Claude 2の日本での使い方解説!料金体系やセキュリティ、ChatGPTとの違いについても解説
2023年7月11日、Anthropic社がAIモデル「Claude 2」を発表しました。(現在、最新版はClaude 3)
実はClaude 2は、特定のタスクにおいてあのChatGPTよりも性能が良いと話題になっています。
これまでアメリカとイギリスでしか使えませんでしたが、2023年10月16日からついに日本でも使えるようになりました!
この記事では、Claude 2の使い方から実際に使ってみた感想、ChatGPTとの違いなどについて解説します。
登録方法から使い方まで詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!
Claude 2を発表したAnthropicとは
Anthropic社は、一般的なAIシステムと言語モデルの開発を専門としている、アメリカのAIスタートアップ企業です。
GPT-2とGPT-3モデルの開発にも関与したOpenAI社の元メンバー・Daniela AmodeiとDario Amodei兄妹によって、2021年に設立されました。
2023年7月時点でなんと15億ドル(日本円で約2,151億円)の資金を調達し、激化する生成AI市場で大躍進しています。
2023年7月11日に最新版のチャットボット「Claude 2」を発表しました。
そしてこの「Claude 2」、なんとOpenAI社のChatGPTよりも性能が良いと話題になっています。
なお、Claude 2 Proについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【Claude Pro】本1冊読み込める!?GPT4のライバル生成AIを使ってみた
Claude 2の料金について
2023年10月から、アメリカ・イギリスの電話番号だけでなく、日本の電話番号からも利用可能になりました。
Claude 2には、無料と有料の2つの料金設定があります。
詳しく解説します。
無料で使う方法
まず1つ目は、Claude 2の公式サイトからの利用です。
さらに、公式サイト以外にもClaude 2を無料で利用可能です。
方法は、以下の3つです。
- Poe
- Slack
- Vercel AI Playground
ここではClaude 2の公式サイトから使う方法と、代表例として「Poe」でCl使う方法について解説します。
公式サイトからClaude2を使う方法
1.ClaudeAIにアクセス
2.サインアップ
メールアドレスを入力するか、Googleアカウントの登録をしてください。
3.個人情報の登録
名前やあだ名を入力し、利用規約などに同意します。
4.電話番号を入力し認証します
5.登録が完了すると以下の画面に遷移します
6.ホーム画面で「Start a new chat」をクリックします
「Start a new chat」をクリックすると、新しいチャットルームが開きます。
これでClaude2が利用可能になります。
PoeでClaude 2を使う方法
1. Poeにアクセス
2.登録する
メールアドレスを入力、もしくはGoogleアカウントを選択して登録しましょう。
3. メニューからClaude2を選択する
メニューの「あなたのボット」をクリックします。
「Claude-2-100k」を選択してください。
これでClaude 2が利用可能になります。
有料で使う方法
Claude 2を有料で使う方法は、以下の3つです。
サービス名 | 料金 |
---|---|
Claude Pro | 月額20ドル |
Perplexity Pro | 月額20ドル(年払いの場合は200ドル) |
Amazon Bedrock | 要問い合わせ |
ここでは、「Perplexity Pro」でClaude 2を使う方法について解説します。
Perplexity ProでClaude 2を使う方法
1.Perplexity Proにアクセスする
Perplexity Proにアクセスし、「Sign Up」をクリックします。
2.メールアドレスを登録する
メールアドレスを登録します。(もしくは、Googleアカウント・Appleアカウントを選択する)
以下のようなメールが届くので「Sign in」をクリックしてください。
3.サインアップする
アイコンとユーザー名を設定します。
続いて支払いについて、「MONTHLY(月額20ドル)」「YEARLY(年額200ドル)」のどちらかを選択してください。
クレジットカード情報を入力します。
これで完了です。
Claude2の制限について
上記のとおりClaude2の料金には無料プラン・有料プランがありますが、それぞれに制限があります。
自分に合った使い方を選ぶようにしましょう
無料プランでの制限
まずClaude2の無料プランでは、使用範囲に制限があります。
例えば上でご紹介したPoeでClaude2を利用する場合、1日に30回までという利用回数上限があります。
また、利用方法によってはClaudeの種類が限定されてしまう場合もあります。
条件を確認した上で、使用することをオススメします。
有料プランでの制限
有料プランの方が自由度は増しますが、制限はあります。
例えばClaude Proは、無料プランと比べて少なくとも5倍の使用量を提供します。会話が比較的短い場合、8時間ごとに少なくとも100通のメッセージを送信できます。
容量は大きくなるものの、制限があることは覚えておきましょう。
Claude2を最大限活用するためには、以下のような内容を取り入れるのがオススメです。
- なるべく会話の流れを続ける:Claude2はあなたがメッセージを送るたびに会話全体を読み直す必要があるので、新しい会話を始めると作業量が制限されます。
