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【Luminous】ヨーロッパの「OpenAI」が生み出すマルチモーダルAI

Luminous OpenAI マルチモーダルAI

皆さん、LuminousというLLMをご存知ですか?異なる3つのLLMがセットになっていて、そのうち2つがマルチモーダル化もいけちゃうんです!普段からLLMをいじっている弊社としても、「また凄いLLMが出たな」という感じです。

Luminousは、ドイツのAIスタートアップAlephAlphaが開発したLLMのセットです。AlephAlphaはヨーロッパでOpenAIの競合と言われるほど注目されているAI企業です。

本記事では、Luminousの使い方や、実際に使ってみた感想、最後にはよくネット上で比較されるGPT4との比較をまとめています。
この記事を最後まで読むと、Luminousの魅力を理解できます!ぜひ最後までご覧ください!

なお弊社では、生成AIツール開発についての無料相談を承っています。こちらからお気軽にご相談ください。

目次

Luminousの概要

Luminousは、Aleph Alphaが開発したLLMのセットです。

このモデルは、膨大なテキストデータを読むことで、人間の言葉を理解し生成する能力を持っています。想像してみてください。ある人が図書館全体とインターネットの半分を読んだとしたら、どれだけの知識が増えるでしょうか。Luminousは、まさにそのような能力を持つAIツールです。

このLuminousには、さまざまなサイズと能力を持つ3つのモデルがあり、英語やフランス語などの主要なヨーロッパ言語で訓練されています。

  • Luminous-supreme: Luminousで最も大きく、最も能力のあるモデルで、特にクリエイティブなテキストの作成に適しています。
  • Luminous-extended: 二番目に大きなモデルで、情報の抽出や言語の単純化のようなタスクに適しています。
  • Luminous-base: 最も小さなモデルで、最も高速かつ低コストで、分類やラベリングのようなタスクに非常に適しています。

すべてのモデルは、テキストを入力として処理します。加えて、Luminous-baseとLuminous-extendedは、画像とテキストの入力の組み合わせを処理し、テキストを出力することも可能です。

また、人間の指示に従うように微調整するために、Controlというモデルも公開されています。

この技術の進化は驚異的ですね。

スクロールできます

Luminous-supremeLuminous-extendedLuminous-baseGPT-4
パラメーター数70B不明175B
トークン数不明2,048(5,000文字)
開発会社Aleph AlphaOpenAI
商用利用利用可能になる見込
ライセンスプロプライエタリソフトウェア
日本語対応

Luminousの料金体系

Luminousのトークンベースのモデル料金は、以下の通りです。

モデル1000トークンごとのクレジット(ユーロ)画像1枚ごとのクレジット(ユーロ)
Luminous-base0.03 (€0.006)0.03024 (€0.006048)
Luminous-extended0.045 (€0.009)0.04536 (€0,009072)
Luminous-supreme0.175 (€0.035)なし
base-control0.0375 (€0.0075)なし
extended-control0.05625 (€0.01125)なし
supreme-control0.21875 (€0.04375)なし

また、それぞれのモデルに対して、タスクごとに異なる料金が適用されます。

タスクインプットトークン係数アウトプットトークン係数
Complete1.01.1
Luminous-extended0.045 (€0.009)0.04536 (€0,009072)
Luminous-supreme0.175 (€0.035)なし
Evaluate1.11.1
Embed1.3なし
Semantic Embed1.3なし
Q&A1.31.1
Summarize1.31.1
(De-) Tokenize0.5なし

例として、「Evaluate」タスクの場合、Luminous-extendedで1000入力トークンを使用すると、基本料金0.045に入力タスクの特定の係数1.1を掛けた0.0495クレジットがかかります。

さらに、1000の出力トークンには、0.0495に出力タスクの特定の係数1.1を掛けた0.05445クレジットが追加でかかります。したがって、この2000トークン(1000入力 + 1000出力)のリクエストの合計コストは0.10395クレジットとなります。

なお、最強のLLMであるClaude 2について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
Claude 2の日本での使い方解説!ChatGPT超えの最強LLMをご紹介

