【Gemma 3】軽量&マルチモーダル処理が可能な高性能!GoogleのオープンAIモデル解説

- Googleが発表した4サイズの軽量オープンモデル
- 1B以外はマルチモーダルに対応
- より強固になった安全性とセキュリティ
2025年3月12日、Googleから新たなLLMがリリースされました!
今回リリースされたGemma 3は軽量かつオープンモデルで、Gemini2.0をベースに開発されています。Gemma 3は4つのモデルサイズでリリースされており、それぞれ1B、4B、12B、27Bで1B以外はマルチモーダル対応。
本記事ではGemma 3の概要から使い方までお伝えします。本最後まで読めばGemma 3について理解が深まります。
ぜひ最後までお読みください!
Gemma 3の概要
Gemma 3はGoogle DeepMindが新たにリリースした軽量でオープンモデルのLLMです。
リリースされたモデルは1B、4B、12B、27Bの4モデルで、1B以外はマルチモーダル対応(画像)になっています。対応言語は140以上の言語に対応しており、Gemini2.0のトークナイザーを使用し、英語以外の言語の精度が向上。
また、ファインチューニングと推論最適化はGoogle CloudやHugging Face、Kaggle、Ollamaなどで利用可能です。

Gemma 3の特徴
Gemma 3の1B以外はマルチモーダル対応になっており、画像処理の最適化には画像埋め込みを256ベクトルに圧縮し、処理コストを削減。Pan & Scan手法を採用しており、異なるアスペクト比の画像処理を最適化しています。
Gemma 3は量子化に対応しており、以下の3つの手法を採用しています。
- INT4 (per-channel):各チャンネルごとに異なるスケールを使用し、精度を維持しながら圧縮。
- INT4 (per-block, block=32):32単位のブロックごとにスケールを適用し、推論時の計算コストを削減。
- Switched FP8 (SFP8):FP8を使用し、精度と圧縮率のバランスを最適化。

Gemma 3のアーキテクチャ
Gemma 3は、Gemma 2と同様のTransformerベースのデコーダモデルです。
Gemma3では、長文処理のために、ローカル・グローバルアテンション機構を 5:1の割合で採用しており、128Kトークンまでのコンテキストを効率的に処理可能。
RoPEも改良されており、ベース周波数を1Mに拡張することで、長い文脈の理解力が向上しています。
また、推論の最適化として、Int4およびFP8量子化に対応し、メモリ使用量を削減しつつ精度を維持。従来の自己注意機構と比較すると、計算コストを抑えながら高性能を実現していて、シングルGPU / TPU環境でも高速な推論が可能になっています。
Gemma 3の性能
Gemma 3軽量ながら多言語対応・マルチモーダル処理・長文処理に優れています。実際のベンチマークを見比べてみましょう。

Gemma 3は過去モデルのGemma 2と比べると全てのベンチマークでスコアが向上していることがわかります。ただし、その一方でGemma 3とGemini 2.0 FlashとProで比較してみると、性能がやや劣っています。Gemma 3の性能はGemini 1.5 Proに近いですね。
そもそもGemmaとGeminiは開発目的が異なっており、GeminiはChatGPTに対抗して開発されており、Gemmaは文章生成などの特定のタスクを行うために開発されたモデルです。また、Geminiはクローズドなモデルであるのに対してGemmaはオープンモデルかつ比較的軽量なモデルになっています。
そのため性能としては、Gemma < Geminiになりやすいです。
また、Chatbot Arenaの結果では、Deep seek v3やo3 miniの性能を上回る結果を出しており、非常に性能が高いことが伺えます。

Gemma 3のそれぞれのベンチマークを見比べていくと、MATHの性能がGemini 2.0 Proに匹敵する性能であり、また、FACTS Groundingの性能がGemma 2から向上しているので、出力される結果の信頼性は改善されていると言えるでしょう。
多言語対応・マルチモーダル処理・長文処理に優れていると前述しましたが、GPQA Diamondのスコアも改善されており、128kトークンに対応しているので長文処理も可能です。
以下の画像はメモリゼーションを比較したものです。

メモリゼーションは訓練データをそのまま覚えてしまい未知なるデータに対してうまく一般化することができません。そのため、メモリゼーションは低い方が良いとされています。
Gemma 2やGemini 1.5、PaLM などのモデルはメモリゼーション率が高いですが、Gemma 3はいずれのモデルサイズにおいても非常に低いことがわかります。このことから、学習データをそのまま出力してしまい、著作権や個人情報のトラブルにつながるリスクが少ないと言えるでしょう。
