなタスク完了能力を測るτ-Voiceベンチマークでは、Extended Thinkingが68.6%を記録し、GPT-Live-1 Astraの67.9%をわずかに上回っています。さらに、Sierraが公開しているτ-Voice-banking(金融分野のタスク完了)では35.1%、推論能力を測るBig Bench Audioでは97.7%というスコアを達成しています。
一方、Gemini 3.8 Live(Extended Thinkingではない通常版)も、Speech Agent Arenaにおいて2位を獲得していて、コスト効率の高さと性能のバランスが評価されています。
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingの安全性・制約
音声AIモデルを業務に導入する際、安全性の確認は欠かせません。Google DeepMindが公開しているモデルカードから、安全性と制約を確認しましょう。
Google DeepMindのモデルカードによると、Gemini 3.8 Live / Extended ThinkingはGemini 3シリーズのフロンティア安全性フレームワークに基づいて評価されています。具体的には、Gemini 3.7 Flashの評価結果を基準とし、3.8 Liveモデルが「意味のある新しい能力やパフォーマンスの重大な向上を示していない」ことから、Tracked / Criticalいずれの能力レベルにも達していないと判定されています。
生成されるすべての音声出力には、SynthIDによる電子透かしが埋め込まれます。この透かしは人間には聞き取れませんが、生成AI由来のコンテンツであることを技術的に検出可能にするもので、誤情報の防止に寄与します。
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingの料金
Gemini 3.8 Liveの料金体系は、音声モデルならではの入力と出力でモダリティごとに価格が異なる構造になっています。テキストベースのモデルとは課金の考え方が違うため、しっかり確認しておきましょう。
Gemini 3.8 Live / Extended Thinkingの料金は、Gemini APIのStandardティアで以下のとおりです(有料ティア、100万トークンあたりの米ドル価格)。無料ティアでも利用可能ですが、レート制限が適用されます。
| 項目 | Free Tier | Paid Tier(100万トークンあたり) |
|---|---|---|
| 入力(テキスト) | 無料 | $0.75 |
| 入力(音声) | 無料 | $3.00(または$0.005/分) |
| 入力(画像・動画) | 無料 | $1.00(または$0.002/分) |
| 出力(テキスト、思考トークン含む) | 無料 | $4.50 |
| 出力(音声) | 無料 | $12.00(または$0.018/分) |
| Google検索グラウンディング | 対応 | 月5,000検索リクエスト無料(Gemini 3.x共通)、以降$14/1,000リクエスト |
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingのライセンス
Gemini 3.8 Live / Extended ThinkingはAPI経由で提供されるプロプライエタリモデルです。OSSライセンスではないため、利用可否を整理しておきましょう。
Gemini 3.8 Live / Extended ThinkingはGoogleのプロプライエタリモデルとしてクラウドAPI経由で提供されるSaaS形式のサービスです。Apache 2.0やMITなどのオープンソースライセンスは適用されず、利用にあたってはGemini APIの追加利用規約(Gemini API Additional Terms of Service)および、Vertex AI経由の場合はGoogle Cloud Platform利用規約に従う必要があります。
| 利用用途 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 商用利用 | ⭕️ | 有料ティアで利用可能。API経由での商用アプリケーション構築に対応 |
| 改変 | ❌ | モデル自体のファインチューニングや改変は不可 |
| 再配布 | ❌ | モデルの再配布は不可。API経由でのサービス提供は可能 |
| 特許利用 | – | |
| 私的利用 | ⭕️ |
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingの使い方
Gemini 3.8 Liveには複数のアクセス方法が用意されています。今回は代表的な方法をステップ・バイ・ステップで紹介します。
Google AI Studioでブラウザから試す
最もお手軽にGemini 3.8 Liveを体験できる方法です。コードを書かずにブラウザ上で音声対話を開始できます。
モデルを選択
Live APIのインターフェースが開いたら、モデル選択メニューから「gemini-3.8-live」または「gemini-3.8-live-extended-thinking」を選びます。

