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大規模言語モデル(LLM)とは?仕組みや代表例、サービス、できることを紹介

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WEELメディア事業部リサーチャーの中井です。

最近、話題の「大規模言語モデル」を知っていますか?

大規模言語モデルは、文章の生成や要約、プログラミングコードの作成、エラーの特定ができます。

大規模言語モデルである「ChatGPT」は、2023年11月時点で、少なくとも1億人以上のユーザーが利用しています。

このように、多くのユーザーが利用している理由は、自然言語処理能力が高いからです。本当の人間が書いたような文章を生成できるため人気があります。

この記事では、大規模言語モデルの基本や仕組み、活用方法、使用する際の問題点を詳しく解説します。

最後まで読んだ方は、生成AI全種類の中での大規模言語モデルの立ち位置が理解できるはず……です。

なお弊社では、生成AIツール開発についての無料相談を承っています。こちらからお気軽にご相談ください。

目次

大規模言語モデル(LLM)とは?

みなさんは大規模言語モデルとは、どのようなものか正しく理解していますか?

大規模言語モデルとは、大量のテキストデータを学習し、人間のように自然な文章を生成・理解する機械学習モデルです。

ここでは大規模言語モデルの基本からAI全体での立ち位置について詳しく解説します。

ぜひ、参考にしてください。

基本のキ!「言語モデル」とは

言語モデルとは、文章や単語の出現パターンを予測するシステムです。

このモデルは、自然な会話や文章がどのように構成されるかを数学的に分析し、それに基づいて確率を割り当てます。自然な文章には高い確率を、不自然な単語の組み合わせには低い確率を与えることで言語の流れを理解しやすくします。

特に、ニュートラルネットワークを用いた大規模言語モデルは、複雑な文章や会話のパターンを学習し自然で人間らしいテキスト生成や言語理解が可能です。

大規模になったのは3点!

大規模言語モデルは、計算量やデータ量、モデルパラメータ数の3つを大規模化した技術です。

巨大化したことにより、コンピュータが処理する仕事量や入力される文章データの量、ディープラーニングのパラメータが増加し、モデルの性能が向上しています。

OpenAIの研究により、計算量やデータ量、パラメータ数の増加によって性能向上につながることが証明されており、ChatGPTもこの技術を活用しています。

AI全体で、大規模言語モデルの立ち位置は?

大規模言語モデルは、AI技術の中でも特に進化している分野です。

これらのモデルは、インターネット上の膨大なテキストデータを分析し、言語のパターンを学習します。その結果、自然言語処理の能力が飛躍的に向上し、より人間らしい会話や文章生成が可能です。

AI全体において、大規模言語モデルは言語理解と生成の精度を高める重大な役割を担っており、チャットボットや文章校正、自動翻訳など幅広い分野での応用が進んでいます。

大規模言語モデルにより、人間とAIのコミュニケーションがより自然で効率的になるでしょう。

なお、ChatGPTの企業導入事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
ChatGPTの日本企業導入事例をまとめて紹介!業務に導入するメリットや注意点も解説

大規模言語モデル(LLM)が文章を生成する仕組み

大規模言語モデルの理解には、3つのプロセスが重要です。

これから紹介するプロセスは、連携することで言語を理解し、新たな文を作り出す能力を実現します。

それぞれのプロセスについて、わかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

トークン化

トークン化とは、大規模言語モデルがテキストを理解するための最初のステップです。このプロセスでは、テキストを小さな単位(トークン)に分割します。

例えば、日本語では形態素、英語では単語や句読点がトークンになります。この分割により、コンピュータはテキストを数値データに変換しやすくなり、テキストの意味や構造を把握できます。

トークン化はLLMがテキストデータを効率的に解析し理解するために不可欠なプロセスです。

エンコード

エンコードは、トークン化された単語の関連性や意味を数値データに変換するプロセスです。そのため、モデルは単語間の関係を理解し、文脈を把握します。

具体的には、「学校」という単語が特定の数値パターンに変換され、その文脈内での意味をモデルが解釈するのです。

エンコードにより、モデルは単語の意味を数値データとして解釈し、より複雑な文脈やニュアンスを理解できます。

デコード

デコードは、エンコードされたデータを使って、次に続く言葉を予測するプロセスです。そのため、モデルは新しい文を生成したり、質問に答えたりできます。

例えば、「学校に行く」という文脈で「次は何をするか」という問いに対して、「勉強する」と予測するでしょう。

デコードにより、モデルは与えられた情報を基にして新しい内容を生成し、対話や文章生成において自然な応答を提供できます。

これらのプロセスは、大規模言語モデルが複雑な言語タスクを処理するための基盤を形成しています。それぞれが連携することで、モデルがより人間に近い言語理解と生成能力を持つことを可能にしているのです。

代表的な大規模言語モデル(LLM)を5つ紹介!

