Claude 2のプロンプトガイド!ChatGPTよりヤバい禁断のハック術

みなさん、Claude 2というLLMをご存知ですか?
まだ日本では使えないのですが、 プロンプトデザインガイドを公式が公開してくれています。
追記:2023年10月現在、Claude 2は日本でも利用可能です。
今後注目されると思いますので、この記事では、Claude 2の概要やプロンプトデザインのテクニックを解説していきます。
ぜひ先取りして勉強していきましょう!

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Claude 2の概要
まずは、Claude 2がそもそも何か、どれくらいすごいかお話しておきます。
Claude 2は、Anthropic社が作ったチャットボットサービスです。
開発したAnthropicは、OpenAIのメンバーからなるスタートアップ。
確かな技術力をもとに、2023年7月時点で、15億ドルの資金調達をしてます。
Claude 2が注目を集めている理由としては以下のようなものがあります。
- 扱えるトークン数:Claude 2は最大100,000トークン(約75,000語)を処理できます。比較として、GPT3.5は4,097トークン、GPT4であっても32,768トークン(25,000語)です。
- ファイルアップロード機能:デフォルトでpdf、txt、csvなどのファイルに対応している。一方で、ChatGPTでは課金ユーザのみ利用できる機能。
- 高精度:米国医師試験に合格、またPythonコーディングテストで高得点(71.2%)を獲得。
ただし、現状、利用できる国は限られており、アメリカとイギリスだけ。
まだ使えませんが、解禁に向けて勉強しておくのも良いでしょう!
追記:2023年10月現在、Claude 2は日本でも利用可能です。
ということで、Anthropicが公開しているプロンプトデザインガイドを見ていきましょう!
ちなみにClaude 2 に関して詳しく書いた記事があるので、ぜひそちらも参考にしてください!


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Claude 2のプロンプトデザインガイド
Claude 2の仕組みや利用時のポイント、テクニックをまとめていきます。
Claude 2のプロンプトデザインについては、生みの親のAnthropicが公式で解説しています。
今回のプロンプトデザインは、その動画を参考に解説していきます。
Claude 2の仕組み
Claude 2は、会話形式での回答を得意とするAIチャットボットです。
使い方は簡単。
以下のようにプロンプト(指示文や質問文)を入力するだけ。
すると、それに対して回答(レスポンス)が出力されます。

この回答を決めるとき、Claude 2の内部では入力に対する予測がされています。
もう少し詳しく言うと、回答を作る無数の単語から使われる可能性が高いものを選んでいます。
例えば、「なぜ空は青いのですか?」とプロンプトに書き、Claude 2へ質問します。
もし皆さんに対して質問があったら、どのように回答しますか?
「なぜなら……」とか、「空が青いのは……」などなど、話し始めやそれに続いていく文章は千差万別かと思います。Claude 2では、「どのような話始めがいいんだろう。」「次に続く単語はどれがいいんだろう」と選んで回答が作られているんですね。
実際に、「なぜ空は青いのですか?」と聞いてみました。

今回の場合は、「空が青く見える主な理由は……」という書き始めが一般的と判断されて書かれたわけですね。
以上が、Claude 2の仕組みに関してでした。
次は、プロンプトデザインの前提知識を紹介します。
Claude 2 プロンプトデザインの前提知識
プロンプトデザインの前提知識を確認していきましょう。
以下がその前提知識になります。
- タスクをしっかり説明する
- XMLタグを使って強調する
- Claude 2の短期記憶を意識する
タスクをしっかり説明する
これは、Claude 2 = 一緒に働く人と想定して話しかけましょうということです。
Claude 2は会話向けに調整されているというのも関係すると思います。
プロンプトを書く上で伝えるべきポイントは以下です。
- 文脈
- 未知語などの定義
- 達成してもらいたいタスクのゴール
このテキストから個人を特定できる情報をすべて削除することで、
一部のテキストを非特定化し、外部の請負業者と安全に共有できるようにしたいと考えています。
名前、電話番号、自宅や電子メールアドレスなどの個人情報をXXXに置き換えることが非常に重要です。
以下は、あなたが処理すべきテキストです:
{{TEXT}}
逆に良くないプロンプトの例はこちらです。
このテキストから個人を特定できる情報をすべて削除してください。
: {{YOUR TEXT HERE}}
文脈を伝えられていないですね。
XMLタグを使って強調する
Claude 2ではXMLを使って、強調できます。
XMLタグとはマークダウン記法に使うものです。
XMLタグを使う場合のルールですが、
各要素は開始タグ(<tag>
)と終了タグ(</tag>
)で囲むだけ。
それでは、先程のプロンプトに、XMLタグを使ってみましょう。
このテキストから個人を特定できる情報をすべて削除することで、
一部のテキストを非特定化し、外部の請負業者と安全に共有できるようにしたいと考えています。
名前、電話番号、自宅や電子メールアドレスなどのPIIをXXXに置き換えることは非常に重要です。
以下は、<text></text> XMLタグ内のテキストです。
<text>
{{TEXT}}
</text>
個人情報をを削除した非識別化バージョンのテキストを、
<response></response> XMLタグの中に入れてください。
{{TEXT }}の内容を変更するだけで、このプロンプトは利用し続けられます。
変数のような扱いもでき便利です。
Claude 2の短期記憶を意識する
Claude 2は、ある程度会話の内容を覚えてくれています。
コンテキストウィンドウという、短期記憶を持っており、100,000トークンの入力に扱えます。
この制限を超えると、支離滅裂な回答をするようになるらしいので注意が必要ですね。
逆に、そうならない限り、会話を何度も繰り返しタスクを実行できます。
後述するプロンプトチェーンというテクニックにも応用できるので慣れていきましょう!
これで、Claude 2の抑えるべきポイントをまとめました。
次は、基本やポイントをもとに、テクニックを学んでいきましょう!

