【Hugging Face】メリットや機能、モデルのダウンロード方法を解説

皆さんは、Hugging Faceというプラットフォームをご存知でしょうか?
生成AIを利用している方であれば、一度は名前ぐらい聞いたことがある方も多いと思います。しかし、「海外のサイトだし怪しそう」や「Hugging Faceって結局何ができるの?」などの疑問があり、使ったことがない方は多いのではないでしょうか。
今回は、そんなHugging Faceを使うメリットや機能についてご紹介します。最後までお読みいただくと、Hugging Faceについて詳しく理解できるので、ぜひ最後までお読みください。
Hugging Faceとは

Hugging Faceとは、2016年に設立されたサービス名と同じHugging Faceという会社が提供するAI特化のオープンソースプラットフォームです。
主な機能としては、開発者などが作成したAIモデルやデータセットを共有し、その他ユーザーのAI開発や機械学習をサポートするためのツールを提供しています。
このプラットフォームは単純にツールを提供するプラットフォームではなく、AIコミュニティが盛んなプラットフォームでもあるので、開発者はユーザーからフィードバックを受けることができたり、ユーザー側は不具合や要望等があれば気軽に開発者に問い合わせることができます。
また、Hugging Faceに公開されているモデルやデータセットに関しては、簡単に導入できるように大幅に簡素化されており、これまで複雑だった導入作業がたった数行のPythonコードで適用できるようになりました。
2024年8月20日の公式のXでの発表によると500万人以上が利用しており、今やAI開発には欠かせない存在です。※1
なお、AIモデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Hugging Face社とは
Hugging Face社は設立当初チャットボットの開発を行う企業でしたが、現在は事業方針を変更し、主力事業としてAI開発や機械学習のためのプラットフォームの運営を行っている企業です。
現在のHugging Face社は大きく分けて下記の2つのサービスを展開しています。
- 自社開発のオープンソースライブラリ(以下、「ライブラリ」という。)
- AI特化のオープンソースプラットフォーム「Hugging Face Hub」
なぜ、Hugging Faceを解説する本記事で、この企業が展開するサービスを紹介するかというと、Hugging Faceを利用する上で、この「ライブラリ」が大きく関係しているからです。
簡単に説明すると、「ライブラリ」でAIシステム開発ツールを提供し、ライブラリを利用して作られたモデルやデータセットを「Hugging Face Hub」で保管・共有するという仕組みになっているからです。
Hugging Face社が提供するライブラリ