ShieldGemma 2
ShieldGemma 2はGemma 3をベースに開発された4Bの画像安全性チェッカーです。危険な行為や物品に対するコンテンツ、露骨な性的表現やヌード、暴力的な描写や行為を含むコンテンツの検出をします。
ShieldGemma 2はオープンソースであり、開発者は自由にカスタマイズでき、Gemma 3アーキテクチャを活用することで、高いパフォーマンスと効率性を実現します。
ShieldGemma 2が導入された背景として、Gemmaモデルの開発において、責任や安全性、セキュリティは最も重要な要素とされています。そのため、Gemma 3を使うユーザーに対してリスクを軽減する目的でShieldGemma 2は導入されています。
Gemma 3の料金体系
Gemma 3はGoogle AI Studioから無料で使うことができます。
Gemma 3のライセンス
Gemma利用規約によると、商用利用については、Gemma利用規約に明確な禁止事項は記載されていませんが、利用条件を確認するようにしましょう。
利用用途 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
商用利用 | 🔺 | 利用規約上は明確な禁止事項ではない |
改変 | ⭕️ | ただし、改変したことを明示する必要がある |
配布 | ⭕️ | 利用規約の保持が必要 |
私的利用 | ⭕️ | |
特許利用 | 不明 | 記載なし |
なお、マイクロソフトのマルチモーダルモデルであるPhi-4-multimodalについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Gemma 3の使い方
Gemma 3はGoogle AI StudioとHugging Face、Ollama、Kaggleから使うことができます。
Google AI Studioにアクセスして、「Model」からGemma 3を選択すればOKです。

Gemma 3 27Bに「what is the number of r s in strawberry」と聞いてみると以下のように回答が返ってきました。
Let’s count them!
The word “strawberry” has three “r”s.
正確にRの数を数えられているようです。
Gemma 3の多言語能力と数学の性能を検証
Gemma 3は140を超える言語に対応しており、ベンチマーク上では数学の性能も高かったです。そこでGemma 3とGemini 2.0 Proに同じタスクを与え、結果に違いが出るかを検証してみます。
多言語ではGemma 3の公式ページにあった内容をフランス語、スペイン語、イタリア語に翻訳をしてもらいます。また、Gemma 3では、翻訳された文章を改めて日本語に翻訳して、意味が通じる文章になっているか確認を行います。
数学は大学入試の過去問を解いてもらいます。
多言語能力の検証
下記内容をそれぞれの言語に翻訳してもらいます。※1
We believe open models require careful risk assessment, and our approach balances innovation with safety – tailoring testing intensity to model capabilities. Gemma 3’s development included extensive data governance, alignment with our safety policies via fine-tuning and robust benchmark evaluations. While thorough testing of more capable models often informs our assessment of less capable ones, Gemma 3’s enhanced STEM performance prompted specific evaluations focused on its potential for misuse in creating harmful substances; their results indicate a low risk level.
As industry develops more powerful models, it will be critical to collectively develop risk-proportionate approaches to safety. We will continue to learn and refine our safety practices for open models over time.
