生成AI時代のローコード開発でできること、将来性、おすすめツールを解説
一般企業の情シススタッフのみなさん、「ローコード開発ツール」をうまく活用できていますか?
今回はみなさんに朗報があります。生成AIを活用すれば、より気軽にローコード開発が行えるんです!
一般企業がアクセスできるITエンジニアは、全体のうちたったの3割といわれています。DXを目指すなら、ローコード開発ツールを頼ることがおすすめです。
そこで当記事では、将来性が広がる生成AI×ローコード開発について解説します。最後まで読んでいただくと、生成AIを使ったローコード開発を行いたくなりますよ!
ぜひ、最後までお読みください。
生成AI×ローコード開発のメリット・デメリットと将来性
まずはローコード開発について、そのメリット・デメリットをお伝えします。さらに生成AI×ローコード開発の将来性についても、表形式でまとめました。以下、ローコード開発の概要からご覧ください。
参考記事:ソフトウェアコーディングに生成 AIを使用し、ローコードと組み合わせる重要な事実 – NAL Company
ローコード開発のメリット・デメリット
ローコードとはソースコードを極力使わない開発手段のことを指します。開発過程ではブロック(UI)をドラッグ&ドロップして、ワークフローやアプリを組んでいくのが特徴です。このローコードでの開発には、下記のメリットがあります。
- ソースコードの知識がほぼ要らない
- 時間・コストがかからない
- それなりに自由度・拡張性が高い
以上の点で優れているローコード開発は、一般企業で「DX推進の鍵」として注目を集めています。
実は国内の全ITエンジニアのうち、一般企業に属しているのは3割にすぎません。したがって一般企業のDXでは、ローコードを介した非エンジニアの協力が期待されているのです。
しかしソースコード単独での開発(プロコード)と比べて、ローコード開発には以下のようなデメリットもあります。
- 工数計算や設計など基礎知識は欠かせない
- 独自のセキュリティ対策が施せない
- 比較的自由度が低い
これらデメリットによって、ローコード開発をフル活用できる状況は限られていました。ですが生成AIの登場によって、ローコード開発の将来性・可能性は広がっていくと考えられます。次の項目で詳しくみていきましょう!
参考記事:デジタル革命の本質: 日本のリーダーへの メッセージ
参考記事:D X レポート 2.2 (概要)
生成AI×ローコード開発の将来性
ローコード開発と並んで生成AIも、一般企業のDXを促してくれます。
命令ひとつでテキストやソースコードが生み出せる生成AIは、ローコード開発との相性が抜群です。先ほど述べたメリット・デメリットを下表のとおり補ってくれるのです。
ローコードツール | 生成AI×ローコード | |
---|---|---|
メリット | プログラミングの知識がほぼ要らない | 知識がなくとも、コードの最適化までができる |
時間・コストがかからない | マウス操作やデバッグの手間すらかからない | |
デメリット | 工数計算や設計など、ITの基礎知識が必要 | 工数計算や設計まで基礎知識は必要だが、生成AIがスキル不足を補ってくれる |
プロコードと比べて自由度が低い | プロコードほどの自由度はないが、ソースコードの生成で一部機能が拡張できる |
このように生成AIとローコード開発のコンビは高い将来性・可能性を秘めています。次の項目からはそのポテンシャルを、4つの具体例でみていきましょう。
生成AI×ローコード開発でできること4選
ここからは生成AI×ローコード開発の組み合わせで、実際にできることを4つ紹介していきます。まずは生成AIで大きく変わる、ローコード開発の方法からみていきましょう!
参考記事:ソフトウェアコーディングに生成 AIを使用し、ローコードと組み合わせる重要な事実 – NAL Company
参考記事:Copilot in Power Appsとは?何ができるのかを詳しく解説!
自然言語での開発
ローコード開発に生成AIを取り入れてしまえば、チャット上でのやり取りだけで開発の大半が完結します。
まずローコードだけで開発を進める場合、各工程に時間・労力がかかります。とくにITのコツがわからない非エンジニアにとって、アプリの設計・組み立ては骨の折れる作業でした。
対して生成AIを組み合わせた場合は、設計から組み立てまでが会話形式でスピーディーにこなせます。
エンジニア要らずの最適化
ローコード開発に生成AIを取り入れると、非エンジニアでもある程度サクサク動くアプリが作れます。具体的に生成AIが補助できるのは、ブロックの組み合わせの最適化です。
ブロックの組み合わせは処理速度やメモリ使用量の増減を決める大事な要素で、アプリ開発にあたって最短経路を見つける必要があります。ただ同じ動きになる組み合わせが何通りもあるため、最適化は容易ではありません。
しかし生成AIなら、最短に近い組み合わせを探し出してくれるのです。
デバッグ作業の自動化
ローコードで開発したワークフローやアプリは、業務にそのまま使えないこともあります。バグやエラーがあった場合はその解消、つまりデバッグに多大な労力が必要です。
とくにソースコードを使って機能を拡張するなら、デバッグが必須。ソースコードには、備え付けのブロックにある動作保証がありません。
このデバッグの作業も生成AIを使うと、部分的に自動化ができます。たとえば発生件数の多いバグであれば、生成AIで検出が可能です。さらにソースコードの修正にあたっては、生成AIが改善案まで示してくれるのです。
サービス運用時の分析
ローコードで開発したサービスを運用する場合にも生成AIが役立ちます。
サービスの運用ではユーザーの好みやフィードバックなど、パフォーマンスをいかに把握するかが肝要です。とはいえその分析には、ITや統計学のスキルが必須でした。
一方これからは、生成AIがパフォーマンス分析の敷居を下げてくれます。命令さえ与えれば、あとは生成AIがユーザーの声を抽出してサービスの改善案を出してくれるのです。
ちなみに生成AIを企業で利用した場合のリスクについては、以下の記事で解説しております。
生成AI×ローコード開発のツール3選
ここからはすでに生成AIを導入しているローコード開発ツールを紹介していきます。当記事では下表の3つをピックアップしました。
Power Apps Copilot | SQL AIアシスタント(Dash Comb) | AppSheet | |
---|---|---|---|
できること | ・会話形式でのアプリ開発 ・会話形式でのアプリ分析 | ・SQLクエリの生成 ・自然言語によるSQLクエリの改善 | ・会話形式でのアプリ開発 ・脆弱性やエラーの特定から修正まで ・サービスや開発手法に関するアドバイス |
対応プラットフォーム | ・Power Apps ・Microsoft 365 | ・Dash Comb ・SQLデータベース | ・AppSheet ・Google Workspace |
まずはおなじみのビジネスアプリを手掛けてきたMicrosoftの事例から、詳しくみていきましょう!
