【Azure AI Agent Service】できることや使えるモデル、活用シーンを徹底解説

Azure AI Agent Service できること 使えるモデル 活用シーン

WEELメディア事業部AIライターの2scです。

みなさん!ついに、Microsoftが業務用AIエージェント開発ツールをリリースしました。その名は「Azure AI Agent Service」です!

こちらは1,400種以上のツールや各種データベース、多種多様なAIモデルを使って、実務に耐えるAIエージェントが作れちゃう優れもの。しかもなんと、ノーコード / ローコードでの開発にも完全対応しています!

押さえておきたいポイント
  • Microsoftが提供する業務用AIエージェント開発ツール
  • 1,400種以上のツールや各種データベース、多様なAIモデルと連携可能
  • GPT-4o、Llama 3.1、Cohere Command R、tsuzumi-7bなど豊富なモデルに対応
  • 高いセキュリティ水準で業務利用に最適

当記事では、そんなAzure AI Agent Serviceを徹底解説。現時点でわかっている機能や対応しているAIモデル、具体的な活用シーンなどを余すところなくお伝えしていきます。

完読いただくと、業務効率化・DXの次のトレンドが把握できちゃうかも……
ぜひぜひ、最後までお読みください!

目次

Azure AI Agent Serviceの概要

「Azure AI Agent Service」は、生成AI系開発プラットフォーム「Azure AI Foundry(旧Azure AI Studio)」の1サービス。こちらはMicrosoft Azureのセキュアな環境下で、ビジネス向けのAIエージェントが開発できるというもので、2024年11月19日からAzure AI Foundryのユーザー向けにプレビューが始まっています。

参考:https://techcommunity.microsoft.com/blog/azure-ai-services-blog/introducing-azure-ai-agent-service/4298357

このAzure AI Agent Serviceのすごいところとしては、

Azure AI Agent Serviceの特徴(※1、2)
  • Microsoft Azureの環境下で、回答提供から業務自動化までをこなすAIエージェントが開発可
  • 1,400種以上のツールとのスムーズな連携で幅広い実務の自動化を実現
  • データベースやブラウザ検索等のさまざまな情報ソースとの連携により、適切な記憶&知識を提供
  • GPT-4o / Llama 3.1 / Cohere Command R / tsuzumi-7b等、モデルの選択肢が豊富な
  • Microsoft水準の高度なセキュリティを提供

以上のとおり。これまでLLMチャットの課題であった「実際の業務を自動化できない」点を見事に解決したソリューションになっています。

Azure AI Agent Serviceでできること

ここからは、Azure AI Agent Serviceでできることを6点ご紹介します。以下、Azure AI Agent Serviceの基本機能から、詳しくみていきましょう!

AIエージェントのノーコード / ローコード開発

Azure AI Agent Serviceでは、Azure AI Foundry内のツールを使って、ノーコードまたはローコードでAIエージェントが開発可。具体的には、以下のようなことができてしまいます。(※1、2、3)

  • ノーコード / ローコードでのAIエージェントの開発(Azure Logic Apps)
  • カスタムコードによるAIエージェントの機能拡張(Azure Functions)
  • 独自のAPIとAIエージェントの統合
  • AIエージェントでの複雑な計算・スクリプトの処理(コードインタープリタ)

開発のハードルが下がるのはもちろんのこと、これまで社内で使ってきたツールやシステムへの組み込みも容易です。

企業レベルのセキュリティ・監視体制

Azure AI Agent Serviceは下記のとおり、企業での利用に耐えうるセキュリティ体制と監視体制を備えています。

  • ストレージはBYO(Bring Your Own)つまり、すでに社内導入済みのものが流用可能
  • VPN(仮想プライベートネットワーク)をサポートしていてプライバシー面も安心
  • 代理認証方式によるパスワード管理の効率化が可能
  • AIエージェントの性能監視・診断機能(OpenTelemetry)を完備
  • オンビーハーフ(OBO / On-Behalf-Of)認証など、企業レベルのセキュリティでデータ連携が可能

