生成AIを使った新規事業開発!活用事例やメリット、デメリットも紹介
WEELメディア事業部リサーチャーのいつきです。
最近巷で話題になっている生成AIを使い、新規事業の立ち上げを計画するも、考えがまとまらずに困っている方は多いのではないでしょうか。
すでにいくつかの企業が生成AIで新規事業の立ち上げを進めているので、この流れに乗り遅れると、新規事業で成功するチャンスが狭まっていくことになるでしょう。
そこで今回の記事では、生成AIを新規事業で導入した企業や自治体の事例をご紹介します。
生成AIを導入するメリットやデメリットについてもご紹介しているので、最後まで目を通せば生成AIを使った新規事業の成功率が高まるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
生成AIを新規事業や業務効率化で導入した企業や自治体の活用事例
早速、生成AIを新規事業や業務効率化のために導入した企業や自治体の活用事例をご紹介します。
今回ご紹介するのは、以下5つです。
- ライブドア|ライブドアニュース24
- アサヒビール|Create Your DRY CRYSTAL ART
- ソフトバンク|Azure OpenAI Service スターターパッケージ
- NEC|動画から説明文章を自動生成する技術を開発
- 東京都港区|まちの子育てAIパートナー
新規事業の詳細や生成AIの活用方法などをそれぞれ解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
ライブドア|ライブドアニュース24
ライブドアが新規事業として新たに始めた「ライブドアニュース24」は、AIによって24時間ニュースを配信するサービスです。このサービスには、ChatGPTや自動音声技術を駆使した生成AIが活用されています。※1
配信するニュースはライブドアニュースの記事を元に、AIが原稿の作成から音声による読み上げ、動画配信までの一連の流れを自動化しているのが特徴です。
人間ではなくキャラクターをキャスターに採用しているのは、VTuber文化が根付いていた現代の若者へのアプローチを深めるためとのこと。このような取り組みはぜひ真似していきたいですね!
アサヒビール|Create Your DRY CRYSTAL ART
アサヒビール株式会社が発表した「Create Your DRY CRYSTAL ART」は、画像生成AIを用いた体験型プロモーションです。自分の画像と任意のテキストをアップロードすると、Asahi Dry Crystalを楽しんでいるオリジナル画像を作成できます。※2
画像を生成する仕組みとしては、画像生成AIの「Stable Diffusion」を活用しているのが特徴。水墨画風やアニメ風といった指示を与えることで、作画自体を変えることもできます。
この新規事業の目的は、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の認知力向上や購買促進なので、同じように商品の宣伝をしたい企業が取り入れられそうですね!
「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」のブランドサイト内で公開されており、満20歳以上であれば誰でも利用できるので、試しに使ってみてはいかがでしょうか。
ソフトバンク|Azure OpenAI Service スターターパッケージ
ソフトバンクが新規事業として開始した「Azure OpenAI Service スターターパッケージ」は、マイクロソフトが提供している「Azure OpenAI Service」を導入する企業向けに展開するパッケージソリューションです。※3
具体的には、以下のようなサポートが含まれます。
- 生成AIを導入する対象業務の選定
- 安全性の高い環境構築
- 基礎知識の学習機会の提供
- 人材育成
- 教師データの作成
- ガイドラインの整備
上記をまとめると、生成AIを導入するための計画を一緒に考え、生成AIのトレーニングや生成AIを利用できるAI人材の育成までフルサポートしてくれるサービスです。
また、ソフトバンク自体もAIチャットを全従業員約2万人に対して導入したノウハウがあるので、これを活かした提案やサポートが受けられるとのこと。
すでに株式会社みずほフィナンシャルグループなどが導入しているため、生成AIの導入で悩んでいる方は利用してみるのもよいかもしれませんね!
NEC|動画から説明文章を自動生成する技術を開発
NECは、大規模言語モデルと映像認識AIを組み合わせ、「長時間の動画から利用者の目的に応じた短縮動画と説明文章を自動生成する技術」を開発しました。※4
この技術をドライブレコーダーに組み込むことで、事故発生時の状況や発生に至った経緯などを説明する文章と短縮動画を自動で生成できるとのことです。
さらに、損害保険金請求や交通安全指導などに向けた事故調査報告書を、フォーマットに合わせて自動作成できるとのなので、自動車を所有している多くの企業で導入が期待できそうですね!
