【Sakana AI】元Googleの天才2人による日本のAI企業が送る浮世絵生成AI【Evo-Ukiyoe / Evo-Nishikie】

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みなさん、Sakana AIという企業をご存知ですか?元Googleの研究者が東京を拠点に始めたAIスタートアップです。
AIと親和性の高い日本でこのような企業があるのは嬉しいですね。

ということで、日本の皆さんに知っててほしいSakana AIの概要、東京をなぜ拠点にしたのか、Sakana AIのミッションやビジョンなどしていきます。
ぜひ最後までご覧ください!

目次

Sakana AI社の概要

Sakana AI社は、東京を拠点とするAIスタートアップです。
元Google AIの研究者であるLlion Jones氏(以下:ジョーンズ氏)とDavid Ha氏(以下:ハー氏)によって2023年8月に設立されました。

このお二人、かなり経歴がすごいんですね。

ジョーンズ氏は、2017年に発表された生成AI革命のきっかけとなった論文「Attention Is All You Need」の8人の著者の1人。10年以上Googleに勤めた後、退社しました。

ハー氏は2016年にGoogle Brainに入社し、2017年にGoogle Brainの東京チームトップ。2022年にGoogleを退社し、Stability AIの研究トップとして活動していたましたが、2023年6月に退社しました。

ちなみに、社名に使われている「Sakana(魚)」という言葉。
これは、自然の原則に基づいた集合知を象徴しているんだとか。
生物の模倣(biomimicry)をAI開発に落とし込もうとする企業哲学やビジョンに反映されていますね。

それにしても、なぜ東京を選んだんでしょうか?

なお、生成AIツールの開発方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Sakana AI はなぜ東京を拠点とするのか

それにはいくつか戦略的な理由があるそうです。

まずは、国際的な都市であること。
AI技術の研究や開発に適した環境が整っています。

さらに、高度な教育を受けた人材が多いこと
そのため、北米での研究者獲得競争を避けることもできるんだとか。

という理由で、我が国の東京が拠点として選ばれたわけです!

個人的には、海外に比べ、日本にはAIを受け入れやすい土壌があると思っています。
最先端の研究者が日本でAI開発をするなんて、嬉しいですねー。

なお、ChatGPTに自社データを学習させる方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Sakana AIのミッションやビジョン

Sakana AIは、生物の模倣(biomimicry)に基づいた柔軟で適合性の高いAIモデルを開発しようとしています。

もっと分かりやすく、魚や蜂を想像してみましょう。
魚は、群れに合わせて泳ぎ、時には大きな敵を追い払います。
蜂も同様です。全員で巣をつくり、餌を嬢王蜂に運びますが、天敵が来たら一斉攻撃です。
このように自然界にあるシステムは、その状況に合わせ対応します。

Sakana AIは、この考えをAI開発にも取り入れようというのです。
多数の小さなAIモデルを開発し、協力させ、複雑な結果を出力するという新しいアプローチ。
これはまさに、先程の魚や蜂のようです。

さらに面白いのは、このアプローチはものすごくチャレンジフルということ。
話題の大規模AIシステムの構築は、柔軟性もなく、あとから手を加えにくいという理由から、建築物に例えられます。

この本流に逆らうように、企業哲学や技術力を活かし、Sakana AIは、万能な生成AIの開発中。
ちなみに、テキスト、画像、コード、マルチメディアコンテンツの生成を目指していますが、具体的な製品やサービスのリリースはまだとのことです。

Sakana AIがどんなプロダクトを出してくるのか、めちゃくちゃ楽しみですねー!

日本文化に特化したSakana AIの最新モデルが登場!

2024年7月21日、Sakana AIは日本文化をリスペクトしたAIモデルを発表しました。それは……

  • 浮世絵風画像生成AI「Evo-Ukiyoe」
  • 浮世絵カラー化画像生成AI「Evo-Nishikie」

以上の2モデル!ともに日本伝統の意匠と色彩が表現できる、これまでにない画像生成AIです。(※1)

以下、そんなEvo-Ukiyoe / Evo-Nishikieの概要をみていきましょう!

「Evo-Ukiyoe」の概要

Sakana AIの「Evo-Ukiyoe」は日本語のプロンプトから浮世絵風画像が生成できる画像生成AI(Text-to-Imageモデル)です。(※1)下記のような、浮世絵ならではの風合いを再現しながら……

