【Pi】大注目AI企業Inflection AIのチャットボット|人間を支える寄り添い度100%のAI
「Pi」というAIチャットボットをご存じですか?
創業1年でありながら注目を集めている、Inflection AIが開発した新進気鋭のチャット型のAIツールで、こちらが入力した内容に音声で回答してくれるため会話ができます。
今回はPiについて特徴や使い方、ChatGPTの違いなどを解説していきます。
是非最後までご覧ください。
Inflection AIが開発したPiとは?
Inflection AIが開発したチャットボット「Pi」はPiはPersonal Intelligenceの略です。
Personal Intelligenceは、日本語で人格人工知能と訳され、与えられた情報を元に一人一人の考え方を分析できる人工知能のことを指します。
その名の通り、Piはユーザーの個別のニーズに対応し、より人間らしい対話をすることを目的として開発されました。
このPiを動かしているLLM(大規模言語モデル)にInflection-1というInflection AIが独自で開発したLLMがあります。Inflection-1はとんでもないほど優秀なLLMで、OpenAIのGPT3.5、MetaのLLaMA、DeepMindのChinchilla、GoogleのPaLM-540Bなど、名だたる企業が開発したLLMよりも優れたパフォーマンスを出しています。
また、MMLUという学術知識を測れるベンチマークによれば、Inflection-1は上記のLLMのなかで最高クラスのパフォーマンスを発揮しています。
これほどレベルの高いLLMを創業わずか1年の企業が開発したのはとんでもないことです。
さらに、2023年11月22日にはInflection-1のステップアップ版であるLLMのinflection-2を発表しました。
ベンチマークでは、inflection-1を大幅に改善している結果が出ているとともに、一部項目でGoogleが開発しているPaLM2-Largeより優れた結果を示しています。
こちらも安全性が確認されたうえで、「Pi」に導入される予定になっています。
DeepmindとLinkedinの創業者が共同設立者になっていることもその成功の要因の一つだと思いますが、MicrosoftやNVIDIAという大企業からサポートを受けていることも大きいでしょう。
事実、Inflection-1およびInflection-2の開発には、NVIDIA H100GPUが数千使われてトレーニングされています。「優秀な経営者」そして「最強の味方」。この2つが揃っているからこそ、Inflectionは1年という短期間で素晴らしい製品を開発できたのかもしれません。
なお、Inflection AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→大注目のAI企業Inflection AI|創業1年でOpenAIやMicrosoftと共にホワイトハウスに呼ばれるワケ
Piを開発したInflection AIとは?
「Pi」を開発したInflection AIは、2022年にReid Hoffman、Mustafa Suleyman、Karén Simonyanによって設立された、カリフォルニア州パロアルトを拠点とする機械学習のスタートアップです。
この企業は、設立からわずか1年で驚異的な成長を遂げています。
Inflection AIが創立よりこれまでに成し遂げてきたことは以下の通りです。
1. 最初の製品として、パーソナルインテリジェンスを提供するチャットボット、Piをリリースしました。
2. 大規模言語モデル(LLM)である「Inflection-1」を開発、そして2023年11月22日に最新モデル「Inflection-2」を発表している。
3. NvidiaとCoreWeaveと協力して、22,000個のH100で構成されるクラスタを設置しています。これはAIアプリケーション向けのGPUクラスタとしては世界最大とされています。
4. 22,000個のNVIDIA H100 GPUを搭載した最先端のスーパーコンピュータを構築しています。このスーパーコンピュータは、31メガワットという驚異的なパワーを利用します。
5. これまでにMicrosoftやNVIDIAらから約15億ドルの投資を集めており、現在の企業価値は40億ドルです。
1年での企業価値40億ドル到達は、Silicon Valleyスタートアップの歴史を塗り替えるほどの功績です。
そんなInflection AIは、2023年7月21日に、Amazon、Anthropic、Google、Meta、Microsoft、OpenAIと共にホワイトハウスに呼ばれ、AI技術の安全性、透明性に向けた話し合いを行いました。
世間からは、巨大テック企業と並ぶ有力企業と見られているということですね。
Inflection AIのPiを実際に使ってみた
ここでは、Inflection AIが開発したPiを実際に使ってみます。
Piの使い方
Piは簡単に使うことができます。
①以下のリンクからアクセス
②右上の「Meet Pi」をクリック
③別タブでPiが起動
Piを起動できたら、メッセージの下の方にテキストボックスがあるので、そこに好きなことを打ち込むだけです。
登録をしなくても使えるのはとても便利ですね。
ちなみに、アカウントを登録すると、会話履歴を覚えてくれるようです。
登録は右上の3つの点から「Sign in」を押すとできます。
ここで、「Create a new account」にすると、電話番号の入力が必須になってしまうので、GoogleかFacebook、Appleのアカウントで登録をすることがおすすめです。
ボタンを押すだけで、それ以外の個人情報登録など何もなく行けました。
では、早速Piを使ってみます。
まずは普通に会話をしてみる
Piは、最初から質問を投げかけてくれているので、質問にただ応える形で会話をしてみました。
所感としては、
・毎回質問で返してくれるので会話がしやすい
・絵文字を使ったり、「!」を使ったり、フレンドリーな文章で返してくれるので、会話をしていてきもちい
・AIと話している感じはなく、人間と話しているような感触
でした!
