Claude 2の日本での使い方解説!料金体系やセキュリティ、ChatGPTとの違いについても解説

2023年7月11日、Anthropic社がAIモデル「Claude 2」を発表しました。(現在、最新版はClaude Opus 4およびClaude Sonnet 4)
実はClaude 2は、特定のタスクにおいてあのChatGPTよりも性能が良いと話題になっていました。以前はアメリカとイギリスでしか使えませんでしたが、2023年10月16日から日本でも使えるようになりました!
この記事では、Claude 2の使い方から実際に使ってみた感想、ChatGPTとの違いなどについて解説します。登録方法から使い方まで詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!
2025年時点でのClaudeを取り巻く最新トレンド
2024年3月4日、Anthropic社は「Claude 3」ファミリー(Opus/Sonnet/Haiku)を正式リリースし、1回あたり最大20万トークン(試験ユーザー向けに100万トークン超)を読み込める長文処理能力を実装しました。
同年5月には、OpenAIがマルチモーダル対応のGPT‑4oを公開、さらにGoogleは2月にGemini 1.5 Proで100万トークンを試験提供し、Microsoftは1月にCopilot Pro(月額20ドル)を発表しています。
こうしたモデル戦国時代のなかで、Anthropicは「安全性と長文処理の両立」を強みにポジションを確立。2025年3月のシリーズEで3.5 bドルを調達し、評価額は615億ドルに到達しました。
Claude 2 サービス終了
Claude 2は、2025年7月21日をもってサービスが完全終了します。
2025年6月時点で、利用可能なユーザーは以下の通りとなっています。
- 既存ユーザー … API と AWS Bedrock では利用可能。
- 新規ユーザー … 新規発行キーでは利用不可(モデル自体が非推奨扱い)。
- 全ユーザー共通 … 公式リタイア日は 2025年7月21日。それ以降は呼び出しが失敗します。(※2)
2025年1月21日以前に作成したAPIキーを持った既存ユーザーは、2025年6月時点でもClaude 2を利用することができます。
WebチャットUIではモデルの選択肢が消えていますが、API指定なら動作するといった状況です。
また、2025年1月21日以前にAWS Bedrockでv2を利用したAWSアカウントをお持ちの方も、2025年6月時点ではClaude 2を利用することができます。
もし試しておきたいことがある方は、2025年7月21日までに済ませておきましょう。
なお、Claude 2のより詳細な使い方について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Claude 2を発表したAnthropicとは
Anthropic社は、元OpenAI幹部Dario & Daniela Amodei兄妹によって2021年に創業されたアメリカのAIスタートアップで、一般的なAIシステムと言語モデルの開発を専門としています。GPT-2とGPT-3モデルの開発にも関与したOpenAI社の元メンバー・Daniela AmodeiとDario Amodei兄妹によって、2021年に設立されました。
2023年7月時点でなんと15億ドル(日本円で約2,151億円)の資金を調達し、激化する生成AI市場で大躍進しています。2023年7月11日に最新版のチャットボット「Claude 2」を発表しました。
そしてこの「Claude 2」、なんとOpenAI社のChatGPTよりも性能が良いと話題になっていました。
なお、Claude 2 Proについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Claude 2の料金について
Claudeシリーズの料金はシンプルです。
個人向けには、FreeプランとClaude Pro(月額20ドル、年払いで18ドル)が用意されています。企業で共同利用する場合は、Teamプラン(月30ドル/ユーザー)、API経由で大規模に使う場合は、AWS Bedrockの従量課金が定番となっています。
FreeプランではClaude 3 Sonnetが使えますが、8時間あたり約30回を超えると“Refill(詰め替え・補充)”待ちとなります。
Proプランでは、8時間あたりで100メッセージ以上が保証されており、優先キューで待ち時間が短縮されます。
アカウント登録とログイン方法
まず公式サイトにアクセスし、メールまたはGoogleアカウントでサインアップします。
氏名入力と利用規約への同意のあと、日本の携帯番号(+81)でSMS認証すると登録完了です。