Claude 2のプロンプトテクニック
次に、Claude 2の具体的なプロンプトのテクニックを解説します。
- 分からないと言わせる
- 段階的に考えさせる
- タスクをサブタスクに分けて伝える
- プロンプトチェーンを使う
- 理解度を確認する
詳しく見ていきましょう。
分からないと言わせる
Claude 2を始めとしたLLMは、仕組み上、回答をでっち上げる可能性があります。
このClaude 2があたかも正しいことのように嘘をつくこの現象をハルシネーションと言います。
ハルシネーション対策として、Claude 2に「わからないことはわからない」と回答するようにプロンプトを書くことです。
例としては以下です。
答えを知っているか、あるいは十分な推測ができる場合のみ、以下の質問に答えてください。
これまで記録された中で最も重いカバは?
こうすることで、以下のように、回答。

ちなみに、このテクニックを使わなかった場合は、以下のようになりました。

Angalifuについて調べてみると、シロサイでした!笑
このように平気で嘘をついてきますから、このテクニックは覚えておきましょう!
段階的に考えさせる
推論や計算問題をする時は、「段階的に(ステップバイステップ)」Claudeに作業してもらうようにしましょう。
以下のようなプロンプトを伝えました。
私は二匹の猫を飼っています。
一匹は足が一本足りません。
もう一匹は通常の足の数です。
合計で何本の足がありますか?
ステップ・バイ・ステップで考えてください。
以下のような出力になり、正しい回答になりました。

方程式を順番に解いていく感覚に近く、一発で答えがでないものには使うとよい印象です。
思考プロセスも分かるので、活用していきましょう!
タスクを分けて伝える
複雑なタスクを行わせるとき、タスクは手順を分割して伝えてあげましょう。
良くないプロンプト例は以下です。
このステートメントについてエッセイを書いてください。
賛成のトピック文を3つ、反対のトピック文を3つ、最後に結論を書いてください。
悪くはないと思いますが、以下のように改善できます。
以下のステップに従ってください:
1. {{ステートメント}}に賛成するトピック文を3つ書いてください。
2. {{ステートメント}}に反対するトピック文を3つ書いてください。
3. ステップ1と2から展開してエッセイを書き、結論で論点をまとめてください。
エッセイは<essay></essay>タグで囲んでください。
手順を箇条書きしてあげることと、ステートメント(対象になる文章)に関して複数回情報を与えていますね。
そのことで、Claude 2は命令を理解しやすくなったんだと思います。
ほかにも、結論ベースで話すとかも、わかりやすさの観点からは重要です。
意識して工夫してみましょう!
プロンプトチェーン(連鎖)を使う
先述したサブタスクに分解する方法は、1回の会話で終わってましたが、そうならないときもありますよね。
そんなときは、プロンプトチェーンを使いましょう。
分けたサブタスクそれぞれにプロンプトを与える手法です。
先程のプロンプトは、を例にやってみると、以下のようになります。
1個目のサブタスクに対してプロンプトを入力
1. {{ステートメント}}に賛成するトピック文を3つ書いてください。
2個目のサブタスクに対してプロンプトを入力
2. {{ステートメント}}に反対するトピック文を3つ書いてください。
最後に、3つ目のサブタスクに対してプロンプトを入力
3. ステップ1と2から展開してエッセイを書き、結論で論点をまとめてください。
エッセイは<essay></essay>タグで囲んでください。
これは、あえてプロンプトチェーンを使ったものです。
もっとこなすタスクが複雑だったり、規模が大きい(出力する文章が多い)場合は活用ください!
理解度を確認する
Claude 2に、プロンプトをしっかり理解できてますか?と聞くという方法も紹介されてました。
こんなプロンプトです。
文章を与えるので、その中に「apple」という単語が何回含まれているかを教えてください。
例えば、私が「リンゴが欲しい」と言ったら、「リンゴ」という単語が1回文中に出てくるので、答えは「1」です。
答えの前に理由や説明をすることもできますが、最後に必ず、次のようにカッコの中に最終的な答えだけを書いてください: [1].
いきなりタスクをClaude 2に実行させて、回答がおかしくなる場合などに使えそうですね。


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まとめ
Claude 2 の概要やプロンプトデザインの前提知識、テクニックをまとめます。
Claude 2 の概要
Claude 2は、Anthropic社が作ったAIチャットボットで、以下のような特徴があります。
- 扱えるトークン数が多い
- ファイルアップロード機能がデフォルトで使える
- 精度も良い
有料のChatGPTにも劣らない性能で無料ということで、注目を集めているLLMです。
Claude 2のプロンプトデザインの解説
Claude 2の仕組み
プロンプト(指示文や質問文)に対して、続きとしてもっとも確からしい単語を回答(出力)している。
Claude 2のプロンプトデザインの前提知識
前提知識は以下は3つです。
- タスクをしっかり説明する
- XMLタグを使って強調する
- 短期記憶を意識する
Claude 2のプロンプトデザインのテクニック
テクニックは以下です。
- 分からないと言わせる【嘘・ハルシネーション対策】
- 段階的に考えさせる【複雑なタスク対策】
- タスクをサブタスクに分けて伝える【複雑なタスク対策】
- プロンプトチェーンを使う【複雑なタスク対策】
- 理解度を確認する【複雑なタスク対策】
Claude 2だけではなく、他のLLMにも関連するのでおさえておきましょう!

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