日本語訳:オープンモデルには慎重なリスク評価が必要であると当社は考えており、当社のアプローチでは、モデルの能力に合わせて試験の厳しさを調整することで、革新性と安全性のバランスを取っています。Gemma 3の開発には、広範なデータ管理、微調整による当社の安全ポリシーとの整合、堅牢なベンチマーク評価が含まれていました。より能力の高いモデルの徹底的な試験は、しばしば能力の低いモデルの評価に役立ちますが、Gemma 3の強化されたSTEM性能により、有害物質の生成における誤用の可能性に焦点を当てた特定の評価が行われました。その結果、リスクレベルは低いことが示されました。業界がより強力なモデルを開発するにつれ、リスクに応じた安全対策を共同で開発することが重要となります。私たちは、オープンモデルの安全対策について、今後も継続的に学習し、改善していきます。
フランス語への翻訳の結果はこちら
Nous sommes convaincus que les modèles ouverts nécessitent une évaluation rigoureuse des risques, et notre approche équilibre innovation et sécurité – en adaptant l'intensité des tests aux capacités du modèle. Le développement de Gemma 3 a inclus une gouvernance des données approfondie, une conformité à nos politiques de sécurité via un réglage fin (fine-tuning) et des évaluations de référence robustes. Bien que des tests approfondis de modèles plus performants éclairent souvent notre évaluation de modèles moins performants, les performances améliorées de Gemma 3 en STEM ont conduit à des évaluations spécifiques axées sur son potentiel de mésusage dans la création de substances nocives ; leurs résultats indiquent un faible niveau de risque.
À mesure que l'industrie développe des modèles plus puissants, il sera essentiel de développer collectivement des approches de sécurité proportionnées aux risques. Nous continuerons à apprendre et à affiner nos pratiques de sécurité pour les modèles ouverts au fil du temps.
スペイン語への翻訳の結果はこちら
Creemos que los modelos abiertos requieren una evaluación cuidadosa de los riesgos, y nuestro enfoque equilibra la innovación con la seguridad, adaptando la intensidad de las pruebas a las capacidades del modelo. El desarrollo de Gemma 3 incluyó una extensa gobernanza de datos, la alineación con nuestras políticas de seguridad mediante el ajuste fino (fine-tuning) y evaluaciones de referencia sólidas. Si bien las pruebas exhaustivas de modelos más capaces a menudo informan nuestra evaluación de los menos capaces, el rendimiento mejorado de Gemma 3 en STEM impulsó evaluaciones específicas centradas en su potencial de uso indebido en la creación de sustancias dañinas; sus resultados indican un bajo nivel de riesgo.
A medida que la industria desarrolle modelos más potentes, será fundamental desarrollar colectivamente enfoques de seguridad proporcionales a los riesgos. Continuaremos aprendiendo y perfeccionando nuestras prácticas de seguridad para modelos abiertos con el tiempo.
イタリア語への翻訳の結果はこちら
Riteniamo che i modelli open source richiedano un'attenta valutazione dei rischi, e il nostro approccio bilancia innovazione e sicurezza, adattando l'intensità dei test alle capacità del modello. Lo sviluppo di Gemma 3 ha incluso un'ampia governance dei dati, l'allineamento alle nostre politiche di sicurezza tramite il fine-tuning e robuste valutazioni di riferimento. Sebbene test approfonditi di modelli più capaci spesso informino la nostra valutazione di quelli meno capaci, le prestazioni migliorate di Gemma 3 nelle discipline STEM hanno portato a valutazioni specifiche incentrate sul suo potenziale di uso improprio nella creazione di sostanze dannose; i loro risultati indicano un basso livello di rischio.
Man mano che l'industria sviluppa modelli più potenti, sarà fondamentale sviluppare collettivamente approcci di sicurezza proporzionati ai rischi. Continueremo ad imparare e a perfezionare le nostre pratiche di sicurezza per i modelli open source nel tempo.
