Pineconeとは?ベクトルデータベースの仕組み・料金・使い方とRAG実装を徹底解説

- Pineconeはサーバー運用不要のフルマネージド型ベクトルデータベース
- Index・Namespace・レコードという単位でデータを管理し、ANN(近似最近傍探索)で大規模データから高速に類似検索
- 無料のStarterプランから始められ、規模に応じてBuilder・Standard・Enterpriseへ段階的に移行できる
生成AIの社内活用が広がるなかで、ベクトルデータベースという言葉を目にする機会が増えました。
なかでも代表的な選択肢が「Pinecone」です。フルマネージド型のクラウドベクトルデータベースとして提供されており、サーバーの構築やインデックスのチューニングを自前で持たずに、API経由で類似検索の基盤を用意できます。
これまで自社データを使ったAI活用では、「検索基盤の運用負荷が重い」「データが増えると検索が遅くなる」「インフラの専門知識が必要」といった課題がありました。
そこで本記事では、Pineconeの概要や仕組み、主要な概念を解説しながら、料金プラン・セットアップ手順・基本的な使い方・RAGへの組み込み方まで詳しく解説します。
最後までお読みいただくことで、Pineconeがどのように設計され、どのような場面で力を発揮するのかが理解できるはずです。ぜひ最後までお読みください!
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Pineconeとは
Pineconeは、フルマネージド型のクラウドベクトルデータベースです。
サーバーの調達やクラスタ構築、インデックスのチューニングといった作業を自前で抱える必要がありません。APIキーを取得してインデックスを作成すれば、そのまま利用を開始できます。公式では、セマンティック検索やナレッジ検索、AIエージェントの長期記憶をスケールさせるためのデータベースと位置づけられています。
ここでいうベクトルとは、テキストや画像を数値の配列に変換した埋め込み(embedding)のこと。意味が近い文章どうしはベクトル空間上でも近い位置に配置されるため、キーワードの一致ではなく意味の近さで検索できます。
需要が急拡大した背景には、LLMとRAG(Retrieval Augmented Generation)の普及があります。社内文書やFAQを埋め込みに変換して蓄積し、質問のたびに関連情報を引き当てる構成が一般化しました。
数百万件規模の埋め込みを扱う要件に対して、Pineconeはスケーラビリティ・データ反映の速さ・運用負荷の低さという3点で応えます。Pinecone公式によると、書き込みは100ミリ秒未満で確認応答が返り、通常は数秒以内に検索できる状態になるとのこと。
インデックスの最適化も自動で行われます。公式はスケールしても一貫したクエリレイテンシを保てる点を特徴として掲げています。
ベクトルデータベースそのものについて、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

他のベクトルデータベースとの違い
ベクトルデータベースには、Chroma・Weaviate・Milvusといったオープンソース発の選択肢もあります。いずれも現在はマネージドサービスを用意しているため、単純なマネージド対セルフホストという構図ではありません。

違いが出るのは選択肢の幅です。Pineconeはマネージド提供に専念する一方、他の3つはセルフホストとマネージドのどちらも選べます。
| 比較項目 | Pinecone | Weaviate | Milvus | Chroma |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | フルマネージドSaaS | OSS+マネージド版 | OSS+マネージド版 | OSS+マネージド版(Chroma Cloud) |
| ライセンス | 商用サービス | BSD-3-Clause | Apache 2.0 | Apache 2.0 |
| 運用負荷 | 低い(サーバー管理不要) | セルフホストなら中〜高 | セルフホストなら中〜高 | セルフホストなら低〜中 |
| スケーラビリティ | 大規模・本番向き | 大規模対応可 | 大規模対応可 | ローカル検証からクラウドまで対応 |
| 料金体系 | 無料枠+従量課金 | セルフホストは無料/クラウドは従量 | セルフホストは無料/クラウドは従量 | セルフホストは無料/クラウドは従量 |
Chromaはローカルでの検証から手軽に始められ、WeaviateとMilvusはセルフホストを選べば自社インフラ上で細かく制御できます。運用そのものを持たずに本番の可用性やスケールを任せたいならPinecone、という整理になるでしょう。
Pineconeの仕組みと主要な概念
Pineconeを扱ううえで前提となるのが、Organization・Project・Index・Namespace・レコードという階層です。

