【Sim AI】ノーコードでAIエージェントを構築!概要・性能・使い方を徹底解説

Sim AI ノーコード AIエージェント 構築 概要 性能 使い方 徹底解説
押さえておきたいポイント
  • オープンソースのAIエージェント構築プラットフォーム
  • Figma風の自由度の高いキャンバス
  • Apache License 2.0が採用され、商用利用や改変、再配布、私的利用など幅広い用途での利用が可能

最近、オープンソースのAIエージェント構築プラットフォーム「Sim AI(Sim Studio)」が注目を集めています。

Sim AIは、Figmaのようなキャンバス上にAIモデルや、普段使うアプリケーションをブロックとして配置し、線でつなげるだけで高度なワークフローを構築することができます。プログラミングの知識がなくても直感的に操作することができて、AIを活用した自動化を手軽に実現できる点が強みです。

多くの企業で普及している従来型のノーコードツールと異なり、Sim AIは「AIエージェントを主役とした設計思想」を掲げており、業務の複雑な判断や生成までAIに任せる高度な自動化が可能になります。

本記事では、Sim AIの概要や性能、使い方まで徹底的に解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/

目次

Sim AIの概要

Sim AIは、ドラッグ&ドロップでAIエージェントのワークフローを作成し、デプロイできるオープンソース・プラットフォームです。開発元はSimstudio(創業者:Emir Karabeg氏、Waleed Latif氏)で、2025年にYコンビネータの支援を受けローンチされました。

Sim AIの画面は、Figma風の自由度の高いキャンバスになっており、ここにLLMや外部ツール(Slack、Gmail、Notion、Google Drive、GitHubなど)をノードとして配置し線でつなぐことで、自動化シナリオを視覚的に設計できます。

SimAIフロー図
参考:https://www.sim.ai/

例えば、社内ドキュメントを学習させたFAQチャットボットや、最新ニュースを調査して要約・Slack通知する市場調査エージェントなど、実用的なAIワークフロー例が数分で構築できます。

Sim AIでは、OpenAI GPT-4oGPT-4.1、Anthropic Claude、Google Geminiなどの最新モデルがサポートされており、Ollamaとの連携で自社サーバー上のローカルLLMも利用可能です。これによって、クラウド利用に伴うAPIコストや情報漏洩リスクを抑えながら、高度なAI処理を行うことができます。

豊富な外部ツール連携も特徴で、認証リンクのクリックだけでSlackやGmail、Confluence、Supabase、Pineconeなどさまざまなサービスとシームレスに接続することもできます。また、Sim AIには日本語も通じるAIアシスタント機能「Copilot」が備わっており、自然言語で説明するだけでワークフローの骨子を自動生成したり、使い方をガイドしてくれます。

Sim AIの性能

Simロゴ
参考:https://github.com/simstudioai/sim

Sim AIは、ワークフローの並列処理にも対応しており、複数の処理を同時実行してタスク全体の実行速度を高められます。たとえば、大量データの一括処理やマルチモデルの並行実行など、独立した処理を並列化することで全体の待ち時間を大幅に短縮できます。

また、最新の大規模モデルを利用することで、高い推論能力と高速なテキスト生成を両立することもできます。ワークフロー実行時には、Sim AIが自動的にログを収集し、各ブロックの処理時間や消費トークン数を詳細に可視化してくれます。これらの可視化した情報をもとに、モデル選択やプロンプト最適化でコストと速度を調整できるようです。後ほどの使い方セクションでご紹介しますが、実際に簡単なテストを行うと、GPT-4oによる文章要約などでも数秒程度で結果が返ってくるため、業務自動化ツールとして実用的な応答速度が得られるかと思います。

なお、類似したオープンソースプラットフォーム「Dify」について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

Sim AIのライセンス

Sim AIは、ソースコード自体が公開されたオープンソースソフトウェアで、ライセンスは寛容なApache License 2.0が採用されています。つまり、商用利用や改変、再配布、私的利用など幅広い用途での利用が可能です。特許についてもApache 2.0の特許許諾条項により保護されており、ライセンス条件を遵守すれば安心して活用できます。

利用用途可否備考
商用利用⭕️
改変⭕️
配布⭕️
特許使用⭕️
私的使用⭕️
参考:https://github.com/simstudioai/sim/blob/main/LICENSE

ただし、ライセンスは変更となる可能性もありますので、商用利用等する際は、最新のライセンス情報を確認するようにしましょう。

Sim AIの料金

Sim AIはフリーミアムモデルを採用しています。無料プランでアカウント登録すると、$10前後の無料クレジットが提供され、すぐに試すことができます。ちなみに、有料プランは月額約$29からで、基本的には使用したAIトークン量に応じて課金される形式となっています。利用開始時の無料クレジットを超えると、実行回数や各モデルの入力・出力トークン数に基づいて課金される仕組みです。