次に翻訳したものをDeepLを使って日本語に翻訳していきます。
フランス語から日本語への翻訳の結果はこちら
オープンなモデルには厳格なリスク評価が必要であると確信しており、当社のアプローチは、モデルの能力に合わせてテストの厳格さを調整することで、革新性と安全性のバランスを取っています。Gemma 3の開発には、広範なデータ管理、微調整と堅牢なベンチマークによる当社のセキュリティポリシーへの準拠が含まれています。より強力なモデルの広範なテストは、より強力でないモデルの評価に役立つことが多いですが、Gemma 3のSTEM分野におけるパフォーマンスの向上により、有害物質の生成における誤用の可能性に焦点を当てた特定の評価が行われ、その結果、リスクレベルは低いことが示されました。
業界がより強力なモデルを開発するにつれ、リスクに応じたセキュリティ対策を共同で開発することが不可欠となります。私たちは、オープンなモデルのセキュリティ対策について、今後も継続的に学習し、改善していく所存です。
スペイン語から日本語への翻訳の結果はこちら
オープンなモデルには慎重なリスク評価が必要であると当社は考えており、当社のアプローチでは、モデルの能力に合わせてテストの厳格さを調整し、革新性と安全性のバランスを取っています。Gemma 3の開発には、広範なデータ管理、微調整による当社のセキュリティポリシーとの整合、堅牢なベンチマークが含まれていました。より能力の高いモデルの広範なテストは、能力の低いモデルの評価に役立つことが多いが、Gemma 3のSTEM分野におけるパフォーマンスの向上により、有害物質の生成における誤用の可能性に焦点を当てた特定の評価が促された。その結果、リスクレベルは低いことが示された。
業界がより強力なモデルを開発するにつれ、リスクに応じた安全対策を共同で開発することが不可欠となります。私たちは、オープンモデルの安全性に関する慣行を学び、改善し続けていきます。
イタリア語から日本語への翻訳の結果はこちら
オープンソースモデルには慎重なリスク評価が必要だと当社は考えており、当社のアプローチでは、モデルの能力に合わせてテストの厳しさを調整し、革新性と安全性のバランスを取っています。Gemma 3の開発には、広範なデータ管理、微調整による当社のセキュリティポリシーとの整合、堅牢なベンチマークが含まれていました。より高性能なモデルの広範なテストは、しばしばより低性能なモデルの評価に役立つことがありますが、Gemma 3のSTEM分野におけるパフォーマンスの向上により、有害物質の生成における誤用の可能性に焦点を当てた特定の評価が行われました。その結果、リスクレベルは低いことが示されました。
業界がより強力なモデルを開発するにつれ、リスクに応じた安全対策を共同で開発することが重要になります。私たちは、オープンソースモデルの安全対策について、今後も継続的に学習し、改善していきます。
ほぼ同じ日本語訳になっていることがわかります。3/140なので網羅できているとは言い難いですが、Gemma 3 27Bの多言語性能は高いと感じます。
Gemini 2.0 Proの翻訳結果は以下です。
フランス語への翻訳の結果はこちら
Nous pensons que les modèles ouverts nécessitent une évaluation minutieuse des risques, et notre approche équilibre l'innovation et la sécurité, en adaptant l'intensité des tests aux capacités du modèle. Le développement de Gemma 3 a inclus une gouvernance étendue des données, un alignement avec nos politiques de sécurité via un réglage fin et des évaluations de référence robustes. Bien que des tests approfondis de modèles plus performants éclairent souvent notre évaluation de modèles moins performants, les performances STEM améliorées de Gemma 3 ont conduit à des évaluations spécifiques axées sur son potentiel d'utilisation abusive dans la création de substances nocives ; leurs résultats indiquent un faible niveau de risque.
Alors que l'industrie développe des modèles plus puissants, il sera essentiel de développer collectivement des approches proportionnées aux risques en matière de sécurité. Nous continuerons à apprendre et à affiner nos pratiques de sécurité pour les modèles ouverts au fil du temps.
スペイン語への翻訳の結果はこちら
Creemos que los modelos abiertos requieren una evaluación cuidadosa de los riesgos, y nuestro enfoque equilibra la innovación con la seguridad, adaptando la intensidad de las pruebas a las capacidades del modelo. El desarrollo de Gemma 3 incluyó una amplia gobernanza de datos, la alineación con nuestras políticas de seguridad a través de ajustes precisos y evaluaciones comparativas sólidas. Si bien las pruebas exhaustivas de los modelos más capaces a menudo informan nuestra evaluación de los menos capaces, el rendimiento mejorado de STEM de Gemma 3 impulsó evaluaciones específicas centradas en su potencial de uso indebido en la creación de sustancias nocivas; sus resultados indican un bajo nivel de riesgo.
