【Fugu Max・Fugu Ultra v2】Fable 5超えのスコアを叩き出した日本発オーケストレーションAIの性能・料金・使い方を徹底解説

- Sakana AIが2026年9月11日にリリースしたマルチエージェント・オーケストレーションの最新モデル
- Fugu Maxは入力100万トークンあたり2ドルと、Sonnet 5やGPT 5.6 Terraより40〜60%安い出力単価を実現
- Fugu Ultra v2はChartographyで48.3を記録し、Opus 5(27.3)やFable 5(29.5)を大幅に上回る性能
2026年9月11日、日本発のAIスタートアップSakana AIがSakana Fuguの最新モデル「Fugu Max」と「Fugu Ultra v2」を同時にリリースしました!Sakana AI CEO・David Ha氏は自身のXで「単一企業のモデルに依存することは巨大なリスクだ」と述べており、このポストには大きな反響が寄せられています。
Fugu Maxは「コストを抑えながらも高い性能を出す」ことに特化し、Fugu Ultra v2は「複雑なタスクでの最高品質」を追求するモデルです。とはいえ、「具体的に何がすごいの?」「どうやって使うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Fugu MaxとFugu Ultra v2の概要から仕組み、料金体系、使い方、活用シーンまでを徹底的に解説します。ぜひ最後までご覧ください!
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
2026年9月15日(火)12時05分より、AI博覧会で田村が登壇した内容を再構成したオンラインセミナーを開催!
AI新規サービスを売上につなげる進め方を事例付きで解説します!
Fugu MaxとFugu Ultra v2とは?
Fugu MaxとFugu Ultra v2は、Sakana AIが開発したマルチエージェント・オーケストレーションシステム「Sakana Fugu」の最新モデルです。
そもそもSakana Fuguとは、GPT・Claude・Geminiなど複数の生成AIモデルを「エージェントプール」として束ね、タスクに応じて最適な組み合わせで回答を生成する仕組みのことです。外から見ると単一のOpenAI互換APIとして動作するため、利用者側はどのモデルが裏で動いているかを意識する必要がありません。
Sakana Fuguは2026年4月にベータ版としてスタートし、6月に一般提供を開始。7月にはサイバーセキュリティ特化のFugu Cyber、8月にはNVIDIAとの提携によるNemotronモデルの統合が進められてきました。そして9月11日、その集大成として登場したのが今回の2モデルです。

Fugu Maxは「コストパフォーマンスの最適化」を最優先に設計されたモデルで、NVIDIA Nemotronファミリーを含む過去最大規模のオープンモデルプールを動的にオーケストレーションします。入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり6ドルという価格は、Sonnet 5やGPT 5.6 Terra、Kimi K3と比較して出力単価が40〜60%も低いという驚きのコスト水準を実現しています。
一方、Fugu Ultra v2は「出力品質の最大化」を追求するフラッグシップモデルです。複雑なマルチステップ推論、自律型リサーチ、フルスタックのソフトウェア開発など、高い精度が求められるタスクに最適化されています。注目すべきは、Fable 5やFable 5.1、GPT-6 Astraをモデルプールに含めずにこれらを上回るベンチマークスコアを達成している点で、特定のプロプライエタリモデルに依存しない設計思想が際立っています。
Fugu MaxとFugu Ultra v2の仕組み

Fugu MaxとFugu Ultra v2のアーキテクチャは、ICLR 2026で採択された2本の研究論文「TRINITY」と「Conductor」を基盤としています。
TRINITYは、軽量な進化型コーディネーターが複数のLLMを複数ターンにわたって統括する仕組みです。各モデルに「Thinker(思考役)」「Worker(実行役)」「Verifier(検証役)」という3つの役割を割り当て、コーディング・数学・推論・知識タスクに応じて作業を適応的に振り分けます。
Conductorは強化学習によって訓練され、自然言語ベースの協調戦略を自ら発見します。エージェント間のやり取りのパターンや、要点を絞ったプロンプトを設計することで、多様なLLMの集まりが単体のフロンティアモデルを上回る力を発揮できるようになります。
Sakana Fugu自体もLLM(大規模言語モデル)の一種であり、エージェントプール内のさまざまなLLMを呼び出すように訓練されています。さらに、自分自身を再帰的に呼び出す設計も備えていて、タスクが簡単であれば単独で回答し、複雑であれば複数モデルのチームを自動編成するという柔軟な動作が可能です。
Fugu MaxとFugu Ultra v2の特徴

