Stability AI Community Licenseとは?ライセンス内容を徹底解説

Stability-AI-Community-License ライセンス内容 徹底解説

WEELメディア事業部リサーチャーのいつきです。

2024年7月5日、Stability AIは「Stability AI Community License」というライセンスを新しく発表しました。

Stability AI Community Licenseは、Stability AIの「Stable Diffusion 3」に関連するライセンスで、今回利用制限がより少なくなるといった修正がされています。

ただ、内容をまだ把握できていない方も多いと思うので、今回の記事ではライセンスの修正内容について詳しく解説します。

最後まで目を通していただくと、Stability AI Community Licenseの内容を理解できるので、今まで料金が原因で利用を諦めていた方も無料で利用できるようになるかもしれません。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

Stability AI Community Licenseとは

参考:https://ja.stability.ai/blog/stability-ai-membership

Stability AI Community Licenseとは、Stability AIの「Stable Diffusion 3」に関連するライセンスです。画像生成AIモデルのSD3の商用ライセンスが、コミュニティ内で混乱と懸念を引き起こしていたために発表されました。

なお、ライセンスの大きな変更点は個人利用と中小規模の事業者が無料で商用利用できるようになった点です。これにより、有料のエンタープライズライセンスが必要なのは、年間収益が100万米ドルを超える大規模事業者のみになりました。

このライセンスをリリースした背景には、「オープンソースの基本原則に忠実でありたい」というStability AIの理念が反映されています。

なお、Stable Diffusionの使い方を詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Stability AI Community Licenseの概要

参考:https://stability.ai/news/license-update

Stability AI Community Licenseの概要をまとめると、以下3つに集約されます。

  • コミュニティアップデート
  • ライセンスの修正
  • モデルの向上

以下でそれぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

コミュニティアップデート

元々Stability AIは、高品質な生成AIモデルを開発して、それをコミュニティメンバーに惜しみなく共有することに力を注いでいます。

しかし、最新モデルのSD3 Mediumがコミュニティの期待に応えられなかったことを受け止め、今回のコミュニティアップデートに舵をきったとのことです。

具体的な改善内容として、ユーザーの声に耳を傾け、懸念やトラブルに迅速に対処し、オープン ソース コミュニティを継続的にサポートするための改善をおこなったと発表しました。

ライセンスの修正

Stability AIは、SDの商用ライセンスがコミュニティ内で混乱と懸念を引き起こしたとして、個人と中小事業者向けの商用ライセンスを更新しています。この更新により、生成AIを無料で使える範囲がこれまでよりも広くなりました

なお、今回の更新内容は、SD3 Mediumを含めた最新のStability AIモデルを網羅しているとのこと。具体的な修正内容は、「ライセンスの修正内容」で解説しています。

モデルの向上

Stability AI Community Licenseでは、モデルの向上についても言及しています。

元々、SD3 Mediumはテスト段階で旧モデルのSDXLの品質や精度を上回っていたにもかかわらず、トレーニングセットで問題がみられなかった体のポーズや単語に関する問題をコミュニティに指摘されたためです。

今回の指摘を受けて、Stability AIは以下の2つを今後の方針として掲げています。

継続的な改善: SD3 Medium はまだ開発中です。今後数週間以内に、大幅に改善されたバージョンをリリースする予定です。

モデルの使用:この新しいアーキテクチャとモデルを最適に使用する方法を研究しています。モデルを最適に使用して微調整する方法についてさらに学ぶにつれて、私たちの調査結果とコミュニティ内の他のユーザーの調査結果を共有します。

今後の展開として、ライセンスの更新が完了次第、FAQに追加の詳細情報を掲載していくと公表しているので、今後の動向に注目しましょう。

ライセンスの修正内容

Stability AI Community Licenseの修正内容を以下にまとめました。

  • 非商用利用は無料のまま
  • 個人利用や小規模事業者向けの無料商用利用
  • 利用制限はより少なく
  • 商用ユーザーのみ自己報告が必要

以下でそれぞれの修正内容を紹介するので、自身に当てはまる部分があるか確認しておきましょう。

非商用利用は無料のまま

SD3 Mediumを含むStable Diffusionの各モデルは、元々非商用利用の場合は無料で使えました。今回Stability AI Community Licenseによるライセンスの改訂を受けても、非商用利用は無料のままです。

