OpenAI Realtime APIとは?料金・使い方・最新機能を徹底解説【2025年版】

OpenAI Realtime API とは 料金 使い方 最新機能 徹底解説

OpenAIが2024年10月に発表したRealtime APIは、2025年8月に正式版として提供が開始されました。※1

リモートMCPsや画像入力、SIP通話、再利用可能なプロンプトなどの新機能を搭載し、より低遅延で自然な音声対話を実現します。

従来の音声アシスタントに比べて表現力や反応速度が大幅に向上し、語学学習やカスタマーサポート、スマートアシスタントなど幅広い分野で活用が期待されています。本記事では料金や使い方、導入事例までわかりやすく解説します。

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目次

Realtime APIの概要

OpenAIが2024年10月1日に発表したRealtime APIは、アプリケーションにリアルタイムな音声マルチモーダル機能を組み込むことを可能にするAPIです。

これまでは、音声をWhisperでテキストに変換し、言語モデルで処理してから読み上げる必要がありました。この方式では、感情や抑揚が失われやすく、遅延も起こるという課題がありました。

しかし、Realtime APIは音声の入力と出力を同時にストリーミングすることで、より自然で遅延の少ない会話を実現します。2025年8月に公開された正式版では、最先端の音声対話モデル「gpt-realtime」も登場しました。※1

Realtime APIのメリット

Realtime APIは、従来の音声アシスタントを上回り、前後の文脈を理解することで自然な会話の流れを作り出します。WebSocketによるストリーミング通信のため、応答までの遅延が少なく、ユーザーが途中で話を遮ってもスムーズに会話を続けられます。

また、Function Callingにも対応しているため、商品の注文や情報検索といったタスクも音声で実行できます。さらに、現在はgpt-realtimeによって、画像入力やSIP電話通話、リモートMCPへの対応、再利用可能なプロンプトなど、多彩な機能が正式に提供されています。

WebSocketを用いた持続的な接続が可能

Realtime APIは、従来のHTTP通信とは異なり、WebSocketを利用してサーバーとクライアントの間で接続を継続します。HTTPはリクエストごとに接続を確立して終了するため、やり取りに時間がかかるケースがありました。

これに対し、WebSocketは一度接続するとそのまま維持され、音声やテキストをリアルタイムにやり取りできるのが特徴です。この仕組みにより、ユーザーは毎回の通信開始を待たずに連続した会話が可能になり、やり取りが途切れることなくスムーズに進みます。

結果として、利用者は自然な対話を安定した環境で体験でき、音声アシスタントやチャットボットの性能を大きく向上させられます。

低遅延を支える仕組み

Realtime APIが1秒未満の応答を実現できるのは、音声をテキストに変換してから処理する従来の流れを短縮しているからです。音声入力と出力をリアルタイムにストリーミングし、途中での変換や待機を最小限に抑えることで、会話のテンポを損なわずやり取りできます。

さらに、WebRTCを利用した双方向通信により、接続を維持したまま音声データを継続的にやり取りできる点も低遅延の要因です。そのため、話の途中で割り込んだり質問を追加したりしても、自然に会話が続けることが可能です

このような違和感のないスピード感は、音声学習アプリやサポート対応の現場で大きな魅力となるでしょう。

OpenAI のAPIについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

Realtime APIの料金

Realtime APIの料金は利用した分だけ支払う従量課金制で、開発規模や用途に合わせて柔軟に利用できるのが特徴です。音声入力や出力のリソースごとに課金が発生し、従来のモデルと比較してコスト効率が向上しています。

その結果、個人の開発から企業の本番環境まで幅広く導入しやすくなりました。具体的な金額や新たに追加されたgpt-realtimeモデルの料金体系については、次の項目で詳しく紹介します。

gpt-realtimeの新料金プラン

OpenAIの新しい音声モデル「gpt-realtime」は、旧モデル「gpt-4o-realtime-preview」と比べて約20%安く利用できます。具体的には以下の通りで、キャッシュ機能を組み合わせるとコストをさらに抑えることが可能です。