ここを押さえておくと、コード例に出てくる引数の意味がつながります。まずは全体像を確認しておきましょう。
なお、メタデータの付与は必須ではありません。ベクトルを直接扱うAPIではレコード、ドキュメントスキーマを使う構成ではドキュメントという単位で扱う点も押さえておきたいところです。
| 階層 | 役割 |
|---|---|
| Organization | 課金と権限管理の最上位単位 |
| Project | Indexを束ねる単位。環境やチームで分離する |
| Index | ベクトルを格納し、検索の対象となる本体 |
| Namespace | Index内の論理的なパーティション |
| レコード | ID+ベクトルに、任意のメタデータを加えた1件のデータ |
Index(インデックス)
Indexはベクトルデータを格納する最上位の単位で、類似検索はこのIndexに対して実行されます。
作成時に指定する主なパラメータは、Index名・ベクトル種別(vector_type)・次元数(dimension)・類似度指標(metric)・デプロイ先のクラウドとリージョンです。次元数は使用する埋め込みモデルの出力次元と必ず一致させます。
例えばOpenAIのtext-embedding-3-smallなら1536次元です。denseベクトルの類似度指標はcosine・dotproduct・euclideanから選び、埋め込みモデルの学習時に用いられた指標に合わせるのが基本。
なお、sparseベクトルのインデックスではdotproductに固定されます。
Namespace・Project(データの管理単位)
Namespaceは、1つのIndex内をさらに論理的に分割するパーティションです。
クエリは1つのNamespaceだけをスキャンする仕組みのため、検索範囲が狭まり速度とコストの両方に効きます。テナントごと、部署ごと、あるいは検証環境と本番環境で分ける使い方が典型的。
作成は簡単で、upsert時に指定すれば自動生成されます。事前に作成する場合はcreate_namespace()、一覧取得はlist_namespaces()、削除はdelete_namespace()を使います。
一方でProjectは、Indexを束ねる上位の管理単位。組織のなかでアクセス権限を分け、案件や環境ごとにIndexをまとめる役割を担います。
類似検索(ANN)の仕組み
Pineconeの検索を支えているのが、ANN(Approximate Nearest Neighbor/近似最近傍探索)という考え方です。
全てのベクトルと総当たりで距離を計算すれば最も正確な結果が得られますが、件数が増えるほど時間がかかります。そこでANNでは、ごくわずかな精度を譲る代わりに、探索範囲を大胆に絞り込んで高速化します。
代表的な手法がHNSW(Hierarchical Navigable Small World)です。ベクトル同士のつながりをグラフとして多層に構成し、上の層から大まかに近づいて下の層で細かく絞り込む方式。
Pineconeが内部でどの実装を使うかは公開されていませんが、公式はデータ規模に応じてアルゴリズムを自動選択すると説明しています。利用者側でパラメータをチューニングする作業は基本的に不要です。
検索の種類も1つではありません。意味の近さで引くセマンティック検索、キーワード一致に強いスパース検索や全文検索、そして両者を組み合わせるハイブリッド検索から選べます。
Pineconeの料金プラン
Pineconeの料金は、無料のStarterから始まり、Builder・Standard・Enterpriseへと段階的に上がる4段構成です。
StarterとBuilderは上限が決まった定額型、StandardとEnterpriseは最低利用金額を持つ従量課金型。検証段階なら無料、本番運用なら従量課金という住み分けになります。
| プラン | 月額 | 主な上限 | サポート |
|---|---|---|---|
| Starter | 無料 | 1プロジェクト/5インデックス/ストレージ2GB/書き込み2M・読み取り1Mユニット | コミュニティ |
| Builder | 20ドル(定額) | 5プロジェクト/10インデックス/Namespaceはインデックスあたり1,000/ストレージ10GB/書き込み5M・読み取り2Mユニット | あり |
| Standard | 月額最低利用額50ドル | 20プロジェクト/月間の読み書きユニットとストレージに上限なし(従量課金) | あり |
| Enterprise | 月額最低利用額500ドル | 100プロジェクト/監査ログ・HIPAA対応など | プロサポート |
StandardやEnterpriseでも、プロジェクト数やインデックス数、Namespace数といった構成上の上限は設けられています。上限がないのはあくまで月間の利用量の部分です。
無料プランでできること・制限
Starterプランはクレジットカード登録なしで使い始められる無料枠で、小規模な検証用途であれば十分に足ります。
| 項目 | Starterプランの上限 |
|---|---|
| プロジェクト数 | 1 |
| インデックス数 | 5 |
| Namespace数 | インデックスあたり100 |
| ストレージ | 2GBまで |
| 書き込みユニット | 月200万まで |
| 読み取りユニット | 月100万まで |
社内マニュアル数百件を対象にしたRAGのプロトタイプであれば、この枠内で一通り動かせます。本格運用前にコスト感覚と検索精度を確かめる用途に最適。
有料プランへの切り替え目安とコストの考え方
有料プランへ移る判断軸は、ストレージ容量と、読み書きユニットの消費量という2つに整理できます。