前述の通り、Hugging Faceで保管・共有されているモデルやデータセットは、このライブラリを使って開発されたものです。
まずは、Hugging Face社が提供する代表的な5つオープンソースライブラリについて解説します。
Transformersライブラリ
Transformersライブラリでは、自然言語や画像、音声データに特化したモデルが提供されており、これらのモデルは大規模なデータセットで事前学習されているため、そのまま使用しても高い精度を誇っています。
また、PyTorch、TensorFlow、JAXといった有名なディープラーニングのライブラリと一緒に使うことができるので、効率的にAI開発を進めることできるでしょう。
さらに、BERTやGPT-2、Wav2Vec 2.0のような有名なモデルの実装を含んでいるため、機械学習やディープラーニングに携わるユーザーから人気のあるライブラリです。
Tokenizersライブラリ
Tokenizersライブラリは、プログラミング言語のRustで作られていることもあり、テキストの文字列をモデルに使用するために最小単位で分解する「トークン化」をシンプルなコードで行えるライブラリです。
単にトークン化されるだけではなく、使用するモデルに必要な情報となるスペシャルトークンを入力テキストに追加することも可能です。
このように、Tokenizersライブラリはさまざまなモデルのトークン化を簡単かつ高速に行うことができるように設計されたライブラリといえるでしょう。
Diffusersライブラリ
Diffusersライブラリは、特に画像や音声、分子の3D構造を生成するための、最先端の事前学習済みDiffusion Model(拡散モデル)を提供するライブラリです。
Hugging Faceで公開されている画像生成に関する学習済みモデルを簡単に呼び出すことができるという特徴を持っており、主に画像生成や画像編集、データ拡張などのタスクに使用されています。
また、音声認識や分子の3D構造の生成もできるため、Diffusersライブラリを使うことでさまざまなタスクを効率よくこなすことができます。
Accelerateライブラリ
Accelerateライブラリとは、CPU、GPU、TPUなどの異なる環境の計算リソースを共通のコードで処理できるライブラリです。
Accelerateライブラリを活用することで、異なる計算リソースを共通のコードで処理が行えるため、プログラムの実行環境をコード修正せずに変更することができます。
それだけではなく、4行のコードを追加するだけで簡単に学習や大規模なトレーニングと推論が行うこともできるため、異なる環境のリソースを活用して学習したい場合や、CPU、GPU、TPUなどの環境を切り替えを簡単に行いたい時に便利です。
Datasetsライブラリ
Datasetsライブラリでは、AI開発や機械学習に必要となるさまざまなデータセットが公開されており、公開されている音声、画像、テキストなどの学習用データセットへのアクセスが1行のシンプルなコードで読み込むことができます。
Datasetsライブラリを活用することでデータセットを簡単にダウンロードが出来て、機械学習のトレーニング用にデータを素早く準備することできます。
それだけではなく、データの変換やフィルタリングなどの前処理機能も搭載されているので、より効率的に機械学習を行うことが可能です。
なお、生成AI開発ツールについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Hugging Face Hubの機能
次に、プラットフォームであるHugging Face Hubの機能についてご紹介します。
主に「Models」「Datasets」「Spaces」「Docs」の4つの機能が利用できるため、それぞれの機能についてみてみましょう。
Models
Hugging Face HubのModelsでは、自然言語処理や画像認識、音声認識などのモデルを公開・検索することが可能です。
これらのモデルは、トレーニング済みの高品質なモデルなので、自身の環境に取り組むことで開発時間を短縮しつつ、コストも抑えながらアップデートができます。
また、それぞれのモデルには、モデルの説明やライセンス、モデルソースなどのAIモデルの詳細について確認できる「Model card」や、そのAIモデルを使ったユーザーが使用感やトラブル発生時の対応方法などを投稿した「Community」があるので、あまり技術力がない人でも公開されたAIモデルが利用できるような仕組みになっています。
Datasets
Hugging Face Hubにはモデルの他に、自然言語処理や画像認識、音声認識などのさまざまなタスクに対応可能なデータセットも公開されており、Datasets機能を活用することでそれらも自由に利用することができます。
Datasetsに関しても、データセットの説明やライセンスなどが記載された「Dataset card」や「Community」が備えられているので、Modelsと同様にあまり技術力がない人でも公開されたデータセットが利用できるような仕組みになっています。
Spaces
Spacesでは、クラウド環境でAIモデルのデモを作成して共有することができます。
これにより、ユーザー側は本番環境への導入前にモデルの動作や仕様について確認できますし、開発者側は自分が公開しているモデルをアピールすることが可能です。
デモを公開するには、Hugging Faceの有料プランへの加入が必要となりますが、仮想CPUと16GBのメモリ、50GBのストレージは無料で利用できるため、小規模モデルの公開であれば追加料金なしでデモを公開することをできます。
Docs
Docsでは、Hugging Faceに関するサイト内の機能を学ぶことができる学習コンテンツが公開されています。
これまで紹介してきた、ModelsやDatasetsへの公開方法やSpacesでのデモ作成方法などが網羅的に解説されているため、Hugging Faceを有効活用するためには一度目を通した方が良いでしょう。
また、公開されているモデルやデータセット、ライブラリについても詳しく解説されているため、ユーザーはその情報をもとに、自社にあったリソースを選択することができます。
Hugging Faceのモデル一覧
Hungging Faceには多くのモデルが存在し利用シーンに合わせたものを選べる特徴があります。主なモデルを解説します。
モデル名 | 主な用途 |
---|---|
BERT | 双方向の文脈を考慮してテキストを理解するモデルで、検索エンジンや質問応答システムなどに活用されています |
GPT-3 | OpenAIが開発した大規模な自然言語処理モデルで、文章生成や翻訳、コード生成など幅広い用途で利用されています。 |
T5 | Googleが開発したNLPモデルで、文章要約や翻訳、質問応答などを「入力テキストを出力テキストに変換する」形式で処理するのが特徴です。 |
RoBERTa | BERTを改良したモデルで、大規模データでの事前学習を強化し、自然言語処理タスクの精度を向上させています。 |
Stable Diffusion | 画像生成AIモデルで、テキストから高品質な画像を生成できます。アート制作やデザインなど幅広い分野で活用されています。 |
ここで紹介したモデル以外にも多くのものが用意されています。自分の希望に合ったモデルがあれば、AI開発を効率よく行えます。自分の希望するモデルがあるか調べてみるのがおすすめです。
Hugging Faceを活用するメリット