AIエージェント周りだけでなくセキュリティ周りもオールインワンになっていますので、オープンソースのAIエージェントを選んだ場合よりも導入工数が削減できそうです。

多種多様なAIモデルとの連携

Azure AI Agent Serviceでは、OpenAI / Meta / Mistral / Cohere…etc.有名どころの生成AIモデルが一通り使用可能。さらに、NTTとも提携しており、日本発のLLM「tsuzumi-7b」もAIエージェントに組み込めます。(※4)結果としてAzure AI Agent Serviceは……

  • 複雑なタスクの自動化には「OpenAI o1」
  • 大量のデータを処理したい場合には「Llama 3.1」
  • 日本語の品質にこだわる場合は「tsuzumi-7b」
    …etc.

以上のとおり、さまざまなニーズに答えてくれるでしょう。

Azure AI内外のツール&データとの連携

Azure AI Agent Serviceは、Azure Logic Appsのコネクタを介して、1,400以上の外部システム・ツール・APIと連携可能。さらに、各種データベース・検索エンジン・ローカルファイルとの連携にも対応していて、LLMチャットを超える実務能力と知識を備えています。(※1、2、3)

参考:https://techcommunity.microsoft.com/blog/azure-ai-services-blog/ground-your-ai-agents-with-knowledge-from-bing-search-microsoft-fabric-sharepoin/4303634

Azure AI Agent Serviceの具体的な連携先は……

Azure AI Agent Serviceの連携先と詳細
  • Azure Logic Apps経由
    • Azure Logic Apps:ノーコードで開発したツールとの連携
    • Azure Functions:カスタムコードとの連携
    • Azure App Service:Webアプリとの連携
    • Dynamics 365 Customer Voice:顧客からのフィードバックの反映
    • Microsoft Teams:ビジネスチャットとの連携
    • Microsoft 365 Excel:スプレッドシートとの連携
    • MongoDB:データベースとの連携
    • Dropbox:共有したファイルとの連携
    • Jira:管理中のプロジェクトとの連携
    • Gmail:メールとの連携
    • Twilio:電話との連携
    • SAP:業務システムとの連携
    • Stripe:決済周りとの連携
    • ServiceNow:ワークフローとの連携
      …etc.
  • その他データ連携
    • Bing:検索エンジンによるリアルタイムの情報取得
    • SharePoint:共有したファイルとの連携
    • Fabric:蓄積した企業独自のデータとの連携
    • Azure AI Search:対話を通したストレージ内のデータ検索
    • Azure Blob:クラウドストレージ内のデータとの連携
    • ローカルファイル:PC内のデータとの連携
    • ライセンスデータ(Tripadvisorなど):旅行ガイドやレビューのデータとの連携
      …etc.

以上のとおり。幅広いユースケースで活用ができそうです。

外部開発ツールとの連携

Azure AI Agent Serviceは以下のツールを網羅したSDK(ソフトウェア開発キット)を提供。基本のAIエージェントから、複数のAIエージェントが協働してタスクをこなす「マルチエージェント」まで開発が可能です。

  • Visual Studio Code:基本のコーディング
  • GitHub:プログラムの流用・シェア
  • Copilot Studio:チャット形式でのソースコード生成
  • AutoGen:マルチエージェントのアイデア検証
  • Semantic Kernel:実用化レベルのマルチエージェントの開発
参考:https://techcommunity.microsoft.com/blog/azure-ai-services-blog/introducing-azure-ai-agent-service/4298357

これまで以上に、AIエージェントの開発が捗りそうですね。

Azure AI Foundryポータル画面からのアクセス

Azure AI Agent Serviceでは、Azure AI Foundry(旧Azure AI Studio)のポータル画面からのアクセスも可能。Azure AI FoundryでAIエージェントのプロトタイプを生成した後、先ほどのSDKに引き継ぐといった開発スタイルがとれます。

