MCP（Model Context Protocol）を活用した業務効率化！導入するメリットとデメリットも解説
- ツール連携を統一・簡略化でき、業務の非効率ポイントをまるごと任せられる
- 開発環境・リポジトリと連携することで、業務フロー全体の自動化が可能
- Notion・Google Drive・WikiなどをMCP経由で接続することで、社内ノウハウの活用促進
WEELメディア事業部AIライターの2scです。
みなさん！話題のMCP（Model Context Protocol）は活用されていますか？
外部ツールと生成AIチャットの連携方法を簡略化・統一してくれるMCPなら、業務効率化に役立つAIエージェントが気軽に作れちゃいます。これまでにもRAGやコパイロット等、生成AIを活用したソリューションが多数登場していますが、MCPがもたらす効果はそれ以上かもしれません。
当記事では、そんなMCPによる業務効率化を解説。MCPの基本から業務効率化のイメージまでをご紹介します。
完読いただくと、まずは社内・個人レベルからMCPを使ってみたくなるかもです。
ぜひぜひ、最後までお読みくださいね！
MCPとは？
MCP（Model Context Protocol）は、2024年11月末にAnthropicが公開した業務効率化用のAIエージェントが簡単に作れる共通規格です。
こちらは以下のとおり、雑多な外部ツール群とAIアプリ（生成AIチャット）の連携方法を統一してくれるプロトコルで、しばしば「生成AI界のUSB-Cポート」に例えられます。（※1）
- オープンソースで開発はコミュニティ主導
- 雑多な外部ツール群とAIアプリを統一的な方法で連携しAIエージェント化
- 雑多な外部ツール群とAIアプリのデータ・処理のやり取りを双方向で仲介
- 大手企業や個人開発者から、MCP対応のツール（MCPサーバー）がリリース中
- Claude Desktopを筆頭にMCP対応のAIアプリも複数登場
このMCPが外部ツール群とAIアプリを繋ぐしくみは以下のとおりで、外部ツールはMCPサーバー単位で気軽に追加・変更が可能となっています。
- MCPホスト：MCPクライアントを含むアプリ本体（Claude Desktopや自作のアプリ等）
- MCPクライアント：アプリに同梱されるMCP用のコネクタ
- MCP：MCPサーバーを1つに束ねてMCPクライアントに繋ぐハブ
- MCPサーバー：各ツールをMCPに繋ぐためのプラグ（SlackやTavily等）
- ツール（Tools）：AIアプリから各ツールを動かすための関数
- リソース（Resources）：AIアプリが参照できる情報
- プロンプト（Prompts）：AIアプリの挙動を固定するテンプレート
そんなMCPには、Anthropicのパートナー企業やClaudeユーザーのみならず、OpenAIのサム・アルトマンCEOも注目中。MCPは今後、生成AI業界の主流になるかもしれないと期待を集めています。
なお、MCPについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
MCPのメリット
まずは、話題のMCPがもたらすメリットについて3点ご紹介します。以下、共通規格ならではの強みからみていきましょう。
実装・保守・カスタマイズが容易
MCPでは、AIアプリとMCPサーバーの連携方法が統一されていて、JSONファイルを編集するだけで連携先の追加・変更が可能です。これには以下のようなメリットがあり、要約すると「実装・保守・カスタマイズが容易」だといえます。
- 連携先ごとにソースコードを用意しなくても済む
- 連携先ごとの仕様の違いによるバグが起きづらい
- 画一的な方法でデバッグが行える
- 既存のシステムをMCPサーバー化することで、AIアプリに組み込める
国内企業では、レガシーシステムやサイロ化による「2025年の崖」が問題視されていますが、こちらはMCPとの併用やMCPへの完全移行によって解決できるかもしれません。
学習範囲外の知識が拡張可
MCPはLLMに下記のような学習範囲外の知識を提供します。これまでLLMの苦手分野とされてきた、リアルタイムの情報やニッチな知識を手軽に補えるのがその強みです。
- Webブラウザ上の情報全般
- 天気予報
- 株価
- ニュース
- 交通情報
- 医療データ
- 法律判例
- 科学論文
- 自社内の文書・ノウハウ
- 自社の顧客データ
…and more！
MCPなら、従来のRAGチャットボットよりも広い分野にわたって業務効率化が目指せるでしょう。
AIアプリ側からツールへの操作にも対応
MCPはAIアプリとツールを双方向で連携させます。つまり、AIアプリ（LLM）にツールを操作させるというAIエージェント的な使い方もできて、コンテンツ生成にとどまらない業務効率化が実現可能です。
MCPのデメリット