従来のTTSモデルに比べ料金はやや高めですが、遅延の少なさや自然な音声品質を考えれば十分に競争力があります。

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項目料金(1Mトークンあたり)備考
音声入力32ドル旧モデル比 約20%安い
キャッシュ入力0.40ドル繰り返し利用でコスト削減可
音声出力64ドル高品質な音声生成対応
gpt-realtimeの料金プラン一覧表

表からわかるように、gpt-realtimeは長時間の会話や大量リクエストを扱うサービスでもコスト効率を高めやすい料金体系になっています。特にキャッシュ済み入力を活用すると繰り返し発生する音声応答を安価に処理できるため、サポート用チャットボットや学習アプリのように定型的なフレーズが多い場面で強みを発揮します。

他サービスとの比較(Whisper・TTSなど)

gpt-realtimeの料金は従来モデルに比べて割高に感じる方もいるかもしれません。そこで代表的な音声関連サービスであるWhisperやTTSモデルと料金を比較すると、リアルタイム性や音声品質に大きな違いがあることがわかります。特に遅延が少なく自然な会話を実現できる点で、gpt-realtimeは実用度の高さが際立っています。

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サービス料金(目安)特徴
gpt-realtime入力32ドル/出力64ドル低遅延・自然な会話、20%値下げ版
Whisper API約0.006ドル/分音声→文字変換、精度は高いがTTS非対応
他社TTSモデル月額5ドル〜(30分相当)音声生成のみ、遅延や自然さに課題
gpt-realtimeと他音声サービスの料金・特徴比較表

料金面ではWhisperやTTSのほうが安価ですが、リアルタイム会話や表情豊かな音声表現を必要とするアプリでは、gpt-realtimeを選ぶ価値が十分にあります。

Whisperについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

Realtime APIの使い方

Realtime APIは、公式が提供するPlaygroundやRealtime Consoleを通じて試すことができ、特別な環境を用意しなくてもブラウザから動作を確認可能です。利用にはOpenAIアカウントとAPIキーが必要で、取得したキーをコンソールに登録するとマイク入力や音声生成を実際に試せるようになります。

開発者はこの仕組みを活用することで、自分のアプリケーションへリアルタイムの音声会話機能を簡単に組み込めます。具体的な利用手順や設定方法については次の項目で解説します。

Realtime Consoleでの利用手順

gpt-realtimeを試すには、公式が提供する「Realtime Console」を使うのがもっとも簡単です。専用の環境を構築しなくてもブラウザから直接アクセスでき、APIの挙動を確認できます。

以下の流れで設定すれば、音声生成や会話のテストをすぐに始められます。

APIキーの設定

OpenAIのダッシュボードでAPIキーを取得し、Realtime Consoleに登録します。

参考:https://platform.openai.com/account/api-keys

接続と音声生成

マイク入力を許可すると、音声がリアルタイムに送信され、即座に音声またはテキストで応答が返ってきます。

参考:https://platform.openai.com/playground/realtime

設定変更

利用する音声の切り替えや、システムプロンプトの変更が可能です。用途に応じて柔軟にカスタマイズできます。

参考:https://platform.openai.com/docs/guides/realtime

Realtime APIは従量課金制ですが、最低5ドルから前払いで試せます。利用状況はUsageページから確認でき、自動課金をオフにしておけば安心です。音声は非常に滑らかで、電話越しでも人間と区別できないほど自然です。

この手順を踏めば、APIの動作を簡単に体験できます。特にWebRTCを選ぶと低遅延の通信を実感でき、音声切り替えやプロンプト変更を試すことで、用途に応じた調整方法も理解しやすくなります。

設定変更でできること(音声切り替え・システムプロンプト)

Realtime APIでは、開発者が設定を変更することで会話体験を柔軟にカスタマイズできます。特に音声の切り替えとシステムプロンプトの調整は、ユーザー体験を大きく変える重要なポイントです。

音声の種類を変えると話し方や雰囲気が変わり、アプリの用途に応じた演出が可能になります。また、システムプロンプトを工夫することで、AIに「丁寧に答える」「短く答える」といった行動規範を与えることができます。