A medida que la industria desarrolla modelos más potentes, será fundamental desarrollar colectivamente enfoques proporcionales al riesgo para la seguridad. Continuaremos aprendiendo y refinando nuestras prácticas de seguridad para modelos abiertos a lo largo del tiempo.
イタリア語への翻訳の結果はこちら
Riteniamo che i modelli aperti richiedano un'attenta valutazione dei rischi e il nostro approccio bilancia l'innovazione con la sicurezza, adattando l'intensità dei test alle capacità del modello. Lo sviluppo di Gemma 3 ha incluso una governance estesa dei dati, l'allineamento con le nostre politiche di sicurezza tramite la messa a punto e solide valutazioni di benchmark. Sebbene test approfonditi di modelli più capaci spesso informino la nostra valutazione di quelli meno capaci, le prestazioni STEM migliorate di Gemma 3 hanno richiesto valutazioni specifiche incentrate sul suo potenziale di uso improprio nella creazione di sostanze nocive; i loro risultati indicano un basso livello di rischio.
Man mano che l'industria sviluppa modelli più potenti, sarà fondamentale sviluppare collettivamente approcci proporzionati al rischio per la sicurezza. Continueremo ad apprendere e perfezionare le nostre pratiche di sicurezza per i modelli aperti nel tempo.
数学タスク
数学タスクでは大学入試問題を提供して、解いてもらいます。
1.円周率が3.05より大きいことを証明せよ(東京大学)
2.tan1°は有理数か。(京都大学)
3.どのような負でない2つの整数mとnを用いてもx=5m+3nとは表すことができない正の整数を求めよ(大阪大学)
なお、数学タスクの動画は向かって左がGemma 3、右がGemini 2.0です。
まずは問1の結果です。
Gemma 3の結果はこちら
円周率が3.05より大きいことを証明するには、円に内接する正多角形と外接する正多角形を利用する方法が一般的です。ここでは、正6角形を用いて証明します。
1. 正6角形による円周率の下からの近似
半径1の円に内接する正6角形を考えます。正6角形は6つの正三角形に分割できます。正三角形の底辺は円の半径に等しく1、高さは√3/2です。したがって、正6角形の面積は
6 * (1/2 * 1 * √3/2) = (3√3)/2 ≈ 2.598
円の面積はπr^2 = π です。正6角形は円に内接しているので、正6角形の面積は円の面積よりも小さくなります。
(3√3)/2 < π
2. 正6角形による円周率の上からの近似
次に、半径1の円に外接する正6角形を考えます。外接する正6角形は、内接する正6角形を拡大した形になります。正6角形の各頂点は円に接しているので、各頂点から円の中心に向かって引いた線は半径に等しく1です。正6角形の一辺の長さをsとすると、tan(π/6) = s/2 より、s = 2 * tan(π/6) = 2/√3 です。したがって、正6角形の面積は
6 * (1/2 * s * 1) = 3s = 6/√3 = 2√3 ≈ 3.464
円の面積はπです。正6角形は円に外接しているので、正6角形の面積は円の面積よりも大きくなります。
π < 2√3
3. 円周率の範囲
上記より、
(3√3)/2 < π < 2√3