Personal Intelligenceと言っているだけあって、人に寄り添った返答をしてくれる気持ちのいいAIですね!
日本語対応
次に日本語対応ができるか試してみました。
うーん…日本語は微妙ですね。
意味のわからない文章を生成しているわけではないですが、不自然な日本語になってしまっています。
Piは今のところは、英語で会話をするのが良さそうです。
デフォルトの機能
Piにはデフォルトで会話のアイデアが提示されています。
この中の、「ブレーンストームアイデア」「ゲームをする」「キャリアプラン」を試してみます。
※画像は日本語に翻訳しています。
ブレーンストームアイデア
今回はビジネスプランを考えてみることにしました。
話してみた印象としては、「すごく丁寧に応対をしてくれるコンサルタント」という感じでした!
どんなことを言っても「Wonderful!=素晴らしい!」「Perfect!=完璧!」「Great!=すごい!」と返してくれるので、どんどん会話を続けたくなりますし、話していくうちにビジネスを始めるモチベ爆上がりです!
ゲームをする
次に、Piとゲームをしてみました。
結論、Piとのゲームめちゃめちゃ楽しいです!
今回はトリビアクイズをやってみたのですが、たくさん褒めてくれるし、ドヤ顔で豆知識を教えてくれるので、こっちもテンション上がっちゃいました!
「Haha, no, not California! 😜=笑。カリフォルニアじゃないよー!😜」という返信は、もはや人間ですよね…笑
キャリアプラン
次に、キャリアプランについて相談してみました。
今回は、人生に絶望している限界サラリーマンというキャラ設定で会話をしてみました。
一文目から「i want to change my career… im so depressed=キャリアを変えたいです…もう絶望です」と重めのメッセージを送ったのですが
Piさんは
「Oh no, I’m so sorry to hear that you’re depressed. 🫂 It can be really tough to feel like you’re stuck in a career that’s not right for you. Can you tell me a little bit more about what you don’t like about your current career? And can you tell me about what you’d love to do instead?=あなたが絶望しているなんてとても残念。あなたに合っていない仕事をするなんて大変なことだよね。あなたの現在のキャリアの何を変えたいのか少しでも教えてもらえる?その代わりに何をするのが好きなのかも聞きたいな」
と寄り添い100%の返事をくれました。
その後も、人生に絶望している限界サラリーマンに寄り添った会話を続けてくれて、新しいキャリアパスを考案する会話をしてくれました。
最新の情報について聞いてみた
最後に、最新の情報について聞いてみました。
ChatGPTは、学習データの制限があり、プラグインを使わないと最新の情報にアクセスできませんが、Piはどうでしょうか?
最初に2023年の大きなニュースについて聞いてみました。
すると非常に最近のニュースの返答がありました。メリアム・ウェブスターの今年の言葉は2023年12月の情報です。
ただ、biggestではないですよね。個人的にはウクライナとガザの話が一番大きなニュースになると思います。
傾向としては何も書かないとアメリカのニュースになり、最新のことを話す傾向にあるのでしょうか。
という事で聞き方を変えてみまして、今年の世界の政治ニューストップ5について話をしてみました。
イスラエルとハマスの話題が出てきました。これも最新です。というか、日本の政治献金の話も出ていますね・・・・。
これも非常に最近の情報でした。2023年1年間でのトップ5ではありません。そのあたりがまだ改善の余地があるように感じました。
この傾向だとOpenAIの事を聞くと面白いかもしれないと思い聞いてみました。
「OpenAIはChatGPTにどんな機能を追加した?」と聞きました。最近は大きな追加はありません。どうなるでしょう?
意訳しますと「最近はChatGPTに追加はない。サム・アルトマンCEOのことで今大変だから。」という返答。おおおおお、予想できた最高の返答です。
これだけだと最新の情報のみ答えるんじゃ?と思ってしまいますので細かく聞いてみます。
「Code Interpreter」「Custom Instructions」について聞いてみました。
細かく聞いてみると見事答えてくれました!