ちなみに、非商用利用者について、Stability AIは以下のようなユーザーを例として挙げています。

  • 無料で研究成果を発表する研究者
  • 無料のオープンソース開発者
  • 常勤の学生
  • 教師
  • 趣味で画像生成する一般利用者
  • モデルを改良して配布する「ファインチューナー」

上記に当てはまる場合は、Stable Diffusionの各モデルを無料で使えるので、ぜひ使ってみましょう。

個人利用や小規模事業者向けの無料商用利用

参考:https://stability.ai/license

Stable Diffusionの各モデルを商用利用する場合でも、年間収益が100万米ドルを超えない限り、料金はかかりません。これは研究職やモデルを調整して販売する方であっても、収入源に関係なく一律でこの基準が適用されます。

ほかの画像生成AIモデルを利用すると、月額で数千円の費用が発生することもあるので、これを無料で使えるのは嬉しいポイントですね!

利用制限はより少なく

Stability AI Community Licenseでは、Stability AIの生成モデルの利用制限がより少なくなっています。たとえば、作成できる画像や動画のメディアファイルには制限がありません

違法行為・ライセンスまたは利用規約に明らかに違反する行為が認められなければ、Stability AIが結果として得られた画像やその他の派生物を削除するように要求することはないとのことです。

Stability AIに料金を支払わない非商用利用者や中小規模の事業者であっても、同様の制限が適用されます。

商用ユーザーのみ自己報告が必要

年間収益が100万米ドルを超えない商用ユーザーは、料金の支払いこそ必要ないものの、Stability AIへの自己報告が必要です。自己報告の内容として、簡単なフォームへの記入や最も関心のあるモデルの選択が求められます。

ただし、年間収益が100万米ドルを超える場合は、エンタープライズライセンスを取得しなければなりません。この場合、企業の事業規模などに応じてカスタム価格での支払いが要求されます。

Stable Diffusion3 Mediumの概要

Stable Diffusion3 Mediumは、Stability AIが開発した最新の画像生成モデルです。20億のパラメータから構成されており、テキストから画像を生成するオープンモデルとして提供されています。

Stable Diffusion3 Mediumがとくに優れているポイントを以下にまとめました。

品質と画像のリアルさ: フォトリアリスティックな出力と、柔軟なスタイルでの高品質な出力が可能。16チャンネルVAEなどの工夫により、手や顔のリアルさも追求されている。

プロンプトの理解力: 空間的推論・構成要素・アクション・スタイルを含む、長く複雑なプロンプトを理解できる。

テキスト生成: Diffusion Transformer architecture により、スペル・カーニング・文字組み・スペーシングのミスを低減して高いテキスト品質を実現している。

リソース効率: 低いVRAMフットプリントにより、標準的なコンシューマー向けGPUでパフォーマンスを低下させることなく実行できる。

ファインチューニング: 小さなデータセットから微妙なディテールを理解してモデルをカスタマイズできる。

Stable Diffusion3 Mediumはモデル自体が小さいため、個人向けシステムや企業向けGPUに最適な要件を備えています。

Hugging Faceから無料でダウンロードできるので、まずは一度使ってみましょう。

なお、Stable Diffusion 3について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Stability AI Community Licenseを遵守して画像生成モデルを利用しよう

Stability AI Community Licenseは、Stability AIの「Stable Diffusion 3」に関連するライセンスです。

ライセンスの概要として、以下の3つが挙げられます。

  • コミュニティアップデート
  • ライセンスの修正
  • モデルの向上

上記のライセンスの修正にあたるのが、以下の4つです。

  • 非商用利用は無料のまま
  • 個人利用や小規模事業者向けの無料商用利用
  • 利用制限はより少なく
  • 商用ユーザーのみ自己報告が必要

とくに大きいのが、個人利用や小規模事業者が無料で商用利用できるようになった点です。年間収益が100万米ドルを超えない限り、商用利用ユーザーでも料金がかかりません

法律やラインセンスの内容を守っている限りは、画像やその他の派生物を削除されることもないので、無料で気軽に画像生成を楽しめます。

最新モデルのStable Diffusion3 Mediumは、Hugging Faceから無料でダウンロードできるので、商用利用を検討するためにもぜひ一度使ってみてください。

最後に

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投稿者

  • いつき

    高卒6年目にして独立開業した、フリーランスのWebライター。 ChatGPTをはじめ、多くのAIツールを使いこなした経験を基に、AIメディアの記事を執筆中。 複数のWebメディアに在籍し、ライター・ディレクター業務をマルチにこなす。

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