【n8n】まさかの無料!最新AIローコード自動化ツールを使ってみた

- 1000種類を超えるサービスと連携可能
- 業務の自動化・効率化に特化
- オンプレミス・クラウドを選んで利用可能
WEELメディア事業部テックリサーチャーの中田です。
オープンソースのローコード自動化ツールの「n8n」がGitHubで公開され、誰でも簡単にワークフローを作れるようになりました。
これにより、サービスとサービスを簡単に、コードを書かずに繋げられるのです…!
本ツールを紹介しているYouTubeの動画は、すでに2.7万再生回数を獲得しており、かなり注目されていることがわかります。
この記事ではn8nの使い方や、有効性の検証まで行います。本記事を熟読することで、n8nの凄さを実感し、従来のZappierなどには戻れなくなるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
n8nの概要
n8nはオープンソースのローコードツールで、ワークフローを作成できます。具体的には、既存のサービス同士を繋げることで、業務の効率化を図ることが可能になるのです。
ここで言うワークフローとは、何なのでしょうか?例えば、以下のようなシチュエーションを考えてください。
夕方、チームの進捗状況を確認するため、プロジェクトの管理ツールを開き、
チームメンバーからの最新の更新情報をチェックし、
それを週報のドキュメントにまとめる。
このシチュエーションをワークフローにすると、以下のようになります。
- 夕方の時間帯に作業開始
- プロジェクト管理ツールを開く
- 最新の更新情報をチェック
- 情報を週報のドキュメントにまとめる
- 必要に応じてフィードバックや指示を提供
- 週報を共有する
- 翌日のタスクを設定
このようなワークフロー化を通じて、以下のようなタスクが可能になります。
- GitHubのissueを自動的にSlackに通知
- JSONデータをスプレッドシートに自動インポート
- Webからデータをスクレイピング
- ローコードで多言語チャットボット開発
ワークフローとは?
ワークフローとはその名の通り、「業務の流れ」を指します。n8nのようなワークフロー自動化・効率化ツールでは、業務の流れを自動化・効率化することができるサービス。
代表的なサービスにIFTTTやZappierなどがあります。
ワークフローサービスを使うことで、定型的な業務の手順をシステム上で定義し、自動的に処理を進めることで、業務のスピードアップやミス・コスト削減などを実現できます。
例えば、稟議書や休暇申請、経費清算など定型的な社内業務の申請・承認プロセスを電子化し、自動で回覧・承認できるようにすることが可能。
これまで繰り返し行っていた業務がある場合には、ワークフローサービスを活用することで、効率化を図ることができるでしょう。
n8nのワークフローについて
n8nでは、「業務の流れ」一つひとつを「ノード」と呼びます。このノード(業務)を組み合わせながらワークフローを作っていきます。
例えば、下記の画像は新入社員が入職してきた時のオンボーディングとアカウントプロビジョニングのワークフローです。
新しい従業員が入社した際に、必要な IT アカウント (Google WorkspaceとJira、Slack) を自動的に作成し、初期設定を行う業務を自動化しています。特に、マネージャーと一般社員で異なる権限のJiraアカウントを付与するのが特徴的です。

n8nの料金体系
n8nはオンプレミスもしくはクラウドで利用できます。オンプレミスの場合は無料、クラウド利用の場合は以下の料金体系になります。
n8nはStarterとPro、Enterpriseの3プランが用意されています。それぞれ月払いか年払いかで月額費用が異なります。StarterとProは無料トライアルがあるので、ご興味ある方は無料トライアルをしてみて、使いこなせそうな場合に契約するのが良いでしょう。
以下の表は月額費用/年払いでの月額費用、という表記です。
Starter(€24/€20) | Pro(€60/€50) | Enterprise(要問い合わせ) |
---|---|---|
・2,500ワークフロー実行/月 ・5アクティブワークフロー ・共有プロジェクト1件 ・5件の同時実行・ユーザー数無制限など | ・10,000ワークフロー実行/月 ・15アクティブワークフロー ・共有プロジェクト3件 ・20件の同時実行 ・管理者ロール・ワークフロー履歴など | ・ワークフロー実行無制限 ・200以上の同時実行 ・SSO SAMLとLDAP ・Gitを使用したbなージョン管理 ・SLAによる専用サポートなど |
n8nのライセンス
n8nのライセンスはフェアコードライセンスです。
商用利用は一部可能になっており、非商用・個人的な使用に限り許可されています。例えば、n8nをホワイトラベル化して、顧客に有料提供することやn8nをホスティングし、アクセスに対して課金することは許可されていません。
利用用途 | 可否 |
---|---|
商用利用 | ▲ |
改変 | ⚪︎ |
配布 | ⚪︎(ただし非商用目的の場合のみ) |
特許使用 | 記載なし |
私的使用 | ⚪︎ |
なお、LLMマルチエージェントフレームワークで複雑なタスクも自動解決できるAutogenついて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

