中国発の自律型汎用AIエージェントManusとは?概要やユースケースを解説!

AIエージェント Manus マヌス 概要 ユースケース
押さえておきたいポイント
  • 思考を行動に変える自律型汎用AIエージェント
  • 仕事や生活の多種多様なユースケースに対応
  • ユーザーが休んでいる間に作業が完結

2025年3月5日、中国のスタートアップチームが、自律型汎用AIエージェント「Manus」をリリースしました!

Manusは通常の対話型AIと異なり、人間の「思考」を「行動」に橋渡しすることを目指した自律型のAIで、ユーザーの指示から計画立案、実行までを一貫して行い、最終的な成果物を提供できる点が特徴です。

旅行プランの作成や株式分析レポートの生成など、日常生活からビジネスまで、幅広いタスクに対応できるとのこと。

本記事では、そんな「Manus」の概要から使い方までご説明します。

ぜひ、最後までご覧ください。

目次

Manusの概要

「Manus」は、季逸超(Ji “Peak” Yichao)氏を中心とする開発チームにより開発され、季氏は、「Manusは世界初の真の汎用AIエージェントであり、単なるチャットボットではなく、構想から実行まで橋渡しする次世代のAIだ」と述べています。

招待制のウェブプレビュー版が公開されると同時に、中国のAIコミュニティで大きな注目を集めました。

また、「Manus」は第三者機関によるGAIAベンチマーク(汎用AIアシスタントの性能評価)において、従来モデルを上回る最高性能を記録しており、OpenAIのモデルも凌駕するスコアを達成しています。

参考:https://manus.im/

例えば、レベル1の課題正答率は「Manus」が86.5%に対し、「OpenAI Deep Research」は74.3%であり、他のレベルでも同様の優位性が報告されています。

また、名称の「Manus(手)」はラテン語の「Mens et Manus(心と手)」に由来し、知識(頭脳)を実際の行動につなげるという理念を体現しているそうです。

Manusの強み

「Manus」の最大の強みは、その高い自律性と汎用性にあります。他のAIエージェントや対話型AIが個々の指示ごとにユーザーからの入力を必要とするのに対し、「Manus」は一度目的を与えれば細かな手順指示なしに自律的に動作します。

つまり、ユーザーの大まかな指示から自身でタスクを細分化し、必要な情報収集・分析・作業実行を連続して行える点で優れているといえます。

開発チームは「Manus」を「アイデアを具体的な行動に変える自律型AIエージェント」と位置付けており、単なるチャットボットや定型ワークフローを超えた存在だと強調しています。

このように、自律性(人手を介さないタスク完遂力)と、性能実証(客観ベンチマークでの高成績)こそが、「Manus」の最大の強みです。

Manusのライセンス

2025年3月24日時点で、「Manus」はクラウドサービス型で提供されており、ソフトウェア自体が公開されているわけではありません

そのため、オープンソースライセンスは存在せず、ユーザーは「Manus」のプラットフォームを規約に従って利用する形になります​。

利用規約には、18歳以上であることや、利用目的が違法・不適切でないことなど基本的な条件が定められています。

商用利用⭕️
改変❌️
配布❌️
特許使用⭕️
私的使用🔺(成果物はOK)

また、「Manus」上で生成されたアウトプット(成果物)の権利はユーザーに帰属することが明記されています。つまり、「Manus」が作成した文章やレポート、画像などは利用者が自由に利用・公開でき、Manus側からそれらの著作権等の主張はなされません。

一方で、サービスそのものの再配布や第三者への提供は禁止されています​。例えば、自分の「Manus」アカウントを使って他者に代行サービスを提供したり、「Manus」の機能をラッピングして商用アプリに組み込むことは、事前の許可なく行うことはできません​。

整理すると、「Manus」は商用利用自体は可能ですが、サービス利用契約に基づき適切な範囲で利用すること、そして、出力内容の最終的な責任はユーザー側にあることに留意が必要です。

Manusの料金プラン

2025年3月24日現在、「Manus」の料金体系は以下のとおりです。

無料プラン(2025年3月中旬頃まで)

1日3回までのタスク実行が可能で、招待制プレビュー版として利用可能です。

正式リリース版(2025年3月中旬頃から)

2025年3月14日頃からは、メールアドレス登録で誰でも無料(1日あたり利用回数制限あり)で利用可能となりました。

現在の回数制限制度は、サーバー容量の制約による暫定措置のようですので、プラン展開に期待が高まります。

現時点では正式なプランはリリースされていませんので、今後の公式からのリリースは要チェックです!

