生成AIを社内導入する方法とは?事例やメリット、注意点も解説
メディア事業部AIライターの中井です。
2022年にChatGPTが公開されてから生成AIが注目を集め、企業がAIを社内導入し業務の効率化を図るようになりました。2023年11月末の報告によると、生成AIの導入率は24%、導入を検討中の企業が30%、今後検討したいと考えている企業が26%です。
全体の企業のうち、生成AIを導入しているか検討中の企業は、なんと8割にも達しています。
これだけ生成AIに企業は注目しているのです。
しかし、生成AIの導入方法や注意点についてわからないこともあるでしょう。
そこで、この記事では生成AIを導入している事例やメリット、社内導入の際の注意点について紹介します。
最後まで読んでいただくと、生成AIの社内導入方法や注意点が理解でき安全にAIを導入できるようになります。
ぜひ最後までご覧いただき、生成AIを社内導入してみてください!
生成AIとは
生成AIとは、人間のように学習し、文章や画像などの新しいコンテンツを作り出す技術です。
このAIは、膨大なデータを分析しパターンを識別することで文章の生成や画像の作成、音声の合成などさまざまなタスクを行うことができます。特にテキスト生成に関しては、ユーザーからの指示や質問に基づいて、適切で自然な文章を生成することが可能です。
生成AIはチャットボットやコンテンツ作成、翻訳など多岐にわたる分野で応用されており、人間の作業を効率化する強力なツールとして注目されています。
なお、 ChatGPTの企業導入事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTの日本企業導入事例をまとめて紹介!業務に導入するメリットや注意点も解説
生成AIの社内導入事例
生成AIを社内導入している企業は、どのような目的でAIを活用しているのか気になりませんか?
ここでは、各企業の生成AIを導入した目的やシステムについてわかりやすく解説しています。
これから生成AIを導入しようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
パナソニックグループ
パナソニックグループは、AIアシスタントサービス「PX-GPT 」を国内の全社員、約9万人に向けて展開しました。
このサービスは、パナソニックコネクトが使用していた「ConnectGPT」をベースにしており、社内デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の一環として導入されました。
PX-GPTは、Microsoft Azure上のAzure OpenAI Serviceを活用し、社内イントラネットからアクセス可能です。また、セキュリティ面にも配慮しており、入力情報は一定期間後に削除される仕組みのため安全です。
英語での質問に対しては、より精度の高い回答が得られるため、自動翻訳機も搭載されています。この取り組みにより、パナソニックは社員の生産性向上と業務プロセスの進化を目指しています。
参考記事:AIアシスタントサービス「PX-GPT」をパナソニックグループ全社員へ拡大
LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社は、約7,000人のエンジニアに対して、GitHub社のAI支援ツール「GitHub Copilot for Business」を導入しました。
このツールは、プログラミング作業をAIがサポートし、エラーの指摘や改善提案を行います。試験導入の結果、エンジニア1人あたりのコーディングにかかる時間が1日に1〜2時間短縮され、生産性が10〜30%向上しました。
この成功により、正式に導入することが決定されました。導入に際して、従業員はeラーニングを受けることが義務付けられ、著作権侵害を防ぐための講習も行われています。また、生成されたコードの品質を保つために、複数回のレビューを徹底するルールが設けられました。
このAIの導入により、LINEヤフーはエンジニアの効率を高め、新しいサービス開発により多くの時間を割けるようになっています。
参考記事:LINEヤフーの全エンジニア約7,000名を対象にAIペアプログラマー「GitHub Copilot for Business」の導入を開始
日清食品ホールディングス株式会社
日清食品ホールディングスは、Azure OpenAI ServiceとMicrosoft Power Platformを活用し、独自の対話型AI「NISSIN-GPT」を開発しました。
このAIは、日清食品グループの約3,600人の社員に2023年4月25日に公開されています。生成AIを開発した目的は、業務生産性を向上させ、社員が創造的な活動に注力できる環境を提供することです。
特に注目すべきは、社員が入力した情報はAI学習に利用されず、外部に漏れる心配がない点です。そのため、セキュリティを重視した安心な環境でAIを利用可能です。
さらに、情報の二次利用に関するリスクに対しては、チキンラーメンのキャラクター「ひよこちゃん」を使って注意喚起し、社員のリテラシー向上を図っています。
日清食品グループは、この最新技術を活用して業務の生産性を向上させ、創造的な活動により多くの時間を割くことを目指しています。
参考記事:セキュリティ対策を施したMicrosoft Azure上で独自システムを開発! 対話型AI「NISSIN-GPT」をグループ社員3,600人に向け4月25日(火)に公開
アサヒビール株式会社
アサヒビール株式会社は、生成AIを活用した社内情報検索システムを試験導入し、商品開発力の強化と業務効率化を目指しています。
このシステムは、主に研究開発部門の社員を対象に、9月上旬から運用を開始しています。生成AIを導入する目的は、アサヒグループ内に散在する技術情報を集約・整理し、効率的にアクセス可能にすることです。
このシステムは、丹青社が開発した「saguroot」を基にしており、社内の膨大な資料やデータを一括で検索できます。さらに、生成AIを利用して情報を要約し、検索結果を簡潔に確認できるようになっています。
この取り組みは、アサヒグループの中期経営方針の一環として、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するものです。
参考記事:生成AIを用いた社内情報検索システムを導入 研究所を中心に9月上旬から試験運用を開始