2.598 < π < 3.464
4. より精密な近似
正多角形の角の数を増やすほど、円周率の近似精度は向上します。例えば、正12角形、正24角形などを考えると、円周率の範囲はより狭まります。
5. 3.05より大きいことの証明
上記の正6角形による近似では、円周率が3.05より大きいことは直接的には証明できません。しかし、より精密な近似を用いることで証明できます。
例えば、正96角形を用いると、円周率の下限が3.04より大きくなることが知られています。
π > 3.04
したがって、
π > 3.05
結論
円周率が3.05より大きいことは、正多角形による近似や、より精密な計算によって証明できます。
補足
上記の証明は、あくまで一つの例です。円周率の証明には様々な方法があり、より厳密な数学的証明も存在します。
Gemini 2.0Proの結果はこちら
円周率が3.05より大きいことを証明するには、円に内接する正多角形を利用する方法が一般的です。ここでは、正十二角形を使う方法で証明します。
証明
半径1の円を考える: 半径1の円(単位円)を考えます。この円の円周は
2
𝜋
×
1
=
2
𝜋
2π×1=2π
です。
円に内接する正十二角形を考える: この円に内接する正十二角形を考えます。
正十二角形の1辺の長さを求める: 正十二角形は、中心角が30度(
2
𝜋
12
=
𝜋
6
12
2π
=
6
π
ラジアン)の12個の二等辺三角形に分割できます。この二等辺三角形の1つの辺(正十二角形の1辺)の長さを
𝑎
a
とします。
頂角が30度の二等辺三角形(等しい辺の長さは1)に余弦定理を適用すると、
𝑎
2
=
1
2
+
1
2
−
2
⋅
1
⋅
1
⋅
cos
3
0
∘
a
2
=1
2
+1
2
−2⋅1⋅1⋅cos30
∘
𝑎
2
=
2
−
2
⋅
3
2
=
2
−
3
a
2
=2−2⋅
2
3
=2−
3
𝑎
=
2
−
3
a=
2−
3
正十二角形の周の長さを求める: 正十二角形の周の長さは、
12
𝑎
=
12
2
−
3
12a=12
2−
3
です。
正十二角形の周の長さと円周の比較: 正十二角形は円に内接しているので、正十二角形の周の長さは円周の長さ(
2
𝜋
2π
)より短くなります。
12
2
−
3
<
2
𝜋
12
2−
3
<2π
不等式を解く: 両辺を2で割ると、
6
2
−
3
<
𝜋
6
2−
3
<π
ここで、
2
−
3
2−
3
を計算します。
2
−
3
≈
2
−
1.732
=
0.268
2−
3
≈2−1.732=0.268
0.268
≈
0.517
0.268
≈0.517
(電卓などを使用)
6
×
0.517
≈
3.102
6×0.517≈3.102
したがって、
3.102
<
𝜋
3.102<π
となります。
結論:
3.102
<
𝜋
3.102<π
であり、
3.05
<
3.102
3.05<3.102
なので、
3.05
<
𝜋
3.05<π
が成り立ちます。よって、円周率は3.05より大きいことが証明されました。
補足
2
−
3
2−
3
の値を厳密に求めるには、二重根号を外す必要があります。
2
−
3
=
6
−
2
2
2−
3
=
2
6
−
2
となります。
これを使うと、
6
2
−
3
=
3
(
6
−
2
)
6
2−
3
=3(
6
−
2
)
となり、
6
≈
2.449
6
≈2.449
,
2
≈
1.414
2
≈1.414
を使ってより正確な近似値を計算することもできます。
正十二角形よりもっと辺の数が多い正多角形(例えば正二十四角形)を使うと、よりπに近い下限値を得ることができます。この考え方を突き詰めていくと、円周率を無限級数で表現する公式に繋がります。
次に問2の結果です。
Gemma 3の結果はこちら
いいえ、tan 1° は有理数ではありません。
証明の概要
これは、超越数論の分野における有名な問題で、Niven によって1947年に証明されました。証明は高度な数学的知識を必要としますが、その基本的なアイデアは以下の通りです。
三角関数の加法定理: tan(a+b) を tan a と tan b で表す公式を利用します。
背理法: tan 1° が有理数であると仮定します。
漸化式: tan 1°, tan 2°, tan 3°,... といった値を計算するための漸化式を導き出します。
矛盾の導出: tan 1° が有理数であるという仮定の下で、ある段階で矛盾が生じることを示します。具体的には、ある角度に対する tan の値が整数になるはずなのに、そうならないことを示します。
詳細な説明
Niven の証明は、以下の事実に基づいています。
tan(n°) は、n が整数の場合、有理数ではありません (n ≠ 0)。
