Googleの画像生成AI!ImageFXの使い方や商用利用、注意点を解説
2024年2月2日にGoogleから発表された「Imagen2」は、今までの「Imagen」より画質が大幅に向上したなど、さまざまな部分で進化した新しいモデルです。現段階では日本から利用できない部分も多いですが、その使用感や生成される画像のクオリティの高さから注目されています。
この記事では、Imagen2の特徴や使い方などを実際の画像を使用しながら解説します。最後までお読みいただくとImagen2の使い方やImagen2が利用できるプラットフォームなどについて理解できるので、ぜひ参考にしてください。
Googleの画像生成AI「Imagen2」とは?
Google社から提供されている「Imagen2」は先代モデルの「Imagen」から進化した新モデルの画像生成AIです。Imagen2の特徴は下記の通りです。
- 画質が大幅に向上
- 指定した物にテキストを貼り付けた画像の生成
- 企業ロゴの作成
- SynthIDの導入 etc.
このImagen2は、「Gemini」「Vertex AI」「ImageFX」などから利用が可能です。しかし、Geminiについては、2024年10月現在、画像生成の機能が一部しか使えません。
なお、Gemini(旧GoogleBard)について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Imagen2の利用方法
前述の通り、Imagen2はさまざまなツールから利用することができます。今回は、「Gemini」「Vertex AI」「ImageFX」の3つについてご紹介します。
Gemini
Gemini(旧GoogleBard)もGoogle社が開発した生成AIで、精度はChatGPTに引けを取らないレベルだと言われています。さらにGoogleから常に最新データを取得しているため、生成された文章や回答については常に最新情報が出力されるのも特徴です。
GeminiからImagen2を利用するには、通常通りプロンプトを入力するだけなので特に難しい操作は不要です。
しかし、2024年5月2日より、画像生成の際の入力プロンプトは日本語を含む多くの言語で利用できるようになりました。
Vertex AI
Vertex AIはGoogleが提供するクラウドサービスであるGoogle Cloudの機械学習プラットフォームです。機械学習プラットフォームとはAI開発などで利用されるもので、Vertex AIでは130件以上の生成AIモデルとツールが利用できます。
また、Google検索やYouTubeなどに使用されているテクノロジーやインフラを活用できるGoogle Cloud Platformの各種サービスにもシームレスに連携できるのもポイント。
フリートライアル版が90日間で300ドル分までは無料で利用できるため、Vertex AIからImagen2を使いたい方は利用してみるのがおすすめです。
ImageFX
ImageFXはGoogle社がImagen2をベースに作った画像生成AIで、Gemini(旧Google Bard)など他のモデルと同様にテキストプロンプトを打ち込むことで出力可能なツールです。人間の顔や手などをリアルに再現し、無駄な視覚的要素を排除する機能も搭載されています。
また、特徴として、「expressive chip」という表現力チップを備えており、「自身の創造物やアイデアに隣接した次元を素早く試せる」とGoogleは発信しています。
詳しくは後述しますが、チップを選択することで、さまざまなバリエーションに変更することができるようになりました。
Imagen2(Gemini)を使ってみた!
Geminiを使う場合は、チャット内にプロンプトを入力するだけで画像生成が可能です。
まずは、Geminiにログインします。
「テーブルの上でジャンプする猫を生成してください。」とプロンプトを入力しましたが、Geminiでは生成されませんでした。
まだ日本語で回答できないものもあるようですね。
英語に直してプロンプトを入力してみましょう。
「create a photo of a cat jumping at the table」
画像が4枚生成されました。
Geminiでは日本語に対応していないものもあるようです。正しく回答が返ってこない場合は、英語に翻訳してからプロンプト入力するのがおすすめです。
Imagen2(ImageFX)を使ってみた!
まず、ログインするとこのような画面に入ります。
今回は、人間の顔や手などをリアルに表現できるというImagen2の特徴を検証するために、「A man operating a smartphone at home.」(自宅でスマートフォンを操作する男性)というプロンプトを入力してみました。
すると確かに、写真のようなリアルな男性の画像を生成することができました。
また、上記画像のようにImageFXの特徴であるexpressive chipを使えば、テキストプロンプトがプルダウンになっている部分の変更を簡単に加えることが可能です。
今回は赤枠の通り、「スマートフォン」から「ラップトップ」に変更して出力したところ、画像右側の4種類の画像が簡単に生成できました。
その他にも「自宅」から「オフィス」に場所を変更できたり、「操作している」から「見ている」に変更したりと簡単にさまざまなバリエーションの画像を生成できます。
Imagen2の商用利用について
「Gemini」で生成された画像は商用利用できるため、Imagen2で生成された画像も商用利用可能です。さらに、Imagen2で生成された画像には「SynthID(デジタル透かしを埋め込まれている)」が付与されているため安全性が高くなっています。しかし、企業側で画像生成AIを禁止している場合もあるため、商用利用するには注意が必要です。
Imagen2は日本語にも対応
Imagen2は多くの言語に対応しているため、日本語にも対応しています。しかし、日本語では正しく生成されない場合があるため、その際は英語で入力することで解消する可能性が高いです。
英語が苦手な方は、英語に翻訳(DeepLやGoogle翻訳など)してからプロンプトに入力するのがおすすめです。
Imagen2の注意点
ここまで、Imagen2の特徴や使い方について見てきました。簡単にリアルな画像を生成できるImagen2ですが、利用するために注意すべき点があります。次にImagen2を利用する際の注意点についてみてみましょう。
特定人物の画像は生成不可
画像生成AIが普及し、誰でも気軽に画像を生成することができるようになったことで、今や画像生成AIで生成された画像はインターネット上に無数にあります。そんな中、問題になっているのがフェイク画像問題です。
画像生成AIはインターネット上の情報を学習しているため、著名人などの画像を作ろうと思えば、簡単に生成することができます。
また、先ほどご紹介した通り、Imagen2は人間の画像をよりリアルに生成できるツールなので、もし誰かが著名人の顔を使って悪意のある画像を生成して公開した場合には大きな問題に発展する可能性があります。
そのような事態を避けるために、Imagen 2は攻撃的な画像や特定の人物を含む画像の生成は避けるように設計されています。
電子透かし「SynthID」が記載される
SynthIDとは、肉眼では見えない電子透かしのことでImagen 2で生成される画像には全て記載されます。このSynthIDは、昨今問題になっている画像生成AIによる著作権やフェイク画像問題の解消に繋がると期待されています。
特にフェイク画像は見分けが難しく、クオリティーの高いフェイク画像が原因で問題になることもしばしば。しかし、SynthIDの有無を確認するだけで、生成AIによって作られたフェイク画像かどうかを判断することができるようになりました。
また、SynthIDが入っているからといって画質が落ちることはないので、利用規約を正しく守っている人には何もデメリットがないのもポイントですね。
SynthIDについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
正しく利用して価値を最大限に
会社のロゴやパッケージデザイン、広告クリエイティブなどは、画像生成AIのおかげで誰でも気軽に作成することができる時代になりました。もちろん、ツールによっては商用利用が出来るものや出来ないものもあるのでしっかり利用規約を確認する必要があります。
また、生成された画像が著作権や肖像権などを知らない間に侵害したりする場合もあるので便利ですが利用には細心の注意を払いましょう。
生成AIはいろんなジャンルで活躍し私たちの生活をより豊かにしてくれるツールの一つだと思います。しかし、使い方によっては誰かを傷つけたり、不幸にしてしまうこともあるので、利用者全員がリテラシーを身に付けておく必要があるのではないでしょうか。
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