- 長いドキュメントについてClaude2に質問する場合は、一度に複数の質問をする:上記のとおりClaudeは新しいメッセージを送信するたびに会話を読み直す必要があります。個々のメッセージで質問をすると、複数の質問を含む単一のメッセージよりも早く制限を使い切ってしまいます。
- ファイルを再アップロードしない:Claudeは会話から全体の文脈を見るので、同じファイルを何度もアップロードする必要はありません(新しい会話を始めない限り)。
Claude2のセキュリティについて
Claudeのセキュリティ面についても触れておきます。
Claude2だけでなく、AIを活用する際には常にセキュリティ問題がついてまわります。
情報漏洩のリスク
Claude2は最近リリースされたツールのため、情報漏洩には注意が必要です。
Claude2の設定では、基本的にプロンプトや会話をモデルの学習に使用することはありません。会話データにアクセスできるのは限られたスタッフのみであり、彼らは明確な業務目的のためにのみこのデータにアクセスすると明示されています。
しかし100%安全というのはありえません。情報漏洩のリスクを把握した上で利用しましょう。
著作権、商標権などの権利侵害
著作権や商標権などの権利侵害にも注意が必要です。
なぜなら、生成AIはインターネット上の膨大なデータを学習データとして使用するため、著作権や商標権で保護されたものも含まれる可能性があるからです。その結果、Claude2によって作成されたコンテンツが、著作権や商標権などを侵害する可能性があります。
著作権や商標権を侵害してしまう例として、生成AIが学習データとして使用した画像やテキストが著作権で保護されている場合、そのAIによって生成されたコンテンツも著作権を侵害する可能性があります。また、商標権で保護された作品や名称がAIによって無許可で使用された場合、商標権の侵害となってしまうこともあるので気をつけましょう。
ハルシネーションリスク
生成AIには、ハルシネーション(幻覚)と呼ばれる事実とは異なる情報を出力するリスクがあります。
この現象は、学習データの偏りや不足、そして生成AIの内部構造の複雑さが原因です。
例えば、AIが学習したデータに存在しない情報や関連性を誤って生成する可能性があります。これはChatGPTなど高度な生成AIで見られる現象です。
したがって、生成AIを使用する際にはハルシネーションリスクを理解し、適切なデータセットとモデル構造を選択することが重要です。
セキュリティ面でのリスクをしっかりと認識した上で、利用しましょう。
なお、生成AIのリスクやセキュリティ問題について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIの企業利用・開発のリスクとその対策を解説!開発失敗事例も紹介
Claude 2とChatGPTの違い
Claude 2とChatGPTは多くの点で異なっています。
Claude 2の最大の特徴は、最大100,000トークン(約75,000語)のテキストを処理できることです。ChatGPTの場合、GPT3.5は4,097トークン、GPT4であっても32,768トークン(25,000語)なので、これは圧倒的なアドバンテージです。
また、Claude 2はデフォルトでPDFなどのファイルをアップロードでき、同時に複数のファイルを読み込めます。ChatGPTで同じことをしようとすると、プラグインをインストールするか、code interpreterを使わないとできません。
さらに、Claude 2は2023年初頭までのデータを使用して訓練されているため、より最新の情報にアクセスできます。
無料版のChatGPT3.5の場合は2022年1月までのデータしか拾えず、最新の情報を得るためには別途プラグインが必要です。
加えて、Claude 2とChatGPTの異なる点として安全性の高さも挙げられます。
ChatGPTはこれまでに、ハルシネーション(堂々ともっともらしいウソをつくこと)がたびたび指摘されてきました。
一方、Claude 2を開発したAnthropic社は、Claude 2が有害な情報を出力しないように最大限注意を払っています。その結果、先代のClaudeと比べて「無害な応答を返す能力が2倍優れている」とのことです。
以上Claude 2とChatGPTの違いについて解説しました。
以下の表に簡単にまとめます。
項目 | Claude 2 | ChatGPT |
---|---|---|
ファイルアップロード | ○ | × |
インターネットアクセス | × | ○ |
訓練データ | 2023年初頭までのデータ | 2022年1月までのデータ |
情報の最終更新日 | 2023年初頭 | 2022年1月 |
読み込めるトークン数 | 100,000トークン | GPT3.5:4,097トークン GPT4:32,768トークン |
安全性 | 有害なテキストを生成する可能性は低い | 有害なテキストを生成する可能性がある |
利用料金 | 無料版と有料版(Claude Pro)がある | 無料版と有料版(ChatGPT Plus)がある |
日本で利用可能か | 可能(2023年10月から) | 可能 |
ここまでClaude 2とChatGPTの違いについて述べてきましたが、実際に使ってみないとどちらが優れているのかは実感しにくいですよね。
そこで、次章ではClaude 2を実際に使ってみた感想を書きます。
また、10万トークンまで利用できる「Claude Pro」について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→【Claude Pro】本1冊読み込める!?GPT4のライバル生成AIを使ってみた
Claude 2を実際に使ってみた!
