Google発の新標準!UCP(Universal Commerce Protocol)とは?AIショッピングの新常識を解説

Google 発 新標準 UCP Universal Commerce Protocol AI ショッピング 新常識 解説
押さえておきたいポイント
  • Google発、AIエージェントを用いたショッピング体験を根本から変革する新しいオープン標準
  • 消費者の商品購入プロセスを1つの対話インターフェース上で完結できる可能性
  • GoogleとShopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmartなど業界大手の20社以上が共同開発

2026年1月13日、GoogleはAIエージェントを用いたショッピング体験を根本から変革する新しいオープン標準「UCP(Universal Commerce Protocol)」を発表しました!

従来、われわれ消費者が商品の発見から購入、さらには購入後のサポートに至るまで、各段階で別々のシステムを行き来していたところを、UCPによって1つの対話インターフェース上で完結できる可能性が出てきました。

この規格は、GoogleとShopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmartなど業界大手が共同開発し、20社以上の企業から支持を得ています。

UCPの参画企業
参考:https://ucp.dev/

まさに、業界横断の共通言語として機能するUCPは、商品検索から決済完了までのプロセスを標準化し、ユーザーにシームレスでスピーディーな購買体験を提供することを目指しているそうです。

そこで本記事では、UCPの概要や使い方、実際に使ってみた感想まで徹底的に解説します。

ぜひ最後までご覧ください!

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目次

UCPの概要

UCPの概要
参考:https://developers.googleblog.com/under-the-hood-universal-commerce-protocol-ucp/?utm_source=twitter&utm_medium=unpaidsoc&utm_campaign=fy26q1-googlecloud-blog-ai-in_feed-no-brand-global&utm_content=-&utm_term=-&linkId=36493970

UCPは、消費者向けAIインターフェース(AIモード対応の検索画面やGeminiアプリなど)と、小売事業者のバックエンドシステムとの間に共通の言語と機能プリミティブを提供するプロトコルです。

これによって、エージェント(AI)とマーチャント(小売事業者)が、商品の発見(Discovery)から検討(Consideration)購入(Purchase)注文管理(Order Management)に至るすべての段階を単一の安全なやり取りで繋ぐことが可能になります。

UCPでは、各エージェントや店舗が対応可能な機能(Capabilities)をプロフィールとして宣言し合い、互いのサポート範囲を交渉・調整した上で取引を進めてくれます。

UCPの概要
参考:https://developers.googleblog.com/under-the-hood-universal-commerce-protocol-ucp/?utm_source=twitter&utm_medium=unpaidsoc&utm_campaign=fy26q1-googlecloud-blog-ai-in_feed-no-brand-global&utm_content=-&utm_term=-&linkId=36493970

例えば、マーチャント側は、自社が提供できるチェックアウト手順や割引・ロイヤリティ対応などの機能を「/.well-known/ucp」パス上で公開し、エージェント側は、自らの対応可能な機能をプロフィールとして提示します。

両者のプロフィールを付き合わせることで、共通に扱える機能セットが動的に決定され、これに沿って在庫確認から決済処理までが行われるイメージとなっています。

Googleは、このプロトコルをまず米国市場で展開して、自社の検索AIモードや対話型AIアプリGemini上で対応する商品については、チャット内から直接購入できる機能を実装しているようです。

たとえば、ユーザーがAIに商品を相談すると、そのまま「購入」ボタンが会話に現れ、クリック数回でチェックアウトまで完了します。

この背後でUCPが働くことで、各小売店は自社サイトや個別アプリに誘導することなく、チャット上に直接自分たちの店員を配置できるようなイメージになっています。

UCPの性能

UCPのパフォーマンス面での特徴は、その柔軟で拡張性の高いアーキテクチャにあります。

従来のモノリシックなAPI連携では、小売ごと・プラットフォームごとに異なる仕様への対応が複雑化しがちでしたが、UCPは通信プロトコルを層状に分割して、必要な要素だけを組み合わせて利用できるよう設計されています。