プラン月額料金備考
無料$0登録時に$10分の無料クレジット付き
Pro$29~使ったAIトークン量で課金
Enterprise要問い合わせ大企業向けカスタムプラン
Qwen3-Max-Previewの料金

有料プランでは、ワークフロー実行1回につき$0.001の基本料金と、AIモデルのトークン消費に応じた従量課金が合計されます。たとえば、GPT-4oでは入力トークン$6.25/百万トークン、出力トークン$25.00/百万トークンとなっています。料金体系についても変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認するようにしましょう。

Sim AIの使い方

ここからはSim AIの使い方を説明していきます。

1.ワークフローの作成

Sim AIにログイン後、ダッシュボードで「New Workflow」をクリックして新規ワークフローを作成します。ワークフロー名を入力すると自動で「Start」ブロックが配置されます。(初回ログイン時には、最初から「Start」ブロックが配置されています)このStartブロックはユーザー入力の入口となり、ここに入力されたテキストがワークフロー全体に渡ります。

SimAI公式サイト
SimAI登録画面
SimAI編集画面

2.エージェントブロックの追加

左のパネルから「Agent」ブロックをキャンバスにドラッグ&ドロップします。

追加したAgentブロックを選択し、設定パネルで使用するモデル(例: OpenAI GPT-4o)を指定します。System Prompt欄には「あなたは人物リサーチのエージェントです」など役割を記述し、User Prompt欄にはStartブロックの出力を接続します。これで、ユーザーが入力したテキストがこのAgentに渡されるようになります。

3.ツールの追加

Agentブロックに外部ツールを組み込むことで機能を拡張できます。Agentブロックの「Tools」セクションで「Add Tool」をクリックし、Web検索用の「Exa」や「Linkup」などを選択、各APIキーを入力します。これにより、Agentがウェブ検索を行ったりナレッジベースを参照したりできるようになります。

4.ワークフローの実行テスト

画面右側のチャットパネルに切り替えます。出力ドロップダウンからAgentの出力を選択し、入力欄にテスト用のテキスト(例:「John is a software engineer from San Francisco…」)を入力して送信します。Agentが実行され、人物の職業や出身地など解析結果がチャット上に表示されます。

赤枠部分が実行結果です。今回指定したJSON形式でしっかり回答してくれています。

5.構造化出力の設定

必要に応じて出力形式をJSONなどで構造化できます。Agentブロックの「Response Format」で魔法の杖アイコンをクリックし、「personという名前でlocation, profession, educationを含むスキーマを作成してください」と指示すると、AIがJSONスキーマを自動生成してくれます。再度チャットパネルでテスト実行すると、新しい出力オプションとして生成したスキーマ形式の構造化データが得られます。これにより、AIが返す情報を明確にフィールド分けして活用することができます。

他にもDocker経由での使い方もあるようですので、気になる方は公式GitHubリポジトリを確認してみてください。

Sim AIの活用事例

最後に、Sim AIを使ったワークフロー構築の事例をご紹介します。

今回解説する事例において、弊社がX(旧Twitter)で発見した参考となるツイートを紹介させていただいております。取り下げなどのご連絡は、contact@weel.co.jp からご連絡ください。

採用・営業のリードハンドリング自動化

こちらのポストでは、実務への落とし込み例がツリー形式で紹介されています。

求人サイトやフォームの新着情報を取り込み、候補者や見込み客の要約とスコアリングを行い、テンプレ文面の下書き作成をし、CRMに登録するといったワークフローもSimで一本化できそうです。まずはスモールスタートとして、セルフホスト環境でワークフローを構築していくのも良いかもしれません。

SlackやPineconeと連携した社内FAQボット構築

こちらは、ベクトルデータベースサービスで知られるPineconeの公式アカウントがSimについて紹介しています。

Pinecone公式が連携の可能性を明言しているので、実務での設計がイメージしやすいですね。Sim上では、Slackから情報を受信し、Pineconeで検索して精度の高い回答を生成し、Slackで返信するといったワークフローを構築できそうです。

まとめ

Sim AIは、AIエージェントを活用したワークフロー自動化を簡単に実現できるプラットフォームです。Figmaのようなビジュアルエディタと豊富なツール連携により、ノーコードで高度な自動化を構築可能です。

Apache 2.0のオープンソースライセンスなので商用利用も安心して行え、無料プランだけでもすぐに機能を試せます。もちろん、複雑な条件分岐や外部サービスとの連携を多用するワークフローでは注意も必要ですが、まずは公式チュートリアルに従って気軽に試してみると、その便利さと可能性を体感できるかと思います。

Sim AIはまだ新しいツールですが、今後も機能強化やコミュニティの成長に期待していきましょう。

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最後に

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投稿者

  • WEEL Media部

    株式会社WEELが運営する生成系AI関連メディア「生成AI Media」は、AIの専門家によるWebメディアです。 AIに特化した編集部がAIの活用方法、導入事例、ニュース、トレンド情報を発信しています。

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