ユニットの計量ルールを押さえておくと、見積もりの精度が上がります。
| 単位 | 対象の操作 | 計量ルール |
|---|---|---|
| 書き込みユニット(WU) | upsert・update・delete | リクエスト1KBあたり1WU(最低5WU) |
| 読み取りユニット(RU) | query・fetch・list | クエリは対象Namespace 1GBあたり1RU(最低0.25RU) |
| ストレージ | 全インデックス | 1GBあたり月0.33ドル |
ここで効いてくるのが、クエリコストがNamespaceのサイズに比例するという点です。1つのNamespaceに全社分のデータを詰め込むと、1回の検索あたりのRU消費が膨らみます。
逆にいえば、Namespaceを部署や文書種別で分割するだけでコストが下がる構造。設計段階でどう割るかを決めておくのが得策です。
- 社内文書数百件を対象にした検証段階ならStarterで足りる
- 個人開発や小規模な本番運用で予算を固定したいならBuilder
- データ量が数十GB規模、または利用者数が読めない本番環境ならStandard
- 監査ログや専有ネットワークなどのコンプライアンス要件があるならEnterprise
なお公式サイトには、想定するベクトル数とクエリ数を入力して概算を出せる料金試算ツールが用意されています。プラン選定の前に一度通しておくと判断が早くなるでしょう。
生成AIまわりのコスト削減について、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。

Pineconeのセットアップ手順
ここからは、実際にPineconeを使い始めるまでの手順を解説します。
作業はアカウント登録・APIキー取得・SDK導入の3ステップ。特別なインフラ作業は発生しません。
メールアドレスまたはGoogleアカウントなどでアカウントを作成します。サインアップ時にStarter・Builder・Standardトライアルから選びます。無料で試すならStarterのままで問題ありません。