ここまで、Hugging Faceについて紹介してきましたが、これらの機能を活用することでどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。
Hugging Faceを活用するメリットについてご紹介します。
コスト削減につながる
Hugging Faceを活用すれば、さまざまなモデルが用意されているため、技術力のない人でもAIを導入することができるようになります。
これにより、外部のエンジニアなどへの外注費を削減できます。
さらに、AIの導入作業を自社のエンジニアが行なっている企業に関しても、Hugging Faceに公開されているデータセットなどを活用することで、0から環境構築するよりも早く環境構築することが可能です。
このように、外注費や時間といったコストに関わる部分を削減することができます。
開発したモデルのフィードバックを得ることができる
開発者は、Hugging Faceに自分で作成したモデルやデータセットを公開することで、ユーザーからフィードバックを得ることができます。
これにより、本来自分で行うべきデバック作業の一部を短縮することが可能です。
例えば、不具合箇所の報告だったり、あるいはプログラミングに詳しいユーザーであれば、修正案を提示してくれることもあるでしょう。
このように、Hugging Faceに公開することで、いろんな人の目に触れるためより完成度の高いモデルを作成することが可能となります。
なお、ノーコード開発について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

この記事では、この組み合わせのメリットとおすすめツールを紹介しています。
最後まで読むと、業務効率化のための具体的な手段がわかります。
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Hungging Faceモデルのダウンロード方法

Hungging Faceを使うためにはモデルのダウンロードが必要です。ダウンロード方法は以下の流れで実施します。
- ダウンロードしたいモデルを開く
- 「License」タブをクリックし、ライセンス情報を確認
- 「Files」タブを開く
- 対象のファイルの右側にある「ダウンロードアイコン」をクリック
- ダウンロードが開始される
これでHungging Faceモデルのダウンロードは完了です。実際に利用できるか確認してみましょう。
Hungging Faceの商用利用
Hungging Faceの商用利用は、基本的には可能です。しかし、モデルやデータセットのライセンスによって異なるため、気をつける必要があります。Hungging Faceの商用利用で気をつけるべきポイントを解説します。
- 基本的には商用利用可能だが、ライセンスの確認が必要。
- ライセンスによっては、著作権表示や改変禁止などの条件が付く場合がある。
- ファインチューニングを行う場合は、そのデータセットにも商用利用可能なライセンスが必要です。
商用利用可能かどうかは、これらの内容を確認するようにしましょう。
Hungging Faceの安全性

Hungging Faceを活用することで、AI開発を効率よく進められるツールが多くあります。しかし、バックドアが仕組まれていたり、侵入リスクがあったりするなどとして、DevOpsツールを提供しているJFogが発表しました。侵入されると、システム上の重要な情報にアクセスされ、個人や企業の情報が漏えいする可能性が高くなってしまいます。
この状況はHungging Faceだけに限ったものではなく、他の機械学習モデルでも発生する可能性が高いため、利用者側も対策する必要があります。実際にHungging Faceで実施しているセキュリティ対策は以下のとおりです。
- マルウェアスキャン:安全でないファイルをダウンロードする前には警告文を出す仕組みを導入し、リポジトリ所有者へ削除をすすめる。
- Pickleスキャン:リポジトリ内でPickleファイルの中身を表示・確認できる機能により、危険性を事前に把握できる。
- シークレットスキャン:環境変数へシークレットキーなどを設定していないかを検知する機能。
なお、生成AIのセキュリティリスクについて詳しく知りたい方は、以下の記事を合わせてご確認ください。

Hugging Faceは生成AIの可能性を広げるプラットフォーム

これまでご紹介した通り、Hugging Faceは開発者・ユーザーともにメリットが得られるプラットフォームです。
もちろん、ライセンスや使用するモデルの参照元などの確認を怠ってしまえば思わぬリスクに発展する可能性はありますが、Hugging Faceのシステムやライセンスなどについて、正しい知識をつけ、利用前に確認を怠らなければ事前にリスクを軽減できます。
Hugging Faceは、いろんなAIモデルやデータセット、機能を搭載した生成AIにおける最強のプラットフォームなので、生成AIをより便利に利用したいと考えている方は、一度Hugging Faceへアクセスしてみてはいかがでしょうか。

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最後に
いかがだったでしょうか?
「Hugging Face」を活用すれば、AI開発のスピードや効率を高め、コスト削減やリソースの最適化が可能。独自のAI導入を検討している方には、ぜひ試してみてください。
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