そのまま「Start a new chat」をクリックすればチャットルームが開き、PDFやWordファイルをドラッグ&ドロップするだけで解析が始まります。
無料枠を超えて高頻度に使う場合は、画面右上から「Upgrade to Pro」を選択し、支払い方法を登録してください。
Poe.comを併用すれば、Free状態でも1日30回ほど追加でメッセージを送れるため、学習やライトユースに便利です。
Slackで使う場合はワークスペースに「Claude for Slack」アプリを追加し、スレッド内で/claudeコマンドを打つだけです。
Claude2の制限について
上記のとおりClaude2の料金には無料プラン・有料プランがありますが、それぞれに制限があります。
自分に合った使い方を選ぶようにしましょう
無料プランでの制限
まずClaude2の無料プランでは、使用範囲に制限があります。
例えば上でご紹介したPoeでClaude2を利用する場合、1日に30回までという利用回数上限があります。
また、利用方法によってはClaudeの種類が限定されてしまう場合もあります。条件を確認した上で、使用することをオススメします。
有料プランでの制限
有料プランの方が自由度は増しますが、制限はあります。
例えばClaude Proは、無料プランと比べて少なくとも5倍の使用量を提供します。会話が比較的短い場合、8時間ごとに少なくとも100通のメッセージを送信できます。
容量は大きくなるものの、制限があることは覚えておきましょう。
Claude2を最大限活用するためには、以下のような内容を取り入れるのがオススメです。
- なるべく会話の流れを続ける:Claude2はあなたがメッセージを送るたびに会話全体を読み直す必要があるので、新しい会話を始めると作業量が制限されます。
- 長いドキュメントについてClaude2に質問する場合は、一度に複数の質問をする:上記のとおりClaudeは新しいメッセージを送信するたびに会話を読み直す必要があります。個々のメッセージで質問をすると、複数の質問を含む単一のメッセージよりも早く制限を使い切ってしまいます。
- ファイルを再アップロードしない:Claudeは会話から全体の文脈を見るので、同じファイルを何度もアップロードする必要はありません(新しい会話を始めない限り)。
Claude2のセキュリティについて
Claudeのセキュリティ面についても触れておきます。Claude2だけでなく、AIを活用する際には常にセキュリティ問題がついてまわります。
情報漏洩のリスク
Claude2は最近リリースされたツールのため、情報漏洩には注意が必要です。
Claude2の設定では、基本的にプロンプトや会話をモデルの学習に使用することはありません。会話データにアクセスできるのは限られたスタッフのみであり、彼らは明確な業務目的のためにのみこのデータにアクセスすると明示されています。
しかし100%安全というのはありえません。情報漏洩のリスクを把握した上で利用しましょう。
著作権、商標権などの権利侵害
著作権や商標権などの権利侵害にも注意が必要です。
なぜなら、生成AIはインターネット上の膨大なデータを学習データとして使用するため、著作権や商標権で保護されたものも含まれる可能性があるからです。その結果、Claude2によって作成されたコンテンツが、著作権や商標権などを侵害する可能性があります。
著作権や商標権を侵害してしまう例として、生成AIが学習データとして使用した画像やテキストが著作権で保護されている場合、そのAIによって生成されたコンテンツも著作権を侵害する可能性があります。また、商標権で保護された作品や名称がAIによって無許可で使用された場合、商標権の侵害となってしまうこともあるので気をつけましょう。
ハルシネーションリスク
生成AIには、ハルシネーション(幻覚)と呼ばれる事実とは異なる情報を出力するリスクがあります。
この現象は、学習データの偏りや不足、そして生成AIの内部構造の複雑さが原因です。
例えば、AIが学習したデータに存在しない情報や関連性を誤って生成する可能性があります。これはChatGPTなど高度な生成AIで見られる現象です。
したがって、生成AIを使用する際にはハルシネーションリスクを理解し、適切なデータセットとモデル構造を選択することが重要です。セキュリティ面でのリスクをしっかりと認識した上で、利用しましょう。
なお、生成AIのリスクやセキュリティ問題について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

セキュリティとコンプライアンスの最新動向
2024年8月に公布されたEU AI Act(※1)は、2025年8月から一般用途AIモデル(GPAI)に対して透明性レポートの提出を義務づけています。
これに対し、AnthropicはAPIログを暗号化し、学習データに会話内容を使わないポリシーを公式に表明しました。
