生成AI・LLMを搭載したSaaSとは?メリットやおすすめツール10選を紹介

生成AI LLM SaaS メリット おすすめツール

WEELメディア事業部AIライターの2scです。

みなさん、生成AIが使えるSaaSをご存知ですか?

ChatGPTの登場以降、評価額10億ドル超えの生成AI系SaaSスタートアップが世界中で誕生しているんです!

当記事では、そんな生成AI搭載型SaaSについて、その仕組みやメリットを紹介していきます。

さらに国内で開発された生成AI搭載型SaaSについても10個紹介しておりますので、完読いただくと社内DXが捗るはずです。

ぜひ最後までお読みください!

目次

生成AI搭載型のSaaSとは?

ここでは注目が集まっている生成AI搭載型のSaaSについて、概要をお伝えします。まずはSaaSに搭載されている生成AIの種類から、詳しくみていきましょう!

SaaS / Software as a Service:ネットワーク経由で利用できるソフトウェア&アプリを指します。社内システムのクラウド化と相性がよいため、DXの一環として各社での導入が進んでいます。

搭載される生成AIはおもにLLM

SaaSに搭載されている生成AIの多くは「大規模言語モデル / LLM」という種類のものです。ChatGPTのGPT-3.5やGPT-4、BardのPaLMやGeminiがLLMに該当します。

このLLMの強みとしては……

● 自然言語、とくにテキストの処理に優れる
● プロンプト(入力)に対し、人間さながらの回答を返してくれる
● 新しい情報が生成できる
● 1つのモデルで幅広いタスクに対応できる
 →質疑応答 / 文章作成 / 情報の検索&抽出 / 機械翻訳 / 感情分析…etc.

といったことが挙げられます。

次の見出しで、このLLMとSaaSのコンビにできることをみていきましょう!

参考記事:生成AI×SaaSをまとめた「Japan Generative AI Application Landscape」を公開 丨Perspective丨One Capital, Inc

生成AI搭載型のSaaSにできること

これまでにマーケティングやWeb制作、営業など、様々な業務に特化したSaaSがリリースされてきました。そんなSaaSと汎用性に富んだ生成AI(LLM)を、組み合わせると……

  • 各種文書の作成や要約
  • 会議の文字起こし
  • メール対応の自動化
  • 事業のアイデア出し
  • ヘルプデスク業務

などの細かな業務が効率化できてしまうんです!

ただ、業務の効率化自体は素の生成AIだけ(ChatGPT)でも達成が可能です。

ではなぜ、生成AI搭載型のSaaSが続々と登場しているのでしょうか?次でその理由を詳しく解説します。

ちなみに生成AI搭載型SaaSの大半は、ChatGPT APIとAzure OpenAI Service、そしてベクトルデータベースの組み合わせからなります。

生成AIをSaaSに搭載するメリット4つ

ここからは、生成AIをSaaSに載せるメリット4点を紹介していきます。以下を読めば、単体でも活躍できる生成AIをわざわざSaaSに組み込む理由がわかるはずです。

まずはセキュリティ面のメリットから、詳しくみていきましょう!

API経由で安全に生成AIが使える

生成AI搭載型のSaaSでは、単体のChatGPTと違って、情報の機密性が保たれています。

ChatGPTやBardなどの生成AIサービスは、ユーザーが入力したデータを学習に使います。そのため社内文書、とくに機密情報を扱うタスクには向いていません。

ただChatGPTの場合は一つだけ抜け道があって……

OpenAI does not use data submitted to and generated by our API to train OpenAI models or improve OpenAI’s service offering. In order to support the continuous improvement of our models, you can fill out this form to opt-in to share your data with us.

(和訳)OpenAIは、OpenAIのモデルをトレーニングしたり、OpenAIのサービスを改善するために、APIに送信されたデータやAPIで生成されたデータを使用することはありません。OpenAIのモデルの継続的な改善をサポートするために、このフォームにご記入いただき、OpenAIとお客様のデータを共有することをオプトインしてください。

引用:https://help.openai.com/en/articles/5722486-how-your-data-is-used-to-improve-model-performance

このようにAPI経由で送信されたデータを学習に使わない、という規約が定められているのです。多くのSaaSでは、この特性を活かしてAPI経由でChatGPTを動作させています。