代表的な大規模言語モデルを5つ紹介します。

パラメータ数とは、大規模言語モデルを構成するニュートラルネットワークの「脳の神経細胞のような部分」がどれだけあるかを示す数値です。

パラメーター数が多ければ多いほど、モデルは複雑な情報を学習し、理解する能力が高くなります。

ぜひ、下表・モデル一覧を参考にしてください。

モデル名パラメータ数リリース年開発元
GPT-31750億2020年OpenAI
GPT-4約100兆2023年OpenAI
BERT3億4000万2018年Google
PaLM5,400億2022年Google
LLaMA70億、130億、330億、650億2023年Meta

なお、GPT-4の使い方について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
ChatGPT Enterpriseとは?無制限GPT4の使い方〜導入までを解説

大規模言語モデル(LLM)を応用した3大サービス

ここでは、大規模言語モデルを応用した3大サービスを紹介します。

ChatGPTやBardBingAIについて紹介し、それぞれの特徴とAIの基本概要を簡潔に解説しています。

これから紹介する情報は、各サービスを使ったAIツールの開発に役立ってくれるはず……

ぜひ、参考にしてください。

OpenAIの「ChatGPT」

OpenAIのChatGPT」は、膨大なテキストデータを学習した大規模言語モデル(LLM)です。これは、自然言語処理の一種で、人間の言葉を理解し自然な対話を生成する能力を持っています。

ChatGPTは、特に文章生成や質問応答に優れ、日常的な会話から専門的な知識まで幅広く対応可能です。この技術は、教育やビジネス、エンターテイメントなどの多様な分野で応用されています。

Googleの「Gemini」

GoogleのGemini / 旧Bard」は、大規模言語モデルを活用した対話型AIサービスです。これは、人間のような自然な会話を可能にするために、Googleの検索サービスと連携しています。

Geminiは、世界中の幅広い知識をLLMの知能を創造性と組み合わせて提供することを目的としています。旧版のBardが2023年に日本でも英語版がリリースされ、その後日本語対応も開始されました。

Geminiは、最新の情報を含む回答を提供することが期待されていますが、情報の正誤確認などの注意点もあります。

Microsoftの「Bing AI」

Microsoftの「Bing AI」は、大規模言語モデルを活用した革新的なサービスです。このモデルは、膨大なテキストデータを学習し、自然言語処理タスクを高精度で行います。

Bing AIは、検索エンジン「Bing」に組み込まれ、リアルタイム情報を反映した回答を提供します。また、参照ページURLを含む出力で、事実確認が簡単です。

Bing AIには画像生成機能があり、さまざまな用途に使えます。しかし、回答の回数に制限があることや、Bing自体の市場シェアが低いことが課題です。

大規模言語モデル(LLM)にできること5選

大規模言語モデルにできることを5選紹介します。

大規模言語モデルは、質問に答えたり、文章を要約したりプログラミングコードを作成するなど多様な用途で使われています。

これらの例を通じて、幅広い活用方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

質疑応答

質疑応答システムは、ユーザーからの質問に対して適切な答えを出す技術です。これは、大規模言語モデルの技術を活用することで、より高度で正確な回答を生成する能力を持つようになりました。

例えば、オンラインショッピングのサイトで顧客が商品について質問をしたとき、製品の特徴や使い方について正確な情報をすぐに教えてくれます。また、教育の分野では学生が化学実験や歴史の事実に関する質問をしたときは、詳細な情報や解説を提供可能です。

このように、大規模言語モデルを活用した質疑応答は、顧客サービスを向上させ教育や商業など、さまざまな分野で役立っています。

文章の要約&単語抽出

大規模言語モデルは、膨大なテキストデータから学習し、言語に関する複雑なタスクを実行できる先進的なAI技術です。これらのモデルは、文章の要約や重要な単語の抽出など、多様な機能を持っています。

例えば、長い記事やレポートを短く要約することで、重要な情報を素早く把握することが可能になります。また、テキストからキーワードや重要なフレーズを抽出することで、特定の内容の概要を理解するのに役立つでしょう。

これらの能力により、情報過多の時代において、私たちの情報処理を大きく助けてくれる存在となっています。

機械翻訳

大規模言語モデルは、機械翻訳の分野で大きな進化を遂げています。そのため、異なる言語間の翻訳がより自然で正確になり、文法や語彙、文化的ニュアンスまで考慮されました。

