確定申告は生成AIで効率化できる!活用方法やおすすめツールをわかりやすく解説

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押さえておきたいポイント
  • 生成AIを使えば、領収書の整理や経費の仕分けなどの前準備を大幅に効率化できる
  • ChatGPTやGeminiなどの無料ツールでも確定申告の下準備に活用可能
  • 最終的な申告書の作成や提出は人間が責任を持って行う必要がある

確定申告の時期になると、領収書の山や経費の仕分けに頭を抱える人も多いのではないでしょうか。

マネーフォワードが2026年2月に実施した確定申告とAI活用に関する意識調査によると、確定申告にAIを活用すれば精神的負担が減ると回答した人は全体の6割にのぼりました。一方で、実際にAIを使ったことがある人は約2割にとどまっています。

今回は、生成AIを確定申告に活用する具体的な方法やおすすめツール、注意点を網羅的に解説します。

\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/

目次

確定申告は生成AIで楽にできる!

確定申告とは、1年間の所得や経費を税務署に報告し、正しい税額を計算して納税するための手続きのことです。サラリーマンであれば会社が年末調整を行うため不要なことも多いのですが、個人事業主やフリーランス、副業で一定の所得がある方は毎年対応が必要になります。

確定申告において最も手間がかかるのは、申告書の作成そのものではなく、その前に行う書類整理です。領収書を1枚ずつ確認して仕分けたり、交通費の履歴から業務分を抜き出したり、各サービスの請求書を月別にまとめたりと、申告書作成の前段階にある準備作業に膨大な時間がかかります。

ChatGPTのトップページ
参考:https://chatgpt.com/

そこで登場するのが生成AIです。ChatGPTGeminiといった生成AIは、テキストだけでなく画像や動画も処理できるマルチモーダルな能力を備えています。

これにより、領収書の画像を読み取って経費一覧を自動生成したり、交通費データから業務利用分だけを抜き出したりと、これまで手作業で数時間かかっていた準備を数分で完了させられるようになりました。

ただし、生成AIは補助ツールに過ぎません。税額の計算や申告書の最終確認、e-Taxでの提出は人間が責任を持って行う必要があります。生成AIの強みと限界を理解して活用することが、確定申告を効率化するための第一歩です。

なお、生成AIによる副業について勉強したい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。

確定申告に生成AIを取り入れるメリット

e-Taxのトップページ
参考:https://www.e-tax.nta.go.jp/

確定申告に生成AIを取り入れることで、作業面や精神面の両方で大きなメリットが期待できます。とくに個人事業主やフリーランスの方にとって、毎年繰り返される経費整理は大きな負担です。生成AIはこの負担を軽減するための実用的な手段として注目を集めています。

  • 書類整理の時間を大幅に短縮できる
  • ヒューマンエラーを減らせる
  • 24時間いつでも作業を進められる
  • 精神的な負担を軽減できる

特に、経費整理や仕分け作業の時間短縮が最大のメリットです。以下で、それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

書類整理の時間を大幅に短縮できる

生成AIを使えば、領収書やレシートの整理にかかる時間を大幅に短縮できます。今まで1枚ずつ目で確認して手入力していた作業を、生成AIが画像解析や動画解析によって一括処理してくれるためです。

たとえば、Geminiに請求書のPDFをまとめてアップロードすれば、日付 / 金額 / 支払先 / 勘定科目などを表形式で一覧化してくれます。

会計ソフトへの入力前に行う仕分けの下準備こそ、生成AIが最も力を発揮する領域です。

ヒューマンエラーを減らせる

手作業で経費データを入力していると、金額の打ち間違いや分類ミスが起こりがちです。生成AIは一定のルールに基づいて処理を行うため、入力ミスのばらつきを減らす効果があります。

ただし、生成AIでもミスが起こる点は理解しておきましょう。たとえば、プライベートの支出を経費と判断してしまうケースや、勘定科目の提案が不適切なケースもあります。

生成AIがミスをゼロにするのではなく、ミスの種類が変わると捉え、最終チェックは人が行うことが大切です。

24時間いつでも作業を進められる

生成AIは、時間を問わず利用できることも大きなメリットです。税理士への相談は営業時間内に限られますが、ChatGPTやGeminiなら深夜でも早朝でも疑問点を相談できます。たとえば、「この支出は経費として計上できるか?」「勘定科目は何が適切か?」といった基本的な質問であれば、生成AIが即座に参考意見を返してくれます。