Power Appsの「Power Apps Copilot」
Microsoftが送るローコード開発ツール「Power Apps」には、生成AIによるサポート「Power Apps Copilot」が付いています。Microsoft 365を扱う職場であれば、Copilotが業務を大幅に効率化してくれるでしょう。
そもそものPower Appsでは、ExcelやOutlookを駆使してワークフローやアプリが開発できました。そこへ自然言語に特化した生成AIを組み合わせて、会話形式でのアプリ開発&分析を実現しているのがPower Apps Copilotなのです。
参考記事:Copilot in Power Appsとは?何ができるのかを詳しく解説!
参考記事:ローコード開発を変革する Microsoft Power Apps の次世代 AI Copilot を発表 – News Center Japan
Dash Combの「SQL AIアシスタント」
SQL特化のローコードツール「Dash Comb」には、GPT-3.5を応用した「SQL AIアシスタント」が搭載されています。
まずDash Combはドラッグ&ドロップだけで、データベースを操作していくローコードツールです。コツを要するSQLを抜きに、データ操作&可視化を実現していました。
そこにSQL AIアシスタントが加わることで、さらに自然言語によるSQLクエリの生成&改善が可能となっています。これからはエンジニア不在でも、データドリブンでの振り返りが気軽にできるでしょう。
参考記事:ChatGPT3.5に基いた高精度なSQLを生成可能に🎉Dashcomb release update
参考記事:DashcombのSQL AIアシスタントで、自然言語でSQLクエリを素早く書く
AppSheetの「Duet AI」
Googleの「AppSheet」は、スプレッドシートやGmailなど同社のサービスからアプリが作れるローコードツールです。このAppSheetでは「Duet AI」が開発の自動化やアシスタントを行なってくれます。
まずDuet AIがあれば、チャット上のやり取りだけでアプリ開発が完結するようになります。コーディングはおろか、WebhookやAPIなどの知識すら要らなくなるかもしれません。
さらにDuet AIによって、下記のような機能も実現しています。Power Appsなどライバルとの差別化が図れていますね。
- コードアシスタンス:コードの脆弱性やエラーを特定し、修正を提案
- チャットアシスタンス:サービスや開発手法に関するアドバイスを提供
生成AI×ローコード開発のジャンルは、まだまだ発展途上です。これからも生成AI搭載型のローコード開発ツールが続々と登場すると考えられます。当メディアでは、引き続き業界の動向をお知らせしていく予定です。
参考記事:Googleサービスに生成AIを組み込む「Duet AI」がGoogle Workspaceに対応、文章作成やコーディングを支援 | IT Leaders
参考記事:AI 搭載のコラボレーター Duet AI for Google Cloud を発表
ちなみに「ソースコードの出力」に特化した生成AIもリリースされています。その一つCode Llamaについては、以下の記事をご覧ください。
「生成AI×ローコード開発」でよりスムーズなアプリ開発を!
当記事では「生成AI×ローコード開発」の組み合わせについて、その将来性やできることを紹介してきました。生成AIは下表のとおり、ローコードのメリット・デメリットを補完してくれましたね。
ローコードツール | 生成AI×ローコード | |
---|---|---|
メリット | プログラミングの知識がほぼ要らない | 知識がなくとも、コードの最適化までができる |
時間・コストがかからない | マウス操作やデバッグの手間すらかからない | |
デメリット | 工数計算や設計など、ITの基礎知識が必要 | 工数計算や設計まで生成AIが手伝ってくれる |
プロコードと比べて自由度が低い | ソースコードを生成して、自由に機能が拡張できる |
以上のとおり生成AI×ローコード開発の組み合わせはポテンシャルを秘めています。そんな両者を組み合わせたツールもあって、Power Apps / Dash Comb / AppSheetではすでに生成AIが使えるのです。
DXの最終目標「サービスの創造&革新」を目指すのであれば大至急、「生成AI×ローコード開発」の組み合わせを試してみるべきでしょう!
最後に
いかがだったでしょうか?
弊社では
・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
・ハルシネーション対策AIツールの開発
・自社専用のAIチャットボットの開発
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
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