参考記事:How your data is used to improve model performance | OpenAI Help Center

クラウド側のセキュリティ対策も万全

生成AI搭載型SaaSでは多くの場合、APIと並行してMicrosoft Azureの「Azure OpenAI Service」が採用されています。こちらはChatGPTのモデル(GPT-3.5 / GPT-4など)がAPI経由で使える、クラウド上の開発環境です。

そんなAzure OpenAI Serviceの魅力はなんといっても、Microsoft Azureならではのセキュリティ機能でしょう。たとえば……

  • データの暗号化
  • アクセス制御
  • 監査ログ

といった機能で、社内データの機密性を保ってくれるのです。

参考記事:Azure OpenAI service|Microsoft Azure|法人向け|ソフトバンク

生成AI単体よりも的確に効率化できる

素の生成AIは各社の業務内容を知りません。たとえば弊社・株式会社WEELのモットーについて、ChatGPTに聞いてみると……

このように答えられない、との回答が返ってきます。これでは業務への応用が効きませんよね。

対して生成AI搭載型のSaaSの多くは、社内データを回答に反映させる機能「ベクトルデータベース」を内蔵しています。その特徴は以下のとおりです。

ベクトルデータベースの特徴
  • 自社データをプロンプトに加筆、API経由で生成AIに送信する
  • 質問に関係するデータだけを加筆する(トークン数を節約)
  • 本来生成AIが知り得ない情報についても、回答が可能となる

このベクトルデータベースと生成AIを搭載したSaaSであれば、業務ごとに的確な処理が行えます。さらにSaaS側のツールと組み合わせることで、ChatGPT以上の効率化が図れるでしょう。

生成AIの知識がなくても使いこなせる

素の生成AIを使いこなすには、プロンプトの書き方をマスターしておく必要があります。以下に示すChatGPTのプロンプトで、その例をみてみましょう。

私は市場に行って10個のリンゴを買いました。隣人と修理工に2個ずつ渡しました。それから5つのリンゴを買って1つ食べました。残りは何個ですか?

こちらは答えが「10個」になる、簡単な文章題なのですが……

以上のとおりプロンプトが不十分だと、うまく処理が行われません。

対して生成AI搭載型のSaaSでは、正しく処理を行うための工夫がなされています。たとえば……

  • 正しいプロンプトのテンプレート集
  • ワンクリックで処理が行えるUI

といった、デフォルトの生成AIにはないギミックが盛り込まれているのです。

なお、ベクトルデータベースについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Llamaindexを使った開発とは?流れ、費用相場、開発事例を紹介

生成AIの機能がメインの国産SaaSを5つ紹介

ここからは、生成AI機能をメインとした国産SaaSを5つ紹介します。IT人材不在の一般企業でも気軽に生成AIを使ってみたい、という方におすすめです。

法人GAI

株式会社ギブリーの「法人GAI」は、Azure OpenAI Serviceのセキュアな環境でGPT-4のテキスト処理機能が使えるSaaSです。営業・カスタマーサポート・人事の業務に適性があります。

そんな法人GAIは「プロンプト要らずの処理」が魅力で……

● アップロードした自社データとの連携
● 自社データに基づくタスクの提案
● ダッシュボード上でのユーザー分析やアカウント管理

といった機能が、マウス操作で使えてしまうんです!さらに100種を超えるプロンプトのレシピが付いてくるため、初心者の方でもGPT-4がフル活用できるでしょう。

公式サイト:法人GAI

Catchy

広告コピーからLINEの返信まで、ライティングのタスクであれば、株式会社デジタルレシピの「Catchy」がおすすめです。

ChatGPTを搭載したCatchyは、あらゆるシーンでのテキスト生成をサポートしていて……

● キャッチコピー
● Web記事
新規事業のアイデア
● YouTubeの企画
● LINEの返信
● セールスメール
…etc.