Manusの使い方

2025年3月24日現在、「Manus」はメールアドレスを登録するだけで、無料で利用(回数制限あり)できます。

利用したいユーザーは公式サイト内、右上の「Get Started」をクリック

以下のページに遷移したら、メールアドレスを入力してアカウント登録しましょう。と

すると、1営業日以内目安で「Team Manus」から以下のようなメールが届きます(※筆者は数分できました)ので、「Try Manus」を押下することで利用できる状態になります。

Manusは、基本的にチャットボックスに達成したい目標や指示を自然言語で入力することで操作可能です。

その後、「Manus」が入力内容を解析し、必要な手順を自律的に計画・実行します。

例えば、「ウェブサイトを一から構築してほしい」という指示を出すと、「Manus」は企画・デザインからコーディング、コンテンツ配置まで順を追って実行し、ステップバイステップでWebサイトを完成させます​。

また、作業中は、「Manus」がリアルタイムでどのような処理を行っているか(情報収集や分析のプロセス)をモニター上で確認することも可能です。

活用事例

2025年3月24日時点で公開されているデモやユーザーの報告から、「Manus」の具体的な活用事例をいくつかご紹介します。

今回解説する事例において、弊社がX(旧Twitter)で発見した参考となるツイートを紹介させていただいております。取り下げなどのご連絡は、contact@weel.co.jp からご連絡ください。

PDF資料作成

上記ポストでは、参考画像をもとに、最新のマーケティング動向リサーチから雑誌風のPDF資料作成までのタスクを一気通貫してこなしています。

もちろん、細かい部分は修正する必要もあるかもしれませんが、1発でここまでのクオリティの資料作成を自律的に実行してくれるのはありがたいですね。

サービス負荷原因で実行ストップしたところを、ユーザーからの「やって」の一言で再実行してくれているのもおもしろポイントです。

自己紹介サイト作成

上記の投稿は、雑に「自己紹介サイト作って」と依頼するだけで、自己紹介サイトを作成するのはもちろん、公開まで勝手にやってくれるという例です。

実際に作成されたサイトの一部はこちら。

見やすいレイアウトや色使いで、上記画像以外にも問い合わせ先などの項目が自動で作成されており、自律型AIエージェントとしてのレベルの高さが伺えます。

旅行ガイドブックの作成

「Manus」に旅行先と日程などを伝えるだけで、観光スポットや移動手段を調査し、最適な旅行プランを作成してくれます。

実際のデモでは「4月に日本へ旅行したい」というリクエストに対し、「Manus」が旅行スケジュールを組み立て、各日ごとのスケジュールや持ち物リストをまとめたカスタム旅行ハンドブックを自動生成しています​。旅行代理店に匹敵する詳細なプランニングを短時間で行える点が注目されています。(※1)

Webサイトの自動構築

コーディングの知識がなくても、「Manus」に「〇〇な内容のウェブサイトを作成して」と指示すると、関連情報の収集からデザイン提案、文章作成、レイアウト調整までを自律的に行い、ゼロから機能するウェブサイトを構築できます。

実際、公式のデモ動画では、ステップバイステップでウェブサイトを構築する様子が紹介されています。この機能により、プロトタイプサイトの迅速な作成や簡易なランディングページ生成などが誰でも可能になると期待されています。(※2)

株式分析レポートの生成

デモケースでは、「Manus」にテスラ社の株式分析を依頼したところ、膨大な財務データや市場動向ニュースを収集・解析し、視覚的なグラフやチャートを含む包括的な分析レポートを作成しました​。

レポートには過去四半期の市場センチメント変化や重要指標のトレンドがまとめられており、アナリストが作成する資料に迫るクオリティですね。このように、「Manus」は専門家が数日かけて行うようなデータ分析業務を短時間で代行し、アウトプットしてくれます。(※3)