Fugu MaxとFugu Ultra v2は、Sakana AIが公表したベンチマーク結果においてフロンティアモデルに匹敵、あるいはそれを上回る性能を示しています。
まずFugu Maxについては、Terminal Bench 2.1・GPQAD・AA-LCR・GDP.pdf・AutomationBench・SWEFishの6つのベンチマークで総合最高スコアを達成したと報告されています。さらに10のベンチマークのうち7つで、コストと性能のパレートフロンティアを押し広げたとされており、同価格帯のモデルの中では突出した効率性を発揮しています。
Fugu Ultra v2はさらに印象的で、視覚推論とデータ解釈を測るChartographyベンチマークで48.3を記録しています。これはOpus 5の27.3、Fable 5の29.5を大きく引き離す数値です。実務的なソフトウェア工学を測るDeepSWEでは74.3を記録し、トークン単価が3〜5倍高いモデルを上回りました。8つのベンチマークのうち5つで最高または同率最高、7つでトップ2に入る一貫した強さを見せています。
Fugu MaxとFugu Ultra v2の安全性・制約
Fugu MaxとFugu Ultra v2は、プロプライエタリなクラウドAPIとして提供されているため、オープンウェイトのダウンロードやセルフホストはできません。
また、2026年9月時点ではGDPRおよびEU固有の規制対応を進めている最中であり、EU・EEA域内ではサービスが提供されていません。海外からの利用は可能ですが、通信環境や現地の規制によってアクセスが制限される場合もあります。
モデルプールに関しては、Fugu Ultra v2とFugu Maxのどちらもエージェントプールが固定されています。標準のFuguでは特定のモデルを除外する設定が可能ですが、MaxとUltra v2ではコスト最適化・性能最適化のためにプールの変更はできません。エンタープライズ向けには個別対応のカスタマイズサービスが用意されています。
Fugu MaxとFugu Ultra v2の料金
Sakana Fuguの料金体系は、従量課金制のトークンプランと月額のサブスクリプションプランの2種類があります。用途や利用頻度に応じて選択できる柔軟な料金設計になっています。
従量課金プラン(トークンプラン)
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) | キャッシュ入力(100万トークンあたり) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Fugu Max | $2 | $6 | $0.25 | コンテキスト長にかかわらず一律。web_searchとweb_fetchは1回$0.007 |
| Fugu Ultra v2 | $5 | $30 | $0.50 | コンテキスト272K超の場合は$10/$45/$1.00 |
| Fugu(標準) | 基盤モデルの標準レート | 同左 | — | 複数エージェント稼働時も最上位モデルの単一レートで課金 |
| Fugu Cyber | 要問い合わせ | 要問い合わせ | — | 営業チームへの連絡が必要 |
サブスクリプションプラン(月額)
| プラン | 月額料金 | 利用枠 | 対象ユーザー |
|---|---|---|---|
| Standard Plan | $20/月 | 基準枠 | 軽量な日常利用、小規模な実験向け |
| Pro Plan | $100/月 | Standard Planの10倍 | 週に数回の集中的なコーディング・分析セッション向け |
| Max Plan | $200/月 | Standard Planの20倍 | 長時間の高負荷ワークロード向け |
Fugu MaxとFugu Ultra v2のライセンス
Fugu MaxとFugu Ultra v2は、オープンソースモデルではなくSakana AIのプロプライエタリなサービスとして提供されています。オープンウェイトの公開はなく、クラウドAPI経由でのみ利用できます。
| 利用用途 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 商用利用 | ⭕️ | API利用規約の範囲内で商用利用が可能 |
| 改変 | ❌ | モデルの重みは非公開。ファインチューニングや改変は不可 |
| 再配布 | ❌ | APIサービスとしての再配布は不可 |
| 特許利用 | – | |
| 私的利用 | ⭕️ |
利用規約においては、Sakana Fuguの出力を使ったモデルの蒸留(ディスティレーション)やデータ抽出によるLLMの学習は明確に禁止されています。また、利用データのモデル学習への活用についてはオプトアウトが可能で、コンソールページの設定からいつでも変更できます。
Fugu MaxとFugu Ultra v2の使い方
Fugu MaxとFugu Ultra v2は、OpenAI互換APIを通じて利用できます。既存のOpenAIクライアントをそのまま使えるため、SDK移行は不要です。今回は、APIキーの取得から実際にコードを動かすところまでをステップ・バイ・ステップで解説します。
APIキーの取得とセットアップ
APIキーを作成
コンソール画面からAPIキーを生成します。取得したキーは安全な場所に保管してください。