といった、幅広いニーズに対応できる100種類以上のツールが付属しています。どの企業でも活躍してくれそうですね。

公式サイト:Catchy

ChatMee Pro powered by GPT-4

株式会社AVILENの「ChatMee Pro powered by GPT-4」は、社内ヘルプデスク業務を自動化してくれるSaaSです。その魅力は……

● Azure OpenAI ServiceとChatGPT APIによる強固なセキュリティ
● Slackなど、社内SNSとの連携機能
● 様々な形式のデータがアップロード可能
 →Word / Excel / PowerPoint / PDF / TXT/ HTML / Markdown…etc.
● モバイル端末からも使用可能

となっています。24時間365日いつでもスタッフの疑問が解消できるので、業種を選ばずおすすめですよ。

公式サイト:ChatMee|ChatGPTを安全にビジネス活用|AVILEN

Spiral.Bot

Spiral.AI株式会社が送るSaaS「Spiral.Bot」なら、ノーコードでChatGPTがカスタマイズできます。しかも他の生成AI搭載型SaaSにはない特徴があって……

● ブラウジング機能(独自開発)
● キャラクターや口調の設定機能
● 回答へのフィードバック機能(独自開発)

といった、ベクトルデータベースだけでは実現しえない機能が搭載されているんです!

そんなSpiral.Botなら、ChatGPTを使って他社とは違うサービスを作りたい、という目的を叶えてくれるでしょう。

公式サイト:Spiral.Bot

SOUNDRAW

SOUNDRAW株式会社が送る「SOUNDRAW」は、一風変わった生成AI搭載型SaaSになります。その機能は、音楽の知識がなくても数秒で著作権フリーの楽曲が作れる、というものです。

このSOUNDRAWは、クリエイティブ目的の生成AIツールにありがちな問題を克服していて……

● 学習データは社内の音楽プロデューサーが作成
● SpotifyやAppleMusicでの配信&収益化が可能
● SNS受けするジャンルの楽曲が得意
 →HipHop / Trap / R&B / Latin…etc.

このように、炎上するどころかバズるSaaSになっています。マーケティング業界の方は、要チェックです!

公式サイト:AI Music Generator – SOUNDRAW

既製品に生成AIをプラスした国産SaaSを5つ紹介

ここからは、生成AI機能を追加してリニューアルしたSaaSを5つ紹介します。もともとの商品力に磨きがかかったSaaSをご覧ください!

Helpfeel

株式会社Helpfeelの「Helpfeel」はもともと、FAQサイトの検索性を高めてくれるSaaSでした。世界初のアルゴリズム「意図予測検索」を搭載していて……

● 検索ヒット率98%を達成
● 漢字 / かな / スペルミスなど、表記ゆれや抽象表現をも理解
● 回答の前に、検索意図にマッチするクエリを提示
● 応答速度が従来の約1000倍速

このように生成AI抜きでも、革新的なSaaSになっているんです。

そんなHelpfeelは、新たに生成AI機能を獲得!記事の作成 / 検索チューニング / 問い合わせ対応など、カスタマーサポートの業務が手助けできるように進化しました。

公式サイト:Helpfeel

Knowledge Work

株式会社ナレッジワークの「Knowledge Work」は、営業部門向けのSaaSです。まずは従来のKnowledge Workの機能をご覧ください。

● 営業資料 / 営業動画 / 過去提案書 / 営業ノウハウの検索機能
● 営業スタッフ向けの教材テンプレート
● 各種ツールとのシームレスな連携機能
 →CRM / SFA / ファイルストレージ / チャットツール / シングルサインオン…etc.
● スタッフの学習状況の分析機能

以上のとおり、Knowledge Workは若手営業スタッフをサポートしてくれるSaaSでした。

そこにChatGPTの機能が新たに追加、チャット形式での営業資料・ノウハウの提供が実現しています。

公式サイト:ナレッジワーク
参考記事:ナレッジワーク、ChatGPTを利用した「Knowledge AI Chat」をリリース

ferret One

株式会社ベーシックが送るマーケター向けSaaS「ferret One」は、Webサイトの立ち上げから日々の施策までをサポートしてくれます。

このferret Oneはもともと、Webサイトのひな形や施策の分析機能など、BtoBマーケティングに役立つツールが充実していました。そこにChatGPTが加わることで……

● 記事やメールの文章生成
● 文章の添削
● 広告コピーやセミナーの案出し

といった新機能が実現しています。

さらにUI側でプロンプトが設定済みのため、生成AIの知識がなくとも使いこなせてしまうんです!企業で孤軍奮闘する「ひとりマーケター」の方々にうってつけですね。

公式サイト:ferret One(フェレットワン)

STUDIO AI

「STUDIO」は、同名の会社が送るノーコードWebサイトビルダーです。コーディングやサーバー設定を抜きに、ワンクリックでデザイン性の高いWebサイトが作れます。