他のユースケース例

以下のポストでは複数のタスクを並行して自動処理している例が紹介されています。

複数タスクを自動処理しているシーン

他にも、Manus公式サイトでユースケースが紹介されているので、興味のある方は覗いてみてください。

Manus使ってみた

無限の可能性を感じさせてくれるManusを実際に使ってみます。

1日1回の利用制限を有意義に使えるように、今回は「ManusにManusの有益な活用事例」をまとめてもらおうと思います。

入力プロンプトはこちら。あえて雑に指示出しをしてみます。

Manusの超有益な活用事例を10個まとめて、PDF資料化して

実行中の様子はこちら

実行結果はこちら

Manusの超有益な活用事例をまとめたPDF資料が完成しました。
このPDFには以下の内容が含まれています:
はじめに:Manusの概要と本資料の目的
Manusの基本機能と特徴
10個の超有益な活用事例:
財務・経理業務の効率化
株式・投資分析レポート作成
不動産投資の物件リサーチ
教育コンテンツの作成支援
旅行計画の作成
データ分析と可視化
マーケティング資料作成
コンテンツ制作(ブログ・記事)
プログラミングと開発支援
法務・契約書レビュー
各活用事例では、具体的なシナリオ例、導入メリットと効果、実装例と成功事例、導入ステップを詳細に解説しています。
PDF資料をご確認ください。
manus_use_cases.pdf
PDF · 319.02 KB

このタスク内のすべてのファイルを表示
PDFドキュメントの生成と品質確認が完了し、ユーザーへの提供準備が整いました

PDFドキュメントの生成が完了し、ユーザーに提供します

タスクが完了しました。Manusの超有益な活用事例をまとめたPDF資料をユーザーに提供しました。

今回のタスクの所要実行時間はおよそ15分ほどでした。

資料の中身は、、残念。。中身がスカスカで資料化した意味がありませんでした。

参考資料を与えるなどして、もう少し具体的に指示出ししたほうが意図した結果が得られそうです。

とはいえ、数十分程度で、事例調査から資料作成までを完了してくれるのは革命的ですよね。

ぜひこちらの活用事例を参考にmanusを活用してみてください!

Manusの注意点

「Manus」を利用・導入するにあたっては、以下のような技術的・運用上の注意点やプライバシーリスクに留意する必要があります。

出力の精度と限界

「Manus」の生成する回答や成果物は高度ですが、誤情報や不正確さを含む可能性があります​。

開発元も「AIの出力にはエラーが含まれうる」「高度な推論や判断が必要なタスクには限界がある」ことを認めており、ユーザー側で結果を検証し判断することが求められます。特に重要な意思決定に用いる場合、鵜呑みにせず人間が内容を精査する慎重さが必要です。

プライバシーとデータ取り扱い

「Manus」に入力したデータや対話内容はサービス提供者側に送信・保存されます

利用規約では、ユーザーが提供したデータや生成物(ユーザーデータ)をManus側が匿名加工した上でサービス改善目的で利用することが明記されています。​

機密情報や個人情報を入力すれば、その内容が、サーバー上に保存され分析に使われる可能性があるため、社外秘データの取り扱いには慎重を期す必要があります

サービス提供状況の制約

「Manus」は2025年3月7日時点で、招待制のベータサービスであり、誰もがすぐ使える状態ではありません。

サーバーのキャパシティに限りがあるため利用枠が厳しく制限されており、招待コード入手待ちのユーザーが多数存在します。このため、正式リリース前にManusの利用を検討する場合は、実際にアクセス権を得るまで時間がかかる可能性があります。

また、小規模なスタートアップによる提供である点から、サービスの安定性(サーバーダウンやレスポンス遅延)や将来的な継続性にも注意が必要です。招待制プレビュー版のリリース当初は、招待コードがネット上で高額取引されるなど過熱気味の状況ですが​、公式が認めていない経路でのアクセス取得にはリスクが伴うため避けましょう。

今後ユーザーが増えるにつれ、利用条件や仕様が変わる可能性もあるので、最新の公式情報を確認しつつ段階的にテスト導入することが望ましいでしょう。

まとめ

最後に改めて、「Manus」の特徴をまとめます。

  • 思考を行動に変える汎用AIエージェント
  • 仕事や生活の多種多様なユースケースに対応
  • 自律性(人手を介さないタスク完遂力)、性能実証(客観ベンチマークでの高成績)が強み
  • 2025年3月現在、利用回数制限あり
  • アクセス権を得るまで時間がかかる可能性がある

今後のサービス拡大から目が離せません!

最後に

いかがだったでしょうか?

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