コンソール左のメニューからAPI keysを開き、新しいキーを発行します。赤枠のどちらからでも作成可能です。

クライアントライブラリは、pipから1コマンドで導入できます。動作要件はPython 3.10以上です。
pip install pineconeインストールが終わったら、APIキーを渡してクライアントを初期化します。キーは環境変数から読み込む形にしておくのが基本です。
import os
from pinecone import Pinecone
pc = Pinecone(api_key=os.environ["PINECONE_API_KEY"])
# 既存インデックスの一覧を確認して接続をテストする
print(pc.list_indexes())Python以外にも、JavaScript・Java・Goの公式SDKが提供されています。既存のアプリケーションの言語に合わせて選べる点も扱いやすさにつながります。
APIキーはコードに直書きしないでください。これがPineconeに限らず、外部APIを扱ううえでの大前提です。
直書きしたキーはリポジトリの履歴に残り、公開リポジトリへ誤ってプッシュした瞬間に外部から利用可能な状態になります。GitHub上のシークレット漏洩は珍しい事故ではありません。
- ローカル開発では.envに置き、.gitignoreへ必ず追加する
- 本番環境ではAWS Secrets ManagerやGCP Secret Managerから注入する
- ブラウザ側のJavaScriptなどクライアントサイドには絶対に埋め込まない
- 漏洩が疑われる場合は即座に失効させ、新しいキーへローテーションする
Pinecone側では、プロジェクトごとに複数のAPIキーを発行し、それぞれに権限を設定できます。用途別にキーを分けておけば、万一の際も影響範囲を限定できるでしょう。
Pineconeの基本的な使い方
セットアップが済んだら、インデックス作成→データ投入→検索→更新・削除という流れで操作していきます。
ここでは各ステップのコード例を公式ドキュメントを参考に確認しましょう。
インデックスの作成
Serverless構成のインデックスは、ServerlessSpecでクラウドとリージョンを指定して作成します。
import os
from pinecone import Pinecone, ServerlessSpec
pc = Pinecone(api_key=os.environ["PINECONE_API_KEY"])
index_name = "my-index"
if not pc.has_index(index_name):
pc.create_index(
name=index_name,
vector_type="dense",
dimension=1536, # 埋め込みモデルの出力次元に合わせる
metric="cosine", # cosine / dotproduct / euclidean
spec=ServerlessSpec(
cloud="aws",
region="us-east-1",
),
)リージョンはAWS・GCP・Azureから選択でき、AWSではバージニアやアイルランド、シンガポールなどが利用可能。StarterプランはAWSのus-east-1のみのため、無料枠から始める場合はこの点を押さえておきましょう。
なお、Pinecone側で埋め込み生成まで担うIntegrated Embeddingを使う場合は、create_index_for_model()でモデル名とフィールドの対応を指定します。自前で埋め込みAPIを呼ぶ処理を省ける構成です。
ベクトルデータの投入(アップサート)
データの登録にはupsertを使います。同じIDが既に存在する場合はレコード全体の上書きとして扱われる挙動です。一部のフィールドだけを書き換えたい場合は、後述のupdateを使います。
index = pc.Index("my-index")
index.upsert(
namespace="example-namespace",
vectors=[
{
"id": "vec1",
"values": [0.1, 0.2, 0.3], # 実際は1536次元のベクトル
"metadata": {
"category": "tech",
"quarter": "Q3",
"chunk_text": "Pineconeはフルマネージドのベクトルデータベースです",
},
},
],
)ポイントはメタデータを一緒に持たせられる点。カテゴリや日付、出典ファイル名などを付けておくと、検索時の絞り込みや回答の出典表示に活用できます。
大量投入時の制限として、ベクトルを直接upsertする場合で1リクエストあたり最大1,000件、Namespaceあたり毎秒500件という目安があります。リクエストサイズの上限や、テキストを渡す方式での件数上限は別に定められているため、数万件規模を流し込む場合はバッチ処理で分割するのが実務的。
類似ベクトルの検索(クエリ)
検索はqueryで実行し、取得件数(top_k)とNamespace、メタデータフィルタを指定します。
results = index.query(
namespace="example-namespace",
vector=[0.1, 0.2, 0.3], # 質問文を埋め込みに変換したベクトル
top_k=5,
include_values=False,
include_metadata=True,
filter={"category": {"$eq": "tech"}},
)
for match in results["matches"]:
print(match["score"], match["metadata"]["chunk_text"])メタデータフィルタでは、以下のような演算子が使えます。
| 演算子 | 用途 |
|---|---|
| $eq / $ne | 値の一致・不一致で絞り込む |
| $in / $nin | 複数の候補値に含まれるかで絞り込む |
| $gt / $gte / $lt / $lte | 数値の大小で絞り込む |
| $exists | そのキーを持つかどうかで絞り込む |
| $and / $or | 複数条件を組み合わせる |
top_kの上限は10,000件、1回のレスポンスサイズの上限は4MBです。Namespaceとメタデータでスコープを絞るほど、検索精度とコストの両方が改善します。
データの更新・削除
更新はupdate、削除はdeleteで行います。IDを指定した操作が最も効率的。
# メタデータだけを部分更新する
index.update(
id="vec1",
set_metadata={"quarter": "Q4"},
namespace="example-namespace",
)
# IDを指定して削除する
index.delete(ids=["vec1"], namespace="example-namespace")
# Namespace内を全件削除する
index.delete(delete_all=True, namespace="example-namespace")削除方法は、ID指定・メタデータフィルタ指定・全件削除の3種類。この順で処理効率が高く、レート制限も緩やかです。
PineconeをRAGに組み込む方法
RAG(Retrieval Augmented Generation)は、質問に関連する情報を外部データから検索し、その内容をLLMに渡して回答させる仕組みです。
この構成でPineconeが担うのは、検索レイヤー。ドキュメントの埋め込みを蓄え、質問のたびに関連チャンクを引き当てる役割です。
- ドキュメントをチャンクに分割して埋め込みに変換する
- Pineconeへupsertして検索できる状態にする
- ユーザーの質問を同じモデルで埋め込みに変換する
- Pineconeで類似検索し、上位チャンクを取得する
- 取得したチャンクをプロンプトに差し込み、LLMに回答させる
RAGの構築を本格的に検討したい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