大和証券グループ
大和証券株式会社は、対話型AI「ChatGPT」を全社員約9,000人を対象に導入しました。
この取り組みは、社員の効率的な業務遂行を支援し、新たな価値の創出を目指しています。具体的には、英語での情報収集のサポートや資料作成の効率化、各種書類や企画書の草案作成を通じて社員が本来の業務により集中できる時間を創出することが期待されています。さらに、幅広い社員の使用により、さらなる活用アイデアの創出も促進されるはずです。
このような導入は、金融や資本市場における新技術への挑戦として位置付けられ、今後の展開が注目されています。
参考記事:大和証券における全社員の ChatGPT 利用開始について
生成AIを社内に導入するメリット
生成AIを社内導入するメリットは5つあります。
- 作業時間の短縮による生産性の向上
- 資料作成や文章などのコンテンツ作成が容易になる
- 単純作業に人がいらなくなる
- 24時間対応が可能
- 新しいアイデアの提案
生成AIを導入する最大のメリットは、単純作業の自動化です。
これは、従業員が単純な作業に時間を費やす必要がなくなるため、より重要な業務に集中できるようになるからです。
例えば、チャットボットを導入することで顧客からの問い合わせ対応が自動化され、従業員は他の重要な仕事に時間を使えます。
さらに、データ分析や資料作成の作業時間が短縮され、AIの24時間対応能力により生産性が全体的に向上します。
結果として、これらが改善されることで企業の成長に繋がります。
なお、 ChatGPTの企業利用するリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説
生成AI社内導入時の注意点
生成AIの社内導入時に注意するべきことが3つあります。
- 情報漏洩の危険性がある
- 間違った情報を生成する可能性がある(ハルシネーション)
- 著作権侵害の可能性がある
生成AIを導入時には、特に情報漏洩には注意しなければなりません。
AIがアクセスできるデータには、機密情報が含まれる可能性があり、これらの情報が外部に漏れる危険性があります。そのため、データのセキュリティとプライバシーを守るための強固なシステムが必要です。
また、生成AIは間違った情報を出力することがあり、AIによる出力は必ずチェックすることが重要です。
さらに、AIが生成したコンテンツが著作権を侵害している可能性もあるため、法的な問題を避けるためにも著作権状況の確認が必要です。海外では、訴訟に発展しているケースもあり、注意が必要です。
生成AIを社内に導入する方法
生成AIを社内導入する方法は以下の通りです。
- 生成AIの利用目的の明確化:どのような目的で生成AIを使用するのかを定める
- AIに委ねる業務を選定:AIによって自動化したい業務一覧を作成
- AI管理体制の確立:AIの運用に関するガバナンスの枠組みを設ける
- 適切な生成AIツールの選択:社内で使用する具体的な生成AIツールを決定
- 実施と継続的な改善:AIを実際に運用し、その結果をもとに改善を行う
上記のようなステップで導入することが重要です。
生成AIを社内導入する際は、最初に利用目的を決めることです。
例えば、
- 業務改善をし生産性を向上させたい
- 人件費を減らしたい
- 24時間対応できるようにしたい
このように改善したい目的を明確にします。
次に、AIによって改善したい業務を特定し、AIの運用に関する管理体制を整えます。適切な生成AIツールを選んだ後は、実際に運用し継続的に改善を行うことが重要です。
なお、生成AIで自動化する方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→生成AIで自動化する方法!最新の企業成功事例をAIエンジニアが解説
生成AI社内導入支援サービスの活用もおすすめ!
生成AIを社内導入する際は、支援サービスを活用することをおすすめします。
なぜなら、AI導入には複雑な検討事項や注意点が多く、専門知識を持っていないと効果的な運用が難しいからです。
支援サービスを利用することで、導入プロセスをスムーズに進めることができ、社内環境に合わせた最適なAIシステムの選定や調整が可能になります。また、AIガバナンス体制の構築に関する相談もできるため、運用上の失敗を回避しやすくなります。
専門家によるサポートを受けることで、AI導入リスクを減らし、効率的かつ効果的な運用を実現することが可能です。さらに、支援サービスを利用することで、AIの最新動向や技術的なアップデートに迅速に対応でき、長期的なビジネス戦略においてもAIを最大限に活用することができるでしょう。
なお、生成AI×DXについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
→【生成AI×DX】上司が驚くスピードでDX化が進む方法をご紹介
生成AIを社内に導入し生産性を高めよう!
DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環で、生成AIを導入している企業が増えています。生成AIを導入することで、業務の効率化と生産性の向上が期待できます。
生成AIは、日常の作業を自動化し、より重要な業務に集中する時間を増やすことが可能です。しかし、生成AIの導入にはリスクも伴います。情報漏洩や著作権侵害のリスクを避けるためには、セキュリティ対策と適切な運用が不可欠です。
成功への鍵は、専門の支援サービスを利用してAI導入のリスクを最小限に抑え、効果的に運用をすることが重要です。
生成AIを効果的に活用し、生産性を向上させ、企業の成長を促進させましょう!
最後に
いかがだったでしょうか?
弊社では
・マーケティングやエンジニアリングなどの専門知識を学習させたAI社員の開発
・要件定義・業務フロー作成を80%自動化できる自律型AIエージェントの開発
・生成AIとRPAを組み合わせた業務自動化ツールの開発
・社内人事業務を99%自動化できるAIツールの開発
・ハルシネーション対策AIツールの開発
・自社専用のAIチャットボットの開発
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
➡︎生成AIを使った業務効率化、生成AIツールの開発について相談をしてみる。
「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。