また、生成AI周りの管理・可視化やAIエージェントのスケーリングも直感的に行えます。(※5)

なお、AzureからOpenAIのAIモデルが使えるサービスについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Azure AI Agent Serviceで使えるモデル一覧

先述のとおり、Azure AI Agent ServiceではOpenAIやMetaなど、各社のAIモデルが利用可能。使えるモデルの一覧については、下表をご覧ください。(※5、6、7)

モデルプロバイダAIモデル一覧
OpenAIo1-preview
o1-mini
GPT-4o
GPT-4o mini
GPT-4 Turbo
GPT-4o-Realtime-Preview
GPT-4
GPT-3.5
Text Embeddingシリーズ
DALL-Eシリーズ
Whisperシリーズ
TTS(Text-To-Speech)シリーズ
MetaLlama-3.2-3B-Instruct
Llama-3.2-1B-Instruct
Llama-3.2-1B
Llama-3.2-90B-Vision-Instruct
Llama-3.2-11B-Vision-Instruct
Llama-3.1-8B-Instruct
Llama-3.1-8B
Llama-3.1-70B-Instruct
Llama-3.1-70B
Llama-3.1-405B-Instruct
Llama-3-8B-Instruct
Llama-3-70B
Llama-3-8B
Llama-Guard-3-1B
Llama-Guard-3-8B
Llama-Guard-3-11B-Vision
Llama-2-7b
Llama-2-13b
Llama-2-70b
Llama-2-7b-chat
Llama-2-13b-chat
Llama-2-70b-chat
CodeLlama-7b-hf
CodeLlama-7b-Instruct-hf
CodeLlama-34b-hf
CodeLlama-34b-Python-hf
CodeLlama-34b-Instruct-hf
CodeLlama-13b-Instruct-hf
CodeLlama-13b-Python-hf
Prompt-Guard-86M
CodeLlama-70b-hf
NTTtsuzumi-7b
Mistralmistralai-Mixtral-8x22B-v0-1
mistralai-Mixtral-8x22B-Instruct-v0-1
mistral-community-Mixtral-8x22B-v0-1
mistralai-Mixtral-8x7B-v01
mistralai-Mistral-7B-Instruct-v0-2
mistralai-Mistral-7B-v01
mistralai-Mixtral-8x7B-Instruct-v01
mistralai-Mistral-7B-Instruct-v01 Mistral-large (2402)
Mistral-large (2407)
Mistral-small
Ministral-3B
Mistral-NeMo
CohereCohere-command-r-plus-08-2024
Cohere-command-r-08-2024
Cohere-command-r-plus
Cohere-command-r
Cohere-embed-v3-english
Cohere-embed-v3-multilingual
Cohere-rerank-v3-english
Cohere-rerank-v3-multilingual
JAISjais-30b-chat
AI21Jamba-1.5-Mini
Jamba-1.5-Large
Phi-3Phi-3-mini-4k-Instruct
Phi-3-mini-128k-Instruct
Phi-3-small-8k-Instruct
Phi-3-small-128k-Instruct
Phi-3-medium-4k-instruct
Phi-3-medium-128k-instruct
Phi-3-vision-128k-Instruct
Phi-3.5-mini-Instruct
Phi-3.5-vision-Instruct
Phi-3.5-MoE-Instruct
NixtlaTimeGEN-1
その他医療用MedImageParse
MedImageInsight
CxrReportGen
Virchow
Virchow2
Prism
BiomedCLIP-PubMedBERT
microsoft-llava-med-v1.5
m42-health-llama3-med4
biomistral-biomistral-7b
microsoft-biogpt-large-pub
microsoft-biomednlp-pub
stanford-crfm-biomedlm
medicalai-clinicalbert
microsoft-biogpt
microsoft-biogpt-large
microsoft-biomednlp-pub