n8nの使い方
このプロジェクトには、ソースコードが公開されていないので、以下の手順に従ってブラウザ上で(Windows 11で)実行します。まずは、Node.jsをインストールしていない方は、以下のページからインストールしてください。※1
次にコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してください。
npx n8n
この時、アップデートを要求され、エラーになる場合があるので、以下のコマンドを実行した後に、もう一度上記を実行してください。
npm install -g npm@10.2.4
すると「Ok to proceed? (y) 」と聞かれるので、「y」を入力してEnterを押しましょう。そうすれば、コマンドプロンプト上にごちゃごちゃと文字が出てきて、最後の行に、以下の文が出力されれば成功です。
Press "o" to open in Browser.
ここで、「o」キーを押すと、ブラウザ上にn8nが開かれ、別の画面に移動します。
諸ログイン情報を入力して「Next」を押すと、別画面に移動し、本格的に利用可能になります。
先ほどの画面真ん中の「Add first step..」をクリックすると、右側に「What triggers this workflow?」が表示されます。
これは「何をトリガーとして、ワークフローをスタートさせるか」を決めるフェーズです。ここで、「GitHubにissueが作られたら」や「問い合せフォームが送信されたら」のような、業務フローにおける最初の「イベント」を決めるのです。
n8nを実際に使ってみた
今回試したワークフローの概要は、以下の通りです。※2
- G-mailの新着メールの受信をトリガーとする
- JSON Input Loaderで、メールからテキスト部分を取り出す
- gpt-3.5-turbo-instructで
また、このワークフローを作成する前には、必ず以下のURLを参考にして、「GoogleのOAuth2認証」と「G-mailのAPI設定」を済ませておく必要があります。※3
1分ごとにメールの着信を確認し、新着メールがあれば、内容を要約してくれます。
試しに、以下のメール文を、登録メールアドレスに送ってみました。要約結果も、併せて掲載します。
新着メール:
件名: 今週の進捗報告
こんにちは、
お元気ですか?今週のプロジェクト進捗報告をお知らせいたします。
進捗状況
タスクA: 予定通りに進行しており、完了まであと2日かかりそうです。
タスクB: 前回の報告から進展があり、90%の進捗です。
タスクC: 一時的な課題が発生し、進行が少し遅れていますが、対策を検討中です。
課題とリスク
タスクCの遅延が他のタスクに影響を及ぼす可能性があります。リソースの再調整が必要かもしれません。
今後の進捗に関しては、引き続きモニタリングしていきます。
次回の打ち合わせ
次回の進捗報告会議は来週水曜日の午前10時に予定しています。ご都合をお知らせいただければ幸いです。
何かご質問やご提案があれば、どうぞお知らせください。それでは、良い週末をお過ごしください。
よろしくお願いいたします。
要約結果:
進捗報告: タスクAは2日後に完了予定。タスクBは90%進行。タスクCに一時的な課題あり、他のタスクに影響の可能性。次回報告会議は来週水曜10時。質問や提案は歓迎。良い週末を。
良い感じ!これで、メールの内容をわざわざ全部確認せずに、概略をつかむことができます!
ちなみに、内部のGPT-3.5では、以下のようなプロンプトを入力として、概要を出力しています。
以下のメールの内容を、200文字以下で要約してください。
テキスト:
{{ $json.text }}
要約:
n8nの推しポイントである業務効率化は本当なのか?
ここでは、n8nと類似するサービスの「make」と比較検証をしたいと思います。先ほど同様「G-mailの新着メールの要約タスク」を、makeにも設定しようと思います。
makeとGmailを接続する方法は、公式ページで分かりやすく解説されています。※4
結果は以下の通りです。
新着メール:
件名: 今週の進捗報告
こんにちは、
お元気ですか?今週のプロジェクト進捗報告をお知らせいたします。
進捗状況
タスクA: 予定通りに進行しており、完了まであと2日かかりそうです。
タスクB: 前回の報告から進展があり、90%の進捗です。
タスクC: 一時的な課題が発生し、進行が少し遅れていますが、対策を検討中です。
課題とリスク
タスクCの遅延が他のタスクに影響を及ぼす可能性があります。リソースの再調整が必要かもしれません。
今後の進捗に関しては、引き続きモニタリングしていきます。
次回の打ち合わせ
次回の進捗報告会議は来週水曜日の午前10時に予定しています。ご都合をお知らせいただければ幸いです。
何かご質問やご提案があれば、どうぞお知らせください。それでは、良い週末をお過ごしください。
よろしくお願いいたします。
要約結果:
プロジェクト進捗報告 - タスクAは予定通り、2日で完了。タスクBは90%進捗。タスクCに一時的な課題あり、他のタスクへの影響検討。次回進捗報告会議は来週水曜日の午前10時。質問や提案あれば連絡ください。良い週末を。
これも良い感じですね!
ここで、makeとn8nを主観で評価したところ、以下の表の通りになると思いました!
ツール | 使い勝手 | おすすめポイント |
---|---|---|
n8n | 導入までが少し複雑 | オンプレミスなら無料で利用できるのが良い |
make | 有料だが導入が簡単で、直感的に操作できる | 使いやすく導入までがスムーズにできる |
上記の結果より、n8nとmakeに向いている人の特徴は、以下のような感じになるかと!
- n8n:ある程度DockerやGCPなどの知識があって、無料で利用したい方
- make:非エンジニアで、サクサク利用したい方
n8nと連携できるサービス
n8nと連携できるサービスは本記事執筆時点(2025/03/10)で1031件あります。