なお、NECはこの技術の試用版を2024年3月に提供する予定と公表しています。
東京都港区|まちの子育てAIパートナー
東京都港区は、株式会社Bot Expressと連携協定を結び、「まちの子育てAIパートナー」の開発に取り組んでいます。これは港区内の子育て世帯に対し、テクノロジーを活用した行政サービスを提供することを目的としています。※5
具体的には、港区LINE公式アカウントに対話型のAI機能を実装し、子育てを一緒に並走してくれるとのこと。子育て関連の行政手続きをオンラインで受け付けられるような機能を実装し、病院や施設予約などのあらゆる手続きを迅速に行えるようにするとのことです。
公式LINEへのAIチャットボット実装は、顧客の不安や悩みを解決することを目的として多くの企業で推進されていくと考えられるので、ぜひ新規事業として取り入れてみてはいかがでしょうか。
新規事業とは別に、生成AIで社内業務を効率化した事例が気になる方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説
生成AIの面白い活用事例を紹介
生成AIを活用することで、業務効率化が可能になりますが、使い方はそれだけではありません。この章では、少し変わった使い方をした生成AIの活用事例を紹介します。
紹介する事例は以下のとおりです。
- サントリー
- LIFULL
- 伊藤園
- ユーハイム
それぞれを紹介していきます。
サントリー|生成AIによるCM企画
サントリー食品インターナショナルは、生成AIからのアドバイスを参考に作られた「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」を公開しています。
生成AIからのアドバイス内容は以下のとおり。
- 起用するキャスト
- どのような企画CMにするか
作られたCMはこの他にもあり、バレエダンサーが高速回転するものや回転するドーナツに乗って旅をするもの、逆立ちして踊って空を飛ぶものなどがあります。
このように生成AIを使うことで、なかなか人が想像できないような内容の広告が作れるという事例です。
LIFULL|1万通りのふわちゃんの画像作成
LIFULLは、タレントのふわちゃんを生成AIを使って1万通りの画像を作成し、広告として利用しました。
コンセプトは”多様な「しなきゃ、なんてない。」”というテーマが用いられており、SNS企画に参加することで、メッセージとふわちゃんの画像が1枚届きます。
この企画を通じて、自分らしい生き方を見つけ、社会の多様性を受け入れるきっかけを提供したいという思いで、企画された事例でした。
伊藤園|日本初のAIタレントの起用
伊藤園は、テレビCMに生成AIで作成されたモデルを起用しました。
日本のテレビCMではAIタレントの起用ははじめてで、「お~いお茶 カテキン緑茶」で使われており、SNS上では大きく話題になりました。
生成AIをモデルとして使うことは著作権や肖像権が気になりますが、問題はないとのことです。
ユーハイム|AIを利用したバームクーヘン作り
お菓子を製造する企業のユーハイムは、AIを搭載したバームクーヘン専用オーブン「THEO(テオ)」を開発しました。
AIに職人の技を学習させ、長年の修業を受けたかのような質の高いバームクーヘンを焼き上げられるようです。
職人が焼き加減を見て臨機応変に対応するようなことも、THEOも再現できます。そのため、職人が焼き上げたかのようなバームクーヘンを作れるのです。
2024年4月10日現在は、日本全国16か所で利用されています。
生成AIを新規事業で活用するメリット
生成AIを新規事業で活用すると、以下3つのメリットがあります。
- 人手不足が解消される
- 業務品質と生産性が向上する
- データの分析と活用を効率化できる
それぞれのメリットについて、詳細を以下でみていきましょう。
人手不足が解消される
生成AIを活用することで業務の生成性が大幅に向上するので、その分人手不足が解消されます。とくに、報告書や議事録の作成など、単純な事務作業の多くは生成AIで効率化できるので、単純作業に費やしていた労力を新規事業に費やせるのが魅力です。
現在、日本は少子高齢化社会として労働人口が減少の一途を辿っていますが、生成AIが普及していけば人手不足で悩まされる企業は減るでしょう。
多くの人手を必要とする企業においても、採用の強化と並行して生成AIの導入を検討してみることをおすすめします。
業務品質と生産性が向上する
生成AIを導入すれば、業務品質や生産性の向上も期待できます。理由は、生成AIはこれまで学習して溜め込んだ情報を活用して、人力では到底成し得ない業務量をこなしたり、正確に識別したりできるためです。
一例として、製造現場で導入が進んでいる外観検査システムが有名です。画像認識AIを活用しており、パーツの不備を見分けるのに役立ちます。人間の目で確認する手間が省けるので、品質と生産性のどちらも高まること間違いありません。
新規事業で生成AIを活用すれば、はじめから業務品質や生産性を高い次元で維持できるでしょう。
データの分析と活用を効率化できる
生成AIは、データの分析や活用を効率よく行うためにも役立ちます。ショッピングサイトなどで導入すれば、顧客の好み・行動履歴などのデータを分析し、それに基づいたコンテンツやサービスを提案できるので、顧客満足度を向上させる要因となるでしょう。
また、企業の需要予測に活用できるのもポイント。新規事業で仕入れが伴う場合は、過剰在庫などのリスクを軽減できます。