参考意見の範囲にとどまるものの、作業が中断することなく、申告をスムーズに進められるのは実用的なメリットです。

生成AIでできる確定申告の作業

生成AIでできる確定申告の作業

生成AIは確定申告のすべてを自動化できるわけではありませんが、前準備から申告書作成の補助まで幅広い作業をサポートしてくれます。

自分の確定申告で手間を感じている工程があれば、生成AIで効率化できないか検討してみてください。

スクロールできます
概要活用例生成AIの活用度
領収書・請求書の整理画像・PDFから表形式に一覧化 
勘定科目の仕分けAIの提案を参考に人が判断
交通費の抽出・集計Suica等の履歴データから業務分を抽出
控除対象の検討該当しそうな制度をリストアップ
申告書の下書き項目の記載例を参考にできる
e-Taxでの提出AIでは対応不可
確定申告における生成AIの活用度一覧

領収書・請求書の整理と経費の一覧化

生成AIが最も得意とするのが、バラバラな形式の領収書や請求書を統一された表形式に整理する作業です。

たとえば、GoogleドライブにPDF形式の請求書をまとめてアップロードし、Geminiに指示すれば、数秒で経費一覧表が完成します。スプレッドシートへの出力もワンクリックで行えるため、会計ソフトへの取り込みまでスムーズに連携できます。

また、レシートを動画で一括撮影してGeminiにアップロードし、「日付・支払先・金額・品目・勘定科目を表形式でまとめてください」と指示する方法も有効です。1枚ずつスキャンする手間を省き、机に広げたレシートをスマートフォンで撮影するだけで整理が完了します。

交通費の抽出と集計

Suicaの利用履歴から交通費だけを抜き出す作業も、生成AIで効率化できます。Suicaの履歴にはコンビニや自販機の利用も含まれるうえ、入出場が1行にまとまっていないため、手作業で交通費を計算するには1件ずつの確認が必要でした。

この作業も、履歴データをテキスト化して生成AIにアップロードし、「物販・VIEW・オートチャージを除いた交通費のみを抜き出し、前後の残額から交通費を算出してください」と指示するだけで完了します。数時間かかっていた作業が数分で終わるケースも珍しくありません。

勘定科目の仕分けと妥当性チェック

「ガソリン代は何費に入れるべき?」「カフェでの打ち合わせ費用は?」といった勘定科目の判断も、生成AIに相談できます。経費一覧表をそのまま渡して、勘定科目の提案や妥当性チェックを依頼することも可能です。

ただし、AIは事業に必要かどうかという事実認定まではできません。たとえば、家族との外食を会議費と判断してしまう可能性もあります。AIの提案は参考意見にとどまるため、最終判断は自分自身で行うことを忘れないようにしましょう。

控除対象の検討

生成AIに自身の状況を伝えることで、該当する可能性のある控除制度をリストアップしてもらえます。

たとえば、「フリーランスのデザイナーで、自宅の一部を仕事場にしている」と伝えれば、青色申告特別控除や家事按分、小規模企業共済などの候補を提示してくれます。すべての制度を把握するのは難しいため、見落としをふせぐ手段として有効です。

実際に生成AIで確定申告してみた!

Geminiのトップページ
参考:https://gemini.google/about/

ここでは、実際に生成AIを使って確定申告の下準備を行う手順をステップ形式で紹介します。

使用するのはGoogleが提供するGeminiの無料版です。特別なツールの導入や有料プランへの加入は不要なので、Googleアカウントさえあればすぐに試せます。

以下の3ステップで紹介していきます。

請求書から経費一覧表を作成する

サンプルの請求書
請求書をドライブに保存

まず、月々のサブスクリプション費用や各種請求書をGoogleドライブのフォルダにまとめてアップロードします。

次に、Geminiのチャット画面を開き、以下のプロンプトを入力します。

フォルダの請求書のデータを一覧表にします。通番、請求日付、金額、消費税額、請求元、ソースとなるPDFファイルへのリンクURLを表形式の一覧表にしてください。
Geminiでドライブを選択
Geminiの請求書結果を出力
Googleドキュメントへのエクスポート

