【Artifact】Instagramの創業者が開発、AIがニュースをレコメンドしてくれるヤバいアプリを使ってみた
2023年1月、Instagramの創業者たちがAI搭載ニュースアプリ「Artifact」を発表しました。Artifactは、AIがユーザーのニーズや好みを学習。求めている情報をピックアップする利便性が高いアプリです。ベータテストの待機リストには、160,000人ものユーザーが登録したそうです。これはかなり期待されていますね。
今回はArtifactについて詳しく解説します。使いやすいニュースアプリをお探しの方におすすめですので、ぜひ最後までお読みください。
AIを利用したニュースアプリ「Artifact」とは
Artifactは、AIを組み込むことでUI/UXの向上を目指したニュースアプリです。UI/UXとは、簡単に表現すると、使いやすさや満足度のこと。Artifactの場合、最適なニュース選定を行うことで有益性を高めています。ここでは、より詳しくArtifactについて解説します。
AIがニーズを学習し最適な記事を選出する
前述の通り、ArtifactにはAI技術が搭載されています。主な役割は利用者のニーズを学習し、求めている記事がフィードに流れるようにすること。
ニュースアプリは数多くありますが、大抵のアプリでは求めていない記事も表示されることが多いです。ニーズに合っていない記事が表示されることで不便を感じ、そもそも使わなくなったというケースも多いはず。Artifactはそうした不便をなくす目的で、AI技術が活用されています。
また、ArtifactはAIによる記事の要約も可能。難しい内容の記事でもAIが分かりやすくまとめてくれるのも魅力的です。
開発に携わるのはInstagram創業者たち
Artifactの開発に携わるのはInstagramの創業者である、ケビン・シストロムとマイク・クリーガー。2018年9月頃にInstagramを退社したふたりは、複数人のチームと共にArtifactの開発に着手。OpenAI社からChatGPTが公開される以前から開発をスタートさせていたようです。
大物たちによる新たな挑戦という意味でも、Artifactは世界中から注目を集めています。
記事選定には大規模言語モデル(LLM)を利用
Artifactのアルゴリズムには、独自開発された大規模言語モデル(LLM)が採用されています。文章生成よりも文章理解に長けており、効率的にユーザーに合った記事選定を実現させています。この独自開発された大規模言語モデル(LLM)の存在こそ、従来のニュースアプリとArtifactの利便性に大きな差をつけた要因と言えるでしょう。
ただ、すべての機能に独自の大規模言語モデル(LLM)を使っているわけではなく、記事の要約や不適切な記事の修正などにはOpenAI社のGPT4.0が利用されています。
使いやすさも追求しているニュースアプリ
上記でも少し触れましたが、Artifactでは使いやすさを重要視しています。ユーザーがどのような記事を、どのくらい時間をかけて読んでいるか学習し、興味を持ちそうなニュースをオススメしてくれます。そうした機能から、Artifactのことを「テキスト版Tiktok」と称する方も。
また、記事を簡潔に要約してくれる機能は忙しい方にとって便利な機能でしょう。SNSのように気に入った著者をフォローしたり、記事にいいねやコメントを送ることも可能な点もユニークです。
ただ、Artifactは2023年12月時点で英語のみの対応です。機能面の使いやすさは優秀ですが、日本語対応にならない限り日本人にとっての使いやすさは微妙かもしれません。
不適切な記事もAIが処理する
Artifactには大手新聞社から小規模ブログまで幅広い記事が表示されます。ただ、取り扱う記事が多い分、釣りタイトルや誤情報を含む記事が紛れ込むことも少なくありません。
そこで、Artifactは不適切な記事への対応にもAIを活用。利用者から通報を受けた記事はAIによってタイトルなどを調整されたり、フィードから除外されます。
Artifactは頻繁にアップデートを繰り返し利便性を高めています。将来的には、ユーザーから通報されやすいコンテンツかどうかをAIが判断し、表示させないようになるかもしれません。
Artifactに期待されているメリット
- 短時間で求めている情報を収集できる
- 記事の要約機能によって難しい内容を簡単にまとめてくれる
- いいねやコメント、投稿などの機能で交流も可能
Artifactに期待されている主なメリットは上記の通り。一番のメリットは、やはり自分に合った記事をAIが選定してくれるところでしょう。常に求めている情報をピックアップしてくれるのは、とてもストレスフリーです。
また、難しく長い記事であってもAIが内容を要約してくれるので、専門知識がなくとも理解しやすい点も大きな魅力です。Artifactはニュースアプリではありますが、著者をフォローしたり、画像などを投稿したりとSNSのような使い方もできます。記事リンクをシェアして意見交換や交流を深めるのも面白そうです。
なお、AIの活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIの法人利用方法10選!法人向け生成AIツールや実際の事例も解説
Artifactの懸念点
