有名な国産生成AIサービス6選!海外のおすすめAIやAIサービスの選び方も解説
近年大きく注目されている生成AIは、海外企業が開発する「ChatGPT」や「Bard」などが有名です。
しかし、国内の大手企業でも生成AIの開発が進められていることをご存じでしょうか。この記事では、国産の有名な生成AIサービスを6つ紹介します。
どのサービスを使えばよいのか、選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
生成AIとは
生成AI(ジェネレーティブAI)とは、文章や画像などのコンテンツを生成できるAIです。
学習されたデータをもとにして新しいオリジナルのデータを作成することができ、近年その精度が大幅に向上したことで注目を集めています。有名な生成AIサービスとしては、OpenAI社が開発する「ChatGPT」や「DALL-E」、Google社の「Bard」、Microsoft社の「BingAI」などです。
そんな生成AIは文章の要約 / キャッチコピーの作成 / 文字起こしの自動化…etc.の幅広い業務に効果を発揮!すでに国内外で様々な活用事例が報告されています。
なお、生成AIを使った自動化についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
→生成AIで自動化する方法!最新の企業成功事例をAIエンジニアが解説
有名な国産生成AIサービス6選
有名な国産生成AIサービスとして以下の6つが挙げられます。
- NTT「tsuzumi」
- NEC「the WISE」
- 富士通「Zinrai」
- Hitachi AI Technology/H
- KIBIT
- HEROZ
ここでは、これらのサービスでできることや特徴について詳しく見ていきましょう。
NTT「tsuzumi」
特徴 | 日本語処理能力が高い |
機能 | 特定分野に特化したAIを構築 |
料金プラン | 要問合せ |
サイト | https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html |
NTTは、国産の生成AIサービス「tsuzumi」を2024年3月から企業向けに提供開始予定です。
tsuzumiは、アメリカの大手IT企業に対抗する形でコストを大幅に削減したことが特徴で、日本語処理能力に重点を置いています。
tsuzumiは、特定の業種や分野に特化してAIの学習量(パラメーター)を抑えることで、導入や運用のコスト削減が可能です。
また、NTTが開発中の「IOWN」という次世代ネットワークと連携した大規模な生成AIと同等の機能を目指しています。
日米間での生成AIの市場競争が激化しているなかで、NTTのtsuzumiの登場はさらに一石を投じることとなるでしょう。
NEC「the WISE」
特徴 | データの見える化・分析・対処まで一貫して可能 |
機能 | 映像鮮明化、顔認証、音状況認識など |
料金プラン | 要問合せ |
サイト | https://jpn.nec.com/ai/analyze/index.html |
NECは「賢者たち」を意味する「the WISE」という生成AIサービスを開発しています。
the WISEでできることは、実世界のデータを見える化し、そのデータを分析・対処することです。
たとえば映像鮮明化技術では、カメラから得られた監視映像データの視認性を向上させたり、学習型超解像技術では解像度の低い画像から高解像度画像を復元したりできます。
そのほかにも、顔認証・指紋認証や、音状況の認識、データをもとにした予測分析など、幅広い範囲でデータ処理が可能です。
NECはthe WISEのAI技術によって様々な業種での実績を積み重ね、日本国内外での競争力を高めています。
富士通「Zinrai」
特徴 | 日本語の複雑な処理に強い |
機能 | 日本語チャットボット開発、既存システムへの組み込みなど |
料金プラン | 要問合せ |
サイト | https://jpn.nec.com/ai/analyze/index.html |
Zinraiは、富士通が提供するAIプラットフォームサービスで、さまざまなAI機能やディープラーニング機能を利用できます。
Zinraiは日本発のAIサービスであるため、日本語の複雑な処理に強い点が大きなメリットです。
とくに日本語チャットボットの開発において有利なサービスとなっています。
また、さまざまなAPIを通じて利用できるため自社システムにAI機能を簡単に組み込める点や、PC・スマートフォン・タブレット・IoT・エッジデバイスなどさまざまなデバイスからの接続ができるのも特徴です。
その幅広い用途から、顧客サービスの改善・製品開発の効率化・ビジネスの自動化など、さまざまな用途で活用されています。
Hitachi AI Technology/H
特徴 | データから仮説を自動生成し、選別・解決 |
機能 | 既存システムを自動学習させる |
料金プラン | 要問合せ |
サイト | https://social-innovation.hitachi/ja-jp/solutions/ai/ |
日立製作所が開発した「Hitachi AI Technology/H」は、現代ビジネスの予測困難な課題への対応を目的に開発されたAI技術です。
Hの特徴は、これまでのAIが特定の問題に限定されるのに対し、多目的性を備えている点にあります。
たとえば、Hはデータそのものから100万個を超える仮説を自動で生成し、重要な要因を選出、最適な解決策を自動で考え出すことが可能です。
実験では、Hを搭載したロボットがブランコの振れ幅を最大化するための動きを自ら学習し、人間の想像を超える解決策を導き出しました。
Hは実際にさまざまな業界で利用されており、物流倉庫システムにHを組み込むことで生産性が8%向上、店舗では売上げが15%向上、コールセンターでは受注率が27%向上するなどの結果を残しています。
KIBIT
特徴 | 人間の言葉の機微を数学的アプローチで解析 |
機能 | データ解析・課題の発見・解決策提案など |