Geminiが請求書の内容を読み取り、ファイル名を変更する必要もなく、必要な項目を抜き出して表形式で出力してくれます。「Googleドキュメントにエクスポート」をクリックすればそのまま取り込むこともできます。

Suicaの利用履歴から交通費を抽出する

Suicaの利用履歴のサンプルファイル

次に、Suicaの利用履歴から業務用の交通費だけを抽出します。モバイルSuicaの会員メニューやJR東日本アプリから履歴データをダウンロードし、テキストエディタに貼り付けてプレーンテキスト(.txt)で保存します。

保存したファイルをGeminiにアップロードし、以下のプロンプトを入力します。

このデータから、交通費のみを抜き出し、Excelでインポートできるようにしたいです。種別が「物販」「VIEW」「オート」に該当するものを省き、交通費だけ残るようにしてください。また、前後の残額から交通費を算出し、項目として付け加えてください。
Suicaの読み取り結果

AIが交通費のみを抽出し、CSV形式で出力してくれます。出力結果は念のため目視で確認することをおすすめしますが、これだけで数時間の手作業が数分で完了します。

スプレッドシートへエクスポート

また、「Googleスプレッドシートへエクスポート」を押すことで、スプレッドシートにそのままエクスポートすることができます。計算がしやすく、他サービスへも移行しやすくなるためおすすめです。

経費一覧のファクトチェックを実施する

生成AIが作成した経費一覧は、そのまま鵜呑みにせず必ず人の目で確認しましょう。とくに以下のポイントをチェックします。

  • 金額が請求書の原本と一致しているか
  • 勘定科目の提案が適切か
  • プライベートの支出が混ざっていないか
  • 消費税額の計算に誤りがないか

チェックが完了したら、修正した一覧表を会計ソフトにインポートして仕訳入力を行います。生成AIはあくまで下準備の補助として活用し、最終的な数字の確認は人間が行うことを徹底しましょう。

なお、Geminiは画像生成でも大きな力を発揮します。詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。

生成AIで確定申告するときの注意点

生成AIは確定申告を効率化してくれる便利なツールですが、**税務の世界にはAIだけでは対処できない壁**が存在します。とくに、税法は毎年改正があるうえ、個人の状況によって適用できる制度が異なるため、AIの回答のみに頼ることは危険です。

実際に、AIが提示した控除制度がすでに廃止されていたケースや、AIの勘定科目の提案が不適切だったケースも報告されています。以下の4つの注意点をしっかり理解したうえで活用しましょう。

AIの回答をそのまま信じない

生成AIは、事実とは異なる情報をもっともらしく回答するハルシネーションを起こすことがあります。とくに税務の分野では、すでに廃止された制度を根拠にしたり、存在しない特例を提示したりするケースが報告されています。

AIの回答はあくまで参考意見として扱い、税額控除や特例措置などお金に直結する情報は、必ず国税庁の公式サイトや専門家の情報で確認をしましょう。「AIがこう言ったから」は言い訳にはなりません。

個人情報・機密情報の入力に注意する

多くの無料AIサービスでは、入力したデータがAIモデルの改善に使われる可能性があります。取引先の名称や具体的な金額、マイナンバーなどの機密性の高い情報をそのまま入力するのは情報漏洩のリスクがある点を理解しておきましょう。

対策として、金額はレンジで入力する(例: 100万〜150万円)、固有名詞は仮名に置き換えるなどの工夫が有効です。利用するAIツールのデータ保存・学習ポリシーも事前に確認しておくことをおすすめします。

最終的な判断と責任は人間にある

生成AIはあくまで補助ツールであり、申告書にハンコを押す(送信する)のは納税者自身です。「これを経費に入れるか」「この特例を使うか」といった最終判断は、経営判断そのものであり、AIに委ねるべきではありません。

AIが提案した内容をそのまま使って誤った申告を行った場合でも、追徴税額を含む責任を問われるのは利用者本人です。迷ったときは税理士や専門家に相談することを強くおすすめします。

よくある質問

生成AIで確定申告を完全に自動化できる?