tan 1° が有理数であると仮定すると、tan(n°) も有理数になります。
ある角度 n に対して、tan(n°) が整数になるはずなのに、そうならないという矛盾が生じます。
超越数
tan 1° は、代数的数(有理数の係数を持つ代数方程式の解)でもないため、超越数です。超越数は、無理数よりもさらに「複雑」な数であり、円周率πや自然対数の底eなども超越数として知られています。
結論
したがって、tan 1° は有理数ではありません。
Gemini 2.0Proの結果はこちら
tan1°が無理数であることを証明します。
証明(背理法)
tan1°が有理数であると仮定します。
加法定理の利用:
3° = 1° + 1° + 1° であることを利用して、tanの加法定理を繰り返し適用します。
tan(2°) = tan(1° + 1°) = (tan1° + tan1°) / (1 - tan1° * tan1°) = 2tan1° / (1 - tan²1°)
tan(3°) = tan(2° + 1°) = (tan2° + tan1°) / (1 - tan2° * tan1°)
ここに、tan2°の式を代入すると、tan3°もtan1°の有理数係数の分数式で表されます。
仮定より tan1° は有理数なので、tan2°、tan3°も有理数となります。
tan(30°)の利用:
同様に、この操作を繰り返すことで、tan(30°) = tan(3° × 10) も tan1° の有理数係数の分数式で表され、有理数となるはずです。
矛盾:
しかし、tan(30°) = 1/√3 であり、これは無理数です。これは、最初に tan1° が有理数であると仮定したことと矛盾します。
結論:
したがって、最初の仮定「tan1°が有理数である」が誤りであり、tan1°は無理数であると結論付けられます。
ポイント
加法定理を繰り返し用いることで、tan(n°) (nは自然数) が tan1° の有理式で表せることを利用します。
tan(30°) = 1/√3 が無理数であることを既知として利用します。
背理法を用いて、矛盾を導き出します。
補足
この証明方法は、他の角度(例えば、tan2°、tan5°など)が無理数であることを示す際にも応用できます。重要なのは、加法定理と、よく知られた角度のtanの値(この場合はtan30°)を利用することです。
最後に問3の結果です。
Gemma 3の結果はこちら
Gemma 3の結果はこちら
いいえ、tan 1° は有理数ではありません。
証明の概要
これは、超越数論の分野における有名な問題で、Niven によって1947年に証明されました。証明は高度な数学的知識を必要としますが、その基本的なアイデアは以下の通りです。
三角関数の加法定理: tan(a+b) を tan a と tan b で表す公式を利用します。
背理法: tan 1° が有理数であると仮定します。
漸化式: tan 1°, tan 2°, tan 3°,... といった値を計算するための漸化式を導き出します。
矛盾の導出: tan 1° が有理数であるという仮定の下で、ある段階で矛盾が生じることを示します。具体的には、ある角度に対する tan の値が整数になるはずなのに、そうならないことを示します。
詳細な説明
Niven の証明は、以下の事実に基づいています。
tan(n°) は、n が整数の場合、有理数ではありません (n ≠ 0)。
tan 1° が有理数であると仮定すると、tan(n°) も有理数になります。
ある角度 n に対して、tan(n°) が整数になるはずなのに、そうならないという矛盾が生じます。
超越数
tan 1° は、代数的数(有理数の係数を持つ代数方程式の解)でもないため、超越数です。超越数は、無理数よりもさらに「複雑」な数であり、円周率πや自然対数の底eなども超越数として知られています。
結論
したがって、tan 1° は有理数ではありません。
Gemini 2.0Proの結果はこちら
tan1°が無理数であることを証明します。
証明(背理法)
tan1°が有理数であると仮定します。
加法定理の利用:
3° = 1° + 1° + 1° であることを利用して、tanの加法定理を繰り返し適用します。
tan(2°) = tan(1° + 1°) = (tan1° + tan1°) / (1 - tan1° * tan1°) = 2tan1° / (1 - tan²1°)
tan(3°) = tan(2° + 1°) = (tan2° + tan1°) / (1 - tan2° * tan1°)
ここに、tan2°の式を代入すると、tan3°もtan1°の有理数係数の分数式で表されます。
仮定より tan1° は有理数なので、tan2°、tan3°も有理数となります。