具体的には、「コアとなるショッピングサービス」が、チェックアウトセッションや商品ライン項目、合計金額、メッセージ、ステータスといった基礎概念を定義し、その上にCheckout(決済処理)やOrders(注文管理)、Catalog(商品カタログ)といった各機能領域を扱う「機能モジュール(Capability)」が独立したバージョンで追加可能です。

さらに、業界や個社固有の要件には「拡張(Extension)」という形で対応でき、標準で用意された拡張(例:配送オプションやポイントプログラム対応)を使うだけでなく、必要に応じて独自拡張を定義することも許されています。

このレイヤードな仕組みによって、コアとなる部分は安定性・高速性を維持しつつ、新しい機能ニーズにも柔軟に追従できるのです。

MCP(Model Context Protocol)との違い

MCP(Model Context Protocol)との違い

UCPとよく比較されそうな技術として、MCP(Model Context Protocol)があります。

MCPは、Anthropic社が2024年11月に提唱したオープン標準で、主にAIアシスタントと外部のデータソースやツールを連携させるための汎用プロトコルです。

たとえば、LLMが外部ファイルを読んだり、計算ツールを呼び出したり、他システムの情報を取得したりする際に、各社バラバラのAPIではなく、統一されたインターフェースで行えるよう標準化したのがMCPの役割です。

一方のUCPは、名前に「Commerce(商取引)」とある通り、購買プロセスに特化して設計されたプロトコルです。

MCPがデータ取得やツール実行など幅広い用途に使われるのに対し、UCPは、商品カタログの検索・在庫確認からカート操作、チェックアウト(決済)、注文確定、配送・ロイヤルティ処理、そして購入後の返品やサポートに至るまで、電子商取引の一連の流れを丸ごとカバーするよう設計されています。

言わば、ドメイン固有の上位プロトコルであって、汎用的なMCPとは補完関係にあります。

実際、UCP自体がMCPと連携可能に作られていて、エージェントとマーチャント間の通信にはREST API経由だけでなくMCPベースのやり取りもサポートされています。

なお、MCPについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

UCPのライセンス

UCPは、オープンソースプロジェクトとして公開されており、GitHub上でソースコードや仕様が誰でも閲覧・利用可能です。

ライセンス形態は、GoogleやShopifyをはじめとする貢献企業によってApache License 2.0が採用されています。

UCPのライセンス
参考:https://github.com/Universal-Commerce-Protocol/python-sdk/blob/main/LICENSE

Apache License 2.0は、商用・非商用を問わずソフトウェアの利用や改変、再配布を認めるライセンスで、利用者に対して、特許実施権も合わせて明示的に許諾されているものとなっています。

UCPの料金

UCP自体は、プロトコル仕様でありソフトウェアプロダクトではないため、利用に際して直接的な料金は発生しません

UCPはオープンソースのフレームワークとして提供されており、誰でも自由に実装・利用可能です。

したがって、例えば、自社のECサイトをUCP対応させる場合でも、プロトコル使用料のようなものは不要です。Googleが提供するAIモード検索や、Geminiアプリ上でのUCP経由の購入機能についても、現時点では追加の課金なく利用可能だと発表されています。

UCPの使い方(公式ブログ手順通りにSDKで使ってみた)

UCPの利用方法は、Geminiアプリ上での利用、ローカル環境での利用の2パターンがありますが、2026年1月13日現在でアプリ利用はアメリカ市場向けに限定されていますので、ローカル環境での利用方法をご紹介します。

1.作業用フォルダを用意してPython SDKを取得

macOSなら「ターミナル」、Windowsなら「PowerShell / Windows Terminal」、Linuxならシェルで、以下のコマンドを実行します。

# 作業用ディレクトリ(任意)
mkdir ucp_demo
cd ucp_demo

# 公式Python SDKを取得
git clone https://github.com/Universal-Commerce-Protocol/python-sdk.git sdk/python

# 依存関係をインストール
cd sdk/python
uv sync

2.サンプル(事業者側)サーバーをセットアップし、商品DBを作る

公式ブログの手順では、事業者(Business)側のサンプルサーバーを別リポジトリ(samples)として用意し、花屋デモのCSVからSQLite DBを作ります。