便利なMCPですが、以下のようにデメリットも存在します。特に、MCPに特有のセキュリティリスクは無視できない懸念材料です。
- MCPに特有の「セキュリティリスク」
- MCPを経由することによる「通信速度の低下」
- 公式MCPを使用する場合、「カスタマイズ性の低下」
MCPのセキュリティリスクには以下のようなものがあり、どれも一度被害を受けてしまうと、重大インシデントに繋がりかねないものとなっています。
- ツール汚染攻撃：悪意のあるMCPサーバーがユーザーに隠れて不正を働くリスク
- ラグプル：導入したMCPサーバーに後出しで不正な機能が実装されるリスク
- コマンドインジェクション：AIアプリ経由でMCPサーバーに不正なコマンドが渡されるリスク
- シャドーイング攻撃：悪意のあるMCPサーバーが正規のMCPサーバーに不正な動作をさせるリスク
- アカウント乗っ取り：MCPサーバーとの連携に使うアカウントが乗っ取られるリスク
「社外公開用のAIアプリ」や「パフォーマンスを重視するAIアプリ」では、MCPの導入を見送ったほうがよいかもしれません。
なお、MCPのセキュリティリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
MCPを活用した業務効率化のケース5選
ここからは、MCPによる業務効率化について、具体的なケースを5つお見せしていきます。以下、詳しくみていきましょう！
業務フロー全体の自動化
MCPでは業務フロー全域にわたっての自動化・効率化が目指せます。具体的には、活用中の全ツールを個別にAIアプリと連携させるほか、Zapierの公式MCPサーバーを経由して自動化フローを丸ごと連携させるというやり方も可能です。
ソフトウェア開発の効率化
MCPはソフトウェア開発でも、業務効率化を叶えてくれるでしょう。開発環境やリポジトリとLLMを連携させることで、その場の課題に適したコーディング支援やデバッグの自動化などが実現できそうです。
社内ノウハウへのアクセス性向上
MCPはAIアプリと以下の多種多様な情報リソースをシームレスに連携。これまで埋もれていた社内のノウハウは、MCPに繋いでAIアプリから質問するだけで引き出せるようになります。
- 複数の社内システム
- Google Drive上のドキュメント
- Notion上のメモやプロジェクト
- その他社内Wiki・知識ベース
…and more！
こちらは社内ヘルプデスク業務や新人教育などの効率化に最適です。
社内コミュニケーションの効率化
MCPは業務上のコミュニケーションも効率化してくれます。特に、SlackやGoogle Meetが公式でリリースしているMCPサーバーが強力で、会話履歴の要約や資料・文字起こしの共有、会議の予約などの自動化が目指せます。
データドリブンな意思決定
従来、BigQuery等のデータベースはデータサイエンスに強い社員にしか扱えませんでした。
ですがMCPの登場により、データベースをMCPサーバー化してAIチャットに繋ぐことで、チャット形式でのデータ分析&説明が実現。ITスキルを問わず、誰もがデータドリブンな意思決定で自身の業務効率化を図れるようになります。（※2）
なお、MCPサーバーの種類について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
MCPで生成AIによる業務効率化を加速させよう！
当記事では、MCPによる業務効率化について解説しました。以下にてもう一度、MCPが叶えてくれるかもしれない業務効率化をみていきましょう！
- 業務フロー全体の自動化
- ソフトウェア開発の効率化
- 社内ノウハウへのアクセス性向上
- 社内コミュニケーションの効率化
- データドリブンな意思決定
JSONファイルを書き換えるだけで雑多なツール群をAIアプリに繋げられるMCPは今後、生成AI業界のスタンダードになるかもしれません。セキュリティ上の課題から社外向けの用とには適しませんが、社内・個人レベルでなら大幅な業務効率化が期待できます。みなさんもぜひぜひ、Claude Desktopからお試しください！
最後に
いかがだったでしょうか？
既存ツールや社内データとAIをつなぎ、実務レベルでの効率化を進めるなら今。MCPを起点に、自社に合ったAIエージェント活用法を整理してみませんか？
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開発実績として、
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【監修者】田村 洋樹
株式会社WEELの執行役員として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。
これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。