便利で使いやすいニュースアプリといえるArtifactですが、当然注意しておきたいポイントも。ここでは、Artifactを利用するなら把握しておきたい懸念点について解説します。
要約にはハルシネーションのリスクが少なからずある
Artifactにおける便利機能のひとつである、AIによる要約にはハルシネーションというリスクが少なからずあります。
ハルシネーションとは、AIが誤った情報を正しいものとして扱ってしまう現象です。多くのAIツールに共通して発生する問題ですが、Artifactも例外ではありません。
Artifactで記事の要約を利用するときは、一通り内容を読んでから振り返り目的で活用するのが無難でしょう。
ドゥームスクローリングには注意したい
ドゥームスクローリングとは、ネガティブなニュースばかりを集中して見てしまう行動のことです。Artifactはその特性上、偏った情報が届きやすい傾向にあります。自分にとって悪いニュースや不安を煽る記事ばかりを読むことで精神衛生上の悪影響が発生する可能性もゼロではありません。
このドゥームスクローリングに関して、Artifact開発側も配慮はしています。毎回同じような記事が流れないアルゴリズムとなっていることに加え、誤情報が含まれているコンテンツは発見され次第、除外されます。加えてArtifactには外部のファクトチェックサービスが利用されています。
とはいえ、最も大事なのは利用する人間が適切なニュースを選びとること。Artifactを利用するときは、ネガティブなニュースばかり読まないよう気を付けましょう。
記事は英語文のみ
2023年12月時点、Artifactで表示されるニュースはすべて英語圏のもの。アプリ操作画面の文面も英語です。今後、日本語に対応するかどうかは未定。ニュースを読むには英語スキルが求められるため、挫折してしまう方も多いはず。
ただし、英語が読めなくともArtifactを活用する術はあります。たとえば、Google翻訳のアプリをスマートフォンにインストールすることで、選択した箇所を日本語に翻訳できます(画像はAndroid端末)。少々めんどうではありますが、英語スキルがなくとも英語ニュースを読めるのでArtifactを利用されるときは活用してみてください。
なお、多言語翻訳AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【SeamlessM4t】Metaの多言語翻訳AI、使い方から実践まで徹底解説
Artifactのインストール方法
2023年12月時点でArtifactアプリは、Android・ios(iPhone)両方に対応しています。Android端末はGoogle Playから。ios(iPhone)はApp Storeからアプリをインストールできます。ここでは、Android端末を例にインストール手順を解説します。
まず、GooglePlayを立ち上げ、Artifactを検索。発見したらインストールします。似た名前のアプリが多いためご注意ください。黒白デザインのロゴがArtifactです。
インストール完了後、起動させます。まず、ログインするかどうかを選択します。ログイン方法はGoogleアカウントもしくはメールアドレス認証が選択可能。ログインせず利用開始することも可能です。
ログインすると、気になるトピックジャンルの選択画面に移動します。英語表記なので分かりにくいかもしれませんが、最低5つ気になっているジャンルを選びましょう。5つ以上選択することも可能です。
最後に有料課金記事の選択が表示されます。既に有料課金している記事があれば選択します。特になければ、そのまま選択せず「Done」で先に進んで問題ありません。
ホーム画面が表示されたらインストール&起動完了です。
実際に利用した感想
筆者も実際にArtifactを利用してみました。英語が得意という訳ではありませんが、翻訳アプリなどを活用することで大まかな内容を読み進めることはできました。
要約も画面上部の星アイコンをタップするだけで表示されるので大変便利。ただ、イチイチ翻訳するのは少し手間なので、日本語対応には期待したいところです。
インストール初日は主にAI関連のニュースを読みました。次第にフィードには関連する記事がたくさん表示されるようになったので、AI学習の反映は早いタイミングから行われるようです。
翌日には、フィードの雰囲気がさらに変化し、さらに関連性の高い記事が表示されるようになりました。
他のニュースアプリと違いSNSのような要素も目立つとも感じました。上記でも解説したフォローやいいねなどの機能の他にも、X(旧Twitter)のように画像とテキストを投稿できます。その際、生成AIによる画像出力も可能でした。
また、Artifactは読み進めることでランクがアップするゲーム要素もある様子。10記事読んだタイミングで「Seeker」になりました。こうした遊び心も面白いです。
Artifactでニュースを読んでみよう!
世界で多くのユーザーを抱えるInstagramの創業者たちが開発したこともあり、Artifactは世界中で話題となっています。2023年12月時点では、日本語対応していないため使い切るのはやや難しいですが、ニュースアプリとしての利便性&操作性は非常に優秀です。
AIを活用した新世代のニュースアプリを試しにインストールしてみてはいかがでしょうか。
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