また、Constitutional Classifiersという安全設計により、最新モデルでは脱獄成功率が4.4%まで低減しています。
安全ガードを厚くすると、推論コストは最大24%増加するものの、企業導入時の監査やレギュレーション対応が容易になるため、金融・医療・公共領域を中心に採用が加速しています。
もし、機密情報を扱う場合は、Teamプラン+AWS PrivateLinkでIP制限を行い、操作ログをS3やCloudWatchに保管する構成がおすすめです。
Claude 3とClaude 2の性能差
Claude 3は3つのモデルで構成されます。
最上位のOpusはMMLUスコア88.0と、学術系ベンチでGPT‑4oに肉薄。中位のSonnetはFree枠でも利用でき、200Kトークン長文を高速で扱えます。
一方のClaude 2.1は、100Kトークン対応で日本語推論精度こそ高いものの、画像入力やプログラム実行には未対応です。
具体的な体感差として、契約書300ページ(約18万トークン)の一括要約はOpus/Sonnetなら1回で完了しますが、Claude 2では分割投入が必要になります。
速度面ではSonnetが最速で、Opusは高精度モードに切り替えるとやや遅くなるものの、要約品質は段違いです。
Claude 2とChatGPTの違い
Claude 2とChatGPTは多くの点で異なっています。
Claude 2の最大の特徴は、最大100,000トークン(約75,000語)のテキストを処理できることです。ChatGPTの場合、GPT3.5は4,097トークン、GPT4であっても32,768トークン(25,000語)なので、これは圧倒的なアドバンテージです。
また、Claude 2はデフォルトでPDFなどのファイルをアップロードでき、同時に複数のファイルを読み込めます。ChatGPTで同じことをしようとすると、プラグインをインストールするか、code interpreterを使わないとできません。
さらに、Claude 2は2023年初頭までのデータを使用して訓練されているため、より最新の情報にアクセスできます。
無料版のChatGPT3.5の場合は2022年1月までのデータしか拾えず、最新の情報を得るためには別途プラグインが必要です。
加えて、Claude 2とChatGPTの異なる点として安全性の高さも挙げられます。
ChatGPTはこれまでに、ハルシネーション(堂々ともっともらしいウソをつくこと)がたびたび指摘されてきました。
一方、Claude 2を開発したAnthropic社は、Claude 2が有害な情報を出力しないように最大限注意を払っています。その結果、先代のClaudeと比べて「無害な応答を返す能力が2倍優れている」とのことです。
以上Claude 2とChatGPTの違いについて解説しました。
以下の表に簡単にまとめます。
項目 | Claude 2 | ChatGPT |
---|---|---|
ファイルアップロード | ○ | × |
インターネットアクセス | × | ○ |
訓練データ | 2023年初頭までのデータ | 2022年1月までのデータ |
情報の最終更新日 | 2023年初頭 | 2022年1月 |
読み込めるトークン数 | 100,000トークン | GPT3.5:4,097トークンGPT4:32,768トークン |
安全性 | 有害なテキストを生成する可能性は低い | 有害なテキストを生成する可能性がある |
利用料金 | 無料版と有料版(Claude Pro)がある | 無料版と有料版(ChatGPT Plus)がある |
日本で利用可能か | 可能(2023年10月から) | 可能 |
また、10万トークンまで利用できる「Claude Pro」について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

Claude 2を活用しよう!
この記事では、2023年7月11日に発表されたAnthropic社新型AIチャットボット「Claude 2」をご紹介しました。
Claude 2は、最大100,000トークンのテキスト処理や複数ファイルの同時読み込みが可能で、ChatGPTを上回る性能を発揮すると期待されています。
もっと簡単に様々な機能を使いたい、という方はぜひ「Claude2」を試してみてくださいね。

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最後に
いかがだったでしょうか?
Claude 2の終了が迫る今、Claude 3やGPT‑4oなど最新AIの選定・活用を企業導入目線で整理しておきたい方へ。
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