# サンプルサーバーを取得して依存関係を入れる
git clone https://github.com/Universal-Commerce-Protocol/samples.git
cd samples/rest/python/server
uv sync
# DB出力先を作って、サンプル商品データでSQLiteを作成
mkdir /tmp/ucp_test
uv run import_csv.py \
  --products_db_path=/tmp/ucp_test/products.db \
  --transactions_db_path=/tmp/ucp_test/transactions.db \
  --data_dir=../test_data/flower_shop

3.事業者サーバーを起動

次に、UCPのBusiness APIsをホストするサーバーを起動します。公式例ではポート8182でバックグラウンド起動し、後で停止できるようPIDを変数に入れています。

uv run server.py \
  --products_db_path=/tmp/ucp_test/products.db \
  --transactions_db_path=/tmp/ucp_test/transactions.db \
  --port=8182 &
SERVER_PID=$!

この時点で、PC上に「UCP対応の事業者サーバー(http://localhost:8182)」が立ち上がっています。

以降のAPI呼び出しは、このローカルサーバーにHTTPでアクセスするだけです。

4./.well-known/ucp で機能(capabilities)を発見する

UCPでは、事業者が /.well-known/ucp に「対応サービス・機能・エンドポイント・支払い設定」をまとめたJSONマニフェストを公開し、エージェント側がそれを動的に発見します。ターミナルの別タブで、curlで確認します。

export SERVER_URL=http://localhost:8182
export RESPONSE=$(curl -s -X GET $SERVER_URL/.well-known/ucp)
echo $RESPONSE

レスポンスには、例えばShoppingサービスやcheckout/discount/fulfillmentなどのcapabilities、さらに支払いハンドラ設定(例:Shop Pay、Google Pay、モック決済)が含まれる、というのが公式で紹介されている例です。

5.チェックアウトセッションを作成する

次に、POST /checkout-sessions でチェックアウトセッションを作ります。

公式ブログは、curlでリクエスト例を提示しており、ヘッダ(UCP-Agentなど)とボディ(line_items / buyer / payment等)を含めています。まずはそのまま実行して、id(checkout id)が返ることを確認します。

export RESPONSE=$(curl -s -X POST "$SERVER_URL/checkout-sessions" \
  -H 'Content-Type: application/json' \
  -H 'UCP-Agent: profile="https://agent.example/profile"' \
  -H 'request-signature: test' \
  -H 'idempotency-key: 0b50cc6b-19b2-42cd-afee-6a98e71eea87' \
  -H 'request-id: 6d08ae4b-e7ea-44f4-846f-d7381919d4f2' \
  -d '{"line_items":[{"item":{"id":"bouquet_roses","title":"Red Rose"},"quantity":1}],"buyer":{"full_name":"John Doe","email":"john.doe@example.com"},"currency":"USD","payment":{"instruments":[],"handlers":[{"id":"shop_pay","name":"com.shopify.shop_pay","version":"2026-01-11","spec":"https://shopify.dev/ucp/handlers/shop_pay","config_schema":"https://shopify.dev/ucp/handlers/shop_pay/config.json","instrument_schemas":["https://shopify.dev/ucp/handlers/shop_pay/instrument.json"],"config":{"shop_id":"d124d01c-3386-4c58-bc58-671b705e19ff"}},{"id":"google_pay","name":"google.pay","version":"2026-01-11","spec":"https://example.com/spec","config_schema":"https://example.com/schema","instrument_schemas":["https://ucp.dev/schemas/shopping/types/gpay_card_payment_instrument.json"],"config":{"api_version":2,"api_version_minor":0,"merchant_info":{"merchant_name":"Flower Shop","merchant_id":"TEST","merchant_origin":"localhost"},"allowed_payment_methods":[{"type":"CARD","parameters":{"allowedAuthMethods":["PAN_ONLY","CRYPTOGRAM_3DS"],"allowedCardNetworks":["VISA","MASTERCARD"]},"tokenization_specification":[{"type":"PAYMENT_GATEWAY","parameters":[{"gateway":"example","gatewayMerchantId":"exampleGatewayMerchantId"}]}]}]}},{"id":"mock_payment_handler","name":"dev.ucp.mock_payment","version":"2026-01-11","spec":"https://ucp.dev/specs/mock","config_schema":"https://ucp.dev/schemas/mock.json","instrument_schemas":["https://ucp.dev/schemas/shopping/types/card_payment_instrument.json"],"config":{"supported_tokens":["success_token","fail_token"]}}]}}') && echo $RESPONSE