2026年3月3日時点では、確定申告の完全自動化はできません。生成AIが得意なのは領収書の整理や経費の一覧化、勘定科目の提案などの前準備です。

一方、e-Taxでの最終的な入力や確認、送信、税額の正確性チェックは必ず人が行う必要があります。

国税庁の確定申告書等作成コーナーやマネーフォワードなどの市販の会計ソフトと組み合わせ、AIには前準備を任せて最終チェックは自分で行うという使い分けがおすすめです。

無料の生成AIでも確定申告に使える?

無料版でも十分に活用できます。ChatGPTやGeminiの無料プランでも、経費の整理や勘定科目の相談、控除制度の概要確認などが可能です。

本記事で紹介した請求書の一覧化や交通費の抽出も、無料プランの範囲内で実施できます。ただし、無料プランでは一度にアップロードできるファイル数やデータ量に制限がある場合もあります。

ただし、大量の請求書を一括処理したい場合や、高精度な画像解析が必要な場合は有料プランの検討がおすすめです。

生成AIに確定申告のデータを入力してもセキュリティは大丈夫?

AIサービスによってデータの扱いは異なるため、利用前に各ツールのプライバシーポリシーを必ず確認しましょう。マイナンバーや口座番号などの高度に機密性のある情報は入力を避け、金額はレンジ表記にする・固有名詞は仮名に置き換えるなどの対策が有効です。

また、入力データがAIモデルの学習に使われるかどうかも確認しておくべきポイントです。

AIが間違った税務アドバイスをした場合、誰の責任になる?

申告内容の責任は、すべて納税者本人にあります。生成AIの回答に基づいて誤った申告を行い、結果として過少申告になった場合でも、追徴課税や延滞税を含む責任を問われるのは利用者自身です。

とくに、税額控除や特例措置などお金に直結する判断については、必ず国税庁の公式情報や税理士の確認を経てから申告書に反映しましょう。生成AIは下準備の補助に留め、最終判断は人が行うようにしましょう。

その他の生成AIを活用したおすすめ業務効率化テクニック4選

スクロールできます

見積作成
過去の見積例を参考に、見積もり案を生成。成約率&生産性UPが期待できる。
生成AI×見積作成の解説はこちら

購買業務
生成AIを使うことで属人化や情報整理の負担といった慢性的な課題を解決できる可能性がある。
生成AI×購買業務の解説はこちら

プロジェクトマネジメント
生成AIをプロジェクトマネジメントに取り入れることは、成功率を高めるための有力な選択肢のひとつ。
生成AI×プロジェクトマネジメントの解説はこちら

事業計画作成
事業計画書の作成も生成AIに任せれば、すぐにハイクオリティなものができあがる。
生成AI×事業計画の解説はこちら
生成AIを活用した業務効率テクニック

生成AIの導入方法はこちらをチェック

まとめ

確定申告で最も労力がかかるのは、申告書の作成そのものではなく、その手前にある領収書の整理・交通費の抽出・経費の仕分けといった前準備です。

生成AIは、面倒だけど単純な作業を補助してくれる強力なパートナーです。GeminiやChatGPTといった無料ツールでも、請求書の一覧化や交通費の抽出は十分に対応可能です。

ただし、最終的な申告書の確認・提出・税務上の判断は、必ず人が行いましょう。生成AIはあくまで「下準備を効率化するツール」であり、税務の責任まで肩代わりしてくれるものではありません。生成AIの力をうまく借りながら、確定申告の負担を少しでも軽くしてみてください。

WEELが“失敗しないAI導入”を伴走します。

最後に

いかがだったでしょうか?

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監修者田村 洋樹

株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。

これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。

投稿者

  • WEEL Media部

    株式会社WEELが運営する生成系AI関連メディア「生成AI Media」は、AIの専門家によるWebメディアです。 AIに特化した編集部がAIの活用方法、導入事例、ニュース、トレンド情報を発信しています。

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