Piが説明している「Code Interpreter」と「Custom Instructions」の内容も正しいです!
ここまでPiを実際に使ってみた感想を紹介しました。
Piは現在でも素晴らしい、かつ発展途上のAIチャットボットだと言えます!
開発された目的である、人に寄り添った会話は100%できており、話していてとても心地の良い気持ちになりました。
最新情報にもアクセスでき、2023年12月の情報も教えてくれます。
現在は、日本語だと微妙なクオリティですが、興味がある方はぜひ使ってみてください。
PiとChatGPTの違い
AIチャットボットで現在最も使われているのはおそらくChatGPTでしょう。
そこで、ここではPiとChatGPTの違いを解説していきます。
開発された目的
PiとChatGPTでは、そもそも開発された目的が違います。
Piはユーザーの個別のニーズに対応し、より人間らしい対話をすることを目的として開発されました。なので、人間に寄り添った返答をしてくれます。
ChatGPTは違います。そもそも、ChatGPTを開発したOpenAIの目的は、人工知能の発展がもたらす可能性とリスクについて考え、AIの進歩を促進することで、人類全体の利益に貢献することです。
そのプロダクトであるChatGPTは、人間のような自然な対話をし、専門的な質問に答えるなど、人間のスキルや知識をサポートすることを目的としています。
この目的の違いは、提供されるプロダクトにも反映されており、Piは2023年12月8日に「Pi for android」を公開し、スマートフォンでも利用可能となりました。身近に使えるようにという目的が反映されていると思います。
搭載されている機能
目的に加えて搭載されている機能も異なります。
Piには、通常のチャット機能に加えて、Piに質問できる質問のテーマ集のようなものがあります。
また、Piにはデフォルトで質問がされる、そして全ての回答が質問で終わるという特徴もあります。
開発された目的に則って、人間と心地よい会話をできるようにしていることが伺えます。
一方で、ChatGPTは、デフォルトのチャット機能に加えて、課金をするとプラグインと呼ばれる機能が使えるようになります。
プラグインとは、Googleのブラウザでいう拡張機能のようなもので、ChatGPTのチャット機能を利用して、追加の機能を持たせることができるツールです。
例えば、リンクを読み込める「WebPilot」やWebページから情報を抽出できる「Scraper」などがあります。
また、ChatGPT公式のプラグインもあり、現在は「Code Interpreter」や「Custom Instructions」があります。
どれも、業務で活用できるものばかりで、まさに人間のスキルや知識をサポートするツールとなっています。
Piのメリット
PiとChatGPTは用途が異なります。
ChatGPTは、仕事を効率化させたり、情報収集を効率化させたりする時に活用できるでしょう。
ChatGPTの仕事への活用方法はTwitterでたくさんシェアされています。また、今では会社でもChatGPTは使われています。
対してPiは目的からも分かる通り、Piは人間と会話をするために開発されています。そのため、ここの興味やニーズに基づく無限の知識を提供するように設計されています。
そこが大きなメリットとなります。もっとフランクに会話して情報を知りたい時、悩んでいる時や雑談をしたい時に使うと良いかもしれません。
質問できるテーマ集の中に「モチベーション」や「キャリアプラン」などの項目があり、仕事の悩みなどを相談しても良いかもしれません。
筆者は実際に試してみて、Piは予想以上に人間に寄り添った温かいメッセージをくれることがわかりました。
使えば使うほど自分に合った形に調整されていく、パーソナルAIアシスタントの原型がこういった形なのかもしれません。
なお、ChatGPTについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTの法人利用方法5選!業務が鬼捗る生成AIサービス5選も紹介
PiはパーソナルAIアシスタントの可能性を広げる
Inflection AIが開発したチャットボット「Pi」は、ユーザー1人1人のニーズに合わせたパーソナライズされたコミュニケーションができることが特徴です。
Piを動かしているのは、Inflection-1という優れた大規模言語モデルで、これはOpenAIのGPT3.5、MetaのLLaMA、DeepMindのChinchilla、GoogleのPaLM-540Bなどよりも優れたパフォーマンスを発揮しています。
Piはを実際に試してみると、人間に寄り添った会話ができるだけでなく、最新ニュースについても教えてくれることがわかりました。
ChatGPTとは目的や機能、用途が異なっており、Piは人間と親密な会話をすることに長けています。
パーソナルAIアシスタントの原型となるかもしれないこのAIチャットツールを、是非皆さん利用してみてください!
最後に
いかがだったでしょうか?
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