ここで返ってきたJSONの id が、以降の更新に使う checkout id です(公式例でも同様に、作成後にcheckout idが返る流れになっています)。

6.割引コードを適用してチェックアウトを更新する

公式ブログでは、jq を使ってレスポンスから checkout id と line item id を抜き出し、PUT /checkout-sessions/{id} で割引コード(例:10OFF)を送って更新しています。

export CHECKOUT_ID=$(echo $RESPONSE | jq -r '.id')
export LINE_ITEM_1_ID=$(echo $RESPONSE | jq -r '.line_items[0].id')

export RESPONSE=$(curl -s -X PUT "$SERVER_URL/checkout-sessions/$CHECKOUT_ID" \
  -H 'Content-Type: application/json' \
  -H 'UCP-Agent: profile="https://agent.example/profile"' \
  -H 'request-signature: test' \
  -H 'idempotency-key: b9ecd4b3-0d23-4842-8535-0d55e76e2bad' \
  -H 'request-id: 28e70993-e328-4071-91de-91644dc75221' \
  -d "{\"id\":\"$CHECKOUT_ID\",\"line_items\":[{\"id\":\"$LINE_ITEM_1_ID\",\"item\":{\"id\":\"bouquet_roses\",\"title\":\"Red Rose\"},\"quantity\":1}],\"currency\":\"USD\",\"payment\":{\"instruments\":[],\"handlers\":[]},\"discounts\":{\"codes\":[\"10OFF\"]}}") && echo $RESPONSE | jq

7.サーバーを停止する

検証が終わったら、バックグラウンド起動したサーバーを止めましょう。

kill ${SERVER_PID}

よくある質問(FAQ)

UCPは何を標準化するプロトコルで、誰にメリットがありますか?

UCPは、AIエージェントが小売事業者(マーチャント)と安全に連携し、商品検索からチェックアウト、注文管理までを一貫して進めるための共通仕様を標準化します。

ユーザーは会話の流れで購入まで進められ、マーチャントは自社の在庫・価格・配送・決済のルールを保ちながら、複数のエージェント/プラットフォームに同じ形で接続できるのがメリットです。

UCPを導入するには、既存ECを全部作り直す必要がありますか?

全面改修が必須というより、まずは「UCPのエンドポイントを追加して、capabilities(対応機能)を公開する」形で段階導入するのが現実的です。

既存の在庫管理、決済、注文管理の仕組みは残しつつ、UCPが求める入出力(スキーマ)に合わせた薄い変換層を用意して繋ぐイメージです。最初は最小機能(例:カート作成・合計金額算出・注文確定)だけ対応し、後から配送オプションや割引、会員機能などを拡張していく進め方が向いていると思います。

セキュリティや不正購入のリスクはどう扱われますか?

UCPは、エージェントが勝手に買う前提ではなく、ユーザーの同意や認可が取れた状態で取引が成立するように設計されています。

実装では、リクエストの署名・検証、冪等性キーによる二重処理防止、決済情報のトークン化、ログや監査のためのトレーサビリティ確保といった基本対策を組み合わせて、なりすましや改ざん、誤課金のリスクを下げる考え方になります。

運用面でも、返品・キャンセル・サポート導線を含めて「購入後までの安全な体験」を設計することが重要です。

まとめ

UCP(Universal Commerce Protocol)は、対話型AIエージェントがまるで優秀なショップ店員のようになり、ユーザーの購買体験をまるごとサポートできるようにする画期的なオープン標準です。

GoogleとShopifyを中心に、業界横断の協力体制で開発され、オープンソースとして公開されたこのプロトコルは、小売業と消費者の関係性を再構築してくれる可能性を秘めています。

もちろん、UCPはまだ登場したばかりの技術であり、これから実際の運用を通じて洗練されていく部分も多いでしょうが、今後の動向やアップデートにも注目していきましょう。

最後に

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  • WEEL Media部

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