そんなSTUDIOに新たに加わったのが、生成AI搭載型の「STUDIO AI」です。STUDIO AIでは、GPTやその他のモデルを組み合わせて……

● テキストや音声によるデザイン編集
● 抽象的なデザイン案の反映
 →「ファーストビューにふわっとした感じを出して」といった命令も理解

といった機能を実現しています。

国内向け公式サイト:STUDIO | Web制作を、ノーコードで。
国外向け公式サイト:STUDIO AI

THROTTLE

株式会社Relicの「THROTTLE」は、新規事業開発に特化したイノベーティブなSaaSです。15,000を超える新規事業支援で培ったノウハウが詰まっていて……

【アイデア出し】
● フレームワークの提供
● イノベーションデータベースとの連携

【アイデアの応募】
● 応募フォームのひな形
● 応募者 / 審査員 / 管理者登録

【アイデアの評価】
● 統計 / 分析 / レポート

【アイデアの実行】
● サンプリング
● 資金調達支援

といった機能でマネジメントを支えてくれていました。

そんなTHROTTLEに新たに加わったのが、ChatGPTを使った「事業アイデア創出AI」です。ロジックだけでは成功しない新規事業開発に、圧倒的な手数を与えてくれます。

公式サイト:Throttle(スロットル)|新規事業を加速
参考記事:【突撃!隣のプロンプト!】株式会社Relic 田中 翔太良さんに聞く、事業アイデア創出AI

弊社の開発サービスについて

弊社・株式会社WEELでも、ChatGPT API / Azure OpenAI Service / ベクトルデータベースを駆使した業務用AIツールの開発を承っております。弊社開発サービスの強みとしては……

● 各業界に特化したAIツールが開発可能
● 適切なデータ変換で、既成ツール超えの精度を実現
● 適宜、公式や無料のツールも提案
● SaaS開発実績あり

となっております。

なお開発のプランについては、規模に応じてPoC開発とソリューション開発の2つを用意させていただきました。各プランの費用や詳細については、下表をご覧ください。

PoC開発ソリューション開発
期間2〜4ヶ月4ヶ月〜
内容・データ処理
・環境構築
・プロトタイプ開発
・検証
・コードの提出
・検証結果報告
PoC開発の内容に加え、
・システムの要件定義書作成
・AIシステムの開発
・社内システムとの連携
・AIシステムの実装
・運用
見積もり額¥2,400,000〜4,800,000¥13,200,000〜
開発事例・専門領域における試験問題の生成
・カスタマーサポートの代替
・業界特化型チャットボットの作成
・人事評価の代替
・お問い合わせの自動対応機能
・研修用補助AIの作成
・デジタルクローンの作成

まずは無料相談で「SaaS抜きにChatGPTだけで実現できないか」といったタブーに切り込む話題も含めて、ノウハウを共有させていただきます。ぜひ、貴社のお困りごとをお聞かせください!

なお、生成AIツールの開発費用について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIツールの開発費用が高い!コストを下げる2つの方法をご紹介

国内でも、生成AI搭載型のSaaSが急増中!

当記事では、業務が自動化できてクラウドとの相性が良い「生成AI搭載型SaaS」について、紹介しました。もう一度、その特徴について振り返っていきましょう!

● 幅広い雑務(おもに文書作成)を自動化してくれる
● API経由で安全に生成AIが使える
● クラウド側のセキュリティ対策も万全
● 生成AI単体よりも的確に効率化できる
● 生成AIの知識がなくても使いこなせる

このように、生成AI搭載型SaaSは「DXの救世主」ともいえるツールなんです。

国内でも生成AIを搭載したSaaSが続々と出てきています。来たる「2025年の崖」に備えて、DXを推進している各社に朗報ですね。

サービス紹介資料

生成系AIの業務活用なら!

・生成系AIを活用したPoC開発

・生成系AIのコンサルティング

・システム間API連携

最後に

いかがだったでしょうか?

弊社では

・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
ハルシネーション対策AIツールの開発
自社専用のAIチャットボットの開発

などの開発実績がございます。

まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。

➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。

生成AIを社内で活用していきたい方へ
無料相談

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。

セミナー内容や料金については、ご相談ください。

また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。

投稿者

  • 2sc

    テクニカルライター 大学時代はアリの生態を研究。 ラボで唯一、Pythonを使ってデータ分析を効率化していた。 現在はライターとして、オウンドメディアや学術記事の執筆に当たっている。

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