さらに、生成AIにこれから始める事業のノウハウなどを学習させれば、作業員の教育にも使えて便利です。
生成AIを新規事業で活用するデメリット
生成AIを新規事業で活用する際は、以下3つのデメリットがあります。
- 導入に多額のコストがかかる
- セキュリティリスクがある
- 誤った情報が出力される可能性がある
とくに、生成AIの取り扱いに失敗すると、誤った情報を間に受けたり、セキュリティ上のトラブルが発生したりする可能性があります。
これらは企業としての信頼を失うことにつながるため、十分注意しなければなりません。
以下で、デメリットを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
導入に多額のコストがかかる
生成AIの導入には多額のコストがかかります。かかる費用は導入するAIの種類や工程によって異なり、規模によっては1,000万円以上かかるケースも珍しくありません。
そのため、計画もなく闇雲に生成AIを導入すると、大きな損失を出すことになるでしょう。よって、生成AIを導入する際は、費用対効果なども計算したうえで、綿密な計画を練る必要があります。
なお、生成AIの導入費用について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIを社内に導入する費用が高い?導入費用の内訳や費用対効果、コスト削減の事例を紹介
セキュリティリスクがある
生成AIにはセキュリティリスクが存在します。例えば、他社がリリースしているAIチャットボットに秘匿性の高い情報を入力してしまい、企業の重要な情報が漏れ出てしまうケースなどです。
AIチャットボットは、回答精度の向上を目的として入力された情報を保存・学習することがあるため、ほかのユーザーが同じAIチャットボットを利用した際に、自社の重要な情報を出力してしまう可能性があります。
このような事態を防ぐためにも、初めから入力した情報を生成AIの学習に利用しないAIチャットボットを導入し、並行して従業員の教育にも力を入れましょう。
誤った情報が出力される可能性がある
ご存知の方も多いと思いますが、生成AIから出力される情報が必ずしも正しいものとは限りません。これを理解していない方が生成AIを利用すると、誤った情報を自社サイト等に載せてしまい、信頼を失う可能性があります。
また、生成AIがもっともらしい嘘を出力する「ハルシネーション」という現象にはとくに注意しましょう。ハルシネーションが原因で企業が訴訟された事例まで存在するので、生成AIが出力した情報は必ず真偽を確かめる必要があります。
なお、ハルシネーションについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ハルシネーションとは?AI利用でよくある原因や対策、検知する方法をご紹介
生成AIを新規事業に活用しよう
生成AIを新規事業に活用する際は、すでに活用した企業や自治体の事例が参考になります。
今回の記事でご紹介した事例を再度まとめました。
- ライブドア|ライブドアニュース24
- アサヒビール|Create Your DRY CRYSTAL ART
- ソフトバンク|Azure OpenAI Service スターターパッケージ
- NEC|動画から説明文章を自動生成する技術を開発
- 東京都港区|まちの子育てAIパートナー
基本的には、人力では採算が合わなかった量のタスクをこなしたり、人力では対応できないスピードでタスクをこなすといった新規事業が立ち上げられています。
さらに、紹介した面白い生成AIの活用事例を以下にまとめました。
- サントリー|生成AIによるCM企画
- LIFULL|1万通りのふわちゃんの画像作成
- 伊藤園|日本初のAIタレントの起用
- ユーハイム|AIを利用したバームクーヘン作り
生成AIは多くのタスクを処理するのに優れていますが、それだけでなく人ではなかなか思いつかないことを提案してくれます。
活用方法を考えてみることで、大きな話題を呼ぶこともあります。
また、生成AIを新規事業で活用するメリットを以下にまとめました。
- 人手不足が解消される
- 業務品質と生産性が向上する
- データの分析と活用を効率化できる
上記3つのメリットを受けられることにより、顧客満足度の向上や企業利益の向上に発展します。
ただし、以下のようなデメリットもあるので、生成AIの導入は慎重に検討しなければなりません。
- 導入に多額のコストがかかる
- セキュリティリスクがある
- 誤った情報が出力される可能性がある
上記3つのデメリットは、最悪の場合企業としての信頼を失うことにつながります。よって、生成AIを新規事業で導入する際は、綿密な計画を練ることが大切です。
今回ご紹介した企業や自治体の事例も参考にしながら、ぜひ生成AIを新規事業に活用してみてください。
生成系AIの業務活用なら!
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最後に
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・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
・ハルシネーション対策AIツールの開発
・自社専用のAIチャットボットの開発
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