環境変数を設定
ターミナルで以下のコマンドを実行し、APIキーとベースURLを環境変数に設定します。
export SAKANA_API_KEY="your-api-key-here"
export SAKANA_BASE_URL="https://api.sakana.ai/v1"Python(OpenAI SDK)で利用する
OpenAI公式のPython SDKをそのまま使ってFugu MaxやFugu Ultra v2にリクエストを送ることができます。
OpenAI SDKをインストール
pip install openaiFugu Maxにリクエストを送信
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key="your-api-key-here",
base_url="https://api.sakana.ai/v1"
)
response = client.chat.completions.create(
model="fugu-max", # Fugu Ultra v2の場合は "fugu-ultra"
messages=[
{"role": "user", "content": "Pythonでフィボナッチ数列を生成する関数を書いてください。"}
]
)
print(response.choices[0].message.content)Fugu Ultra v2に切り替える場合
modelパラメータを fugu-ultra に変更するだけで切り替えが完了します。
response = client.chat.completions.create(
model="fugu-ultra",
messages=[
{"role": "user", "content": "分散システムにおけるCAP定理を、具体的なアーキテクチャ例とともに解説してください。"}
]
)curlコマンドで利用する
コマンドラインから直接リクエストを送る方法です。
curl https://api.sakana.ai/v1/chat/completions \
-H "Authorization: Bearer $SAKANA_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "fugu-max",
"messages": [
{"role": "user", "content": "機械学習におけるバイアスとバリアンスのトレードオフを説明してください。"}
]
}'Sakana Chatで無料で試す
APIキーなしで手軽に試したい場合は、Sakana Chat にアクセスすると、ブラウザ上でFuguモデルを体験できます。Pythonサンドボックス実行やHTMLプレビュー、Word・Excel・PDFの添付にも対応しています。

【業界別】Fugu MaxとFugu Ultra v2の活用シーン
Fugu MaxとFugu Ultra v2は、それぞれ異なる強みを持つため、業界やユースケースに応じた使い分けが重要です。ここからは代表的な活用シーンを業界別に紹介します。
ソフトウェア開発・IT
Fugu Ultra v2は、SWEFishやDeepSWEといったコーディング関連ベンチマークでトップクラスの成績を残しており、バグ検出・コードレビュー・大規模なコード生成に強みを発揮します。Sakana AI公式のユーザーボイスでは「他のツールが3件の問題しか見つけなかったところ、Fuguは20件以上を洗い出した」という報告もあります。
日常的なコーディングにはコストの低いFugu Max、品質が最優先の重要なレビューにはFugu Ultra v2という使い分けが効果的でしょう。
生成AIを搭載したSaaSについて、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

研究・学術
論文の再現実験や特許調査といった、長時間にわたる自律的な作業に向いています。公式のユーザーボイスでは、「約20本の論文にまたがるパテントランドスケープの作成が、普段3〜4日かかるところ数時間で完了した」という事例が紹介されています。
教育業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

金融・コンサルティング
膨大な規制文書の分析やマーケットリサーチの要約など、大量のドキュメントを横断的に処理するタスクにFugu Maxの低コスト・高効率な特性が活きます。100万トークンのコンテキストで複数資料を一括処理できる点が大きなメリットです。
金融業界における生成AI活用について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