料金プラン | 要問合せ |
サイト | https://www.fronteo.com/products/kibit/ |
株式会社FRONTEOが開発する「KIBIT」は、人間の言葉に含まれる曖昧さを数学的アプローチで解析する独自のAI技術です。
KIBITはさまざまなビジネス分野や社会問題において高度なデータ解析を行い、新たな発見や解決策を提案できます。
たとえば、ライフサイエンスAI事業での活用です。
医療・介護分野において構造化・非構造化データの横断的解析を行ない、これまで見えなかった事象を発見しやすくしています。
また、法務、人事、知財、労務などのビジネス分野でも作業効率化を図ることが可能です。
メール・チャットの監査や特許調査などに活用されており、セキュリティ対策やデータの特定・保全・処理などもワンストップでサポートできます。
HEROZ
特徴 | 将棋AI開発で培った機械学習コア技術を活用 |
機能 | 構想策定・開発・導入・運用まで一貫してサポート |
料金プラン | 要問合せ |
サイト | https://heroz.co.jp/service/btob/ |
HEROZ株式会社が開発する「HEROZ Kishin」は、将棋AIの開発をもとにした機械学習で培った技術でさまざまなビジネス課題の解決を手がけるサービスです。
さまざまな業界のクライアントに合わせてAIを軸にしたDX推進などを行ない、事業変革を実施してきました。
HEROZの特徴は、2022年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した実績を持つ将棋AIの開発で得た、独自の機械学習コア技術です。
この頭脳ゲームAIの開発技術は、建設・エンタメ・金融など複数の業界に応用されています。
また、AIの導入を構想から運用まで一貫してできるのも大きな特徴です。
導入前のコンサルティングや、既存システムとの接続、モデルのチューニングまで幅広いサービスを展開しています。
文部科学省もAI開発をスタート
国内のAI開発実績として、文部科学省もAI開発をスタートしています。
これは、生成AIを海外に依存することで機密情報が流出する危険性を防ぐためです。
文部科学省の2024年度予算では、生成AI関連で140億円以上の金額が用意されており、生成AIに力を入れていく方針であることがうかがえます。
学術研究に用いる実験画像・論文データを学習させて新しい発見を探すなど、医学・材料研究向けの生成AI開発に力を入れるとしています。
なお、生成AIの開発についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
→生成AI開発のベストな環境の作り方!エンジニアが開発の流れを解説
海外の有名AIサービス
生成AIサービスは国内からも多く出ていますが、その大半は海外のものです。
ここでは、海外の有名AIサービスについて、とくに知名度の高い以下2つについて解説します。
- OpenAI(ChatGPT)
- Google(Bard)
OpenAI(ChatGPT)
OpenAI社は文章生成AIである「ChatGPT」を開発したアメリカの企業です。
2023年にはMicrosoftがOpenAIに100億ドルの投資をするなど、その成長性が大きな注目を集めています。
ChatGPTは比較的安価で最先端の文章生成AIを利用できるほか、古いモデルであれば無料での使用も可能です。
文章だけでなく音声や画像を認識したり、画像を生成する「DALL-E」を搭載したりとアップデートが行われており、人気AIサービスとしての地位を確固たるものとしています。
Google(Bard)
Google社は「Bard」という生成AIを開発しており、誰でも無料で利用可能です。
ChatGPTとの大きな違いは、参照できる情報の新しさにあります。
ChatGPTはバージョンに応じて決められた範囲のデータからのみ回答しますが、Bardはインターネット上の最新情報にもアクセスして回答が可能です。
また、GmailなどのGoogleサービスと連携する機能も備わっており、ChatGPTとは異なる方向で伸びていくサービスとなるでしょう。
企業向け国産AIサービスの選び方
国産AIサービスを選ぶ場合、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
たとえば企業向けにAIを導入する場合、以下のポイントをおさえるとよいでしょう。
- AIで解決したい課題を明確にする
- サービスや機能が十分かどうか確認する
- 導入コスト・運用コストを比較する
とくに重要なのは、AIで解決する課題を明確にすることです。
AIはさまざまな業務を効率化できますが、あまり多くのことに対応させようとすると使いにくくなったり、コストパフォーマンスが悪くなったりします。
まずは自社の方針を固めたうえでAIサービスを選ぶのがおすすめです。
AIサービスの選び方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考に「生成AI導入コンサルティング」の利用も検討してみてください。
→生成AI導入コンサルティングとは?選ぶ時のポイント3選やおすすめの企業を紹介
国産の生成AIサービスは数多く登場している!
この記事では、国内大手企業が開発した6つの国産生成AIサービスを紹介しました。
国産の生成AIサービスは、日本語の処理能力に特化している点や、各社独自のAI技術を駆使している点が特徴です。
文部科学省もAI開発に力を入れており、国産AIは今後も重要性が増していくでしょう。
また、企業向けAIサービス選びの際には、解決したい課題の明確化や、サービスの機能、コストパフォーマンスを考慮することが重要です。
ぜひこれらのポイントをおさえて、自社に合った生成AIサービスを探してみてください。
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最後に
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