Luminousの使い方

今回は、Google Colabで行います。

まずは、以下のページにアクセスして、アカウントを作成してください。

参考記事:Luminousの公式ページ

次に、以下のプロフィールページから、APIトークンを作成してください。

参考記事:プロフィールページ

プロフィールページにアクセスしたら、「Create Token」ボタンをクリックしてください。

クリックすると、以下のようにトークンの説明が求められます。ここでは「Finance Dep.」と入力します。

そうすると、以下のようにトークンが作られるので、コピーしておきましょう。

APIトークンの発行方法や消し方は、以下のアカウント管理ページが参考になります。

参考記事:アカウント管理ページ

次に、以下のコードを実行して、API Clientをインストールしましょう。

!pip install aleph-alpha-client

最後に、以下のコードを実行して、クライアントをインスタンス化して、Clientを利用できるようにしましょう。その際に、「AA_TOKEN」には、先ほど取得したAPIトークンを入れてください。

from aleph_alpha_client import Client
model = Client(token="AA_TOKEN")

Luminousを実際に使ってみた

ここでは、Luminousの実力を試すために、日本語でのメール作成、プログラム生成、エロ系の質問への回答を試してみます。

基本コードは以下の通りです。

from aleph_alpha_client import  Prompt, CompletionRequest

prompt_text = "Q: What is AI? A:"
params = {
    "prompt": Prompt.from_text(prompt_text),
    "maximum_tokens": 20,
    "stop_sequences": ["\n"],
}

request = CompletionRequest(**params)
response = model.complete(request, model="luminous-base")

print(f"\nAnswer:{response.completions[0].completion}")

上記の「prompt」変数の「Q: What is AI? A:」の部分がプロンプトに当たり、これを変えるだけです。今回は、一番モデルの大きいLuminous-Supremeで試してみようと思います。

また、プロンプトの書き方ですが、以下のフォーマットで書く必要がありそうです。

prompt = "Q:<質問したいことをここに書く> . A:"

ちなみに、Google Colabの無料版でも動作できました。ただし、入出力トークン数によって料金が左右されるので、使い過ぎには注意してください。

メールの作成ができるか

まずは「日本語でクライアントに送信する丁寧語・謙譲語を正しく使用したビジネスメールを作成してください。」と質問してみます。

# 日本語のメール作成
from aleph_alpha_client import  Prompt, CompletionRequest

prompt_text = "Q: 日本語でクライアントに送信する丁寧語・謙譲語を正しく使用したビジネスメールを作成してください。A:"
params = {
    "prompt": Prompt.from_text(prompt_text),
    "maximum_tokens": 20,
    "stop_sequences": ["\n"],
}

request = CompletionRequest(**params)
response = model.complete(request, model="luminous-supreme")

print(f"\nAnswer:{response.completions[0].completion}")

す/ると以下の様に返ってきました。

Answer: このビジネスメールは、あなたが手紙を書くことになることがあります。このビジネスメールは、あなたが手紙�

答えになっていないですね。念のため、同じプロンプトを英語で書いてみました。

# 日本語のメール作成
from aleph_alpha_client import  Prompt, CompletionRequest

prompt_text = "Q: Please create a business email using correct polite and humble language to be sent to clients in Japanese. A:"
params = {
    "prompt": Prompt.from_text(prompt_text),
    "maximum_tokens": 20,
    "stop_sequences": ["\n"],
}

request = CompletionRequest(**params)
response = model.complete(request, model="luminous-supreme")

print(f"\nAnswer:{response.completions[0].completion}")

答えは以下のようになりました。

Answer: こんにちは、あなたはあなたのお客様にお願いします。あなたはあなたのお客様にお願いします。あなたはあなた

同じでしたね。おそらくデータセットに日本語が含まれていないため、日本語対応していないのだと考えられます。そのため、これ以降では英語でプロンプトを書いていこうと思います。

プログラムが書けるか

英語で「Write the code for the regression analysis in Python.(Pythonで回帰分析のコードを書いてください。)」と質問してみます。

# Pythonプログラム生成
from aleph_alpha_client import  Prompt, CompletionRequest

prompt_text = "Q: Write the code for the regression analysis in Python. A:"
params = {
    "prompt": Prompt.from_text(prompt_text),
    "maximum_tokens": 20,
    "stop_sequences": ["\n"],
}

request = CompletionRequest(**params)
response = model.complete(request, model="luminous-supreme")

print(f"\nAnswer:{response.completions[0].completion}")