特に、リアルタイム翻訳の能力が向上し、ビジネスや旅行での即時翻訳ニーズに応えることが可能になっています。

過去の手法と比べて、この技術は翻訳のスピードと品質の両面で大きな進歩を遂げています。したがって、言語の壁を越えたコミュニケーションがよりスムーズになり、世界中の人々が繋がりやすくなるでしょう。

文章の分類や言い換え、感情分析

大規模言語モデルは、文章の分類や言い換え、感情分析などに利用されます。

この技術は、文章を特定のグループに分けることで情報を整理しやすくし、同じ意味を異なる言葉で表現することでコミュニケーションを豊かにします。また、文章の感情分析を行うことで、テキストが伝える感情の傾向を理解できるでしょう。

例えば、文章の分類では、テキストを特定のカテゴリに分けることが可能です。言い換えでは、同じ意味の異なる表現を生成し、感情分析ではテキスト内の感情を識別します。

これらの機能は、カスタマーサポートやマーケティング、教育など多岐にわたる分野で活用しています。

ソースコードの生成&チェック

大規模言語モデルは、テキスト処理やプログラミング言語に特化しています。特に「ソースコードの生成とチェック」の分野では、LLMは開発者の指示に基づいて新しいコードを生成したり、既存のコードを分析してエラーや最適化のポイントを特定したりできます。

この技術は、プログラミング作業をより迅速かつ効率的に行うための強力なサポートツールです。開発者は、LLMを利用してコードの品質を向上させ、複雑な問題を解決するための新しいアプローチを見つけられるでしょう。

このように、大規模言語モデルは、ソフトウェア開発の分野で革新的な変化をもたらす可能性を秘めています。

大規模言語モデル(LLM)の問題点

大規模言語モデルには、いくつかの問題点が存在します。

誤った情報や非倫理的な文章を生成するリスクがあり、使用する際は注意が必要です。

大規模言語モデルの問題点を理解し、注意深く使用することが重要です。

ぜひ、参考にしてください。

「ハルシネーション」こと知ったかぶりをしてしまう

「ハルシネーション」とは、事実と異なる情報や関係のない内容を出力する現象です。これは、AIが実際に学習していない情報を作り出し、誤解を招くことがあります。特に、マイナーな事実や架空のキャラクターに関する質問では、不正確な回答を生成することがあります。

AI技術の進化により、この問題は減少すると予測されていますが、完全に防ぐことは難しいです。ユーザーは、この可能性を理解してAIを使用する必要があります。

敵対的プロンプトの影響を受けてしまう

敵対的プロンプトは、言語モデルに対する攻撃手法で、プロンプトインジェクションやプロンプトリーク、ジェイルブレイクの3種類があります。

プロンプトインジェクションはモデルの出力を乗っ取る危険があり、プロンプトリークは保有情報の漏洩を引き起こす可能性があります。ジェイルブレイクはモデルの制限を外し、非倫理的な内容を引き出す手法です。

これらの攻撃はモデルのセキュリティに重大な脅威をもたらします。ユーザーはこれらのリスクを認識し、適切に対処する必要があります。

非倫理的もしくは文化的偏見を含む回答をしてしまう

大規模言語モデルは、インターネットのテキストから学習しますが、そのデータに偏りがあるため、時に偏見を含む回答をしてしまうことがあります。

特に、ネット上には特定の地域や文化に対する否定的なイメージが存在することが多いです。その結果、モデルもこれらの偏った情報を学習し、偏見を含む回答を生成する可能性があります。

大規模言語モデルを使う際は、このような偏見が含まれる可能性があることを理解し、注意して使用することが大切です。

なお、ChatGPTのリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説

まとめ

この記事では、大規模言語モデルの基本知識や活用方法、モデルの注意点について詳しく解説しました。

大規模言語モデルは、大量のテキストデータから学習し、人間のような文章を生成できる機械学習の一つです。「計算量」「データ量」「パラメータ数」を巨大化したことで、処理する仕事量や入力される文章データの量、さらにディープラーニングのパラメータが増加し、モデルの性能が向上しています。

ほかにも、大規模言語モデルの活用方法や問題点も紹介しました。

大規模言語モデルには、幅広い活用方法があります。しかし、大規模言語モデルを使用する際には、問題点を理解することが重要です。

なぜなら、ハルシネーションや非倫理的な文章を生成する可能性があるからです。

大規模言語モデルの注意点を理解し注意深く使用することで、これまでより、業務を効率化できるでしょう。

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投稿者

  • Hiromi Sai

    ChatGPTメディア運営 / テクニカルライター リベラルアーツ専攻。大学休学中は、Webマーケティング会社のマネージャーとしてライター、ディレクター100名のマネジメントをする。南米のチリとタイでの長期居住歴を持つ。

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