ドキュメントのベクトル化と格納
最初の工程は、社内文書やFAQをチャンクに分割して埋め込みに変換し、Pineconeへ格納する処理です。
LangChainを使うと、この一連の流れを数行で書けます。
from langchain_pinecone import PineconeVectorStore
from langchain_openai import OpenAIEmbeddings
from langchain_text_splitters import RecursiveCharacterTextSplitter
splitter = RecursiveCharacterTextSplitter(chunk_size=500, chunk_overlap=50)
docs = splitter.split_documents(raw_documents)
embeddings = OpenAIEmbeddings(model="text-embedding-3-small")
vectorstore = PineconeVectorStore.from_documents(
documents=docs,
embedding=embeddings,
index_name="my-index",
namespace="knowledge-base",
)チャンク分割では、文章の途中で切れないよう区切り文字を優先するRecursiveCharacterTextSplitterがよく使われます。チャンクサイズとオーバーラップは検索精度に直結するため、実データで比較しながら調整しましょう。
埋め込みモデルは、OpenAIのtext-embedding-3-smallのほか、Pineconeがホストするllama-text-embed-v2も選べます。後者を使えば、埋め込み生成もPinecone側で完結。
エンベディングの基礎について知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

検索結果をLLMに渡して回答生成する流れ
格納が済んだら、検索で取得したチャンクをプロンプトに差し込んでLLMに回答させます。

LangChainのRetrievalQAを使えば、検索から回答生成までを一連のチェーンとして扱えます。
from langchain.chains import RetrievalQA
from langchain_openai import ChatOpenAI
retriever = vectorstore.as_retriever(search_kwargs={"k": 4})
qa = RetrievalQA.from_chain_type(
llm=ChatOpenAI(model="gpt-4o"),
chain_type="stuff",
retriever=retriever,
)
answer = qa.invoke({"query": "経費精算の申請期限は何日ですか?"})
print(answer)フレームワークを使わない場合も考え方は同じ。index.query()で取得した結果からチャンク本文を取り出し、プロンプトへ差し込んでChat Completions APIに渡す流れです。
results = index.query(
namespace="knowledge-base",
vector=query_vector,
top_k=4,
include_metadata=True,
)
context = "\n\n".join(m["metadata"]["chunk_text"] for m in results["matches"])
prompt = f"""以下の社内文書の内容だけを根拠に、質問へ回答してください。
根拠が見つからない場合は「該当する記載がありません」と答えてください。
# 社内文書
{context}
# 質問
{user_question}
"""実務で重要なのが、メタデータに残した出典情報を回答と一緒に返す設計です。どの文書のどこを根拠にしたのかを提示できると、利用者が結果を検証でき、誤情報のリスクも下げられます。
検索精度を高めるためのポイント
RAGを構築すると、「思ったような検索結果が返ってこない」という壁に当たりがちです。
多くの場合、原因はLLMではなく検索側にあります。まず見直したい設定を整理しました。
| 設定 | 効果 |
|---|---|
| Namespaceで対象を絞る | ノイズが減り、クエリコストも下がる |
| メタデータフィルタを併用する | 文書種別や日付など構造的な条件で候補を限定できる |
| ハイブリッド検索を使う | 固有名詞や型番などキーワード一致が必要な検索に強くなる |
| リランクを挟む | 一次検索の上位を並べ替え、最終的な順位の改善を狙える |
| チャンク設計を見直す | 文脈が途切れず、回答の根拠がそろいやすくなる |
特に効果が出やすいのが、Namespaceとメタデータでスコープをあらかじめ狭めるアプローチです。部署別・製品別に分けるだけで、無関係な文書が上位に混ざる問題が大きく減ります。
それでも精度が伸びない場合は、質問文そのものを書き換えるクエリリライトや、検索結果を並べ替えるリランクの導入を検討しましょう。
リランクの仕組みについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