それでは、Claude 2を実際に使ってみます。
今回はClaude 2の実力を試すために以下の4つのタスクを行いました。
- 長文要約
- 最近のデータへのアクセス
- コーディング
- ファイルの読み込み
1つずつみていきましょう!
長文要約
100,000トークンまで読み込めることが強みなので、まずは長文の要約をしてみます。
ですが、さすがに100,000トークンほどの文章は見つからなかったため、ゴールドマンサックスの「The Potentially Large Effects of Artificial Intelligence on Economic Growth」を要約してもらいました。
The Potentially Large Effects of Artificial Intelligence on Economic Growth
この文章は5,000トークンほどでしたが、5秒ほどで文章を生成してくれました。
また、筆者が個人的に素晴らしいと感じたのは、文字数制限をしっかりと守ってくれることです。
「200文字で記事を要約してください」と指示を出してみると207文字の文章を生成してくれました。
ChatGPTは文字数を守るのが得意ではない印象なので、素晴らしい機能を持っていると感じます。
最近のデータへのアクセス
次に、最近の情報、特に2020年以降の情報にアクセスできるかを確認してみます。
Claude 2に「Did elon musk buy Twitter?=イーロンマスクはTwitterを買収しましたか?」と聞いてみました。
すると、2022年10月に買収したと書いてあり、その後の動きも細かく記されています。
これは事実に沿った正しい情報であり、Claude 2 は2020年以降の情報も正確に拾えることがわかります。
ChatGPTでは、プラグインを使って2020年以降の情報を得ようとすると間違えていることがたまにあるので、正しい情報を出力してくれるのはありがたいですね。
コーディング
続いて、Claude 2にコードを書いてもらいましょう。
コードは重回帰分析をするプログラムを参考にします。
まず、「Pythonで重量回帰分析をするプログラムを書いてください。」と指示を出し、そのプログラムを実行してもらいました。
その結果は以下のとおりです。
プログラムが書かれていて、しっかりそれが実行されていますね!
これはすごい!
Claude 2、かなりやばいかもしれないですね…
もしかしたら本当にChatGPTを超える存在になるかもしれません。
ファイルの読み込み
最後にファイルを読み込ませてみます。
今回は、テスラのMaster Plan Part3のPDFを読み込ませました。
PDFファイルで41ページの容量です。
全く問題なく読み込むことができ、指示を出したとおりにPDFの内容を要約してくれました。
ChatGPTだと、PDFを読み込ませるためにリンクを取得したり、Pythonに読み込ませたりする必要があります。
ドラッグをするだけでPDFを読み込ませることができるのはかなり便利ですね!
また、2つのPDFを同時に読み込ませることもできます。
ここでは、テスラのMaster Plan Part2とMaster Plan Part3を同時に読み込ませ、違いを比較してみました。
これはとても便利ですね!
かなり容量のあるPDFでしたが、難なく読み込めました。
基本的にChatGPTと同じことができるのはもちろん、それに加えてファイルの読み込みや長文の処理ができるため、ChatGPTより高性能と言われるのも頷けます。
筆者が実際に使ってみた感想としては、ChatGPTよりもかなり便利だなと思いました。
最も使い勝手が良いと感じたのが、ドラッグするだけでファイルを複数読み込める点です。
ChatGPTであればプラグインをインストールしたり、ファイルの形式を変えたりする必要があったので、非常に便利になっています。
加えて、複数のファイルを読み込ませられるとファイル同士の比較ができて、さらに踏み込んだ分析が可能です。
ChatGPTはプラグインやCode Interpreterなどがとても便利ですが、そうでなければClaude 2を使うのもありだと思いますね。
なお、Claude 2のより詳細な使い方について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→Claude 2のプロンプトガイド!ChatGPTよりヤバい禁断のハック術
Claude 2を活用しよう!
この記事では、2023年7月11日に発表されたAnthropic社新型AIチャットボット「Claude 2」をご紹介しました。
Claude 2は、最大100,000トークンのテキスト処理や複数ファイルの同時読み込みが可能で、ChatGPTを上回る性能を発揮すると期待されています。
筆者がClaude 2の実力を試すべく、長文要約、最近のニュースへの対応、プログラミング、ファイル読み込みなどを行ったところ、ChatGPTと同等以上の結果でした。特に、PDFファイルの簡易な取り込み操作ができる点は非常に大きなメリットです。
もっと簡単に様々な機能を使いたい、という方はぜひ「Claude2」を試してみてくださいね。
最後に
いかがだったでしょうか?
弊社では
・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
・ハルシネーション対策AIツールの開発
・自社専用のAIチャットボットの開発
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
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