【課題別】Fugu MaxとFugu Ultra v2が解決できること
続いて、Fugu MaxとFugu Ultra v2がどのような課題の解決に向いているのかを整理していきましょう。
API利用コストの削減
複数の生成AIモデルを業務で活用している場合、トークンコストが膨らみがちです。Fugu Maxは出力100万トークンあたり6ドルと、主要フロンティアモデルの40〜60%の水準に抑えられています。コスト効率を重視する大量バッチ処理や常時稼働エージェントの運用コスト削減に直結します。
特定モデルへのベンダーロックイン
特定のモデルプロバイダーに依存していると、API停止や料金変更、輸出規制などのリスクにさらされます。Fugu MaxとFugu Ultra v2は、交換可能なエージェントプールを採用しているため、1社のモデルに依存しない柔軟なインフラを構築できます。
複雑な多段階タスクの品質向上
単一モデルでは苦手な「論文を読み→実装し→学習し→評価する」といった多段階の自律型タスクにおいて、Fugu Ultra v2は複数の専門エージェントを連携させることでトータルの出力品質を高める設計になっています。公式の事例では、約4時間にわたる自律的な論文再現作業が報告されています。
Fugu MaxとFugu Ultra v2を使ってみた
それでは、実際にSakana Chatを使ってFuguの実力を試してみましょう。
今回は「マルチエージェント・オーケストレーションならではの強み」が出やすいタスクとして、複数の専門スキル(UI設計・JavaScript・データ処理・アニメーション)を横断する1つのプロンプトから、動くWebアプリを一発で生成できるかを検証してみました。
プロンプトはこちら
HTMLとJavaScriptだけで、以下の機能をすべて備えたインタラクティブなポモドーロタイマーを作ってください。
1. 25分の作業タイマーと5分の休憩タイマーを切り替えられるボタン
2. 残り時間を円形のプログレスバーでアニメーション表示
3. タイマー完了時にブラウザ通知と効果音(Web Audio APIで生成)
4. 完了したセッション数を記録し、棒グラフで「今日の作業実績」を表示
5. ダークモードとライトモードの切り替え
6. スマートフォンでも崩れないレスポンシブデザイン
1つのHTMLファイルで完結させてください。外部ライブラリは使わないでください。出力結果(一部抜粋)はこちら


実際に試してみたところ、こちらが指定した6つの要件に加えて、セッション記録のlocalStorage自動保存やキーボードショートカット対応まで自主的に実装してきました。生成されたHTMLファイルはSakana Chat上のプレビューでそのまま動作し、円形プログレスバーのアニメーションやダークモードの切り替えも問題なく機能しています。
要件を「盛る」方向に自走してくれるのは、複数エージェントが分担して生成するオーケストレーションならではの手厚さを感じました。ブラウザひとつで試せるので、気になった方はぜひ同じプロンプトを投げてみてください。
生成AI活用のご相談はWEELへ!
Sakana AIのFugu MaxとFugu Ultra v2は、「巨大な単一モデルを作る」という従来のAI開発競争とは異なるアプローチで注目を集めているモデルです。輸出規制の強化や地政学的リスクが現実味を帯びる中、複数モデルを束ねて柔軟に切り替えられるインフラの価値は今後ますます高まっていくでしょう。
弊社では、AI導入を検討中の企業向けに、業務効率化や新しい価値創出を支援する情報提供・導入支援を行っています。最新のAIを活用し、効率的な業務改善や高度な分析が可能です。
「生成AIで新しいプロダクトを作りたい」「もっと本格的に生成AIを業務に組み込みたい」とお考えの方は、ぜひ株式会社WEELにご相談ください。
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント
などの開発実績がございます。
生成AIを活用したプロダクト開発の支援内容は、以下のページでも詳しくご覧いただけます。
➡︎株式会社WEELのサービスを詳しく見る。
アイデア段階でも構いません。まずは無料相談でお気軽にご相談ください。
➡︎生成AIを活用したプロダクト開発・業務効率化について相談する

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、大規模言語モデル(LLM)を対象に、言語理解能力、生成能力、応答速度の各側面について比較・検証した資料も配布しております。この機会にぜひご活用ください。