  • 木版印刷による輪郭線
  • 構図
  • 浮世絵的なしぐさ・表情
  • 紙・印刷の風合い
  • 劣化による味

桜 / 富士山 / 着物からパソコン / ハンバーガーまで画像生成できるのが特徴です。

このEvo-Ukiyoeのベースとなったのは、同社の画像生成AI・Evo-SDXL-JP。こちらに……

Evo-Ukiyoeのデータセット

  • 立命館大学アート・リサーチセンター所蔵の浮世絵から厳選した24,038枚
  • 大規模マルチモーダルモデルと人力で追加したキャプション

上記データセットを使ってのファインチューニング(LoRA)が施されています。

「Evo-Nishikie」の概要

一方、Sakana AIの「Evo-Nishikie」は単色摺の浮世絵から多色摺の浮世絵(錦絵)風画像を生成する画像生成AI(Image-to-Imageモデル)です。(※1)線画とその内容を示すプロンプトをもとに、錦絵風の色がついた新規画像を生成します。

こちらでは先ほどのEvo-Ukiyoeをベースに……

Evo-Nishikieのデータセット

  • 多色摺の浮世絵24,038枚
  • 上記を線画に変換したもの
  • カラー化を指定する固定のプロンプト

を使ってControlNetによる学習がが施されています。入力画像の特徴を保ったままの着彩・生成が可能です。

なお、人物画像からコスプレ写真を生成するAIモデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Evo-UkiyoeとEvo-Nishikieの使い方

ここからはEvo-UkiyoeとEvo-Nishikieの使い方を、画像付きでお伝えしていきます。まずは、Evo-Ukiyoeのデモ版の使い方から、みていきましょう!

Evo-Ukiyoe(デモ版)の使い方

Evo-Ukiyoeのデモ版は、下記リンクからログインなし・無料で使えます。

ということで、まずはこちらにアクセスしてみましょう!すると……

このように入力欄付きのデモページに移ります。あとは上図赤枠の順番に……

  1. プロンプトを入力
  2. 詳細設定

を行って「Run」ボタンを押すだけ!しばらく待つと浮世絵風の画像が生成されます。

そして、詳細設定については……

  • ネガティブプロンプト:除きたい要素の指定
  • シード値:プロンプトに対する生成物の自由度の指定

が可能です。

なお、Evo-Ukiyoeで画像生成を試す際の注意点は、下記のとおりになります。

  • 着物 / 富士山 / 桜 / 鳥…etc.浮世絵的モチーフの生成が得意
  • 逆に、コンピューター / ハンバーガー…etc.浮世絵にないモチーフは苦手
  • 人物の描き分けも苦手

→Tips:男性を生成する場合は、ネガティブプロンプトに「女性」と入れる必要がある

それでは、実際にEvo-Ukiyoeでの画像生成を試していきましょう!まずは下記のプロンプトを入力してみます。すると……

鎧兜を着た猫が龍神と戦っています。

なるほど……「鎧兜を着た猫」までは描画できましたが、龍神と戦う構図が反映されていませんね。一度文章を区切ったほうが良さそうです。

さて、気を取り直して次は下記のプロンプトを試していきます。今回は浮世絵的でないモチーフ「西洋風のドラゴン」を含め、文章を区切ってみました。気になる結果は……

大阪城があります。その上を西洋風のドラゴンが飛んでいます。

お見事です!Evo-Ukiyoeは指定したモチーフを浮世絵的に表現してくれました。

ただ、残念ながら構図までは再現できていませんね。おそらく、構図の理解は苦手分野なのでしょう。

最後に、下記のプロンプトも試してみます。すると……

アニメ風の最高のツインテール少女

残念!和風なものの浮世絵ではない画像が生成されました。これは、どちらかというと「Evo-SDXL-JP」の影響が出ていますね。

Evo-Nishikie(デモ版)の使い方

Evo-Nishikieのデモ版についても、下記リンクからログインなし・無料で利用可能。早速アクセスしてみると……

こちらも入力欄付きのデモページに移りました。ここからは、上図赤枠の順番に……

  1. 画像をアップロード
  2. プロンプトを入力(生成したい色・対象物の情報)

を行うだけで色付きの浮世絵が返ってきます。

ということで、実際に下記の浮世絵風イラスト(著者手製)とプロンプトを使って、Evo-Nishikieの実力をみていきましょう!

梅花柄の着物を着た女性が立っています。

気になる結果は……

お見事です!Evo-Nishikieは顔のパーツや着物の柄に対して、適切な色をつけてくれました。

続いては、下記の画像&プロンプトについても試してみましょう!

黄色い虎が赤い手鞠をついています。

気になる結果は……

まずまずといったところでしょうか。色がついたのは虎の上半分だけで、手鞠を含む下半分には色がついていません。

ただ、線画の再現能力については目を見張るものがありますね。

なお、落書きから美麗イラストを生成するAIモデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

最後に

いかがだったでしょうか?

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投稿者

  • Leon Kobayashi

    必ずフォローすべきAIエバンジェリスト(自称) => 元東証一部上場ITコンサル (拙者、早口オタク過ぎて性に合わず退社)<-イマココ 【好きなもの】リコリコ・しゃぶ葉 宜しくおねがいします。

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