【GraphCast】AI時代のお天気お姉さん!1分で10日の天気予報をするGoogleのAIが異常な精度を叩き出す
WEELメディア事業部リサーチャーのたけしです。
Google DeepMind社が開発した「GraphCast」というAI気象予測モデルをご存じでしょうか?実はGraphCast、従来モデルよりも省エネかつ短時間で正確な予測ができる、まさに革命的な気象予測モデルなのです!
本記事では、GraphCastの特徴や従来モデルとの違いについて、専門機関のデータなどを用いてわかりやすく解説します。GraphCastについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
参考記事①:Meet DeepMind’s GraphCast: A Leap Forward in Machine Learning-Powered Weather Forecasting
参考記事②:Google DeepMind’s weather AI can forecast extreme weather faster and more accurately
Google DeepMindが革命的なAI気象予測モデル「GraphCast」を発表
▼GraphCastによる10日間の気象予測結果の例
2023年11月14日(現地時間)、Google DeepMind社は科学学術雑誌のScienceにて、新たなAI気象予測モデル「GraphCast」を発表しました。
GraphCastは10日先の天気まで素早く予測でき、従来モデルだと数時間かかっていた予測が、なんと1分以内に完了します。
またGraphCastは、ただ予測が早いだけでなく、正確性も非常に優れています。
例えばヨーロッパ中期予報センターの予測モデル(HRES)と比較した研究では、実験を行った約1,300区域のうち90%以上で、GraphCastがHRESよりも予測精度が優れていたそうです。さらに対流圏での予測に限れば、雨や気温など約12,000項目のうち99%以上で、GraphCastの方が優れているという結果になったのだとか。
GraphCastは現状、降水量など一部の項目では従来のモデルよりも予測精度が劣っており、実用化まではあと2~5年かかると言われています。
しかしGraphCastが将来的に実用化されれば、竜巻やハリケーンのような異常気象を素早く正確に予測し、世界中で多くの人命を救うことが期待されています。
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GraphCastは従来よりも大幅にエネルギー・コストを削減できる
従来の気象予測モデルは、スーパーコンピューターによる大規模なシミュレーションに基づき、予測を行っています。このやり方だと正確な気象予測はできるものの、実行に多くのエネルギー・コストがかかってしまう点が課題となっていました。
一方GraphCastは、世界中から集めた過去40年分の気象データを基に、AIが機械学習によって気象予測を行うという仕組みになっています。
GraphCastは通常のデスクトップコンピューターでも作動できるため、従来よりも大幅にエネルギー・コストを削減できるのです。
GraphCastは予測スピードが非常に速く、精度も高い
GraphCastは従来のモデルと比較して、予測スピード・精度ともに優れています。
例えばヨーロッパ中期予報センターの予測モデル(HRES)と比較した実験では、HRESだと数時間かかってしまう予測を、GraphCastは1分以内に実行できたのだとか。予測の精度についても、実験を行った1,300区域のうち90%以上で、GraphCastの方がHRESよりも優れた結果を残したそうです。
ここで参考までに、GraphCastとHRESの予測精度を比較した研究結果を紹介します。
引用:https://www.science.org/doi/epdf/10.1126/science.adi2336
- z500:500hPaの気圧面(地表から約5,500mの高さ)
- Lead time:気象現象発生が予測される時刻と、その予測が発表される時刻の間の時間
- RMSE:気象予測の誤差を表す指標(RMSEが小さい=予測精度が高い)
- ACC:気象予測の正確性を表す指標(ACCが大きい=予測精度が高い)
上図a)b)よりGraphCastの方がHRESよりもRMSE値が小さく、図c)よりGraphCastの方がHRESよりもACC値が大きくなっています。
すなわち、GraphCastの方がHRESよりも、予測精度が明らかに優れていることがわかりますね。
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GraphCastが実用化すれば、突発的な異常気象も素早く正確に予測できる
GraphCastを活用すれば、竜巻やサイクロンなどのように、突発的に発生する異常気象も素早く正確に予測できます。
実際に、2023年9月に大型ハリケーンLeeがノバスコシア州に上陸した際、GraphCastは9日前からその上陸を正確に予測していたのです。(ちなみに従来モデルは6日前まで予測できなかったのだとか)
GraphCastは現状、降水量の予測など一部の項目では従来モデルよりも精度が劣っており、実用化まではあと2~5年かかると言われています。
しかし、GraphCastが将来的に実用化されて異常気象をいち早く予測できれば、きっと今よりも多くの人命が救われるに違いありません。
まだまだ課題は多いかと思いますが、できるだけ早く研究・開発が進むといいですね。
まとめ
今回紹介したGraphCastについて、まとめると以下のとおりです。
従来モデル | GraphCast | |
---|---|---|
エネルギー・コスト | スーパーコンピューターで大規模なシミュレーションを実施するため、膨大なエネルギー・コストが必要。 | 通常のデスクトップコンピューターで実行でき、エネルギー・コストを大幅に削減できる。 |
予測スピード | 10日先までの予測に数時間かかる。 | 10日先までの予測が1分以内に完了する。 |
予測精度 | GraphCastよりも予測精度が劣っている。※ただし降水量の予測など、一部項目ではGraphCastよりも優れている。 | 一部項目を除き、従来モデルよりも予測精度が優れている。 |
個人的に驚きなのは、GraphCastを使えば10日先の天気が1分足らずで予測できるという点。しかも予測スピードが速いだけGraphCast恐るべし…
近い将来、GraphCastが実用化されると気象予測の世界はどうなるのか、今から楽しみですね!
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