Pinecone導入時に押さえておきたい注意点
運用に乗せる前に把握しておきたいのが、セキュリティとコストという2つの論点です。
どちらも設計段階で手を打てば防げるもの。順に確認していきましょう。
セキュリティ・APIキー管理のリスク
最大のリスクは、APIキーの漏洩です。キーが流出すると、そのプロジェクトに格納した全データへアクセスされる恐れがあります。
社内文書や顧客情報を埋め込みとして蓄えている場合、影響は情報漏洩に直結。環境変数やシークレット管理サービスでの管理を徹底し、用途ごとにキーを分けておくべきでしょう。
Pinecone側でも、次のようなセキュリティ機能が提供されています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 暗号化 | 保存データはAES-256、通信はTLS 1.2で保護 |
| アクセス制御 | ユーザー・サービスアカウント・APIキー単位のRBACとSSO |
| プライベート接続 | AWS PrivateLinkやAzure Private Link経由の閉域接続 |
| 顧客管理鍵(CMEK) | 自社のクラウド鍵管理サービスで暗号鍵を管理 |
| 監査ログ | ユーザーとAPIの操作履歴を記録(Enterpriseプラン) |
生成AI活用に伴うセキュリティリスクについて、詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。
コストが想定以上に膨らむケース
もう1つの注意点がコストです。ベクトル数とクエリ頻度は、どちらも運用開始後に増えていく変数という点を忘れてはいけません。
膨らみやすい典型パターンを挙げておきます。
- 更新のたびに全ドキュメントを再投入し、書き込みユニットを消費し続けている
- 1つのNamespaceが肥大化し、1クエリあたりの読み取りユニットが増えている
- 統計情報の取得やヘルスチェックを高頻度で叩いている
- 使わなくなったインデックスやNamespaceを消さず、ストレージ課金が続いている
対策はシンプルで、差分だけを更新する設計と、Namespaceの適切な分割、不要データの定期削除の3点。導入前に公式の料金試算ツールで概算を出し、想定の2〜3倍の利用があっても許容できるかを確認しておくと安心です。
Pineconeのよくある質問
ここではPineconeのよくある質問について回答していきます。Pineconeの使用を検討している場合には、ぜひ参考にしてみてください。
Pineconeを活用してRAG基盤の構築を効率化しよう
Pineconeは、サーバー運用を持たずに類似検索の基盤を立ち上げられるフルマネージド型のベクトルデータベースです。Index・Namespace・レコードという単位でデータを整理し、ANNによって大規模なデータからでも高速に類似ベクトルを引き当てます。
単なるデータの保管庫ではなく、生成AIと自社データをつなぐ検索レイヤーを最小限の運用負荷で用意できる点が本質的な価値といえるでしょう。APIキーの取得からインデックス作成、データ投入、RAGへの組み込みまでが数十行のコードで完結します。
今後は社内ナレッジ検索やカスタマーサポートを中心に、RAGを前提としたシステム設計がさらに広がっていくのではないでしょうか。そのとき、検索基盤をどこまで自前で持つかという判断が、開発スピードを左右する分かれ目になります。
まずは無料のStarterプランで、手元のドキュメントを数百件だけ投入して検索精度を確かめるところから始めるのが現実的。ぜひ皆さんも本記事を参考にPineconeを使ってみてください!
最後に
Pineconeを活用することで、自社データを使ったAI検索基盤を短期間で立ち上げられます。一方で、チャンク設計やNamespaceの分け方は設計次第で精度もコストも大きく変わるため、要件整理の段階から専門家に相談することも重要な選択肢です。
「生成AIで新しいプロダクトを作りたい」「もっと本格的に生成AIを業務に組み込みたい」とお考えの方は、ぜひ株式会社WEELにご相談ください。
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
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セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、大規模言語モデル(LLM)を対象に、言語理解能力、生成能力、応答速度の各側面について比較・検証した資料も配布しております。この機会にぜひご活用ください。


