Apple「SHARP」を徹底解説!写真1枚から3D生成、新視点レンダリングを1秒未満で実現

Apple SHARP 徹底解説 写真 1枚 3D 生成 新視点 レンダリング 1秒 未満 実現
押さえておきたいポイント
  • Apple発、単一の2D写真から3D空間表現を生成するモデル
  • 標準的なGPU上で、1秒以内に高解像度の新視点画像を生成可能
  • AR/VRなど様々なアプリケーションへの応用が期待される

2025年12月、Appleは新たなAI技術「SHARP」を公開しました!

SHARPは、単一の2D写真から3D空間表現を生成するモデルで、Apple公式発表によれば、単一の写真から、3Dガウス表現のパラメータを推定し、標準的なGPU上で1秒以内に高解像度の新視点画像を生成できると説明されています。

この技術によって、写真をわずかな遅延で、フォトリアルな3Dシーンに変換できるので、今後、AR/VRなど様々なアプリケーションへの応用が期待されています。

本記事では、そんなSHARPの概要や性能、使い方まで徹底的に解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

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目次

SHARPの概要

SHARPの概要
参考:https://github.com/apple/ml-sharp

SHARP(Sharp Monocular View Synthesis in Less Than a Second)は、Appleの研究チームが、GitHubで公開したオープンソースプロジェクトです。

単一の画像を入力すると、SHARPは、ニューラルネットワークの一回の推論で、その画像のシーンを3次元のガウス関数(3D Gaussian)の集合として表現するパラメータを出力します。

得られた3Dガウス表現は、メトリックを持っていて、その後、リアルタイムで高速にレンダリングすることが可能となっています。

これによって、元の写真とは別の視点から見た高解像度のフォトリアルな画像を得ることができます。

特徴として、この3D表現は絶対スケールを保っているので、他の視点への移動において、物体の大きさや距離が現実に即した形で再現されます。

Appleによる実験では、複数のデータセット間でゼロショットで優れた一般化性能を発揮し、従来最良モデルと比べて画像品質指標(LPIPS)を25–34%改善、構造類似度指標(DISTS)を21–43%改善しつつ、推論速度を3桁以上高速化するなど、新たな最先端性能を達成しているようです。

SHARPの性能

公式発表によれば、SHARPの1回の推論は、標準GPUで1秒未満で完了し、得られた3Dガウス表現は、100フレーム/秒以上の高速でレンダリングできるとされています。

性能評価では、SHARPは従来技術に比べて、画質面で大幅に優れておりLPIPSやDISTSといった画像品質指標で過去最高を記録しています。

これによって、複雑なシーンでも細部まで鮮明に再現可能となっています。

また、SHARPは、複数画像から3Dを生成する従来の手法(数十枚の撮影を必要とする)に対し、単一画像のみで同等以上の結果をリアルタイムに出せる点が大きな特徴です。

ただし、全く見えていない死角の生成には制約があり、元画像の視点から大きく離れた視点では、情報不足になる場合もあります。

なお、Meta社の画像・動画を対象としたセグメンテーション・トラッキングモデル「SAM 3/SAM 3D」について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

SHARPのライセンス

SHARPは、Apple独自の研究目的ライセンス(Apple Machine Learning Research Model License、通称“apple-amlr”)で配布されています。

ライセンス条項では、モデルの使用・複製・改変・再配布は、研究目的に限定され、商用利用や製品への組み込みは禁止されています。

利用用途可否備考
商用利用❌️
改変⭕️
配布⭕️
特許使用❌️
私的使用⭕️
SHARPのライセンス

SHARPの料金

SHARPおよびそのソフトウェアは、オープンソースとして無償で公開されています。ダウンロードや使用にあたって費用は発生せず、自由に試すことができます。

利用は無料ですが、そのライセンスは研究目的に限定されています。無償で入手できますが、Apple-amlrの制約により商用利用ができない点に注意してください。

SHARPの使い方

SHARPはPython製のコマンドラインツールとして提供されています。

公式リポジトリのREADMEによれば、まずリポジトリをクローンしましょう。

git clone https://github.com/apple/ml-sharp.git
cd ml-sharp

続いて、Python 3.13環境を用意し、依存ライブラリをインストールします。

conda create -n sharp python=3.13
conda activate sharp
pip install -r requirements.txt

インストール確認は、helpコマンドで実行できます。

sharp --help

入力画像を置くフォルダを用意して(例:input/images)、そこに単一画像(jpg/pngなど)を入れます。

続いて、推論を実行します。これで出力先に3D Gaussian Splats(.ply)が生成される流れになります。

mkdir -p input/images
# input/images に画像を入れる(例: scene.jpg)
sharp predict -i input/images -o output/gaussians

以上、SHARPの使い方のご紹介でした。

SHARPの活用イメージと活用可能性

こちらでは、SHAEPの活用イメージや、活用可能性をご紹介します。

今回解説する事例において、弊社がX(旧Twitter)で発見した参考となるツイートを紹介させていただいております。取り下げなどのご連絡は、contact@weel.co.jp からご連絡ください。

Vision Proとの組み合わせ①

上記のポストでは、SHARPをローカル実行して写真が数秒で3D Gaussian splatになる流れを紹介しつつ、その結果をVision Proで「中に入って見回せる」体験として共有しています。

単なる3D化ではなく、空間体験まで一気通貫でつながるのが印象的ですね。

Vision Proとの組み合わせ②

こちらのポストでは、1枚のキャラクター写真から、SHARPでガウススプラットを生成し、Vision Pro上でレンダリングした様子が紹介されています。

こちらも撮って、生成して、空間で確認、までの流れがつながっていて良いですね。

不動産・建築の内見

その他活用可能性として、SHARPは、単一画像から3D Gaussian表現を推定し、近傍視点を高解像でリアルタイム描画できるのが強みなので、物件の内見において、遠いところにいる関係者に対して、現場写真を起点にVision Proで共有するような内見・確認フローが組みやすくなるかと思います。

まとめ

Appleが公開したSHARPは、単一の2D画像から、高速かつフォトリアルに3Dビューを合成する先進的なツールです。

その性能は従来技術を大きく上回り、高精度な新視点画像をほぼリアルタイムに生成することができます。

モデルとソフトウェアは無償で公開されていますが、Apple-amlrライセンスにより研究目的に限定され、商用利用は禁じられているので、注意しましょう。

気になる方は、ぜひ一度試してみてください!

最後に

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  • WEEL Media部

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