マイクを許可して対話を開始
ブラウザのマイク権限を許可し、話しかけてみましょう。音声での質問に対してリアルタイムで応答が返ってきます。
Gemini Live API(Python)から利用する
プロダクション環境に組み込む場合は、Live APIを直接利用します。Python 3.9以上が必要です。
SDKをインストール
pip install -q -U google-genaiAPIキーを取得
Google AI Studioの「Get API Key」からAPIキーを作成し、環境変数に設定します。
export GEMINI_API_KEY="your-api-key-here"Live APIに接続する
Live APIはWebSocketベースのストリーミング接続を使用します。以下は基本的な接続コードの例です。
import asyncio
from google import genai
client = genai.Client(api_key="YOUR_API_KEY")
model = "gemini-3.8-live"
config = {"response_modalities": ["AUDIO"]}
async def main():
async with client.aio.live.connect(model=model, config=config) as session:
# テキストメッセージを送信
await session.send_client_content(
turns={"role": "user", "parts": [{"text": "こんにちは。今日の天気について教えてください。"}]}
)
async for response in session.receive():
if response.text:
print(response.text)
asyncio.run(main())Extended Thinkingを有効化する場合
Extended Thinkingバリアントを使う場合は、モデル名を変更するだけです。
model = "gemini-3.8-live-extended-thinking"開発者向けプラットフォームから利用する
Gemini Live APIは、多数のサードパーティプラットフォームと統合されています。Agora、Fishjam、LangChain、LiveKit、Pipecat、Vercel、Vision Agentsなどの開発者プラットフォームから、高性能な音声インターフェースの構築が可能です。
これらのプラットフォームは複雑なリアルタイムメディアストリーミングのインフラを裏側で管理してくれるため、開発者はユーザー体験の設計に集中できます。
【業界別】Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingの活用シーン
Gemini 3.8 Live / Extended Thinkingは音声対話に特化しているため、特に「声」が業務に直結する業界で大きなインパクトをもたらします。業界ごとに具体的な活用シーンを見ていきましょう。
カスタマーサポート・コンタクトセンター
Gemini 3.8 Liveのバックグラウンドツール実行機能は、コンタクトセンターでの自動応対を大きく進化させます。ユーザーの問い合わせに音声で応答しながら、裏側ではCRMの検索や注文ステータスの確認をAPIで実行し、結果を会話の中で自然に返すことが可能です。Sierraのτ-Voice-bankingベンチマークで35.1%というスコアは、金融分野のタスク完了能力が実用レベルにあることを示しています。
コールセンターにおける生成AI導入について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

教育・研修
Googleの公式デモでは、社員のオンボーディングをリアルタイムでガイドするシーンが紹介されています。画面上のUIを見ながら「次はここをクリックしてください」と音声で案内できるため、新入社員の研修や製品トレーニングに活用できます。97言語の自動切り替え機能は、多国籍チームの研修にも便利です。
教育業界における生成AIを活用した業務効率化について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

医療・ヘルスケア
Google公式パートナーとして紹介されているLumerisは、ヘルスケア分野でのGemini 3.8 Live活用を進めています。患者とのコミュニケーションや、医療従事者向けの情報検索支援など、音声インターフェースの需要が高い分野での導入が期待されます。
医療現場における生成AI活用事例について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

【課題別】Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingが解決できること
続いては、このモデルが解決できる具体的な課題について整理しておきましょう。
音声エージェントの「不自然さ」の解消
従来のIVR(自動音声応答)システムは、スクリプトに沿った機械的なやり取りしかできませんでした。Gemini 3.8 Liveは、会話の中断や話題の切り替えにも自然に対応し、Speech Agent Arenaで2位という高い人間評価を獲得しています。ユーザーが「やっぱりさっきの質問に戻りたい」と言った場合にも、文脈を保持したまま対応できます。
複雑なタスクでの「待ち時間」によるストレスの軽減
Extended Thinkingでは、複雑な処理を行っている間も途中経過をリアルタイムでナレーションする仕組みがあります。「今、3つのフライトを比較しています」「ホテルの空き状況を確認しますね」といった進捗報告を自動で行うため、ユーザーは無言の待ち時間にストレスを感じることがありません。
多言語対応コストの削減
97言語の自動検出・切り替え機能により、言語ごとに別々の音声モデルを用意する必要がなくなります。例えば、日本語で話し始めたユーザーが途中で英語に切り替えても、同じセッション内でシームレスに対応できます。グローバル展開するサービスにとって、これは大きなコスト削減につながるはずです。
Gemini 3.8 Live and 3.8 Live Extended Thinkingを使ってみた
それでは、実際にGemini 3.8 Liveの実力を検証してみましょう。今回は誰でも無料で試せるGoogle AI Studioを使って、日本語でのリアルタイム音声対話を試してみました。
Google AI Studioで「日本語での音声対話」を検証
今回試したのは、Google AI Studioの Live 機能を使った日本語での音声対話です。Googleアカウントさえあれば無料で試せるので、ぜひ皆さんも手元で再現してみてください。
「モデルの選び方を初心者にも分かりやすく教えて」と音声で話しかけたところ、モデルはいきなり情報を羅列するのではなく、「まずは、何のモデルを選ぼうとしているか、教えていただけますか?」と逆質問を返してくれました。
「AIモデル」と答えると、「文章を作成したいのか、画像を生成したいのか、それともプログラミングをサポートしてほしいのか」と用途を絞る質問が続きます。「画像を生成したいです」と伝えると、作りたい画像のテイストを案内し、最終的にMidjourneyやStable Diffusionといった具体的なモデル名を挙げてくれました。
Gemini 3.8 Live and Extended Thinkingで音声AIの新時代に備えよう!
Gemini 3.8 Live / Extended Thinkingは、音声AIの「できること」を一段引き上げたモデルです。Artificial Analysisの音声品質指数で総合1位を獲得した性能、97言語対応の柔軟性、そしてバックグラウンドツール実行による会話を止めないエージェント体験は、カスタマーサポートから開発、教育まで幅広い分野に変革をもたらす可能性を持っています。
特にExtended Thinkingの「推論しながら話す」という能力は、従来の音声AIにはなかった新しい体験です。Free Tierでも試せるため、まずはGoogle AI Studioで音声対話を体験し、自社の業務にどう組み込めるかを検討してみてはいかがでしょうか。
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