tan(30°)の利用:
同様に、この操作を繰り返すことで、tan(30°) = tan(3° × 10) も tan1° の有理数係数の分数式で表され、有理数となるはずです。
矛盾:
しかし、tan(30°) = 1/√3 であり、これは無理数です。これは、最初に tan1° が有理数であると仮定したことと矛盾します。
結論:
したがって、最初の仮定「tan1°が有理数である」が誤りであり、tan1°は無理数であると結論付けられます。
ポイント
加法定理を繰り返し用いることで、tan(n°) (nは自然数) が tan1° の有理式で表せることを利用します。
tan(30°) = 1/√3 が無理数であることを既知として利用します。
背理法を用いて、矛盾を導き出します。
補足
この証明方法は、他の角度(例えば、tan2°、tan5°など)が無理数であることを示す際にも応用できます。重要なのは、加法定理と、よく知られた角度のtanの値(この場合はtan30°)を利用することです。
Gemini 2.0Proの結果はこちら
考え方
5m + 3n で表される数を小さい順にいくつか書き出してみると、規則性が見えてきます。それをもとに、表せない数を特定し、その数が表せないことを証明します。
解答
x = 5m + 3n (m, n は負でない整数) の形で表せない正の整数は、1, 2, 4, 7 の4つです。
証明
5m + 3n で表される数を小さい順に列挙:
m, n に 0, 1, 2, ... を代入して、5m + 3n の値を小さい順に並べてみます。
n = 0 のとき: 0, 5, 10, 15, 20, ...
n = 1 のとき: 3, 8, 13, 18, 23, ...
n = 2 のとき: 6, 11, 16, 21, 26, ...
n = 3 のとき: 9, 14, 19, 24, 29, ...
n = 4 のとき: 12, 17, 22, 27, 32, ...
...
これらの数を小さい順に並べると:
0, 3, 5, 6, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, ...
となり、8 以上の整数は全て表せることが予想できます。
8 以上の整数が表せることの証明:
8, 9, 10 はそれぞれ以下のように表せます。
8 = 5 * 1 + 3 * 1
9 = 5 * 0 + 3 * 3
10 = 5 * 2 + 3 * 0
kを8以上の任意の整数とします。k-3は5以上の整数または0となります。
k-3 = 5m + 3n (m,nは0以上の整数)と表せると仮定します。
すると、k = 5m + 3(n+1) となり、kも5m+3nの形で表すことができます。
上記の8,9,10を初期値として、帰納的に8以上のすべての整数は 5m + 3n の形で表せることがわかります。
1, 2, 4, 7 が表せないことの証明:
1, 2 は、5m + 3n (m, n は負でない整数) の最小値 0 より大きく、次に小さい値 3 より小さいので、表せません。
4 は、3 より大きく、5 より小さいので、表せません。
7 は、6 (= 3 * 2) より大きく、8 (= 5 * 1 + 3 * 1) より小さいので、表せません。
結論:
以上のことから、5m + 3n (m, n は負でない整数) の形で表せない正の整数は、1, 2, 4, 7 のみです。
ポイント
小さい数で実験して規則性を見つけること
数学的帰納法を用いて、ある数以上は全て表せることを示すこと
表せない数を個別に確認すること
いずれの問題も回答することができていますが、Gemma 3の方が生成速度は遅いです。出力される情報量としては、同等かなと思います。
なお、複数タスクをハイレベルで実行できるVLMであるPaliGemma 2 mixについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

まとめ
本記事ではGemma 3の概要から使い方まで解説をしました。従来のモデルよりも性能が向上しているのは当然ですが、さらに安全性やセキュリティも向上しているため、業務などに安心して導入することができそうです。
Gemma 3は多言語性能も高いので、例えばカスタマーサポートのチャットボットとしての活用や観光アプリに導入して多様な旅行者のサポートなどの活用が考えられるでしょう。また、マルチモーダル対応で画像理解もできるため、画像とテキストを組み合わせたアプリケーション開発などにも活用できそうです。
ぜひ本記事を参考にGemma 3を使ってみてください!
最後に
いかがだったでしょうか
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