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設定項目内容例活用シーン
音声切り替えCedar・Marinなど複数の音声を選択可能学習アプリ、接客ボットの声色調整
システムプロンプト回答スタイルや禁止事項をあらかじめ指定コールセンターやFAQ対応の品質管理
Realtime APIの設定変更で可能な機能をまとめた表

これらを組み合わせることで、同じモデルを使ってもまったく異なる会話体験を作り出せます。試験運用の段階から調整を重ねることで、ユーザー満足度を高めやすくなります。

Realtime APIの活用方法と導入事例

Realtime APIはインタラクティブなやり取りを音声を用いて行うことができます。この特徴を最大限に活かせる活用事例をいくつか考えてみました。

言語学習アプリ

現在も言語学習アプリにAIモデルが搭載されているものはいくつもあります。しかし、Realtime APIを使えば、ユーザーがリアルタイムかつ感情や強調、言葉のアクセントが失われずに言語学習に取り組むことができるようになるでしょう。

例えば、ユーザーが実際に学習言語で質問を投げかけると、即座にAIがその言語で適切に返答します。また、会話中にユーザーが途中で割り込んで話しかけても、Realtime APIはそれに対応し、自然な会話を行うことができるようになり、実際に人と話しているような体験をしつつ第二言語を学べるようになるのではないでしょうか。

カスタマーサポート

リアルタイムでのレスポンスが必要な仕事にカスタマーサポートがあります。特にコールセンターなどのカスタマーサポートでは、その場でのやり取りが必須。

顧客が音声で問い合わせを行った場合、Realtime APIを利用して、即座にAIが質問に答えたり、必要なサポート情報を提供したりできます。リアルタイムでの応答が可能なため、会話がスムーズで、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

スマートホームアシスタント

スマートホームデバイスは今もいくつかありますが、より高い精度を求める・より自然なコミュニケーションを取れるようにするということを考えると、Realtime APIを活用するのがいいかもしれません。

スマートホームデバイスにRealtime APIを組み込むことで、音声で家電を操作したり、天気や予定を確認したりできます。例えば、ユーザーが「今日の天気は?」と尋ねると、すぐにAIが音声で天気を教えてくれます。会話の流れも自然に続くため、ユーザー体験が向上するでしょう。

導入事例(Zillow・T-Mobile)

Realtime APIはすでに実サービスで活用されており、その有用性が実証されています。代表的な事例が不動産情報サイトのZillowと、通信大手のT-Mobileです。

Zillowでは住宅検索の問い合わせに自然な音声応答を導入※2し、物件情報のやりとりをスムーズにしています。T-Mobileでは顧客サポート窓口に組み込み、待ち時間を減らしつつ利用者の質問に即座に答えること※2で顧客体験を向上させています。

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企業名活用シーン効果
Zillow不動産検索の問い合わせ対応自然な会話で物件情報を案内、操作が直感的に
T-Mobileコールセンターでの顧客サポート即時応答により待ち時間削減、満足度向上
Realtime APIを導入した企業事例の一覧表

これらの事例からわかるように、音声エージェントは単なる技術デモにとどまらず、実際の業務効率化や顧客体験の改善につながっています。今後も幅広い業界で導入が広がると考えられます。

その他のAIの活用事例について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

まとめ

本記事ではOpenAIのRealtime APIについて紹介をしました。従来のTTSモデルよりも格段に自然で、抑揚やアクセントがしっかり表現されるため、AIが話しているとは思えないほどリアルな会話体験を実現できます。

すでにZillowやT-Mobileといった企業で導入が進んでおり、カスタマーサポートや不動産案内などの分野で成果を上げています。今後は教育、医療、エンタメなど幅広い分野で応用が期待され、音声サービスの新しいスタンダードになる可能性があります。

ぜひ本記事を参考に、Realtime APIの可能性を体感してみてください。

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最後に

いかがだったでしょうか?

Realtime APIを活用すれば、顧客体験の革新や業務効率化が実現可能です。事例や導入効果を知りたい方はぜひご覧ください。

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  • WEEL Media部

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