Azure AI Agent ServiceはLLMだけでなく、音声→文字の変換ができる「Whisper」や文字→音声の変換ができる「TTS(Text-To-Speech)」などさまざまなAIモデルを提供中。文字起こしや読み上げの機能を備えたAIエージェントが作れますので、ビジネスで大活躍の予感がしますね。

なお、OpenAIの最強モデルo1について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Azure AI Agent Serviceの料金体系

Azure AI Agent Serviceは、Azure AI Foundry(旧Azure AI Studio)の1サービスとして提供されています。その利用料金の内訳としては……

Azure AI Foundry(完全無料)+ Azure AI Agent Service(従量課金)

以上のとおりです。

ただし、2024年11月下旬時点で、Azure AI Agent Serviceの料金は不明。Microsoft Azureの料金計算ツールで検索をかけても……

以上のとおり、Azure AI Agent Serviceの項目はありません。(※8)このあたりは今後明らかになってくるものと思われます。

Azure AI Agent Serviceの活用シーン

Azure AI Agent Serviceを使えば、24時間体制でさまざまな業務を自動化してくれるAIエージェントが、簡単に開発できます。Microsoft公式が紹介している具体的な活用シーンとしては……

Azure AI Agent Serviceの活用シーン(※1、2、3)
  • 返品処理の自動化
  • プロジェクトマネージャーの業務代行
  • 財務諸表の調整・帳締めの自動化
  • 出荷請求書の確認代行
  • ヘルプデスク業務の自動化
  • メール送信・スケジュール管理等、個人の雑務自動化
  • 市場動向の監視からレポート作成までの自動化
  • 見込み顧客の調査・選定の自動化
  • メッセージのパーソナライズを含む、高度なカスタマーサービスの自動化
  • コードベースやリポジトリの管理・更新自動化
    …and more!

以上のとおり。Azure AI Agent Serviceは職場問わず存在する雑務が自動化できるので、DX・業務効率化の第一歩として普及していきそうですね。

なお、Azure OpenAI Serviceについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Azure AI Agent Serviceで「業務用AIエージェント」の時代が来るかも!?

当記事では、Microsoft Azureのセキュアな環境下で業務用AIエージェントが開発できる「Azure AI Agent Service」を紹介しました!

このAzure AI Agent Serviceなら、1,400種以上のツールや各種データベース、多種多様なAIモデルを搭載したAIエージェントがノーコードからでも開発可。以下のとおり、さまざまなシーンで役立つAIエージェントが簡単に用意できちゃいます。

Azure AI Agent Serviceの活用シーン(※1、2、3)
  • 返品処理の自動化
  • プロジェクトマネージャーの業務代行
  • 財務諸表の調整・帳締めの自動化
  • 出荷請求書の確認代行
  • ヘルプデスク業務の自動化
  • メール送信・スケジュール管理等、個人の雑務自動化
  • 市場動向の監視からレポート作成までの自動化
  • 見込み顧客の調査・選定の自動化
  • メッセージのパーソナライズを含む、高度なカスタマーサービスの自動化
  • コードベースやリポジトリの管理・更新自動化
    …and more!

LLMチャット以上の業務効率化が見込めるAzure AI Agent Serviceは、これからのDXの主役となっていきそうです。

サービス紹介資料

生成系AIの業務活用なら!

・生成系AIを活用したPoC開発

・生成系AIのコンサルティング

・システム間API連携

最後に

いかがだったでしょうか?

「Azure AI Agent Service」は、業務自動化の可能性を飛躍的に広げるノーコード開発や多様なAIモデル連携を実現してくれます。

株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!

開発実績として、

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投稿者

  • 晋平大竹

    生成AIの登場に大きな衝撃を受けたWebライター。好きなAIツールは、ChatGPTとAdobeFirefly。AIがこれからの世界を良い方向に導いてくれると信じ、正しい&有益な情報を発信し続けています!

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