NotionやSlack、Gmailなど普段業務で使用頻度の多いサービスの他、国内ではあまり馴染みのないTelegram、Twilio、Trelloなど多岐に渡って連携することが可能。
もし連携したいサービスがある場合には、n8nのページで連携可能サービスを検索できるので、検索してみるのがおすすめです。
n8nとdifyはどっちがいい?
Difyは大規模言語モデルを使ったAIアプリケーションの開発と運用を簡素化するオープンソースプラットフォームであり、ドラッグ&ドロップインターフェースを使用したAIアプリ開発ワークフローをノーコードで構築可能です。
n8nもDifyもどちらもワークフローを作ることができますが、それぞれ得意とすることが異なります。
Difyはどちらかというとノーコードのアプリケーション開発プラットフォームです。そのため、業務の自動化・効率化を行うというよりも、自動化・効率化するためのものを開発するというイメージ。
一方、n8nは開発に重きをおいているというよりも業務の自動化・効率化のためのサービスであり、既存サービスを組み合わせて使用します。
n8nの活用方法
n8nは連携できるサービスが豊富であり、汎用性の高いワークフローサービスです。うまく活用することで、日々の業務を自動化・効率化ができるでしょう。
例えば、Gmailで特定のキーワードを含むメールを受信したら、Slackに通知することも可能。Gmailでは個人対個人でのやり取りが多くなると思います。
しかし、送られてきた内容をメンバーにも共有したい、そんな時にはキーワードを設定しておき、あらかじめ追加しているSlackのチャンネルに通知を飛ばせば他のメンバーにも簡単に共有ができます。
開発者としては、GitHubのリポジトリ更新情報をSlackなどに通知することも可能です。
その他にも自社SNSアカウントへの投稿を、XやFacebook、Instagramなど複数のプラットフォームに自動で投稿する、特定のキーワードを含むSNSを検索し収集、センチメント分析を行うなど、n8nは様々な場面で活用できます。
また公式アカウントがSNSで共有している活用方法として、CSVファイルをExcelに変換する方法やYoutubeのトレンドを見つける方法などを公開していました。
n8nのよくある質問
ここではn8nのよくある質問をいくつか紹介します。
なお、オープンソース化されたOpenAIのDeep Researchについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

まとめ
n8nはオープンソースのローコードツールで、ワークフローを作成できます。具体的には、既存のサービス同士を繋げることで、業務の効率化を図ることが可能になるのです。
そうすることで、業務の一部を完全に自動化することもできます。また、本ツールはブラウザ上で動作するようになっています。
例えば、Gmailの新着メールをわざわざ全部読むのが面倒くさい場合、n8nを用いることで、自動でメール文をGPTに要約させることができ、瞬時に概略をつかむことができます!

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・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
n8nを活用すれば、業務の自動化が驚くほど簡単に。Slack通知やデータ連携、生成AIとの統合もコード不要で実現できます。効率化の可能性を探り、自社の業務にどう活かせるか、ぜひご検討ください。
株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!
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