以下の様に返ってきました。

Answer: The code for the regression analysis is as follows: import numpy as np import pandas as pd import matplotlib.pyplot as plt import seaborn as sns import matplotlib.ticker as mtick import matplotlib.dates as mdates from sklearn.linear_model import LinearRegression from sklearn.model_selection import train_test_split from sklearn.metrics import r2_score from sklearn.preprocessing import StandardScaler from sklearn.pipeline import Pipeline from sklearn.model_selection import cross_val_score from sklearn.metrics import mean_squared_error, r2_score from sklearn.metrics import r2_score from sklearn.metrics import r2_score from sklearn.metrics import r2_score from sklearn.metrics import r2_score from sklearn.metrics import r2_score from

なんだか、ライブラリのインポート文を繰り返しているみたいですね。こちらもダメでした。

エロ系の質問に答えられるか

次は、英語で「Write a 400-word sensual novel with a married woman as the theme.(人妻がテーマの400文字の官能小説を書いてください)」と質問してみます。

#エロ系の質問
from aleph_alpha_client import  Prompt, CompletionRequest

prompt_text = "Q: Write a 400-word sensual novel with a married woman as the theme. A:"
params = {
    "prompt": Prompt.from_text(prompt_text),
    "maximum_tokens": 400,
    "stop_sequences": ["\n"],
}

request = CompletionRequest(**params)
response = model.complete(request, model="luminous-supreme")

print(f"\nAnswer:{response.completions[0].completion}")

すると、以下の様に返ってきました。

Answer: I’m not sure what a “sensual novel” is, but I’m guessing it’s not a romance novel. I’m not sure what a “married woman” is, but I’m guessing it’s not a single woman. I’m not sure what a “theme” is, but I’m guessing it’s not a plot. I’m not sure what a “word” is, but I’m guessing it’s not a sentence. I’m not sure what a “novel” is, but I’m guessing it’s not a short story. I’m not sure what a “sensual” is, but I’m guessing it’s not a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible” or a “sensible

こちらも脈絡のない文が返ってきました。

Luminousの推しポイントである高度な言語処理能力は本当なのか?

ここでは、Luminous-SupremeとGPT4との精度比較を行います。

タスクプロンプトLuminous-SupremeGPT-4
コーディングPythonで回帰分析のコードを書いてください。ライブラリのインポート文だけを繰り返していた。最初から動作するプログラムが作られた。実行を確認するためにダミーデータを作ってくれていた。
日本語対応日本語でクライアントに送信する丁寧語・謙譲語を正しく使用したビジネスメールを作成してください。日本語に対応しておらず、メールになっていなかった。ビジネスに利用できる自然な文章が出力されていた。
エロ系の質問人妻がテーマの400文字の官能小説を書いてください。不自然な文章だった。432文字で官能小説の導入に近い文章が書けていた。

やはり、パラメータ数やデータセットの関係から、GPT-4の方が優れているようです。例えば、GPT-4だと自然な文章を書けるが、Luminous-Supremeでは脈絡のない文章を出力していました。そのため、日本語での利用に限らず、英語での利用に関してもGPT-4の方が便利でしょう。とはいえ、生成スピードに関しては、Lumiousの方が若干早いように感じました。

なお、日本語に特化したLLM「ELYZA」について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
【Elayza】東大スタートアップの日本語LLMは日本語検定一級合格なるか?

まとめ

Luminousは、Aleph Alphaが開発したLLMのセットです。このモデルは、膨大なテキストデータを読むことで、人間の言葉を理解し生成する能力を持っています。このLuminousには、さまざまなサイズと能力を持つ3つのモデルがあり、英語やフランス語などの主要なヨーロッパ言語で訓練されています。

  • Luminous-supreme: Luminousで最も大きく、最も能力のあるモデルで、特にクリエイティブなテキストの作成に適しています。
  • Luminous-extended: 二番目に大きなモデルで、情報の抽出や言語の単純化のようなタスクに適しています。
  • Luminous-base: 最も小さなモデルで、最も高速かつ低コストで、分類やラベリングのようなタスクに非常に適しています。

とはいえ、検証したところ出力の文章は、不自然でした。例えば、GPT-4だと自然な文章を書けるが、Luminous-Supremeでは脈絡のない文章を出力していました。

やはり、パラメータ数やデータセットの関係から、GPT-4の方が優れているようです。そのため、日本語での利用に限らず、英語での利用に関してもGPT-4の方が便利でしょう。

すべてのモデルは、テキストを入力として処理します。PythonからAPIを介して利用できるので、ぜひ試してみてください。

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投稿者

  • 中田

    データサイエンス専攻の大学院生。大学では、生成系AIの拡散モデルを用いた音楽生成について研究。 趣味は作曲、サッカー、コーヒー。

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